「クラウドエンジニアを目指すなら、どの資格を取ればいいの?」「資格は転職や年収に本当に役立つのだろうか」と気になり、調べている方も多いのではないでしょうか。
クラウドエンジニアになるために、資格は必須ではありません。ただし、クラウドサービス各社の認定資格やインフラの基礎を証明する資格は、知識を客観的に示す材料になり、特に未経験や経験の浅い方にとっては転職活動の大きな助けになります。 自分のレベルと目的に合った資格を選ぶことが大切です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、クラウドエンジニアに役立つ資格の種類や難易度、レベル別のおすすめ、効率的な勉強法を解説します。
クラウドエンジニアに資格は必要?
結論として、クラウドエンジニアとして働くうえで、資格は必須ではありません。 実際の求人でも、資格より実務経験を重視するものが多い傾向があります。
ただし、次のような場面では、資格が役立ちます。
・未経験や経験の浅い方が、学習の成果を客観的に示したいとき
・使ったことのないクラウドサービスの知識を、体系的に身につけたいとき
・社内で、より上流の工程や大きな案件を任されたいとき
・資格手当など、会社の制度で評価されるとき
私たちが企業の採用担当者と話す中でも、「未経験の方の場合、資格は学習意欲を判断する材料の一つになる」という声をよく聞きます。一方で、経験者の場合は、資格より「何を設計・構築したか」が重視される傾向があります。
クラウドエンジニアに役立つ資格【一覧】
クラウドエンジニアに役立つ主な資格を、分類とレベルの目安ごとに整理しました。
| 資格 | 分類 | レベルの目安 | 向いている人 |
| アマゾン ウェブ サービス認定 クラウドプラクティショナー | クラウド各社の認定資格 | 入門 | クラウドを初めて学ぶ方 |
| アマゾン ウェブ サービス認定 ソリューションアーキテクト アソシエイト | クラウド各社の認定資格 | 中級 | 設計の基礎を身につけたい方 |
| アマゾン ウェブ サービス認定 ソリューションアーキテクト プロフェッショナル | クラウド各社の認定資格 | 上級 | 大規模な設計を担いたい方 |
| マイクロソフト認定 アジュールの基礎 | クラウド各社の認定資格 | 入門 | 社内の情報システム部門を目指す方 |
| マイクロソフト認定 アジュール管理者 | クラウド各社の認定資格 | 中級 | 構築・運用の実務に関わる方 |
| グーグル クラウド認定 アソシエイト クラウド エンジニア | クラウド各社の認定資格 | 中級 | 構築・運用の基礎を証明したい方 |
| グーグル クラウド認定 プロフェッショナル クラウド アーキテクト | クラウド各社の認定資格 | 上級 | 設計の専門性を高めたい方 |
| リナックス技術者認定 | インフラの基礎 | 入門〜中級 | サーバーの基礎を固めたい方 |
| シスコ技術者認定 | インフラの基礎 | 入門〜中級 | ネットワークの基礎を固めたい方 |
| 基本情報技術者試験 | 国家資格 | 入門 | ITの基礎を幅広く学びたい方 |
| 応用情報技術者試験 | 国家資格 | 中級 | 知識の幅と深さを示したい方 |
| 情報処理安全確保支援士 | 国家資格 | 上級 | セキュリティの専門性を高めたい方 |
※クラウド各社・リナックス・ネットワーク機器メーカーの認定資格は民間の資格です。正式名称や試験の内容は変更されることがあるため、各社の公式情報を確認してください。合格率や学習時間の目安は、公式の公表値を確認してください。
クラウドサービス各社の認定資格
クラウドエンジニアとして最も直接的に役立つのが、クラウドサービスを提供する各社が実施している認定資格です。
アマゾン ウェブ サービスの認定資格
利用している企業が多いクラウドサービスの認定資格です。入門のクラウドプラクティショナーから始め、設計の基礎を証明するソリューションアーキテクト アソシエイトを目指すのが一般的な流れです。上級のプロフェッショナルは、大規模なシステムの設計力を示せます。
マイクロソフト アジュールの認定資格
マイクロソフトの業務ソフトや社内システムと組み合わせて使われることが多いクラウドの認定資格です。一般企業の情報システム部門を目指す方にとって、役立つ場面が多い資格です。
グーグル クラウドの認定資格
データの分析や活用に強みのあるクラウドの認定資格です。構築・運用の基礎を証明するアソシエイト クラウド エンジニアから始め、設計を担うプロフェッショナル クラウド アーキテクトを目指す流れが一般的です。
インフラの基礎を証明する資格
クラウドも、サーバーやネットワークの知識の上に成り立っています。インフラの基礎を証明する資格は、クラウドを学ぶ前の土台づくりに役立ちます。
リナックス技術者認定
リナックス(サーバーで広く使われている基本ソフト)の操作や管理の知識を証明する資格です。クラウド上のサーバーを扱ううえで欠かせない知識が身につきます。
シスコ技術者認定
ネットワーク機器大手が実施している、ネットワークの基礎知識を証明する資格です。クラウドの通信の仕組みや、セキュリティの設定を理解するうえで役立ちます。
国家資格
情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験も、クラウドエンジニアに役立ちます。国家資格は、特定のサービスに依存しない幅広い知識を証明できる点が特徴です。
・基本情報技術者試験:ITの基礎知識を幅広く証明できる入門の国家資格
・応用情報技術者試験:より幅広く、深い知識を証明できる中級の国家資格
・情報処理安全確保支援士:情報セキュリティの専門性を証明できる国家資格
出典:IPA「情報処理技術者試験」
クラウドでは、設定を誤ると外部から接続できてしまうため、セキュリティの知識が重要です。上級を目指す方は、情報処理安全確保支援士も選択肢に入れるとよいでしょう。
資格を取得する3つのメリット
クラウドエンジニアが資格を取得するメリットは、主に次の3つです。
1. 知識を客観的に証明できる
資格は、自分の知識を第三者に示す材料になります。特に、実務経験が少ない方にとっては、学習の成果を伝える大切な手段です。
2. 知識を体系的に身につけられる
実務では、担当する範囲の知識に偏りがちです。資格の学習を通じて、クラウドサービスの機能を幅広く、体系的に学べます。
3. 評価や待遇につながる場合がある
企業によっては、資格手当や昇格の条件として、特定の資格を評価している場合があります。制度の有無は、求人票や社内の規定で確認しましょう。
どの資格から始めるか、一緒に考えませんか
今の経験と目指したい方向から、取るべき資格とキャリアの道筋を一緒に整理します。経験豊富なアドバイザーがこれまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。今の悩みの相談だけでもかまいません。
レベル別・目的別のおすすめ資格
どの資格から取るべきかは、今の経験と目的によって変わります。今の自分より一段上の資格を選ぶと、無理なく知識を広げられます。
| レベル | おすすめの資格 | 目的 |
| 未経験 | 基本情報技術者試験、各社の入門資格、リナックス技術者認定 | ITとクラウドの基礎を固め、学習の成果を示す |
| 中堅(インフラ・クラウドの実務経験あり) | 各社のアソシエイト・管理者レベルの資格、応用情報技術者試験 | 設計・構築の力を証明し、担当範囲を広げる |
| キャリアアップ(設計・上流を目指す) | 各社のプロフェッショナルレベルの資格、情報処理安全確保支援士 | 大規模な設計やセキュリティの専門性を示す |
未経験の方
まずは、基本情報技術者試験や各社の入門資格で基礎を固めましょう。あわせて、リナックスの基礎も学んでおくと、運用・保守の仕事に入ったときに役立ちます。
中堅の方
実務で使っているクラウドサービスの、アソシエイトや管理者レベルの資格を目指しましょう。実務の経験と資格がそろうと、転職の際に強いアピールになります。
キャリアアップを目指す方
プロフェッショナルレベルの資格や、情報処理安全確保支援士で専門性を高めましょう。設計や上流工程、セキュリティの分野で活躍の場が広がります。
どの資格から始めるかが見えると、学習の計画も立てやすくなります。職種研究や資格選びに役立つ情報を、LINEで配信しています。まずは情報だけ受け取りたい方も、気軽にご利用ください。
資格と年収の関係
資格を取れば必ず年収が上がるわけではありません。年収に影響しやすいのは、資格そのものより、資格を活かして担当できる仕事の範囲です。
クラウドエンジニアに特化した公的な年収データはないため、ここでは関連するIT職種のデータを参考として紹介します。
| 指標 | 金額(目安) |
| システムエンジニア(基盤システム)の平均年収(参考:関連するIT職種) | 約684万円 |
| システムエンジニア(ウェブサービス開発)の平均年収(参考:関連するIT職種) | 約574万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
※システムエンジニアの年収は参考値です。クラウドエンジニアとは職務が異なり、年収の水準も別であることに注意してください。
相談の現場では、「資格をいくつも取ったのに、仕事内容も年収も変わらない」という声を聞くことがあります。この場合は、伸びない原因が自分のスキルにあるのか、資格を活かす機会のない環境にあるのかを切り分けることが大切です。運用の監視業務だけが続き、構築に関われない環境であれば、資格を活かせる職場へ移ることで、仕事の幅と評価が大きく変わることがあります。
効率的な勉強法のポイント
クラウドの資格を効率よく取得するには、次のポイントを意識しましょう。
・公式の学習教材や試験の出題範囲を、最初に確認する
・テキストを読むだけでなく、無料の利用枠などで実際に環境を作ってみる
・模擬試験を解き、間違えた分野を重点的に復習する
・一度に複数の資格を狙わず、一つずつ確実に取得する
・試験日を先に決めて、学習の計画を逆算する
特に大切なのは、実際に手を動かして学ぶことです。 クラウドの資格は、実務で使う知識が問われるため、手を動かした経験が理解を深めます。学んだ内容で簡単な仕組みを作っておくと、面接でも具体的に説明できます。
私たちは、労働条件・労働環境を独自に審査した求人のみを紹介しています。資格取得の支援制度がある企業や、クラウドの構築に関われる求人を探したい方のご相談も受けています。
資格を活かせる職場を、一緒に探しませんか
取得した資格や学習の成果がどんな求人で評価されるのか、市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
まとめ
・クラウドエンジニアに資格は必須ではないが、知識を客観的に示す材料になる
・役立つ資格は、クラウド各社の認定資格、インフラの基礎資格、国家資格の3分類
・未経験は入門資格、中堅はアソシエイト・管理者、キャリアアップはプロフェッショナルが目安
・年収に影響しやすいのは、資格を活かして担当できる仕事の範囲
・資格を取っても伸びない原因が自分か環境かを切り分け、活かせる職場を選ぶ
よくある質問
クラウドエンジニアの資格は、どれから取るのがおすすめですか?
未経験の方は、クラウド各社の入門資格や基本情報技術者試験から始めるのがおすすめです。実務経験がある方は、使っているクラウドサービスのアソシエイト・管理者レベルの資格を目指しましょう。応募したい企業が使っているサービスに合わせて選ぶのも一つの方法です。
資格だけで、未経験からクラウドエンジニアに転職できますか?
資格は学習の成果を示す材料になりますが、資格だけで転職が決まるとは限りません。企業は、実際に手を動かして何を作ったかや、学び続ける姿勢も見ています。資格とあわせて、学習の成果を説明できるよう準備しておきましょう。
クラウドの認定資格に有効期限はありますか?
クラウドサービス各社の認定資格には、有効期限が設けられているものがあります。期限が切れる前に、再認定の試験を受けるなどの対応が必要な場合があります。詳しくは、各社の公式情報を確認してください。
3つのクラウドサービスの資格を、すべて取る必要はありますか?
すべて取る必要はありません。まずは一つのサービスで基礎を固め、実務で使うサービスや、応募したい企業が使うサービスに合わせて広げていくのがおすすめです。クラウドの仕組みは共通する部分が多いため、一つを深く学ぶとほかも学びやすくなります。
資格を取ると、年収は上がりますか?
資格を取っただけで、必ず年収が上がるわけではありません。年収に影響しやすいのは、資格を活かして担当できる仕事の範囲です。資格手当がある企業もありますが、制度の有無は企業によって異なります。資格を活かせる仕事に就くことが大切です。
資格選びは、キャリアの方向性を考えるきっかけにもなります。今すぐ転職を考えていない方も、職種研究や資格選びに役立つ情報をLINEで受け取れます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
