回路設計の年収は?平均年収と年代別の相場・年収アップ方法を解説

回路設計の年収は?平均年収と年代別の相場・年収アップ方法を解説

「回路設計の年収はどのくらいなのか」「経験を積めば年収800万円や1,000万円を目指せるのか」と気になる方も多いでしょう。

回路設計の年収は、担当する回路の種類や製品、経験年数、企業規模、役職などによって大きく変わります。

公的統計では「回路設計」だけを切り出した平均年収は確認しにくいものの、厚生労働省のjob tagでは、関連する「電気技術者」の全国平均年収は703.9万円となっています。

ただし、この数値には電気設備や電気機器の技術開発、保守・管理など、回路設計以外の業務も含まれます。そのため、回路設計エンジニアの平均年収としてそのまま捉えることはできません。

一方、JHRの「転職賃金相場2025」では、「エンジニア(電気・電子回路設計)」について、首都圏の募集時最低年収の中央値の範囲が400~550万円、最高年収の上位15%値の範囲が900~1,288万円とされています。東海では410~500万円と900~1,500万円、近畿では400~500万円と900~1,200万円でした。

回路設計の年収は経験や専門性による差が大きく、転職市場では400万円台から1,000万円を超える求人まで存在します。

この記事では、回路設計の年収相場を年代・経験・スキル別に整理し、年収を上げるために必要な経験や転職のポイントまで詳しく解説します。

回路設計の平均年収は?公的データから見る給与水準

回路設計の年収を考える際には、まず公的統計と転職市場のデータを分けて見る必要があります。

厚生労働省のjob tagでは、「電気技術者」の全国平均年収は703.9万円です。

同職種の就業者数は30万5,190人、平均年齢は42.1歳、労働時間は月159時間となっています。

また、ハローワーク求人統計では、令和7年度の求人賃金は月31.5万円、有効求人倍率は2.43倍でした。2026年6月の求人賃金は32.1万円となっています。

指標数値
年収703.9万円
平均年齢42.1歳
労働時間159時間/月
求人賃金31.5万円/月
有効求人倍率2.43倍
2026年6月求人賃金32.1万円/月

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag/電気技術者」

ただし、ここで注意したいのが職種の範囲です。job tagの「電気技術者」には、電気設備や機器の技術開発、改良、保守・管理などが含まれています。

一方、回路設計では、配電部分や電気回路の設計、自動制御盤の設計、専用機の制御設計などが業務として含まれます。

そのため、703.9万円という数字を「回路設計者の平均年収」と断定するのではなく、回路設計を含む関連職種の公的な年収水準を確認するための参考値として見ることが重要です。

回路設計の転職市場では年収400万円から1,000万円超まで幅がある

回路設計の転職市場を確認するうえでは、JHRの「転職賃金相場2025」が参考になります。

同調査では、「エンジニア(電気・電子回路設計)」を対象として、募集時の最低年収と最高年収の相場が地域別に整理されています。

地域募集時最低年収・中央値の範囲募集時最高年収・上位15%値の範囲
首都圏400~550万円900~1,288万円
東海410~500万円900~1,500万円
近畿400~500万円900~1,200万円

出典:一般社団法人 人材サービス産業協議会「転職賃金相場2025」

このデータから分かるのは、「回路設計なら年収○万円」と一つの数字で判断するのは難しいということです。

同じ回路設計でも、担当する製品や設計範囲、経験、役職などによって求人の年収帯が大きく異なります。

例えば、担当エンジニアとして設計の一部を担当する場合と、製品全体の仕様検討から回路設計、評価まで担う場合では、求められるスキルが異なります。

さらに、プロジェクトの責任者や技術専門職として高い専門性を持つ人材では、より高い年収帯の求人も見られます。

回路設計の年収を決める5つの要因

回路設計の年収は、単純に「経験年数」だけで決まるわけではありません。

主に次の5つが年収に影響します。

要因年収への影響
経験年数担当できる業務範囲が広がるほど評価されやすい
設計領域アナログ・デジタル・高周波など専門性が異なる
製品領域自動車、産業機器、医療機器などで求められる経験が異なる
担当工程回路設計だけでなく仕様検討・評価まで担当できるか
役割リーダー・管理職・専門職など責任範囲が異なる

1.経験年数

経験年数が増えると、単に設計作業を行うだけでなく、仕様検討や顧客との調整、不具合対応など、より広い業務を任されるケースがあります。

特に転職市場では「何年経験したか」だけではなく、「その経験によって何ができるのか」が重要です。

例えば「回路設計5年」だけではなく、「アナログ回路設計を5年間経験し、仕様検討から設計、評価、不具合解析まで担当」と説明できれば、経験の具体性が高まります。

2.回路の専門性

回路設計には、アナログ回路、デジタル回路、電源回路、RF・高周波回路などさまざまな領域があります。

また、製品によって必要な知識も変わります。

そのため、単純に「回路設計経験がある」だけではなく、「どの領域に強いのか」を明確にすることが重要です。

3.製品分野

自動車、産業機器、家電、医療機器、通信機器など、製品によって設計上の要求は異なります。

例えば自動車関連であれば、品質や信頼性、安全性などを考慮した設計経験が求められるケースがあります。自分の経験がどの製品分野で生かせるのかを整理することで、転職時の市場価値も把握しやすくなります。

4.担当工程

年収を考えるうえで特に重要なのが「どこまで担当できるか」です。

設計図面を作成するだけなのか、仕様検討から設計、評価、不具合解析まで担当しているのかでは、経験の幅が変わります。

年収を上げたいなら、担当工程を広げて「製品を完成させるために何ができるか」を増やすことが重要です。

5.役職・マネジメント経験

リーダーや管理職になると、個人の設計スキルだけでなく、プロジェクト管理やメンバー育成、他部署との調整なども求められます。

一方で、年収アップの方法は管理職だけではありません。

JHRの2025年データでも、年収1,000万円以上の決定者には、管理職だけでなく、強電設計などの技術専門職や研究職、責任者などが含まれています。

回路設計の年収は20代でどのくらい?

20代の回路設計エンジニアは、経験が浅い段階では年収400万円前後からスタートする求人もあります。

JHRの「転職賃金相場2025」では、年収400~599万円の決定者について、20代後半~40代が多く、回路設計経験を持つ人が中心とされています。

一方、年収600~799万円では、30代~50代が多く、3年以上の回路設計などの業務経験が特徴として挙げられています。

20代の場合、いきなり高年収を狙うよりも、まずは「設計経験をどこまで広げるか」を意識したほうがよいでしょう。

キャリア段階意識したいこと
20代前半基礎知識・CAD・回路設計の実務を身につける
20代後半設計から評価・不具合解析まで経験を広げる
30代前半仕様検討・上流工程にも関わる
30代後半以降専門職・リーダー・マネジメントなど方向性を選ぶ

もちろん年齢だけで年収が決まるわけではありません。同じ20代でも、担当製品や設計範囲、企業によって給与水準は異なります。

回路設計の年収は30代でどう変わる?

30代になると、単純な設計作業だけではなく、製品開発全体への理解が評価されやすくなります。

JHRのデータでは、年収600~799万円の決定者について、弱電設計、研究開発、回路設計などの技術専門職や責任者候補が含まれています。また、3年以上の回路設計などの業務経験が特徴として挙げられています。

そのため30代で年収アップを考えるなら、

・仕様検討
・回路設計
・評価
・不具合解析
・量産対応
・顧客との調整
・後輩の指導

など、設計工程の一部だけではなく、製品開発を広く経験していくことがポイントになります。

特に「設計したものを評価して終わり」ではなく、「問題が発生したときに原因を特定し、設計へフィードバックできる」人材は、担当できる業務の幅を広げやすくなります。

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回路設計で年収800万円を目指すには?

回路設計で年収800万円を目指す場合、単に経験年数を増やすだけではなく、専門性や担当範囲を明確にする必要があります。

JHRのデータでは、年収800~999万円の決定者について、技術専門職やプロダクトマネージャー候補などが見られ、上流から下流までの経験やプロダクトマネージャー経験、英語力が求められる場合もあるとされています。

年収800万円を目指す際には、次のような経験が候補になります。

上流工程の経験を増やす

仕様検討や製品企画に近い工程まで経験すると、単なる設計担当者から「製品を考えられるエンジニア」へ役割を広げられます。

専門領域を作る

アナログ、デジタル、電源、高周波など、自分の得意領域を明確にする方法です。「回路設計ができます」ではなく、「○○領域の設計を得意としている」と説明できる状態を目指しましょう。

製品開発全体を経験する

設計だけでなく、試作、評価、量産、不具合解析まで経験すると、製品開発全体への理解が深まります。

英語力を身につける

海外拠点との連携や海外顧客への対応が必要な企業では、英語力がプラスになるケースがあります。

ただし、英語があれば必ず年収が上がるわけではありません。応募する企業やポジションで必要とされるかを確認することが重要です。

回路設計で年収1,000万円は可能?

回路設計で年収1,000万円を目指すことは可能ですが、一般的な担当エンジニアとして経験を積めば必ず到達できる水準とはいえません。

JHRの「転職賃金相場2025」では、年収1,000万円以上の決定者について、管理職だけではなく、強電設計などの技術専門職、研究職、責任者などが挙げられています。

また、10年以上の回路設計経験や外資系企業、海外対応経験などが特徴として示されています。

つまり、年収1,000万円を目指す場合は、次のような複数のキャリアルートが考えられます。

ルート求められる経験
技術専門職高度な専門知識・難易度の高い設計経験
管理職チーム管理・プロジェクト管理
技術責任者製品・技術領域をリードする経験
研究開発高度な専門性・研究開発経験
グローバル人材海外顧客・海外拠点との連携経験

重要なのは、「1,000万円を目指す=管理職になる」ではないことです。技術力を突き詰める専門職ルートもあります。

回路設計で年収を上げやすいスキル

回路設計エンジニアが年収アップを考える場合、専門技術だけでなく、設計の前後にある工程を理解することも重要です。

スキル活用できる場面
アナログ回路設計センサー・電源・計測機器など
デジタル回路設計制御機器・電子機器など
電源設計各種電子機器・産業機器など
FPGAデジタル処理・制御など
EMI・EMCノイズ対策・評価など
回路シミュレーション設計検証・解析
不具合解析品質改善・原因究明
評価・試験製品性能・信頼性の確認
仕様検討上流工程・製品開発
マネジメントプロジェクト・チーム管理

特に年収アップを目指すなら、「設計ツールを使える」だけでなく、設計判断の根拠を説明できることが重要です。

なぜその部品を選んだのか、なぜその回路構成にしたのか、どのようなリスクを想定したのかなどを説明できれば、より上流の仕事にもつながります。

AI・デジタル化で回路設計の年収は下がる?

AIやデジタル技術の進化によって、回路設計の仕事も変化する可能性があります。

2026年版ものづくり白書では、AIなどのデジタル技術の急速な発展が製造業を取り巻く環境を変えており、製造業の競争力強化に向けてAI・デジタル技術の活用が重要になっているとされています。

一方で、AI・デジタル技術を活用するうえでは、知識やノウハウ、人材確保が課題として挙げられています。このことから、「AIによって回路設計者が不要になる」と単純に考えるのは適切ではありません。むしろ今後は、設計知識に加えてデジタル技術を活用できるエンジニアの重要性が高まる可能性があります。

例えば、

・設計データの分析
・シミュレーション
・設計検証
・品質データの分析
・AIを利用した設計支援

などです。

ただし、現時点でAI活用経験があるだけで年収が上がると断定することはできません。

AIを目的にするのではなく、回路設計の専門性を高めるためにデジタル技術を活用するという考え方が重要です。

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回路設計の年収は「経験年数」だけではなく、担当製品・回路領域・工程・企業によって大きく変わります。自分の経験が転職市場でどの程度評価されるのか知りたい方は、機電系エンジニアのキャリア情報も参考にしてください。

回路設計から年収を上げるなら転職も選択肢

現在の会社で経験を積むことだけが、年収アップの方法ではありません。同じ回路設計でも、企業によって年収水準や担当する業務範囲が異なるためです。

特に転職を考える場合は、単純に「今より年収が高い求人」を選ぶのではなく、次の項目を確認しましょう。

確認項目見るポイント
年収基本給・賞与・手当を含めた条件
設計範囲どこからどこまで担当するか
製品自分の経験が生かせるか
技術領域得意分野を伸ばせるか
上流工程仕様検討に関われるか
キャリア専門職・管理職の選択肢
評価制度技術力がどう評価されるか

例えば年収500万円から600万円への転職だけを考えるのではなく、「600万円の求人でどのような経験を積めるのか」まで考えることが重要です。

短期的な年収アップだけを優先すると、担当業務が狭くなり、数年後に市場価値を上げにくくなる可能性もあります。

回路設計の年収を上げるために転職前に整理したいこと

転職活動を始める前に、自分の経験を整理しておきましょう。

どんな製品を担当したか

「回路設計」だけではなく、どの製品に携わったかを明確にします。

どんな回路を設計したか

アナログ、デジタル、電源など、具体的な領域を整理します。

どこまで担当したか

仕様検討、設計、試作、評価、量産、不具合解析など、担当工程を洗い出します。

どんな成果を出したか

コスト削減、品質改善、設計期間短縮、不具合削減など、数字で説明できる成果があれば整理しましょう。

周囲とどう連携したか

回路設計だけで完結する仕事は多くありません。機械設計、組み込み、ソフトウェア、品質保証、製造など、どの部署と連携したのかも重要なアピール材料です。

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回路設計の年収アップで失敗しないための注意点

年収だけを見て転職先を決めるのはおすすめできません。

例えば年収が50万円上がったとしても、希望していた設計工程を経験できなければ、長期的なキャリア形成につながらない可能性があります。

また、求人票に「回路設計」と書かれていても、実際の仕事内容が評価・試験中心というケースもあります。

そのため、面接では次の質問を確認しましょう。

・担当する回路設計の範囲はどこまでか
・仕様検討から携われるか
・設計と評価の割合はどの程度か
・使用する設計ツールは何か
・製品開発のどの段階から参加するか
・将来的にどのようなキャリアを選べるか
・技術専門職のキャリアはあるか

年収アップと市場価値アップが両立する転職かどうかを確認することが、長期的なキャリアでは重要です。

回路設計の年収について転職エージェントに相談するメリット

回路設計の年収を調べる場合、求人サイトを見るだけでは自分の経験がどの程度評価されるのか分からないことがあります。

例えば同じ「回路設計5年」でも、

・アナログ回路が中心
・デジタル回路が中心
・電源回路に強い
・FPGAまで対応できる
・仕様検討から担当できる
・評価や不具合解析まで経験している

などによって、応募できる求人は変わります。

また、企業によって年収制度や技術職の評価方法も異なります。

そのため転職を検討する際には、自分の経験を職務経歴書に整理し、複数の求人と比較しながら市場価値を確認することが大切です。

私たちAIdea Careerでは、IT・機電エンジニアを中心に、これまでの経験や希望条件を整理したうえで求人をご紹介しています。

年収だけではなく、「どのような経験を積めば今後さらに年収を上げられるのか」というキャリアの視点から求人を検討することも重要です。

まとめ

・回路設計だけを対象とした公的な平均年収は確認しにくい
・job tagの関連職種「電気技術者」の平均年収は703.9万円
・転職市場では400万円台から1,000万円を超える年収帯まで存在する
・年収は経験年数だけでなく、専門性や担当工程、製品領域によって変わる
・年収600万円以上では設計経験や専門性、上流工程などが重要になる
・年収800万円以上を目指すなら、上流工程や高度な専門性を身につけたい
・年収1,000万円以上では技術専門職、研究職、責任者などの道もある
・転職では年収だけでなく、将来的に市場価値を高められる仕事か確認する

よくある質問

回路設計の平均年収はいくらですか?

回路設計だけを対象にした公的な平均年収は確認しにくいため、単一の数字で判断するのは難しいです。厚生労働省のjob tagでは、関連する「電気技術者」の全国平均年収は703.9万円ですが、回路設計以外の業務も含まれます。転職市場では400万円台から1,000万円を超える求人・決定事例があります。

回路設計で年収600万円は可能ですか?

可能です。JHRの「転職賃金相場2025」では、電気・電子回路設計の年収600~799万円の決定者について、回路設計などの業務経験3年以上や技術専門職・責任者候補などが特徴として挙げられています。ただし、年収は企業や経験によって異なります。

回路設計で年収800万円を目指すには?

仕様検討などの上流工程、製品開発全体の経験、高い専門性などを身につけることが選択肢になります。JHRでは年収800~999万円の決定者に、上流から下流までの経験や技術専門職、プロダクトマネージャー候補などが見られます。企業によって求められる経験は異なります。

回路設計で年収1,000万円は可能ですか?

可能ですが、一般的な担当エンジニアとして経験を積むだけで到達できるとは限りません。JHRの2025年データでは、年収1,000万円以上の決定者に技術専門職、研究職、責任者などが含まれ、10年以上の回路設計経験や海外対応経験なども特徴として挙げられています。

回路設計は今後年収が上がる仕事ですか?

将来的な年収を一律に予測することはできません。ただし、製造業ではAI・デジタル技術の活用が重要になっており、知識・ノウハウや人材確保が課題とされています。回路設計の専門性に加えて、設計・評価・データ活用などの領域まで経験を広げることは、キャリアの選択肢を増やす一つの方法です。

回路設計の年収を上げるなら転職したほうがよいですか?

必ずしも転職が必要とは限りません。ただし、企業によって年収水準や担当できる工程が異なるため、転職によって条件が変わる可能性はあります。年収だけでなく、仕様検討や製品開発など将来の市場価値につながる経験を積めるかも確認しましょう。

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この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大

立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。