セキュリティエンジニアの年収は?平均・収入を上げる方法を解説

セキュリティエンジニアの年収は?平均・収入を上げる方法を解説

「セキュリティエンジニアの年収は高い?」「経験を積めばどのくらいの年収を目指せる?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省のjob tagでは、セキュリティエキスパート(オペレーション)の年収は609.8万円とされています。ただし、セキュリティ領域は監視・運用から脆弱性診断、設計、監査まで幅広く、担当業務やスキルによって年収は異なります。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、公的データをもとにセキュリティエンジニアの年収を解説します。年収が決まる要因や収入を上げる方法、転職で評価されるポイントまで見ていきましょう。

セキュリティエンジニアの平均年収は609.8万円が目安

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagでは、「セキュリティエキスパート(オペレーション)」の全国平均年収は609.8万円です。

同データの平均年齢は42.2歳、月間労働時間は160時間となっています。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag/セキュリティエキスパート(オペレーション)」令和7年賃金構造基本統計調査

一方、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円です。

出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

単純に比較すると、セキュリティエキスパート(オペレーション)の609.8万円は、給与所得者全体の平均478万円を上回っています。

ただし、ここで注意したいのは、609.8万円が「すべてのセキュリティエンジニアの平均年収」を意味するわけではないことです。

セキュリティエンジニアには、

・SOCでの監視・分析
・セキュリティ製品の構築
・脆弱性診断
・デジタルフォレンジック
・セキュリティ監査
・セキュリティ設計

など幅広い仕事があります。

平均年収だけを見るのではなく、自分がどのセキュリティ領域を担当するのかまで確認することが重要です。

セキュリティエンジニアの年収は仕事内容によって異なる

セキュリティエンジニアは、担当する仕事内容によって求められる知識や経験が異なります。

代表的な領域を整理すると以下のとおりです。

領域主な仕事内容求められる知識
セキュリティ運用監視・ログ分析・アラート対応NW・OS・ログ
SOC攻撃の検知・分析NW・攻撃手法・SIEM
脆弱性診断システムの弱点を調査Web・NW・OS
フォレンジックインシデントの痕跡を調査OS・ログ・解析
セキュリティ設計対策やシステム構成を設計NW・サーバー・クラウド
セキュリティ監査対策状況や管理体制を確認セキュリティ・リスク管理

たとえば、決められた手順に沿った監視業務と、企業のシステム全体を見てセキュリティ対策を設計する仕事では、求められる経験が異なります。

年収を考える際も、単純な経験年数だけでなく「どの業務をどこまで担当できるか」を整理しましょう。

公式LINEを追加する

スキルレベル別に見るセキュリティエンジニアの年収

厚生労働省job tagでは、セキュリティエキスパート(オペレーション)のスキルレベル別給与データも掲載されています。

ITSSレベル年収範囲
レベル1~2420万~700万円
レベル3450万~700万円
レベル4510万~800万円
レベル5以上667.5万~1,086万円

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag/セキュリティエキスパート(オペレーション)」2023年度委託調査

なお、この金額は各レベルの第一四分位から第三四分位までの範囲です。

「レベル1なら必ず420万円以上」「レベル5なら必ず667.5万円以上」という意味ではありません。

一方、情報セキュリティ監査の企画立案・プロジェクト管理では、

ITSSレベル年収範囲
レベル3600万~900万円
レベル4650万~950万円
レベル5以上700万~1,100万円

というデータもあります。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag/セキュリティエキスパート(情報セキュリティ監査)」2023年度委託調査

このように、高度な専門性に加えて、企画・設計・プロジェクト管理などを担える人材では高い給与帯も見られます。

セキュリティエンジニアの年収を左右する5つの要因

同じセキュリティエンジニアでも年収には差があります。

主に以下の5つの要因が関係します。

1.担当できる工程

監視・運用だけでなく、

・要件整理
・設計
・構築
・改善提案
・インシデント対応

まで担当できれば、応募できる求人の幅も変わります。

特に上流工程では、技術だけでなく顧客や社内関係者との調整能力も必要です。

2.セキュリティの専門性

脆弱性診断やフォレンジック、クラウドセキュリティなど、専門的な領域を経験しているかも重要です。

「セキュリティ業務を経験した」というだけではなく、具体的な専門領域を説明できる状態を目指しましょう。

3.ネットワーク・サーバーの知識

セキュリティだけを独立して考えることはできません。

攻撃や不正アクセスを分析するためには、

・TCP/IP
・DNS
・HTTP
・Linux
・Windows
・認証
・アクセス制御

などの理解が役立ちます。

ネットワーク・サーバー経験からセキュリティへキャリアを広げる方法もあります。

4.クラウドの知識

クラウド環境では、

・ネットワーク
・アクセス権限
・ログ
・認証
・データ保護

など複数のセキュリティ対策が必要です。

従来のインフラ知識にクラウドの知識を組み合わせることで、対応できる業務を広げられます。

5.マネジメント・提案経験

技術力だけでなく、

・顧客への提案
・セキュリティ方針策定
・プロジェクト管理
・チームマネジメント

などを担当できると、技術専門職とは別のキャリアも考えられます。

転職支援の現場でも、「セキュリティ経験○年」より、担当領域・工程・技術・役割を具体的に確認します。

セキュリティ経験を年収アップにつなげたい方へ

同じ「セキュリティエンジニア」でも、担当領域や工程によって評価される経験は異なります。これまでの経験を整理し、どの求人なら市場価値を活かせるか一緒に確認できます。
無料で相談する

セキュリティエンジニアで年収600万円以上を目指すには?

公的データでも600万円以上を含む給与レンジが確認できますが、年収は資格や経験年数だけで決まるわけではありません。

年収アップを目指すなら、次のような経験を意識しましょう。

監視から分析・対応へ進む

セキュリティ監視では、アラートを確認するだけでなく、

・原因分析
・影響範囲の調査
・対応方法の判断
・再発防止

まで経験できると業務の幅が広がります。

SOCで働いている場合も、自分がどこまで判断・分析しているのか整理しておきましょう。

設計・構築を経験する

既存環境を運用するだけでなく、セキュリティ製品の導入やアクセス制御、ログ監視環境などを設計・構築する経験もキャリアの選択肢につながります。

クラウドセキュリティを学ぶ

ネットワークやサーバーの経験がある場合は、クラウド環境まで知識を広げる方法があります。

「ネットワーク+セキュリティ」「クラウド+セキュリティ」のように、既存の専門性と組み合わせることも重要です。

上流工程を経験する

技術を実装するだけでなく、

・要件定義
・セキュリティ設計
・リスク分析
・顧客への提案

まで担当できれば、上流工程を含む求人も検討できます。

年収600万円という数字だけを目標にするのではなく、「600万円以上の求人ではどの経験が求められているか」を逆算してキャリアを作ることが大切です。

資格を取ればセキュリティエンジニアの年収は上がる?

資格を取得しただけで年収が上がるとは限りません。

セキュリティ分野では、

・情報処理安全確保支援士
・ネットワークスペシャリスト
・セキュリティ関連のベンダー資格

などを学習に活用できます。

資格は知識を体系的に学んだことを示す材料になります。

一方、転職では、

「資格を持っている」

だけではなく、

「その知識を使って何を経験してきたか」

も重要です。

たとえばネットワークの資格を持っている場合でも、実際にファイアウォールの設計・設定や障害対応を経験していれば、より具体的にスキルを説明できます。

資格は年収を直接上げるものではなく、実務経験と組み合わせて評価につなげるものと考えましょう。

未経験からセキュリティエンジニアになると年収はどうなる?

未経験から転職する場合、最初から平均年収609.8万円を得られるという意味ではありません。

公的な平均年収には、経験を積んだエンジニアも含まれています。

未経験者の場合は、

IT基礎
↓
ネットワーク・サーバー
↓
セキュリティ監視・運用
↓
分析・構築
↓
設計・専門領域

のように、段階的に経験を広げる方法があります。

ただし、必ず監視・運用から始めなければならないわけではありません。

現在すでにネットワーク・サーバー・開発などの経験がある場合は、その経験を活かしてセキュリティ関連職へ転職できる可能性もあります。

未経験から目指す場合は、最初の年収だけを見るのではなく、数年後にどのようなセキュリティ経験を積める環境なのかを確認しましょう。

セキュリティエンジニアが転職で年収を上げる5つの方法

年収アップを目的に転職する場合は、求人へ応募する前の経験整理が重要です。

1.担当業務を具体化する

「セキュリティ運用」とだけ書くのではなく、

・どのシステムを担当したか
・どの製品や技術を使ったか
・どのようなアラートを分析したか
・どこまで自分で判断したか

まで整理します。

2.成果を具体的に整理する

改善経験がある場合は、

・監視ルールを改善した
・作業を自動化した
・インシデント対応手順を改善した
・セキュリティ設定を見直した

など、自分がどのように関わったか説明できるようにします。

無理に数字を作る必要はありません。

3.設計・構築経験を整理する

運用だけでなく設計・構築を経験している場合は、職務経歴書で明確に分けて記載しましょう。

担当工程がわかるだけでも、採用側がスキルを判断しやすくなります。

4.複数の求人を比較する

同じ「セキュリティエンジニア」という求人名でも、

・SOC
・脆弱性診断
・セキュリティ製品導入
・クラウドセキュリティ
・社内セキュリティ
・コンサルティング

など仕事内容は大きく異なります。

給与だけでなく、仕事内容と今後身につくスキルまで比較しましょう。

5.自分の市場価値を確認する

現在の経験でどの程度の求人を狙えるのか確認します。

転職エージェントの視点では、年収アップだけを先に考えるより、「現在評価される経験」と「次に身につけるべき経験」を分けることが重要です。

今すぐ転職するべきか、現在の会社でもう一つ経験を積んでから転職するべきかも含めて判断しましょう。

年収が低いと感じたら「職種」と「環境」を切り分ける

「セキュリティエンジニアなのに年収が低い」と感じていても、セキュリティという職種そのものが原因とは限りません。

たとえば、

・監視業務だけを長く担当している
・構築・設計を経験できない
・評価制度に技術力が反映されにくい
・現在の会社では上位ポジションが少ない

など、勤務先や担当工程が影響している可能性があります。

一方で、転職するだけで必ず年収が上がるわけでもありません。

現在の経験と求人側が求めるスキルに差があれば、希望年収へ届かないこともあります。

「セキュリティエンジニアは稼げない」と判断する前に、現在の仕事内容・スキル・会社の評価制度を分けて確認しましょう。

セキュリティエンジニアとして年収を上げたい方へ

年収を上げるには、現在の給与だけでなく「今の経験ならどんな求人を狙えるか」を把握することが重要です。転職すべきか、今の環境で経験を増やすべきかも含めて整理できます。
▶ 無料でキャリア相談する(※公開時にリンクURLを設定)

セキュリティエンジニアのキャリアパス

年収アップを考えるうえでは、将来のキャリアも重要です。

代表的な方向性には以下があります。

セキュリティスペシャリスト

脆弱性診断やインシデント分析など、技術の専門性を深めます。

セキュリティアーキテクト

システム全体を見ながらセキュリティ要件や構成を設計します。

クラウドセキュリティ

クラウド環境のネットワーク・認証・権限・ログなどを含めてセキュリティを担当します。

セキュリティコンサルタント

企業の課題やリスクを整理し、必要な対策を提案します。

セキュリティマネジメント

組織全体のセキュリティ方針やリスク管理、プロジェクト管理などへキャリアを広げます。

どのキャリアが最も年収が高いかだけで決めるのではなく、現在の経験と得意分野から専門性を積み上げることが重要です。

まとめ

セキュリティエンジニアの年収について重要なポイントをまとめます。

・job tagのセキュリティエキスパート(オペレーション)の平均年収は609.8万円
・年収は監視・運用・診断・設計・監査など担当領域によって異なる
・スキルレベルが高くなると、600万円~1,000万円を超える給与レンジも公的データで確認できる
・年収アップにはセキュリティだけでなく、ネットワーク・サーバー・クラウドなどの経験も役立つ
・転職では職種名だけでなく、担当工程・技術・役割を具体的に整理することが重要

平均年収だけを見てセキュリティエンジニアへの転職を判断するのではなく、自分がどの領域で専門性を高めるかを考えましょう。

現在の経験を棚卸しし、次のキャリアで身につけたいスキルから求人を選ぶことが重要です。

よくある質問

セキュリティエンジニアの平均年収はいくらですか?

厚生労働省job tagでは、セキュリティエキスパート(オペレーション)の全国平均年収は609.8万円です。ただし、セキュリティエンジニア全員の年収を示す数字ではなく、担当領域や経験によって異なります。

セキュリティエンジニアで年収1,000万円は目指せますか?

公的データでは、ITSSレベル5以上のセキュリティ運用・保守で667.5万~1,086万円、情報セキュリティ監査では700万~1,100万円という給与レンジがあります。ただし、年収1,000万円が保証されるわけではありません。

セキュリティエンジニアは他のIT職種より年収が高いですか?

職種ごとに調査対象や平均年齢などが異なるため、単純比較はできません。セキュリティエンジニアの中でも仕事内容によって給与は異なるため、具体的な求人条件を見ることが重要です。

未経験からセキュリティエンジニアになると年収はいくらですか?

未経験者だけを対象とした統一的な公的平均年収は確認できないため、一律にはいえません。平均年収609.8万円を未経験者の初年度年収として考えず、個別求人の給与とキャリアパスを確認しましょう。

資格を取ればセキュリティエンジニアの年収は上がりますか?

資格取得だけで年収が上がるとは限りません。資格で得た知識に加えて、監視・分析・構築・設計などの実務経験を積み、担当できる業務を広げることが重要です。

セキュリティエンジニアが年収を上げるには何が必要ですか?

専門性を深めるだけでなく、設計・構築、クラウド、インシデント対応、顧客提案などへ経験を広げる方法があります。現在のスキルと求人市場で求められる経験を比較してキャリアを考えましょう。