「データサイエンティストに興味があるけれど、未経験から転職できるのか」「数学やプログラミング経験がなくても目指せるのか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
データサイエンティストは未経験からでも目指せますが、統計・IT・データ分析を段階的に学び、実際にデータを扱った経験を作ることが重要です。
これまでの仕事で身につけたIT知識や業界理解を活かせるケースもあります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、未経験からデータサイエンティストを目指す方法や必要なスキル、転職までの5ステップを解説します。
データサイエンティストは未経験から目指せる?
データサイエンティストは、未経験からでも目指せる職種です。
ただし、統計やプログラミングなど複数分野の知識が必要になるため、準備なしですぐ転職できるとは限りません。
重要なのは、「未経験」を一括りにせず、これまでの経験から活かせる部分を整理することです。
例えば、同じ未経験でも、
・システムエンジニア経験がある
・データベースを扱った経験がある
・マーケティングで数値分析をしていた
・製造業で品質データを扱っていた
・営業で売上データを分析していた
など、経験は人によって異なります。
直接データサイエンティストとして働いていなくても、関連する経験が評価につながる可能性があります。
私たちが転職相談を受ける際も、「未経験だからゼロから」とは考えません。
これまでの仕事内容を分解し、データ領域で活かせるスキルがないかを確認します。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは、企業が保有するデータを分析し、事業上の課題解決や意思決定に活用する仕事です。
単に数字を集計するだけではなく、課題設定から分析結果の活用まで担当する場合があります。
主な仕事内容は次のとおりです。
| 工程 | 主な仕事内容 |
| 課題設定 | 解決したい事業課題を整理する |
| データ収集 | 分析に必要なデータを集める |
| データ加工 | 分析できる状態に整える |
| 分析 | 統計などを使って傾向を調べる |
| モデル構築 | 必要に応じて機械学習を利用する |
| 可視化 | グラフや表で結果を整理する |
| 提案 | 分析結果を事業改善につなげる |
未経験から目指す場合は、最初からすべてをできるようにする必要はありません。
まずはデータ整理や基礎的な分析から学び、徐々に担当できる範囲を広げていきましょう。
未経験からデータサイエンティストを目指す4つのルート
未経験から目指す方法は一つではありません。
現在の仕事や経験によって、適したルートが異なります。
ITエンジニアから目指す
メリット:IT・システムの知識を活かしやすい
システムエンジニアやインフラエンジニアなどの経験者は、IT基礎をすでに持っていることが強みです。
例えば、
・プログラミング
・データベース
・システム設計
・クラウド
・要件整理
などの経験を活かせる可能性があります。
不足している統計やデータ分析の知識を追加で学ぶことで、データ領域へ広げやすくなります。
注意点:分析経験を別途作る必要がある
IT経験があっても、統計や分析の実績がなければデータ職の経験者として扱われるとは限りません。
学習だけでなく、実際にデータを分析した経験を作りましょう。
マーケティング・企画職から目指す
メリット:ビジネス課題を理解する力を活かせる
マーケティングや企画では、売上や顧客データを扱う機会があります。
例えば、
・広告成果の分析
・顧客属性の比較
・売上推移の確認
・施策前後の効果測定
などの経験です。
データを使って意思決定した経験があれば、データ職でも強みになります。
注意点:IT・プログラミングの補強が必要
分析経験があっても、システムやデータベースの知識が不足している場合があります。
IT基礎から補いましょう。
製造・研究職から目指す
メリット:数値や実験データを扱った経験を活かせる
製造業や研究職では、品質や実験データを分析する機会があります。
例えば、
・不良率の分析
・試験結果の比較
・工程データの確認
・実験結果の統計処理
などです。
統計を使った経験がある場合は、データ分析職でも活かせる可能性があります。
注意点:事業データとの違いを理解する
研究や品質データと、顧客・売上などの事業データでは分析目的が異なります。
ビジネス課題を理解する力も身につけましょう。
完全未経験から目指す
メリット:基礎から体系的に学べる
ITや分析の経験がない場合でも、順番に学習することで目指せます。
一方で、学ぶ分野が多いため、最初からデータサイエンティストだけに絞らず、データアナリストなど周辺職種も含めて検討するとよいでしょう。
注意点:学習だけで転職活動を終わらせない
資格取得や教材学習だけでは、実際にデータを扱えることを示しにくくなります。
成果物や分析経験を作ることが重要です。
未経験からデータサイエンティストになる5ステップ
未経験から目指す場合は、順番に準備を進めることが大切です。
仕事内容の理解から求人応募まで、5つのステップで進めると整理しやすくなります。
1. データサイエンティストの仕事内容を理解する
最初に、仕事の全体像を理解しましょう。
「人工知能を使う仕事」というイメージだけで目指すと、入社後にギャップを感じる可能性があります。
実際には、
・データ整理
・統計分析
・他部署との打ち合わせ
・結果の説明
なども重要な仕事です。
求人を複数確認し、企業によって仕事内容がどう違うかを見るのもおすすめです。
2. 統計・IT・データ分析の基礎を学ぶ
次に、必要な基礎知識を身につけます。
主に学びたい分野は次のとおりです。
・統計
・プログラミング
・データベース
・データ分析
・IT基礎
完全未経験の場合は、すべてを同時に深く学ぶ必要はありません。
基礎を広く理解し、自分が目指す求人で必要な分野を深めましょう。
3. 実際のデータを分析する
学習した知識を、実際のデータで使ってみましょう。
例えば、
・売上データの推移を分析する
・商品別の違いを比較する
・顧客属性ごとの特徴を見る
・結果をグラフにまとめる
などです。
「知っている」から「使える」状態へ移すことが重要です。
分析するときは、ただ数字を見るのではなく、
「何を知りたいのか」
「どんな仮説を立てたのか」
まで考えましょう。
4. ポートフォリオや成果物を作る
未経験者は、実務経験がない分、学習成果を見せられる状態にしておくと説明しやすくなります。
成果物には、次の内容を整理します。
・分析した目的
・使用したデータ
・分析方法
・結果
・結果から考えたこと
特に重要なのは、分析手法の難しさではありません。
なぜその分析をしたのかを説明できることです。
5. 経験に合った求人へ応募する
準備ができたら、求人を確認します。
求人票では、
・未経験可か
・必須条件は何か
・どの分析業務を担当するか
・研修や育成環境があるか
・チーム体制はどうなっているか
を見ましょう。
すべての条件を満たす必要があるとは限りません。
必須条件と歓迎条件を分け、自分の経験がどこまで活かせるか確認します。
未経験から目指す場合は、職種名だけでなく入社後にどのような経験を積めるかを見ることも大切です。データ職種のキャリア情報をLINEでも確認できます。
未経験から目指すために必要なスキル
データサイエンティストには、複数のスキルが求められます。
ただし、未経験の段階ですべてを高いレベルで身につける必要はありません。
| スキル | 内容 | 未経験者の目標 |
| 統計 | データの傾向や差を理解する | 基礎概念を理解する |
| プログラミング | データを加工・分析する | 基本的な処理ができる |
| データベース | データを取得する | 基礎構造を理解する |
| 可視化 | 結果をグラフなどで伝える | わかりやすく整理できる |
| ビジネス理解 | 分析目的を考える | 課題とデータを結び付ける |
| 説明力 | 分析結果を伝える | 結論を簡潔に説明できる |
統計の知識
データ分析では、数字の違いや傾向を正しく理解するために統計を使います。
平均や分散、確率などの基礎から始めましょう。
最初から高度な数式をすべて理解する必要はありません。
実際のデータに当てはめながら学ぶと理解しやすくなります。
プログラミング
データ加工や分析では、プログラムを使うことがあります。
大量のデータを扱う場合、手作業だけでは効率が悪くなるためです。
言語を覚えること自体を目的にせず、データを読み込み、加工し、分析できる状態を目指しましょう。
データベース
企業のデータは、データベースなどに保存されています。
そのため、必要なデータを取得する仕組みへの理解も役立ちます。
システムエンジニア経験者は、これまでの知識を活かしやすい分野です。
ビジネス理解
データ分析の目的は、数字を出すことではありません。
分析結果を使って事業課題を解決することです。
「何を改善したいのか」を理解できる力も重要です。
未経験者に資格は必要?
データサイエンティストになるための必須資格はありません。
一方で、未経験者が知識を体系的に学ぶ方法として資格を活用することは有効です。
例えば、次のような資格や検定があります。
| 資格・検定 | 学べる内容 | 向いている人 |
| データサイエンティスト検定 | データ活用全般 | 初学者 |
| 統計検定 | 統計・確率 | 分析基礎を学びたい人 |
| 基本情報技術者試験 | IT基礎 | IT未経験者 |
| 応用情報技術者試験 | IT応用 | IT経験者 |
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、データサイエンティスト専用の資格ではありません。
IT全体を理解するための選択肢です。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
資格を取得するだけで転職できるわけではありません。
資格学習と実際のデータ分析を並行しましょう。
未経験からの転職で評価されやすい経験
未経験者の場合、「データサイエンティスト経験がない」という点だけを見る必要はありません。
これまでの仕事の中に、活かせる経験がないか整理しましょう。
例えば、
・売上データを分析して施策を改善した
・作業時間を集計し業務を効率化した
・不良率を分析して品質改善につなげた
・システムからデータを抽出した
・顧客データを使って傾向を調べた
などです。
データ職ではなくても、数字を使って課題を改善した経験はアピール材料になります。
転職活動では、
「売上データを分析した」
だけではなく、
「どの課題に対して、どのデータを使い、何を改善したか」
まで整理しましょう。
可能であれば、
「作業時間を月○時間削減」
「対象データ○件を分析」
など、業務規模も数字で示すと伝わりやすくなります。
未経験からデータサイエンティストを目指す際の注意点
未経験から目指す場合、学習方法だけでなく求人選びにも注意が必要です。
資格取得だけをゴールにしない
資格は学習には役立ちますが、実務経験の代わりになるとは限りません。
学んだ知識を使って、実際にデータを分析しましょう。
いきなり高度な分野だけを学ばない
人工知能や機械学習に興味があっても、基礎となるデータ整理や統計を飛ばさないことが大切です。
基礎が不足していると、分析結果を正しく判断しにくくなります。
「未経験可」の意味を確認する
求人に未経験可と書かれていても、
・職種未経験可
・IT未経験可
・業界未経験可
では意味が異なります。
応募条件を細かく確認しましょう。
データサイエンティストだけに絞りすぎない
未経験の場合は、データアナリストやデータエンジニアなど関連職種も候補になります。
最初に周辺職種で経験を積み、後からデータサイエンティストへ広げる方法もあります。
未経験から目指す場合の求人の選び方
求人を選ぶ際は、年収や企業名だけで判断しないようにしましょう。
未経験者は「入社後に経験を積めるか」を特に確認することが重要です。
主なチェック項目は次のとおりです。
・具体的な仕事内容
・必須条件と歓迎条件
・未経験者の育成体制
・チーム内の職種構成
・分析とデータ整理の割合
・使用する技術や環境
・入社後に担当する業務
・将来的なキャリアパス
求人によっては、データサイエンティストという名称でも、実際にはデータ基盤や集計が中心の場合があります。
職種名ではなく、中身を確認しましょう。
データサイエンティストの年収と需要
未経験から転職する場合、年収がどの程度になるのか気になる方も多いでしょう。
データサイエンティスト固有の平均年収について、本記事で使用できる検証済みの公的データはありません。
そのため、関連IT職種の参考値を紹介します。
| 指標 | 年収の目安 |
| システムエンジニア(ウェブサービス開発) | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム) | 約684万円 |
| 給与所得者全体 | 約478万円 |
データサイエンティストとは仕事内容が異なるため、上記は関連IT職種の参考値です。
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
また、IT人材全体では2030年に最大約79万人不足する可能性が示されています。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業計の1.12倍を上回っています。
データサイエンティスト固有の数値ではありませんが、関連IT職種の需要を考える参考になります。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
未経験から目指す場合は、最初の年収だけでなく、その企業でどのような経験を積めるかを見ることも大切です。
未経験で「向いていないかも」と感じたときの考え方
学習を始めると、「思ったより数学が難しい」「自分には向いていないのでは」と感じることもあります。
しかし、一つ苦手な分野があるだけで適性を決める必要はありません。
データ職には、
・分析が得意な人
・システムに強い人
・事業理解に強い人
・説明や提案が得意な人
など、さまざまな強みがあります。
また、現在すでにデータ関連業務を担当していて成長できないと感じている場合は、職種そのものの問題か、職場環境の問題かを切り分けることが大切です。
分析業務には興味があるものの、単純集計ばかりで経験を積めないのであれば、職種を変えるより環境を変える方法もあります。
未経験からデータ領域へ転職したい方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験から活かせるスキルを整理し、どのような準備や求人が合うか一緒に考えます。まだ転職を決めていない段階でも相談できます。
まとめ
データサイエンティストは未経験からでも目指せますが、段階的な準備が必要です。
・未経験でもこれまでのIT・分析・業界経験を活かせる場合がある
・統計、IT、データ分析の基礎を順番に学ぶ
・学習だけでなく実際にデータを分析する経験を作る
・資格取得をゴールにせず成果物や実績につなげる
・求人では未経験可の意味と入社後に積める経験を確認する
いきなりすべてを身につけようとせず、自分の経験から不足している部分を順番に補いましょう。
よくある質問
データサイエンティストは完全未経験でもなれますか?
完全未経験から目指すことは可能ですが、統計やIT、データ分析などの基礎学習が必要です。資格だけでなく、実際のデータを使った分析経験を作り、学んだ内容を説明できる状態を目指しましょう。
文系でもデータサイエンティストになれますか?
文系だから目指せない職種ではありません。ただし、統計や数値を扱うための学習は必要です。これまでの業界知識や企画・マーケティング経験などを、データ活用と組み合わせられる場合もあります。
プログラミング未経験でも大丈夫ですか?
最初から高度な開発スキルが必要とは限りませんが、データ加工や分析でプログラムを使う求人があります。未経験の場合は、データを読み込み、整理・分析する基本的な使い方から学びましょう。
未経験者に資格は必要ですか?
必須資格はありません。資格は統計やITなどの基礎を体系的に学ぶために活用できます。ただし、資格だけでは実務スキルを示しにくいため、実際の分析経験と組み合わせることが大切です。
何歳までなら未経験から目指せますか?
年齢だけで一律に判断することはできません。これまでの経験、活かせるスキル、希望する求人によって難易度は変わります。年齢よりも、これまでの経験をデータ領域にどう接続できるかを整理しましょう。
未経験ならデータアナリストから始めるべきですか?
一つの選択肢です。データ集計や可視化、事業分析から経験を積み、その後に統計や機械学習を深める方法があります。求人によって役割は異なるため、自分のスキルに合う入口を探しましょう。
未経験からデータ職を目指す場合は、学習だけでなく求人やキャリアの選択肢も早めに知っておくと方向性を決めやすくなります。LINEでも情報収集できます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

