「プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーは何が違うの?」「PLからPMへキャリアアップするには何が必要?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。プロジェクトリーダーは主に現場チームをまとめる役割、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を管理する役割です。ただし、企業やプロジェクトによって担当範囲は異なり、PLとPMを兼任するケースもあります。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違いを仕事内容・責任範囲・必要スキルなどから解説します。
結論:PLとPMは管理する範囲が違う
プロジェクトリーダー(PL)とプロジェクトマネージャー(PM)の大きな違いは、管理する範囲です。一般的にPLは開発チームなど現場に近い単位をまとめ、PMはプロジェクト全体の進行に責任を持ちます。
PLは「チームをどう動かすか」、PMは「プロジェクト全体をどう成功へ導くか」を考える役割と整理するとわかりやすいでしょう。
例えば、20人が参加するシステム開発で複数の開発チームがある場合、それぞれにPLを配置し、その上でPMがプロジェクト全体を管理する体制が考えられます。
ただし、PLとPMは法律などで業務範囲が定められた職種ではありません。企業によってはPLが予算や顧客折衝まで担当するなど、役割が重なる場合があります。
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違い【比較表】
PLとPMには、担当範囲や仕事内容、求められる視点などに違いがあります。
| 比較項目 | プロジェクトリーダー(PL) | プロジェクトマネージャー(PM) |
| 主な役割 | チームをまとめる | プロジェクト全体を管理する |
| 管理範囲 | 担当チーム・担当領域 | プロジェクト全体 |
| 主な管理対象 | タスク・技術・メンバー | 予算・納期・品質・人員・リスク |
| 現場との距離 | 近い傾向 | プロジェクト全体を見る |
| 顧客対応 | 担当する場合がある | 担当することが多い |
| 技術への関与 | 比較的多い | プロジェクトによる |
| キャリア | SE→PLなど | PL→PMなど |
この違いを踏まえ、ここからは5つの観点で詳しく比較します。
違い1. 役割と責任範囲
PLは、担当するチームが計画通りに仕事を進められるように現場をまとめる役割です。メンバーのタスク管理や技術的な相談、進捗確認などを担当します。
PMはプロジェクト全体を見ながら、納期・予算・品質・人員などを管理します。顧客や社内関係者との調整も重要な仕事です。
PLがチーム単位で成果を出すことを支えるのに対し、PMはプロジェクト全体の成果に目を向けます。
例えば、開発が予定より遅れている場合、PLは「どのタスクが遅れているのか」「チーム内でどう対応するか」を確認します。PMはその遅れがプロジェクト全体の納期や予算にどのような影響を与えるかまで考えます。
違い2. 仕事内容
PLとPMでは、日常的に担当する仕事にも違いがあります。
プロジェクトリーダーの仕事内容
PLは現場に近い立場でチームを管理します。代表的な仕事には、タスクの割り振り、進捗確認、メンバーからの相談対応、成果物の確認、技術的な問題への対応などがあります。
プロジェクトによっては、自身も設計や開発を担当するプレイングマネージャーに近い働き方をすることもあります。
プロジェクトマネージャーの仕事内容
PMはプロジェクト全体を管理します。代表的な仕事には、プロジェクト計画の作成、予算管理、スケジュール管理、品質管理、人員配置、リスク管理、顧客との調整などがあります。
PMになると、自分の担当作業を完了させること以上に、プロジェクト全体を予定通り進めることが重要になります。
違い3. 管理する対象
PLは主に「人とタスク」を管理します。誰がどの作業を担当するのか、予定通り進んでいるのか、技術的な問題が発生していないかなどを確認します。
PMはそれに加えて、プロジェクト全体の予算や品質、納期、リスクなどを管理します。
| 管理項目 | PL | PM |
| メンバーのタスク | 主に担当 | 状況を把握 |
| チームの進捗 | 主に担当 | 全体を管理 |
| 技術課題 | 対応することが多い | 重要課題を把握 |
| プロジェクト予算 | 関与する場合あり | 管理することが多い |
| 全体スケジュール | 担当範囲を管理 | 全体を管理 |
| 品質 | チーム単位で確認 | 全体を管理 |
| リスク | 現場の課題を把握 | 全体への影響を管理 |
| 顧客との調整 | 担当する場合あり | 担当することが多い |
PLからPMを目指す場合は、自分のチームだけでなくプロジェクト全体を見る視点が必要になります。
違い4. 必要なスキル
PLとPMでは共通するスキルもありますが、求められる能力の重点が異なります。
PLでは、開発現場を理解したうえでメンバーをまとめる力が重要です。例えば、技術理解、タスク管理、進捗管理、メンバー育成、問題解決、コミュニケーションなどが挙げられます。
一方、PMではプロジェクト全体を管理するため、プロジェクト計画、予算管理、リスク管理、顧客折衝、ステークホルダー調整などの能力も重要になります。
PLでは現場を動かす力、PMでは複数のチームや関係者を横断して全体を動かす力がより求められます。
ただし、PMになったから技術知識が不要になるわけではありません。開発チームから上がってきた課題の重要性を判断するためにも、システム開発への理解は役立ちます。
違い5. キャリアパス
ITエンジニアの場合、SEとして開発経験を積んだ後にPLを経験し、その後PMへ進むキャリアが考えられます。
例えば、
SE
↓
PL
↓
PM
↓
上位PM・PMO・組織マネジメント
といった流れです。
ただし、必ずPLを経験しなければPMになれないわけではありません。小規模プロジェクトの管理や顧客折衝などを経験し、PMを目指すケースもあります。
肩書きの順番より、どの規模のチーム・予算・納期・顧客を管理した経験があるかが重要です。
私たちが転職相談を受ける際も、「PLを3年経験した」という肩書きだけではなく、「何人のチームを担当し、どこまで意思決定していたか」まで整理することをおすすめしています。
PLとPMはどちらが上?
組織上、PMがプロジェクト全体を管理し、その下に複数のPLを配置する体制はあります。その場合はPMのほうが責任範囲が広くなります。
ただし、「PMはPLの上位職」とすべての企業に当てはめることはできません。企業によって職位や役割の定義が異なるためです。
転職時は「PL」「PM」という肩書きだけで判断せず、求人票の業務内容や組織体制まで確認しましょう。
PLとPMはどちらが向いている?
PLとPMのどちらが向いているかは、今後どのような仕事をしたいかによって変わります。
| 志向 | 向いている役割の傾向 | 理由 |
| 技術にも関わり続けたい | PL | 現場との距離が近い傾向がある |
| メンバー育成が好き | PL | チーム管理を担当しやすい |
| プロジェクト全体を動かしたい | PM | 全体管理を担当する |
| 顧客との調整を増やしたい | PM | 顧客折衝を担当しやすい |
| 予算やリスク管理を経験したい | PM | 管理範囲が広い |
技術やメンバーと近い立場でチームを動かしたいならPL、プロジェクト全体の意思決定や管理へ担当範囲を広げたいならPMが選択肢になります。
ただし、職種名だけで向き不向きを決める必要はありません。現在マネジメント業務がつらい場合も、職種そのものの問題か、職場環境や任されている範囲の問題かを切り分けることが大切です。
PLとPMでは担当範囲が異なるため、求人を見る際も肩書きだけでなく実際の仕事内容を確認する必要があります。マネジメント職の求人やキャリアの違いについて、LINEでも情報収集できます。
PLからPMになるには?
PLからPMを目指す場合は、チーム管理からプロジェクト全体の管理へ経験を広げていきます。現在の仕事で少しずつ担当範囲を増やす方法もあります。
1. チーム管理の実績を作る
まずはPLとして、担当チームの進捗・品質・課題を管理します。「リーダーを経験した」だけでなく、チーム規模や担当工程、成果まで説明できる状態を目指しましょう。
例えば「5人の開発チームを担当し、基本設計からテストまでの進捗を管理した」のように整理します。
2. プロジェクト全体を見る
自分のチームだけでなく、他チームとの依存関係や全体スケジュールにも目を向けます。担当領域の遅れが後工程にどのような影響を与えるかまで考えることが重要です。
3. 顧客折衝を経験する
PMでは顧客との調整を担当するケースがあります。定例会への参加や仕様調整など、顧客と直接コミュニケーションする経験を増やしましょう。
4. 予算・工数管理を経験する
PMでは、限られた予算や人員でプロジェクトを進める必要があります。見積もりや工数管理に関われる場合は、積極的に経験しておくとよいでしょう。
5. リスク管理を経験する
プロジェクトでは、スケジュール遅延や仕様変更、人員不足などさまざまな問題が発生します。問題が起きてから対応するだけでなく、「何が起こり得るか」を事前に考えて対策する経験が重要です。
PL・PMの求人を比較したい方へ
PLやPMは、企業によって担当範囲が大きく異なります。これまで担当した人数・工程・顧客折衝などを整理すると、自分の経験を活かせる求人を判断しやすくなります。
PL・PMへの転職で確認したいポイント
PL・PM求人では、同じ職種名でも仕事内容が異なる場合があります。求人票や面接では、肩書きだけでなく実際の責任範囲を確認しましょう。
例えば、
・プロジェクトの規模
・チームの人数
・担当する工程
・予算管理の有無
・顧客折衝の有無
・自分でも設計・開発を行うか
・PLとPMの役割分担
・複数プロジェクトを担当するか
などが確認ポイントです。
特に転職では「PL経験あり」「PM経験あり」だけでなく、管理した人数・工程・期間・予算などを具体的に伝えることが重要です。
例えば職務経歴書でも、「プロジェクト管理を担当」だけでは担当範囲が伝わりません。「8名の開発チームで進捗・品質管理を担当」「顧客との週次定例で仕様変更を調整」など、実際の経験を具体化しましょう。
PL・PMに役立つ資格
PL・PMになるために、特定の資格が必須とは限りません。ただし、プロジェクト管理について体系的に学ぶ方法として資格を活用できます。
代表的な国家試験として、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のプロジェクトマネージャ試験があります。プロジェクトマネジメント業務に必要な知識を学ぶ選択肢の一つです。
出典:IPA「プロジェクトマネージャ試験」
資格だけでPMになれるわけではないため、実務で担当したプロジェクト規模や管理経験とあわせて考えましょう。
PL・PMの年収はどのくらい?
PL・PMは企業によって役割の定義が異なるため、職種名だけで年収を比較するのは難しいです。特にPLについては、公的統計で統一された平均年収を確認しにくい点に注意しましょう。
実際の年収は、プロジェクト規模や管理人数、担当工程、顧客折衝、予算管理などによって変わります。
年収を見る際はPL・PMという肩書きだけでなく、どこまでの責任を任される求人なのかをセットで比較しましょう。
PL・PMの求人を比較したい方へ
PLやPMは、企業によって担当範囲が大きく異なります。これまで担当した人数・工程・顧客折衝などを整理すると、自分の経験を活かせる求人を判断しやすくなります。
まとめ
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーは、主に管理する範囲が異なります。
・PLは主に担当チームや現場をまとめる
・PMは予算・納期・品質などプロジェクト全体を管理する
・PLは技術やメンバーに近く、PMは全体調整の比重が高い傾向がある
・PLからPMを目指すなら顧客折衝や予算・リスク管理の経験も広げる
・転職では肩書きではなく実際の責任範囲を確認する
PLとPMのどちらを目指す場合も、現在の経験と今後担当したい仕事を整理してキャリアを考えましょう。
よくある質問
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの一番の違いは何ですか?
主な違いは管理する範囲です。PLは担当チームの進捗やメンバーを管理し、PMは予算・納期・品質・人員などプロジェクト全体を管理するのが一般的です。ただし、企業によって役割は異なります。
PLとPMはどちらが上ですか?
PMの下に複数のPLを配置する組織では、PMのほうが責任範囲は広くなります。ただし、職位や役割の定義は企業によって異なるため、すべての会社でPMがPLの上位職とは限りません。
PLを経験しないとPMにはなれませんか?
必ずPLを経験しなければならないわけではありません。ただし、チーム管理や進捗管理、顧客折衝などPLで経験しやすい業務は、PMとしてプロジェクト全体を管理するときにも役立ちます。
PLとPMは兼任できますか?
プロジェクト規模や企業の体制によっては、一人がPLとPMの役割を兼任する場合があります。特に小規模なプロジェクトでは役割が明確に分かれていないケースもあるため、実際の担当業務を確認しましょう。
PLとPMではどちらが技術力を求められますか?
一般的には現場に近いPLのほうが、技術的な判断やメンバーへの支援を担当する機会が多い傾向があります。ただし、PMにも技術課題を理解して意思決定するためのIT知識は役立ちます。
SEからPL・PMを目指せますか?
目指すことは可能です。まず小規模なチームの進捗管理や後輩支援などから経験を増やし、PL、さらにPMへと担当範囲を広げる方法があります。肩書きより実際のマネジメント経験を積むことが重要です。
PL・PMなどマネジメント職のキャリアを考える際は、現在の肩書きだけでなく実際に担当している業務を整理することが重要です。求人選びやキャリア形成に役立つ情報はLINEでも確認できます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

