機電系の人材不足は本当?7つの理由と転職市場の実態を解説

機電系の人材不足は本当?7つの理由と転職市場の実態を解説

「機電系は人材不足と聞くけれど、本当なのか」「人材不足なら、自分も転職しやすいのだろうか」と気になって検索した方も多いのではないでしょうか。

機電系の人材不足は実際に起きていますが、誰でも転職しやすいわけではなく、不足しているのは「特定の分野で経験を積んだ人材」です。人材不足という言葉だけで判断せず、どの分野で、どんな経験が求められているかを知ることが、キャリアを考えるうえで大切です。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、機電系が人材不足と言われる理由、データで見る実態、人材不足を自分のキャリアに活かす方法を解説します。

結論:機電系の人材不足は本当。ただし不足の中身に偏りがある

機電系の人材不足は、製造業の現場で実際に起きている課題です。ただし、すべての職種や経験の人が同じように求められているわけではありません。要点は次のとおりです。

・若手の減少やベテランの退職により、経験者の確保が難しくなっている
・電動化や自動化など、技術の変化で新しいスキルを持つ人材が足りない
・特に不足しているのは、即戦力となる経験者や専門性の高い人材
・未経験や経験の浅い人は、人材不足でも選考で苦戦することがある
・人材不足の分野と自分の経験が重なるかどうかで、転職のしやすさが変わる

「人材不足だから大丈夫」と安心するのでも、「自分には関係ない」と決めつけるのでもなく、自分の経験と求められている人材の重なりを確認することが大切です。

なぜ機電系は人材不足と言われるのか|7つの理由

機電系が人材不足と言われる背景には、複数の理由が重なっています。現場で実際に起きている課題として、一つずつ見ていきます。

1. 若手のエンジニアが減っている

少子高齢化により、働く世代の人口そのものが減っています。製造業でも新卒や若手の採用が難しくなり、次の世代の担い手が育ちにくい状況が続いています。

2. ベテランの退職で技術の継承が追いつかない

長年の経験を持つベテランが定年を迎える一方で、その技術や知識を受け継ぐ人が足りていません。図面や手順書に残らない「経験による勘どころ」の継承は、多くの現場で課題になっています。

3. 理工系の人材がほかの業界にも流れている

機械や電気を学んだ学生や若手が、IT業界など製造業以外の分野へ進むケースもあるとされます。理工系の人材を、業界同士で取り合う構図が生まれています。

4. 技術の変化で求められるスキルが変わっている

自動車の電動化や自動運転、工場の自動化などにより、機械と電気、ソフトウェアの知識を組み合わせて扱える人材が求められるようになりました。従来の経験だけでは対応しきれない領域が広がり、新しいスキルを持つ人材が不足しています。

5. 半導体や電子部品の分野で需要が高まっている

半導体や電子部品の分野では、国内での生産体制の強化に向けた動きがあり、製造装置の設計やプロセス開発(製造工程の条件を開発する仕事)などの人材が求められています。

6. 工場の所在地と働き手の住む地域が合わない

機電系の求人は、工場や研究所のある地方に多くあります。一方で、働き手は都市部に集まる傾向があり、地域のミスマッチが人材不足を大きくしている面があります。

7. 求める経験が細かく、条件が合う人が少ない

機電系の仕事は専門性が細かく分かれています。企業が「この製品で、この工程の経験がある人」と条件を絞るほど、当てはまる人材は少なくなります。求人の数はあっても、条件が合わずに採用が決まらないケースも少なくありません。

相談の場では、「人材不足と言われているのに、応募した求人で書類が通らない」という声を聞くことがあります。多くの場合、原因は能力ではなく、企業の求める経験と、伝えている経験の書き方が合っていないことにあります。

人材不足の背景を知ると、自分の経験がどこで求められているかも見えやすくなります。機電系の求人の傾向や、経験を活かして環境を変えた方の事例をLINEでもお届けしています。情報を受け取るだけでも気軽にご利用ください。

公式LINEを追加する

データで見る実態|求人倍率と需要

機電系の人材不足を、データでも確認してみましょう。ただし、機電系の職種に限った統計は、信頼できる数値を確認したうえで掲載します。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)

有効求人倍率は、仕事を探している人1人に対して何件の求人があるかを示す指標です。1倍を超えると、求人の数が求職者の数を上回っている状態を表します。上の表の1.12倍は全職業を対象とした数値で、機電系の職種に限ったものではない点に注意してください。

求人の傾向から見える実態

私たちが見ている求人の傾向では、機電系の中でも、設計や生産技術の経験者、制御や組込の知識を持つ人材を求める求人が多く見られます。一方で、「未経験歓迎」と書かれた機電系の求人は、経験者向けの求人に比べると限られる傾向があります。

人材不足とは「求人が多い」ことであって、「どの求人にも採用されやすい」ことではありません。この点を理解しておくと、転職活動で期待とのずれを減らせます。

自分の経験が今の市場でどう評価されるか知りたい方へ

人材不足の分野と自分の経験がどれだけ重なるかは、自分だけでは判断しにくいものです。経験豊富なアドバイザーが、市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
無料で相談する

人材不足が特に言われる分野・職種

機電系の中でも、人材不足が言われやすい分野や職種があります。代表的なものを整理します。

分野・職種人材不足が言われる理由求められやすい経験
機械設計製品開発の上流工程を担える人材が少ない構想設計、強度や熱の検討
電気・電子回路設計電動化や電子機器の高機能化で需要が増加アナログ回路、電源回路の設計
組込・制御機械とソフトウェアの両方を理解する人材が少ない制御プログラムの設計、機器との連携
生産技術工場の自動化や新しいラインの立ち上げが続くライン設計、設備の導入、工程改善
設備保全ベテランの退職で技術の継承が課題電気・機械の保全、故障の原因調査
半導体関連生産体制の強化に向けた動きがある製造装置の設計、プロセス開発

これらは傾向であり、地域や企業によって状況は異なります。気になる分野がある場合は、実際の求人の内容を確認しながら判断してください。

人材不足でも転職しやすい人・しにくい人

人材不足の状況でも、転職のしやすさは人によって異なります。違いを生むのは、経験の内容と、その伝え方です。

転職しやすい傾向がある人

・設計、生産技術、制御など、需要の高い分野で実務経験がある
・担当した工程や成果を、具体的に説明できる
・機械と電気、ハードとソフトなど、複数の領域の知識を持っている
・勤務地や働き方の条件に、ある程度の柔軟性がある

転職に苦戦しやすい傾向がある人

・実務経験がない、または経験の期間が短い
・担当業務が補助的で、自分の役割を説明しにくい
・勤務地や年収などの条件を強く限定している

ただし、これはあくまで傾向で、当てはまるからといって転職できないわけではありません。経験の伝え方を見直したり、求人の探し方を変えたりすることで、選択肢が広がることは多くあります。

経験を整理するための記入表

自分の経験が人材不足の分野と重なるかを確かめるために、次の表を埋めてみてください。

項目記入例
担当した製品・設備産業用ロボットの駆動部
担当した工程構想設計から試作評価まで
使った技術・知識強度計算、モーターの選定
成果(数値)部品点数を○%削減、開発期間を○か月短縮
関わった人数・規模設計チーム○名、年間生産○台

成果は、改善した割合、短縮した時間、扱った規模など、数字で示せるものを書くのがポイントです。数字にすると、企業が求める経験との重なりを伝えやすくなります。

人材不足を活かすための3つの選択肢

人材不足の状況を自分のキャリアに活かすには、次の3つの選択肢があります。

1. 今の職場で役割を広げる

人材不足の職場では、手を挙げれば新しい仕事に関わる機会が得られることがあります。上流工程や新しい技術に関わる業務を担当できれば、今の会社にいながら経験の幅を広げられます。

2. 同じ分野で環境の良い企業に移る

今の仕事内容に不満はないものの、評価や待遇、働き方に悩んでいる場合は、同じ分野で体制の整った企業へ移る選択肢があります。人材不足の分野では、経験者の採用に力を入れている企業もあります。

3. 隣の分野へキャリアを広げる

機械設計から制御設計へ、設備保全から生産技術へなど、これまでの経験を活かしながら隣の分野に移ることもできます。人材不足が言われる分野へ移ることで、より需要の高い人材になれる可能性があります。

職種の問題か、職場の問題かを切り分ける

どの選択肢を選ぶかを考える前に、今の悩みの原因を整理しておきましょう。人材不足の分野で働いているのに評価や待遇に不満があるなら、問題は職種ではなく今の職場の環境にある可能性があります。その場合は、同じ分野で環境を変えることが近道です。一方で、仕事内容そのものが合わないと感じるなら、分野を変えることを考えてみてください。

相談の場では、「人手が足りず業務が増える一方なのに、給与が上がらない」という声をよく聞きます。人材不足の負担が一部の人に集中している職場は少なくありません。こうした場合は、同じ分野でも体制の整った企業を探すことで、悩みが解消されることがあります。

経験を活かせるキャリア

機電系の経験は、人材不足の分野だけでなく、さまざまなキャリアに活かせます。

・メーカーの上流工程:構想設計や製品企画など、開発の初期段階に関わる
・品質保証:設計や製造の知識を活かし、製品の信頼性を守る
・技術営業:技術の知識を活かし、顧客の課題に合わせた提案をする
・製造業の社内システム担当:現場の知識を活かし、工場のシステム化を進める
・組込・制御:機械や電気の知識を活かし、機器を動かすソフトウェアに関わる

私たちはIT・機電の両方の領域を扱っているため、機電系の経験を活かして、組込・制御や製造業のシステム関連の仕事へキャリアを広げたいという相談も受けています。リモートワークができる求人を扱っていることも、選択肢の一つとして知っておくとよいでしょう。

人材不足の今だからこそ、キャリアを一度整理してみませんか

今すぐ転職するかどうか決めていなくても大丈夫です。今の悩みの相談だけでもかまいません。初回の面談はWebや電話で20分ほどで、情報収集を目的とした相談も歓迎しています。
無料で相談する

まとめ

・機電系の人材不足は実際に起きているが、不足しているのは主に経験者や専門性の高い人材
・若手の減少、技術の継承、技術の変化、地域のミスマッチなど、複数の理由が重なっている
・人材不足は「求人が多い」ことで、「誰でも採用されやすい」ことではない
・経験の内容を具体的に整理し、数字で伝えることで、求められる人材との重なりを示しやすくなる
・悩みの原因が職種か職場の環境かを切り分け、今の職場、環境を変える転職、隣の分野への移動から選ぶ

よくある質問

機電系は本当に人材不足なのですか?

人材不足は実際に起きている課題です。若手の減少やベテランの退職、技術の変化などが重なり、経験者の確保が難しくなっています。ただし、不足の程度は分野や地域、企業によって異なるため、自分の分野の求人の状況を個別に確認することが大切です。

人材不足なら未経験でも機電系に転職できますか?

可能性はありますが、経験者に比べると選択肢は限られる傾向があります。人材不足で求められているのは主に即戦力の経験者だからです。工学系の知識や、ものづくりに関わった経験など、活かせる要素を整理して応募すると、選考を進めやすくなります。

人材不足の分野に移れば年収は上がりますか?

上がる可能性はありますが、必ず上がるとは限りません。年収は、経験の内容や企業の規模、地域などによって大きく変わります。人材不足の分野で自分の経験が評価されるかを確かめたうえで、条件を比べて判断することをおすすめします。

機電系の仕事はAIや自動化でなくなりますか?

すぐになくなるとは考えにくいです。自動化が進むほど、設備を設計し、導入し、保守する機電系の人材が必要になります。ただし、仕事の進め方は変わっていくため、新しい技術やソフトウェアの知識を少しずつ身につけておくと安心です。

人材不足で今の職場の負担が重いときはどうすればよいですか?

まずは上司に業務量や役割分担について相談してみましょう。改善が見込めない場合は、同じ分野で体制の整った企業へ移ることも選択肢です。人材不足の負担が一部の人に集中しているかどうかは、職場によって大きく異なります。

人材不足の分野はどうやって調べればよいですか?

転職サイトで求人の数や内容を確認したり、転職エージェントに分野ごとの求人の傾向を聞いたりする方法があります。求人票に書かれている「必須の経験」を見ると、企業が特に求めている人材の特徴がつかみやすくなります。

人材不足の分野や、機電系エンジニアのキャリアの考え方に役立つ情報をLINEで配信しています。転職を決めていない方も、気になったときに読んでいただけます。

公式LINEを追加する

この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大

立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。