「プログラマーになるには、大学に行ったほうがいいの?」「どの学部を選べばいい?文系でも大丈夫?」と、進路に迷って検索された方も多いのではないでしょうか。
プログラマーになるために、大学の卒業は必須ではありません。ただし、大学では情報処理の基礎を体系的に学べるうえ、大卒以上を応募条件とする求人にも応募できるため、将来の選択肢を広げやすくなります。大切なのは、大学に行くかどうかよりも、在学中に何を学び、どんな経験を積むかです。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、プログラマーを目指すうえでの大学の意味や学部の選び方、在学中にやっておきたいこと、文系や大学に行かない場合の目指し方を解説します。
結論:大学は必須ではないが、選択肢を広げる手段になる
プログラマーと大学の関係で押さえておきたいポイントは、次の5つです。
・プログラマーになるのに、大学の卒業は必須ではない
・大学では、プログラミングだけでなく情報処理の理論を体系的に学べる
・大卒以上を応募条件とする求人もあり、応募できる企業の幅が広がる
・情報系以外の学部や文系からでも、プログラマーは目指せる
・大学に行く場合も、授業以外で手を動かして作る経験が欠かせない
大学は「通えばプログラマーになれる場所」ではなく、「長い時間をかけて基礎を固め、選択肢を広げる場所」と考えるのが現実的です。
プログラマーになるのに大学は必要?
プログラマーは、学歴や資格がなくても目指せる職種です。専門学校やプログラミングスクールで学んだ人、独学で学んで就職した人も多く活躍しています。
一方で、大学で学ぶことには、ほかの学び方にはない利点もあります。とくに、次のような目標がある場合は、大学で学ぶ価値が大きくなります。
・人工知能や画像処理など、数学や理論の知識が必要な分野に進みたい
・大手企業や研究開発の部門など、大卒以上を条件とする求人にも応募したい
・プログラマーにとどまらず、設計や企画などの上流の工程にも将来進みたい
相談の現場でも、「大学を出ていないと不利になりますか」という質問をよく受けます。実務の経験を積んだ後の転職では、学歴より経験やスキルが重視される傾向があります。ただし、新卒での就職や、未経験からの最初の就職では、学歴が応募条件に関わる場合があるのも事実です。
大卒・専門卒・高卒の違い
プログラマーを目指すときの、学歴ごとの主な違いを表にまとめました。
| 観点 | 大学(情報系) | 専門学校 | 高校卒業後すぐに就職 |
| 学ぶ期間 | 4年以上 | 2〜4年 | 入社後の研修や独学が中心 |
| 学べる内容 | 理論から実践まで幅広い | 実務に近い技術が中心 | 仕事をしながら身につける |
| 応募できる求人 | 大卒以上の条件の求人も含めて幅広い | 専門卒以上の求人に応募できる | 高卒可の求人に限られることがある |
| 費用 | 高くなりやすい | 中程度〜高い | 学費はかからない |
| 早く実務経験を積めるか | 卒業までは積みにくい | 比較的早く積める | 最も早く積める |
どの道にも利点と注意点があります。早く実務の経験を積みたいなら専門学校や就職、理論から幅広く学んで選択肢を広げたいなら大学が向いています。
プログラマーを目指しやすい学部・学科
大学の中でも、プログラマーにつながりやすい学部・学科があります。主な違いを表で確認しましょう。
| 学部・学科 | 主に学ぶこと | プログラマーとのつながり |
| 情報系(情報工学、情報科学など) | プログラミング、計算の仕組み、ネットワーク、データの扱い | 最も直接的に役立つ |
| 電気電子・機械などの理工系 | 回路、制御、機械の仕組み、数学 | 組込・制御のプログラマーにつながりやすい |
| 数学・統計 | 数学の理論、統計、データの分析 | 人工知能やデータ分析の分野に活かしやすい |
| 文系(経済、経営、文学など) | 経済や経営、言語、社会の仕組み | 業務の知識や論理的に書く力が活かせる |
情報系の学部・学科
情報系の学部では、プログラミングに加えて、コンピューターが動く仕組みやデータの扱い方などを体系的に学べます。プログラマーを目指すうえで、最も直接的に役立つ学部です。
電気電子・機械などの理工系
電気電子や機械などの理工系の学部では、回路や制御、機械の仕組みを学びます。家電や自動車、産業機械を動かすプログラムを作る組込・制御のプログラマーを目指す場合に、知識を活かしやすくなります。
数学・統計系
数学や統計を学ぶ学部は、データの分析や人工知能の開発など、数学の知識が求められる分野で強みになります。プログラミングは授業以外で学ぶことが多いため、自分から取り組む姿勢が大切です。
文系の学部
文系の学部からでも、プログラマーは目指せます。経済や経営で学んだ知識は、業務システムの開発で利用者の仕事を理解するときに役立ちます。文章を論理的に組み立てる力も、プログラムの設計や説明の場面で活きます。
大学在学中にやっておきたい5ステップ
大学で学ぶ場合も、授業を受けるだけではプログラマーとしての力は十分に身につきません。在学中は、次の5つのステップを意識して進めましょう。
1. 目指す分野を考える
業務システム、自社のサービス、組込・制御、データ分析など、興味のある分野を考えます。分野によって、学ぶ言語や身につけるべき知識が変わります。
2. 授業以外でもプログラムを書く
授業の課題だけでなく、自分で小さな道具やアプリを作ってみます。実際に手を動かして作る経験が、理解を深める一番の近道です。
3. 資格で基礎知識を整理する
基本情報技術者試験などの資格の勉強を通して、情報処理の基礎知識を整理します。資格は就職活動で学習の意欲を示す材料にもなります。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
4. 作品をまとめる
自分で作ったアプリや道具を、作品としてまとめます。何を考えて作ったか、どこを工夫したかを説明できるようにしておくと、就職活動で強みになります。
5. 職業体験やアルバイトで実務に触れる
企業の職業体験(インターンシップ)や、開発のアルバイトなどで、実際の仕事の進め方に触れます。チームで開発する経験は、授業ではなかなか得られません。
大学生のうちから小さな一歩を積み重ねることで、就職の選択肢は大きく広がります。未経験からの転職事例と、はじめの一歩の進め方をLINEでもお届けしています。友だち追加だけで気軽に受け取れます。
文系の大学からプログラマーを目指すには
文系の大学からプログラマーを目指す方も少なくありません。次のポイントを意識すると、準備を進めやすくなります。
・在学中から独学やプログラミングスクールでプログラミングを学ぶ
・基本情報技術者試験などで、基礎知識を示す
・簡単な作品を作り、学んだ成果を形にする
・未経験者を採用し、研修が整っている企業を選ぶ
・経済や経営など、学部で学んだ知識を活かせる分野を考える
文系の出身者を採用している企業も多くあります。面接では、「なぜプログラマーを目指すのか」「そのためにどのような学習をしてきたか」を具体的に伝えることが大切です。
大学に行かずにプログラマーを目指す方法
大学に行かなくても、プログラマーを目指す方法はあります。
・専門学校で、実務に近い技術を集中して学ぶ
・高校卒業後、未経験者を採用する企業に就職し、研修で学ぶ
・独学やプログラミングスクールで学び、就職・転職する
大学に行かない場合は、早くから実務の経験を積めるという利点があります。一方で、応募できる求人が限られることもあるため、資格や作品で自分の力を示すことが大切です。実務の経験を数年積んだ後の転職では、学歴より経験が重視される傾向があります。
社会人が大学で学び直すという選択肢
すでに社会人として働いている方が、大学で学び直す方法もあります。
・通信制の大学で、働きながら情報系の学位を取る
・夜間や週末に開講している大学院で、専門性を深める
・大学が社会人向けに開いている講座で、必要な分野だけを学ぶ
学び直しは時間も費用もかかるため、目的をはっきりさせてから選ぶことが大切です。「人工知能の分野に進みたいので数学を学び直したい」など、仕事の目標とつなげて考えましょう。なお、一定の条件を満たすと受講費用の一部が支給される制度を利用できる場合もあるとされています。
大学に行くべきか、自分に合う道を一緒に考えませんか
経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験や目標を丁寧にヒアリングし、プログラマーを目指すための道筋を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
プログラマーを目指すメリット|年収と将来性
IT分野では人材の不足が続いており、エンジニアの求人は多い状況にあります。
| 指標 | 数値 |
| 有効求人倍率(情報処理・通信技術者) | 1.43倍 |
| 有効求人倍率(職業計) | 1.12倍 |
| IT人材の需給の見通し | 2030年に最大約79万人不足 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
年収については、プログラマー単体の統計がこのデータ集にないため、参考として関連するIT職種であるシステムエンジニアの水準を示します。プログラマーとは職務が異なり、年収の水準も別である点に注意してください。
| 指標(参考:関連するIT職種) | 金額(目安) |
| システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
| システムエンジニアの年代別の推移 | 20代前半 約377万円→40代後半 約760万円(ピーク) |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(システムエンジニアの年齢階級別賃金)
経験を積み、設計など上流の工程に進むことで、年収が上がっていく道筋も考えられます。
注意点・よくある失敗
大学でプログラマーを目指すときは、次のような失敗に注意しましょう。
・授業の単位を取ることだけに集中し、自分で作る経験をしない
・情報系の学部に入れば、自然とプログラマーになれると考えてしまう
・就職先を「大手かどうか」だけで選び、担当する仕事を確認しない
・資格や作品などの準備を、就職活動の直前まで先延ばしにする
とくに就職先を選ぶときは、担当する仕事の内容まで確認することが大切です。私たちのもとにも、「情報系の大学を出たのに、開発ではなく運用の仕事ばかりで、学んだことが活かせない」という相談が寄せられます。
このようなときは、学んだことが活かせない原因が、自分のスキルの伸ばし方にあるのか、就職した会社の環境にあるのかを切り分けることが大切です。スキルの問題なら学び方を見直し、環境の問題なら、学んだ技術を活かせる会社に移ることも選択肢になります。
大学で学んだことを活かせる仕事を探したい方へ
市場価値を客観的に評価したうえで、学んだ知識や経験を活かせる求人を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
・プログラマーになるのに、大学の卒業は必須ではない
・大学では情報処理の理論を体系的に学べ、大卒以上を条件とする求人にも応募できる
・情報系だけでなく、理工系や数学系、文系の学部からもプログラマーは目指せる
・在学中は授業以外でもプログラムを書き、資格や作品、職業体験で準備を進める
・学んだことが活かせないときは、自分の学び方の問題か、会社の環境の問題かを切り分ける
よくある質問
プログラマーになるには大学に行かないといけませんか?
行かなくても目指せます。専門学校やプログラミングスクール、独学で学んで就職した人も多くいます。ただし、大卒以上を応募条件とする求人もあるため、大学に行くと応募できる企業の幅が広がります。自分の目標や状況に合わせて選びましょう。
プログラマーを目指すなら何学部がいいですか?
最も直接的に役立つのは、情報工学や情報科学などの情報系の学部です。組込・制御の分野に興味があるなら電気電子や機械などの理工系、人工知能やデータ分析に興味があるなら数学・統計系も選択肢になります。文系の学部からでも目指せます。
文系の大学からプログラマーになれますか?
なれます。文系の出身者を採用している企業も多くあります。在学中から独学やスクールでプログラミングを学び、資格や作品で学習の成果を示すことが大切です。経済や経営で学んだ知識は、業務システムの開発で活かせることもあります。
大学で勉強しないとプログラマーとして不利になりますか?
実務の経験を積んだ後の転職では、学歴より経験やスキルが重視される傾向があります。ただし、新卒の就職や未経験からの最初の就職では、応募条件に学歴が関わる場合があります。大学に行かない場合は、資格や作品で自分の力を示すことが大切です。
大学生のうちにやっておくべきことは何ですか?
授業以外でもプログラムを書き、小さなアプリや道具を作ってみることです。あわせて、基本情報技術者試験などの資格の勉強や、職業体験への参加もおすすめです。作った作品をまとめ、工夫した点を説明できるようにしておくと、就職活動で強みになります。
社会人から大学で学び直す意味はありますか?
目的がはっきりしていれば意味はあります。たとえば、数学の知識が必要な分野に進みたい場合などは、学び直しが役立ちます。一方で、時間と費用がかかるため、プログラマーとして働くことが目的なら、スクールや独学で学びながら転職する方法も比べて検討しましょう。
進路や学び方を考えることは、プログラマーへの大切な第一歩です。エンジニアの職種研究や資格選びに役立つ情報を、LINEで配信しています。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
