「データエンジニアの年収はどれくらい?」「データサイエンティストと比べて稼げるの?」と気になって検索した方も多いのではないでしょうか。
データエンジニアの年収は、データ基盤を「運用する人」か「設計する人」か、そして扱うデータの規模や事業への近さによって大きく変わります。 同じ職種名でも担当範囲の差が大きく、年収の幅も広いのが実情です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、関連職種の公的データと求人の傾向をもとに、データエンジニアの年収の実態と、関連職種との比べ方、年収を上げる方法を解説します。
結論:データエンジニアの年収は「設計の深さ×データの規模×事業への近さ」で決まる
データエンジニアの年収は、全体として高めの水準を目指しやすい一方で、担当範囲による差が大きいのが特徴です。依頼された集計や運用だけでなく、基盤の設計を担えるかどうかが、年収を分ける大きな分かれ目です。
・データエンジニア固有の公的な年収統計はなく、関連職種のデータを参考にする
・関連するシステムエンジニア(基盤システム)の平均年収は約684万円
・年収を左右するのは、担当範囲、データの規模、技術、事業への近さ、役割の5つ
・データサイエンティストとの年収差は、職種名より担う役割と実績で決まる傾向がある
・年収が伸びない原因が、経験の積み方か、基盤づくりを任せない環境かを切り分けることが重要
データで見るデータエンジニアの年収
データエンジニアだけを集計した公的な年収統計はありません。そのため、関連するIT職種の平均年収を参考にしながら、自分の担当範囲と照らし合わせて考えることが大切です。
| 指標(参考:関連するIT職種) | 金額(目安) |
| システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
上記のシステムエンジニアの値は、データエンジニアとは職務が異なるため、年収の水準は別に考える必要があります。あくまで目安としてご覧ください。
求人を見ていると、データエンジニアの募集は、クラウド上でのデータ基盤の構築経験がある人材を対象に、関連職種の平均より高めの年収帯で提示されるケースが見られます。一方で、職種名が「データエンジニア」でも、実際は集計作業が中心の求人もあり、年収の幅は大きくなっています。
年代・経験別に見る年収の考え方
関連するシステムエンジニアの年収は、年齢とともに上がっていく傾向があります。20代前半の約377万円から上がり続け、40代後半の約760万円でピークを迎えます。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(システムエンジニアの年齢階級別賃金)
このデータはシステムエンジニア全体の値で、データエンジニアだけを集計したものではありません。また、前章の平均年収とは調査年が異なります。
データエンジニアの場合、年齢よりも経験の段階で評価が変わる傾向があります。
・経験の浅い段階:SQLやデータ加工の処理を正しく作れることが評価される
・中堅の段階:データ基盤の一部を設計し、安定して運用できることが評価される
・上級の段階:基盤全体の設計や、データ活用の方針づくりを担えることが評価される
段階が上がるほど、担う判断の範囲が広がり、年収にも反映されやすくなります。
関連職種と比べた年収の考え方
データエンジニアと関連職種の年収を、職種名だけで比べることはできません。どの職種でも、担う役割の大きさと、事業への貢献を示せるかどうかで年収が決まる傾向があります。
| 職種 | 評価されやすい点 | 年収が上がりやすい条件 |
| データエンジニア | データ基盤の設計と安定運用 | 大規模なデータ基盤を設計できる |
| データサイエンティスト | 分析や予測による課題解決 | 分析の成果が事業の数字につながっている |
| データアナリスト | 集計と可視化による状況の把握 | 経営判断に使われる分析を担っている |
| インフラエンジニア | システムの土台の構築と運用 | クラウドの設計や自動化まで担える |
これらの職種ごとの平均年収を示す信頼できる公的統計は限られています。
私たちの相談現場では、「データサイエンティストのほうが年収が高いと聞き、転身すべきか迷っている」という声を聞きます。ただし、求人を比べると、データ基盤を設計できるデータエンジニアは担い手が少なく、分析職と同等以上の条件で募集されるケースも見られます。職種名で選ぶより、自分の強みが最も評価される役割を選ぶことが大切です。
データエンジニアの年収を左右する5つの要因
同じデータエンジニアでも年収に差が出るのは、次の5つの要因が大きく影響するためです。中でも「担当範囲」と「事業への近さ」は、年収を大きく左右しやすい要因です。
1. 担当範囲
依頼された集計や既存の処理の運用だけを担う場合と、データ基盤全体を設計する場合では、評価が大きく異なります。設計の判断を担うほど、年収は上がりやすくなります。
2. 扱うデータの規模
大量のデータを、速く安定して処理する経験は、担い手が少なく評価されやすい傾向があります。扱うデータの量や、関わるシステムの数も評価の材料になります。
3. 技術
クラウド上のデータ基盤、データの品質管理、セキュリティなど、需要が高い技術を扱えるほど評価が高まります。特に、個人情報などの機密データを安全に扱う仕組みをつくれる人材は重宝されます。
4. 事業への近さ
データ活用が売上や意思決定に直結している企業では、データ基盤への投資が積極的で、データエンジニアへの評価も高い傾向があります。一方、データ活用が試験段階の企業では、役割や評価が定まっていないこともあります。
5. 役割
個々の処理の担当者より、データ基盤チームのリードや、データ活用全体の設計者の役割を担うほど、年収は上がりやすくなります。
需要と将来性|データエンジニアの年収を支える背景
データ活用やAI活用が広がるなか、その土台となるデータ基盤をつくれる人材の需要は高まっています。情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業計の1.12倍を上回っています。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
IT人材は2030年に最大約79万人不足するとの試算もあります。AIの活用には質の高いデータが欠かせないため、データを集めて整え、安全に使える状態にする役割の価値は今後も続くと考えられます。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
ただし、処理の作成など一部の作業は、AIや便利なツールで効率化が進んでいます。今後の年収を考えるうえでは、作業をこなす力より、データ基盤全体を設計し、品質と安全性に責任を持てる力を育てることが重要です。
データエンジニアの年収が伸び悩むケース
データエンジニアとして働いているのに、年収が思うように上がらないと感じる方もいるのではないでしょうか。私たちの相談現場では、「データエンジニアの肩書きだが、毎日の業務は他部署から依頼される集計ばかりで、年収も入社時から変わらない」という声をよく聞きます。
こうしたケースでは、データエンジニアの役割が「集計の代行」として扱われ、基盤づくりの経験として評価されていないことがあります。大切なのは、年収が伸びない原因が自分の経験の積み方にあるのか、基盤づくりを任せない環境にあるのかを切り分けることです。
次の項目で、今の状況を確認してみてください。
・□ データ基盤の設計や構成の見直しに関わったことがある
・□ データの取り込みや加工の処理を、自動化したことがある
・□ データ基盤づくりが、正式な役割や評価の対象になっている
・□ 評価の基準が明示されており、何をすれば昇給するか分かる
・□ 自分の仕事の成果を、作業時間の削減など数字で説明できる
最初・2番目・最後の項目に当てはまらない場合は、経験の積み方や成果の見せ方を見直す余地があります。3番目と4番目に当てはまらない場合は、環境の側に原因がある可能性があります。
同じように集計業務から抜け出し、基盤づくりに関われる環境へ移った方もいます。そうした事例や求人の傾向を、LINEでもお届けしています。
データエンジニアが年収を上げる5つの方法
データエンジニアが年収を上げるには、作業の担当者から、基盤を設計する立場へ役割を広げることが欠かせません。まずは現職で設計の経験を積み、それでも評価されない場合に環境を変える順番がおすすめです。
1. 集計作業を自動化し、設計に使う時間をつくる
繰り返し依頼される集計を、自動で更新される仕組みに置き換えましょう。作業時間を減らした実績になるうえ、基盤づくりに時間を使えるようになります。
2. データ基盤の設計に関わる
既存の基盤の課題を整理し、改善案を提案してみましょう。設計に関わる経験は、社内評価にも転職時の評価にも直結します。
3. クラウドとデータ品質の知識を深める
クラウド上のデータ基盤や、データの品質を保つ仕組みの知識を深めると、評価されやすくなります。データベーススペシャリスト試験などは、知識を体系的に固める手段として役立ちます。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
4. 成果を数字で示せるようにする
評価面談でも転職の選考でも、成果は数字で伝えると説得力が増します。たとえば「月次集計の作業を○時間削減した」「データ処理の失敗を○割減らした」のように、時間や品質の改善を示しましょう。
5. データ活用に投資する企業へ転職する
現職で基盤づくりを任せてもらえない場合は、データ活用を事業の中心に据える企業へ移るのも有効な選択肢です。データ基盤への投資が積極的な企業では、設計の経験を積みやすく、年収にも反映されやすくなります。
データ基盤の経験が、正しく評価されているか確かめませんか
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、市場価値を客観的に評価します。今の悩みの相談だけでもかまいません。
年収アップを狙う転職で確認したいポイント
データエンジニアとして年収アップを狙う転職では、経験の伝え方と、入社後の役割の確認が重要です。「データを扱えます」ではなく、「どんなデータ基盤を、どの規模で、どう改善したか」を伝えることが評価につながります。
職務経歴書では、次のように整理すると伝わりやすくなります。
例文:社内に分散していた販売データと顧客データを集約するデータ基盤の設計と構築を担当しました。クラウド上にデータの取り込みと加工を自動化する仕組みをつくり、月次集計の作業を○時間削減しています。また、データの品質チェックを導入し、集計の誤りを○割減らしました。
このように、担当範囲に加えて、データの規模や設計の内容、数字で示せる成果を入れるのがポイントです。
面接では、次のような質問で入社後の役割を確認しておくと安心です。
・データ基盤の設計に、どこまで関われますか
・他部署から依頼される集計業務と、基盤づくりの割合はどのくらいですか
・データ活用は、事業の中でどのような位置づけですか
データエンジニアの経験を、年収アップにつなげるために
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
まとめ
・データエンジニア固有の公的な年収統計はなく、関連職種の平均年収約684万円などを参考にする
・年収は担当範囲、データの規模、技術、事業への近さ、役割によって大きく変わる
・データサイエンティストなどとの年収差は、職種名より担う役割と実績で決まる傾向がある
・伸び悩むときは、経験の積み方の問題か、基盤づくりを任せない環境の問題かを切り分ける
・年収を上げるには、集計作業の自動化から始め、データ基盤の設計を担える立場を目指す
よくある質問
データエンジニアは本当に年収が高いのですか?
データ基盤の設計や構築を担えるデータエンジニアは、高めの年収で求められる傾向があります。ただし、固有の公的統計はなく、担当範囲によって差が大きいのが実情です。集計作業が中心の場合は、年収に反映されにくいこともあります。
データエンジニアで年収1,000万円は目指せますか?
目指せる可能性はありますが、限られた層です。大規模なデータ基盤の設計責任者や、データ活用組織のリードなどが該当しやすいとされます。基盤全体の設計と、事業への貢献を示せる実績を積むことが、その道に近づく方法です。
データサイエンティストとデータエンジニアは、どちらが稼げますか?
一概には言えません。どちらの職種でも、担う役割の大きさと事業への貢献で年収が決まる傾向があります。データ基盤を設計できるデータエンジニアは担い手が少なく、分析職と同等以上の条件で求められることもあります。強みが活きる職種を選ぶことが大切です。
未経験からデータエンジニアになると年収はどうなりますか?
ITの実務経験がない状態から、データエンジニアとして採用されるケースは多くありません。多くの場合、バックエンドやインフラなどの職種で経験を積んでから移る流れになります。入社時の年収だけでなく、基盤づくりの経験を積める環境かどうかも確認しましょう。
インフラエンジニアからデータエンジニアに転身すると年収は上がりますか?
上がるケースはありますが、必ず上がるとは限りません。インフラの知識はデータ基盤の構築で強みになるため、SQLやデータ加工の経験を加えると評価されやすくなります。転身直後はデータ関連の実務経験が浅い分、横ばいになることもあります。
AIの普及でデータエンジニアの年収は下がりますか?
処理の作成など一部の作業はAIで効率化が進みますが、AIの活用には質の高いデータが欠かせません。データ基盤全体を設計し、品質と安全性に責任を持てる人材の価値は、むしろ高まると見られています。作業より設計の力を磨くことが大切です。
まずは自分の経験がどう評価されるのか、情報を集めながら考えたいという方もいるのではないでしょうか。データエンジニアを含むIT職種のキャリア研究に役立つ情報を、LINEで配信しています。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
