「職務経歴書にも志望動機の欄は必要?」「履歴書にも書いたのに、職務経歴書にも書くべき?」と迷い、書き方を調べている方も多いのではないでしょうか。
職務経歴書に志望動機の欄は必須ではありません。ただし、履歴書の欄が小さい場合や、応募先との接点を強く伝えたい場合は、職務経歴書の末尾に欄を設けて書くと効果的です。 書くときは、これまでの経験と応募先の仕事をつなげて書くことが大切です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、職務経歴書の志望動機欄の必要性や書く位置、書き方、職種別の例文を解説します。
職務経歴書に志望動機の欄は必要?
結論として、職務経歴書に志望動機の欄を設けるかどうかは、応募者が自由に判断してかまいません。 職務経歴書には決まった書式がなく、志望動機は履歴書に書くのが一般的です。
一方で、職務経歴書に志望動機の欄を設けると、経験と志望理由を一つの書類で伝えられるという利点があります。履歴書と職務経歴書の志望動機欄には、次のような違いがあります。
| 観点 | 履歴書の志望動機欄 | 職務経歴書の志望動機欄 |
| 欄の有無 | 書式にあらかじめ欄があることが多い | 決まった欄はなく、自分で設ける |
| 書ける分量 | 欄の大きさに限られる | ある程度自由に調整できる |
| 書く内容 | 志望理由の要点を簡潔に書く | 経験と結びつけて具体的に書ける |
| 読まれ方 | 基本情報とあわせて読まれる | 職務経歴を読んだ流れで読まれる |
職務経歴書の志望動機は、職務経歴を読んだ直後に読まれます。そのため、「この経験を持つ人が、なぜ当社を選んだのか」が伝わりやすいのが特徴です。
職務経歴書に志望動機を書くメリットと注意点
職務経歴書に志望動機を書くと、伝えられることが増える一方で、書き方次第では逆効果にもなります。書くかどうかは、メリットと注意点の両方を踏まえて判断しましょう。
書くメリット
・経験と志望理由をつなげて、説得力のある形で伝えられる
・履歴書の欄に書ききれなかった内容を補える
・応募先ごとに内容を調整していることが伝わる
・面接で志望動機を聞かれたときの話の土台になる
注意点
・どの企業にも使えるような内容だと、かえって印象が弱くなる
・履歴書と同じ文章を書くと、読み手に手抜きの印象を与えやすい
・長く書きすぎると、職務経歴の内容が目立たなくなる
相談の現場では、「職務経歴書にも志望動機を書いたほうが熱意が伝わると思い、長文を書いてしまった」という声をよく聞きます。採用担当者が職務経歴書で最も知りたいのは、これまでの経験です。志望動機は、経験を引き立てる補足と考えて、簡潔にまとめましょう。
志望動機の欄を設ける位置とレイアウト
職務経歴書に志望動機を書く場合は、書類の末尾、自己PRの後に「志望動機」という見出しで欄を設けるのが一般的です。
職務経歴書の基本的な構成は、次のとおりです。
- 職務要約
- 職務経歴
- 活かせる知識・スキル
- 資格
- 自己PR
- 志望動機(設ける場合)
職務経歴を読んだあとに志望動機を読む流れにすると、採用担当者は「この経験を、当社でどう活かしたいのか」を自然に理解できます。冒頭に志望動機を置くと、肝心の経験が後回しになるため避けましょう。
レイアウトは、ほかの項目と同じ文字の大きさと見出しの形式にそろえます。分量は全体の中で目立ちすぎないよう、数行から10行程度に収めると読みやすくなります。
職務経歴書の志望動機を書く5ステップ
職務経歴書の志望動機は、次の5ステップで書くと、経験と志望理由がつながった内容になります。
1. 転職で実現したいことを整理する
まずは、転職で何を実現したいのかを言葉にします。「上流工程に携わりたい」「自社製品の開発に関わりたい」など、具体的に書き出しましょう。
2. 応募先の事業と仕事内容を調べる
次に、応募先の事業内容や製品、求人票に書かれた仕事内容を確認します。応募先ならではの特徴を、少なくとも1つは見つけておきましょう。
3. 自分の経験との接点を見つける
これまでの経験の中から、応募先の仕事に活かせるものを探します。この接点こそが、職務経歴書に志望動機を書く最大の意味です。
4. 結論から順に文章にまとめる
「志望理由→根拠となる経験→入社後に活かしたいこと」の順に文章にします。結論を先に書くと、短い文章でも伝わりやすくなります。
5. 履歴書の志望動機と見比べて調整する
最後に、履歴書の志望動機と見比べます。同じ文章になっていないか、内容が食い違っていないかを確認しましょう。
5つのステップを踏めば、どの応募先にも同じ考え方で志望動機を作れます。書類づくりの進め方や職種研究に役立つ情報は、LINEでもお届けしています。まずは情報だけ受け取りたい方も、気軽にご利用ください。
志望動機の構成と分量の目安
職務経歴書の志望動機は、3つの要素で構成し、200〜300字程度にまとめるのが目安です。 長く書くより、要点を絞ったほうが印象に残ります。
| 構成要素 | 書く内容 | 書き方の例 |
| 志望理由 | なぜこの企業・職種を選んだのか | 自社製品の開発に、設計から関わりたいと考えています |
| 根拠となる経験 | 志望理由につながるこれまでの経験 | 前職では、○○の設計を○年担当してきました |
| 入社後に活かしたいこと | 経験をどう活かして貢献したいか | この経験を活かし、製品の品質向上に貢献したいと考えています |
この3つの要素がそろっていれば、短い文章でも「なぜ応募したのか」「何ができるのか」が伝わります。
【職種別】職務経歴書の志望動機の例文
ここでは、エンジニアの職種別に例文を紹介します。自分の経験や応募先に合わせて、内容を書き換えて使ってください。
客先常駐から自社開発企業へ転職する場合
貴社を志望したのは、自社サービスの開発に、長く腰を据えて関わりたいと考えたためです。前職では客先常駐の形で、業務システムの設計と開発を5年間担当してきました。案件ごとに担当が変わる中で、一つのサービスを利用者の声を聞きながら育てていく仕事に携わりたいと考えるようになりました。これまでの設計経験を活かし、サービスの機能改善に貢献したいと考えています。
社内の情報システム担当を目指す場合
貴社を志望したのは、社内の業務改善に、システムの面から直接関わりたいと考えたためです。前職では、取引先の業務システムの運用と保守を担当してきました。利用者から直接要望を聞き、改善につなげる仕事にやりがいを感じてきました。この経験を活かし、貴社の業務効率化に貢献したいと考えています。
機械設計エンジニアの場合
貴社を志望したのは、産業機械の設計に、構想段階から携わりたいと考えたためです。前職では、装置部品の詳細設計を4年間担当し、設計の見直しによって部品点数の削減に取り組んできました。貴社では設計の上流から関われると伺い、これまでの経験をより広く活かせると考えました。
未経験からエンジニアを目指す場合
貴社を志望したのは、業務システムの開発を通じて、現場の課題解決に関わりたいと考えたためです。前職の営業事務では、表計算ソフトの関数を使って集計作業の手間を減らし、業務の効率化に取り組みました。この経験からシステム開発に関心を持ち、独学で学習を続けています。現場の業務を理解する視点を活かし、使いやすいシステムづくりに貢献したいと考えています。
志望動機がうまくまとまらないときは
「経験と応募先がどうつながるのか、自分ではわからない」という方も、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、伝わる志望動機を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。
履歴書と志望動機が重複するときの書き分け方
履歴書にも志望動機の欄がある場合は、同じ文章を書かず、役割を分けて書くのがポイントです。
書き分けの基本は、次のとおりです。
・履歴書:志望理由の要点を、簡潔に書く
・職務経歴書:経験との接点や、入社後に活かしたいことを具体的に書く
たとえば、履歴書には「自社製品の開発に関わりたい」という結論を書きます。職務経歴書では、その結論に至った経験や、具体的にどう貢献したいかを補足します。こうすると、2つの書類を読んだときに内容がつながり、説得力が増します。
なお、2つの書類で志望理由が食い違うと、一貫性がない印象を与えます。書き分けるのは表現と詳しさであり、志望理由そのものは同じにしておきましょう。
書き方の注意点・よくある失敗
職務経歴書の志望動機では、次のような失敗がよく見られます。
・「貴社の理念に共感しました」など、どの企業にも当てはまる内容で終わっている
・「学びたい」「成長したい」など、受け身の表現が中心になっている
・給与や休日など、待遇面だけを理由にしている
・前職への不満が志望理由として前面に出ている
・職務経歴の内容と、志望動機がつながっていない
特に、「学ばせていただきたい」という受け身の表現は、中途採用では避けたほうが無難です。 企業は、入社後にどう貢献してくれるかを見ています。「学びたい」と伝える場合も、「学んだことを活かして何をしたいか」まで書きましょう。
私たちが企業の採用担当者と話す中でも、「職務経歴と志望動機がつながっている人は、入社後の姿を想像しやすい」という声をよく聞きます。志望動機は単独で考えるのではなく、職務経歴とセットで考えることが大切です。
志望動機が書けないときに見直したいこと
志望動機がどうしても書けないときは、その原因を切り分けてみましょう。原因が「書き方」にあるのか、「応募先選びや転職の軸」にあるのかで、取るべき対策が変わります。
書き方に原因がある場合は、先ほどの5ステップや3つの構成要素に沿って整理すれば、書けるようになることが多いです。一方で、応募先の魅力をどうしても見つけられない場合は、そもそも応募先と自分の希望が合っていない可能性があります。その場合は、転職で実現したいことを改めて整理し、応募先を見直すことも考えましょう。
次の質問に答えてみると、自分の転職の軸が見えやすくなります。
□ 今の仕事で、続けたいことと変えたいことは何か
□ 転職で最も優先したい条件は何か
□ 応募先の仕事内容のうち、特に魅力を感じる点はどこか
□ これまでの経験で、応募先でも活かせるものは何か
私たちは、労働条件・労働環境を独自に審査した求人のみを紹介しています。応募先選びの段階から一緒に考えることで、志望動機を書きやすい求人に出会える場合もあります。
応募先選びから、一緒に見直しませんか
志望動機が書けない理由が応募先とのずれにある場合も、市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
まとめ
・職務経歴書に志望動機の欄は必須ではないが、経験とつなげて伝えたい場合は設けると効果的
・欄を設けるときは、書類の末尾(自己PRの後)に「志望動機」の見出しで置く
・「志望理由→根拠となる経験→入社後に活かしたいこと」の順に、200〜300字程度でまとめる
・履歴書と同じ文章は避け、志望理由は同じにして詳しさで書き分ける
・書けないときは、原因が書き方か、応募先選びや転職の軸かを切り分ける
よくある質問
職務経歴書に志望動機を書かないと不利になりますか?
不利になるとは限りません。職務経歴書には決まった書式がなく、志望動機は履歴書に書くのが一般的です。ただし、履歴書に志望動機の欄がない場合や、書ききれなかった場合は、職務経歴書に欄を設けて補うと、応募先への関心を伝えやすくなります。
職務経歴書の志望動機は、何文字くらいが適切ですか?
200〜300字程度がひとつの目安です。長すぎると、職務経歴の内容が目立たなくなります。「志望理由・根拠となる経験・入社後に活かしたいこと」の3つの要素がそろっていれば、短くても十分に伝わります。
履歴書と職務経歴書で、同じ志望動機を書いてもよいですか?
同じ文章をそのまま書くのは避けましょう。手抜きの印象を与えるおそれがあります。志望理由そのものはそろえたうえで、履歴書には要点を、職務経歴書には経験との接点や入社後に活かしたいことを具体的に書くと、内容に広がりが出ます。
転職エージェント経由の応募でも、志望動機の欄は必要ですか?
必須ではありませんが、書いておくと評価につながる場合があります。エージェント経由でも、企業は応募者が自社を選んだ理由を知りたいと考えています。何を書けばよいか迷う場合は、担当のキャリアアドバイザーに相談し、応募先に合った内容を一緒に考えるのがおすすめです。
未経験の職種に応募する場合、志望動機には何を書けばよいですか?
その職種を目指すきっかけと、そのために取り組んでいることを書きましょう。あわせて、前職で培った力のうち、応募先でも活かせるものを示すことが大切です。「学びたい」だけで終わらせず、入社後にどう貢献したいかまで書くと、前向きな印象になります。
志望動機が整えば、応募の準備はあと一歩です。今すぐ応募を考えていない方も、書類づくりや職種研究に役立つ情報をLINEで受け取れます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
