「プロジェクトマネージャーになるには資格が必要?」「PMを目指すならどの資格を取得すればいい?」と迷っている方もいるのではないでしょうか。
プロジェクトマネージャーになるために必須の資格はありませんが、資格取得はプロジェクト管理の知識を体系的に学ぶ方法の一つです。資格によって対象者や学べる内容が異なるため、現在の経験や今後目指すキャリアから選びましょう。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、プロジェクトマネージャーに役立つ資格や取得するメリット、目的別の選び方を解説します。
プロジェクトマネージャーに資格は必要?
プロジェクトマネージャーとして働くために、特定の資格取得が必須とされているわけではありません。SEやPLとして経験を積み、進捗管理や顧客折衝などの担当範囲を広げてPMになるキャリアもあります。
資格は「PMになるための免許」ではなく、プロジェクトマネジメントに必要な知識を学び、自分の知識・スキルを示す材料の一つと考えるとよいでしょう。
実際の転職では、資格だけでなくプロジェクト規模、担当工程、管理人数、予算、顧客折衝などの実務経験も重要です。そのため、「資格を取得してからPMを目指す」と考えるだけでなく、現在の仕事でマネジメント経験を増やすことも意識しましょう。
プロジェクトマネージャーに役立つ資格5選
プロジェクトマネージャー向けの資格には、ITプロジェクトを対象としたものから、業界を問わずプロジェクトマネジメントを学べるものまであります。
| 資格 | 実施団体 | 特徴 | 向いている人 |
| プロジェクトマネージャ試験 | IPA | IT分野の高度試験 | IT系PMを目指す人 |
| PMP | PMI | 国際的なPM資格 | 実務経験があるPM |
| CAPM | PMI | PM知識の基礎を学ぶ | PM経験が浅い人 |
| PRINCE2 Foundation | PeopleCert | PM手法の基礎を学ぶ | PM手法を体系的に学びたい人 |
| PRINCE2 Practitioner | PeopleCert | PRINCE2を実務へ適用する | PM実務で手法を活用したい人 |
どの資格が一律に優れているというものではありません。IT分野でのキャリアを重視するのか、国際的なプロジェクトマネジメント資格を取得したいのかなど、目的によって候補は変わります。
1. プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験の高度試験です。略号は「PM」で、システム開発プロジェクトにおいて責任を持ってプロジェクトマネジメント業務を担う人を対象としています。
プロジェクト計画やチーム編成、リスクへの対応、ステークホルダーとのコミュニケーションなど、ITプロジェクトを管理するための幅広い能力が問われます。ITエンジニアとして経験を積み、PLからPMへのキャリアアップを考えている人に関連性の高い試験です。
なお、2026年度はCBT方式で後期に実施されます。また、IPAは現行試験制度を2026年度で終了し、2027年度から新試験制度へ移行する予定としているため、受験時には最新情報を確認しましょう。
出典:IPA「プロジェクトマネージャ試験」
2. PMP
PMP(Project Management Professional)は、PMI(Project Management Institute)が認定するプロジェクトマネジメント資格です。ITだけに限定されず、プロジェクトを管理するための知識・スキルを対象としています。
2026年7月には試験内容が更新され、People・Process・Business Environmentの3領域で構成されています。AIやサステナビリティ、ステークホルダーとの関係、事業成果なども新しい試験内容に反映されています。
PMPは一定のプロジェクトマネジメント経験を持ち、体系的な知識を身につけたい人の選択肢になります。
2026年時点では学歴などに応じて必要なプロジェクト管理経験が異なり、例えば学士号以上の場合は過去10年間で3年間のプロジェクト管理経験などが必要です。さらに35時間のプロジェクトマネジメント教育などの要件があります。
出典:PMI「Project Management Professional(PMP)Certification」
3. CAPM
CAPM(Certified Associate in Project Management)は、PMPと同じPMIが認定する資格です。PMPと比較して、これからプロジェクトマネジメントを学ぶ人が検討しやすい資格として位置づけられています。
PMPではプロジェクトを管理した実務経験が受験要件に含まれるため、条件を満たしていない人はCAPMから学習する方法があります。PMIもPMPの受験資格を満たしていない人に対して、CAPMを選択肢として案内しています。
まだPMとして十分な実務経験がない場合でも、プロジェクトマネジメントの基礎を学ぶきっかけとして検討できます。
4. PRINCE2 Foundation
PRINCE2 Project Management Foundationは、PeopleCertが提供するプロジェクトマネジメント資格です。PRINCE2の原則やプラクティス、プロセスなど、プロジェクト管理手法の基礎を学びます。
PeopleCertではキャリアのどの段階でも適した資格として案内されており、試験は日本語を含む複数言語で提供されています。特定のIT技術ではなく、プロジェクトをどのような方法で管理するかを体系的に学びたい人の選択肢です。
出典:PeopleCert「PRINCE2 Project Management Foundation(Version 7)」
5. PRINCE2 Practitioner
PRINCE2 Project Management Practitionerは、PRINCE2の考え方を実際のプロジェクトへ適用・調整する能力を対象とした資格です。Foundationよりも実践的な位置づけで、受験には所定の前提資格が必要です。
2026年9月時点の試験は150分で、56の問題・小問から構成され、合格基準は60%です。PMPやCAPMなども受験の前提資格として認められています。
プロジェクトマネジメントの基礎を知るだけでなく、実際のプロジェクトへ管理手法を適用する力を学びたい人向けです。
出典:PeopleCert「PRINCE2 Project Management Practitioner(Version 7)」
プロジェクトマネージャー資格の選び方
資格は知名度だけで決めるのではなく、現在の経験と今後のキャリアから選ぶことが重要です。
| 目的 | 資格の候補 |
| IT系PMを目指したい | プロジェクトマネージャ試験 |
| PM経験を活かして国際資格を取得したい | PMP |
| PM経験がまだ少ない | CAPM |
| PM手法の基礎を学びたい | PRINCE2 Foundation |
| PRINCE2を実務で活用したい | PRINCE2 Practitioner |
例えば、国内のITエンジニアとしてSE・PLからPMへのキャリアアップを考えている場合は、IPAのプロジェクトマネージャ試験が仕事内容と結びつきやすいでしょう。一方、すでにPMとして実務経験があり、プロジェクトマネジメントの国際資格を検討している場合はPMPも候補になります。
「有名な資格だから取得する」ではなく、現在不足している知識と今後担当したい仕事から逆算して選びましょう。
資格によって対象者や受験条件は異なります。自分のキャリアにどの資格が必要なのかを考えるときは、今後目指したい仕事内容まで整理することが大切です。ITエンジニアの資格・キャリア情報はLINEでも確認できます。
プロジェクトマネージャーが資格を取得する3つのメリット
プロジェクトマネージャー資格を取得するメリットは、資格名を履歴書に書けることだけではありません。学習を通じて、普段の実務では経験しにくい領域まで知識を広げられます。
1. PMに必要な知識を体系的に学べる
実務では、自分が担当しているプロジェクトに必要な知識へ偏る場合があります。資格学習を通じて、計画・進捗・リスク・品質・ステークホルダーなど、プロジェクトマネジメントを体系的に整理できます。
特にこれからPLからPMを目指す人は、「チームの進捗管理は経験しているが、予算やプロジェクト全体のリスク管理は経験していない」など、自分に不足している領域を確認するきっかけにもなります。
2. 知識や学習経験を示す材料になる
資格を取得することで、その試験で問われる知識を学んだことを示す材料になります。例えばIPAのプロジェクトマネージャ試験はITプロジェクト、PMPは幅広いプロジェクトマネジメントに関する知識・能力と関連します。
ただし、資格を取得すれば必ず転職や昇進につながるわけではありません。資格と実務経験をセットで説明することが重要です。
3. キャリアを考えるきっかけになる
資格の出題範囲を確認すると、PMにどのような能力が求められるのかを把握できます。現在の経験と照らし合わせることで、次に担当したい仕事を考えやすくなります。
例えばリスク管理の経験が少ないのであれば、現在の職場でプロジェクトリスクの洗い出しに参加するなど、資格学習を実務へつなげる方法があります。
プロジェクトマネージャー資格は転職に有利?
資格は転職時のアピール材料の一つになりますが、資格だけで採用が決まるわけではありません。特にPM求人では、プロジェクトを実際に管理した経験も重要です。
転職時には、次のような経験も整理しておきましょう。
・プロジェクトの規模
・管理した人数
・担当した工程
・プロジェクト期間
・予算管理の経験
・顧客折衝の経験
・発生した課題と対応方法
・プロジェクトで得られた成果
例えば「プロジェクトマネージャ試験に合格」という資格だけでなく、「8名の開発チームで進捗・品質を管理し、顧客との仕様調整を担当」のように実務経験を具体化します。
IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちの視点でも、「何の資格を持っているか」と「実務で何を任されていたか」をセットで整理することをおすすめします。
PM未経験ならどの資格がおすすめ?
PM未経験の場合は、資格だけでいきなり大規模プロジェクトのPMを目指すのではなく、知識の習得と実務経験を並行して進めることが重要です。
ITエンジニアとしてPMを目指すのであれば、IPAのプロジェクトマネージャ試験の出題範囲を確認することで、PMに必要な知識を把握できます。また、国際的なプロジェクトマネジメントの基礎を学びたい場合はCAPMやPRINCE2 Foundationも候補になります。
一方、PMPにはプロジェクトを管理した実務経験などの受験要件があります。2026年時点では、学歴等に応じて過去10年間で2〜5年のプロジェクト管理経験が必要なため、自分が条件を満たしているか確認しましょう。
資格より実務経験を優先したほうがいい?
資格と実務経験のどちらか一方だけを選ぶ必要はありません。資格で知識を学びながら、現在の仕事でPMに近い経験を増やす方法があります。
例えばSEとして働いているなら、後輩へのタスク割り振り、チームの進捗確認、顧客との打ち合わせ、工数見積もりなどから経験を広げられます。PLであれば、チーム単位の管理からプロジェクト全体のスケジュールやリスクを見る経験へ広げる方法があります。
PMへのキャリアアップでは「資格を取ったか」だけでなく、実際に管理できる範囲を広げることが大切です。
現在PM業務が合わないと感じている場合も、職種そのものの問題か、職場環境や担当プロジェクトの問題かを切り分けましょう。会社や案件が変わることで、PMに求められる役割も変わります。
プロジェクトマネージャー資格を取得する5ステップ
資格取得を考えている場合は、最初から一つに決めるのではなく、現在の経験と目的を整理して選びましょう。
1. 目指すPM像を決める
まず、どのようなPMになりたいのかを考えます。ITシステム開発のPMを目指すのか、業界を問わずプロジェクトマネジメントを専門にしたいのかによって、学ぶ内容は変わります。
2. 現在の経験を整理する
SE・PL・PMとして担当した仕事内容を整理します。管理人数や担当工程、顧客折衝、予算、リスク管理などに分けると、不足している経験を把握しやすくなります。
3. 資格の受験条件を確認する
資格によっては受験要件があります。特にPMPやPRINCE2 Practitionerなどは、申し込み前に最新の条件を公式サイトで確認しましょう。PMPは2026年7月に試験内容が更新されているため、古い教材や情報だけで判断しないことも重要です。
4. 出題範囲と学習方法を確認する
同じプロジェクトマネジメント資格でも、試験形式や出題内容は異なります。例えばIPAのプロジェクトマネージャ試験では選択式だけでなく記述・論述への対策も必要です。
5. 資格取得後の実務まで考える
資格を取得した後、学んだ内容をどの仕事で活かすかまで考えます。資格取得をゴールにせず、現在の職場で担当範囲を広げるのか、PM求人へ転職するのかなど次の行動につなげましょう。
プロジェクトマネージャー資格を選ぶときの注意点
資格を選ぶときは、難易度や知名度だけで判断しないようにしましょう。自分が目指すキャリアと関係が薄い資格を取得しても、実務へ活かしにくい可能性があります。
また、資格制度は変更される場合があります。2026年にはIPAの高度試験がCBT方式へ移行し、PMPも7月に試験内容が更新されました。特に受験要件・試験日程・試験形式・費用については、申し込み前に各実施団体の公式情報を確認しましょう。
「取りやすい資格」ではなく、「自分が次に担当したい仕事につながる資格」を選ぶことが重要です。
資格取得後のキャリアまで考えたい方へ
資格を取得しても、どのようにPMへの転職やキャリアアップにつなげるか迷うことがあります。これまでのSE・PL経験を整理し、資格と実務経験をどのように活かせるか確認することが大切です。
まとめ
プロジェクトマネージャーになるために必須の資格はありませんが、資格はPMに必要な知識を体系的に学ぶ方法の一つです。
・IT系PMを目指すならプロジェクトマネージャ試験が候補になる
・実務経験がある人にはPMPという選択肢もある
・PM経験が浅い場合はCAPMやPRINCE2 Foundationも検討できる
・転職では資格だけでなくプロジェクト管理の実務経験も重要
・資格は今後目指すPM像や担当したい仕事から逆算して選ぶ
資格取得をゴールにせず、学んだ知識を実務経験や今後のキャリアにつなげていきましょう。
よくある質問
プロジェクトマネージャーになるには資格が必要ですか?
必須資格はありません。SEやPLとして経験を積み、進捗管理や顧客折衝などの担当範囲を広げてPMになることもできます。資格は必要な知識を体系的に学び、スキルを示す材料の一つとして活用できます。
プロジェクトマネージャーにおすすめの資格は?
IT分野でPMを目指すならIPAのプロジェクトマネージャ試験、一定のPM経験があり国際資格を検討するならPMPなどが候補です。経験や目指すキャリアによって適した資格は異なります。
プロジェクトマネージャ試験とPMPはどちらがいいですか?
目的が異なるため、一律にどちらがよいとはいえません。プロジェクトマネージャ試験はIT分野の高度試験、PMPは幅広いプロジェクトマネジメントを対象とする資格です。受験条件にも違いがあります。
PM未経験でも取得できる資格はありますか?
資格によって異なります。IPAのプロジェクトマネージャ試験には実務経験による受験制限はありません。一方、PMPはプロジェクト管理経験などの受験要件があるため、申し込み前に条件を確認しましょう。
プロジェクトマネージャー資格を取れば転職に有利ですか?
資格は知識を示す材料になりますが、資格だけで採用が決まるとは限りません。PM求人では管理人数や担当工程、顧客折衝、予算・リスク管理などの実務経験も整理して伝えることが重要です。
プロジェクトマネージャー資格は独学でも取得できますか?
資格によって異なります。IPAのプロジェクトマネージャ試験は独学で学習することも可能ですが、記述・論述対策も必要です。PMPなどは受験要件として所定の教育・トレーニングが必要なため、最新条件を確認しましょう。
PM向け資格は数が多いため、知名度だけで選ばず、自分の経験と今後目指すキャリアに合っているかを確認しましょう。ITエンジニアの資格やキャリアに関する情報はLINEでも確認できます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

