「データアナリストになるには資格が必要なのか」「未経験なら何を取ればよいのか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
データアナリストになるために必須の資格はありませんが、統計・IT・データ分析の基礎を体系的に学ぶうえで資格は役立ちます。
重要なのは、資格の数を増やすことではなく、実際の分析業務に必要な知識を身につけることです。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、データアナリストに役立つ資格や目的別の選び方、転職で評価されやすいスキルを解説します。
データアナリストに資格は必要?
データアナリストとして働くために、特定の資格は必須ではありません。
企業の採用では、資格よりもデータ分析の経験や、数字から課題を読み取る力が重視される場合があります。
資格は「就職するための条件」というより、必要な知識を整理して学ぶ手段として活用するのがおすすめです。
特に次のような方には資格取得が役立ちます。
・未経験からデータ分析を学びたい
・統計やITの基礎を体系的に身につけたい
・学習内容を転職活動で説明したい
・自分に不足している知識を確認したい
未経験者の場合、「何から勉強すればよいかわからない」という悩みも少なくありません。
資格試験の出題範囲を学習ロードマップとして使うことで、学ぶ順番を整理しやすくなります。
一方で、資格を取得しただけでデータアナリストとして活躍できるわけではありません。
資格学習と並行して、実際のデータを使った分析経験も積むことが大切です。
データアナリストに役立つ資格8選【一覧】
データアナリストに関係する資格は、統計、IT、データベース、データ活用など複数の分野に分かれます。
自分の現在地と、目指す仕事内容に合わせて選ぶことが重要です。
| 資格・検定 | 主な分野 | 向いている人 |
| データサイエンティスト検定 | データ活用全般 | 未経験者・初学者 |
| 統計検定 | 統計・確率 | 分析力を高めたい人 |
| 基本情報技術者試験 | IT基礎 | IT未経験者 |
| 応用情報技術者試験 | IT応用 | IT経験者 |
| 情報処理技術者試験の高度区分 | IT専門知識 | 経験者 |
| データベース関連資格 | データベース | データ抽出を強化したい人 |
| 人工知能関連検定 | 人工知能・機械学習 | 分析領域を広げたい人 |
| クラウド関連資格 | クラウド・データ基盤 | 分析環境も理解したい人 |
すべて取得する必要はありません。
求人票を確認し、希望する仕事で必要とされる知識から逆算して選びましょう。
データ分析の基礎を学べる資格
未経験からデータアナリストを目指す場合は、まずデータ分析の全体像を理解できる資格から始める方法があります。
1. データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、データサイエンスやデータ活用に必要な知識を幅広く学べる検定です。
統計だけでなく、データエンジニアリングやビジネスに関する知識も扱います。
データアナリストの仕事を幅広く理解したい初学者に向いています。
データアナリストは、単に数字を集計するだけではありません。
分析結果をもとに、事業上の課題や改善点を見つける役割も担います。
そのため、
・データ分析の仕事をまだ理解できていない
・何から勉強すればよいかわからない
・データ職種全体の基礎を学びたい
という方には、学習の入口として利用しやすいでしょう。
試験内容や実施要項は変更される可能性があるため、受験前に公式情報を確認してください。
統計力を身につける資格
データアナリストにとって、統計の基礎知識は重要です。
データの傾向や変化を正しく読み取るために使います。
2. 統計検定
統計検定は、統計に関する知識や活用力を確認できる検定です。
数字を根拠に分析できる力を身につけたい人には優先度の高い選択肢です。
データ分析では、
・平均値
・中央値
・分散
・確率
・推定
・検定
などの考え方を利用することがあります。
数字を集計するだけではなく、「この変化に意味があるのか」を考えるためにも統計知識が必要です。
統計検定は、
・数字を見るのは好きだが統計に自信がない
・分析結果を正しく解釈したい
・データ分析の土台を作りたい
という方に向いています。
最初から難しい区分を目指す必要はありません。
自分の数学知識に合った段階から学びましょう。
IT基礎を身につける資格
データアナリストは分析職ですが、実務ではシステムやデータベースを扱うことがあります。
IT未経験者は、情報処理技術者試験を通して基礎を学ぶ方法があります。
3. 基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITに関する基礎知識を幅広く学べる国家試験です。
アルゴリズム、データベース、ネットワーク、セキュリティなどを体系的に学べます。
データアナリスト専用の資格ではありません。
しかし、データがどのように保存され、システム上で扱われているかを理解するうえで役立ちます。
特に、
・異業種からIT業界へ転職したい
・IT用語にまだ慣れていない
・システムの基礎も理解したい
という方に向いています。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
4. 応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験よりも幅広い応用知識を扱う国家試験です。
すでにIT業務の経験がある方や、システム全体への理解を深めたい方に向いています。
データアナリストは、エンジニアや事業部門と連携しながら仕事を進めることがあります。
そのため、分析以外のIT知識を持っていることが役立つ場面があります。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
5. 情報処理技術者試験の高度区分
実務経験を積んだ後は、自分の担当領域に合わせて高度区分を検討する方法もあります。
ただし、データアナリストになるために高度試験が必須というわけではありません。
例えば、
・データベースに強くなりたい
・システム全体を理解したい
・マネジメント領域へ広げたい
など、キャリアの方向性が明確になってから選ぶとよいでしょう。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
データベース・データ抽出に役立つ資格
データアナリストは、分析前に必要なデータを取得することがあります。
そのため、データベースの知識は実務と相性がよい分野です。
6. データベース関連資格
データベースは、企業が保有するさまざまなデータを保存・管理する仕組みです。
データ分析では、必要な情報をデータベースから取り出す場面があります。
分析力だけでなく、必要なデータを自分で扱えることも実務上の強みになります。
例えば、
・必要なデータを抽出する
・複数のデータを結合する
・データ構造を理解する
・分析前にデータを整理する
といった業務です。
データベースに強くなることで、分析前工程まで担当しやすくなります。
人工知能・機械学習に役立つ資格
データアナリストの仕事では、必ずしも高度な機械学習を使うわけではありません。
一方で、分析領域を広げたい人にとって人工知能関連の知識は選択肢になります。
7. 人工知能関連の検定
人工知能関連の検定では、人工知能や機械学習、深層学習などの基礎を学べるものがあります。
予測分析や高度なデータ活用に興味がある場合は、学習のきっかけになります。
ただし、資格を取得するだけでは不十分です。
資格学習と並行して、
・実際のデータを分析する
・予測結果を評価する
・結果をわかりやすく説明する
といった経験も積みましょう。
クラウド・分析基盤に役立つ資格
企業では、クラウド上に蓄積されたデータを分析するケースもあります。
そのため、分析環境そのものを理解する知識が役立つことがあります。
8. クラウド関連資格
クラウド関連資格では、クラウドサービスの仕組みやデータ基盤について学べるものがあります。
分析専任のデータアナリストであれば、必須とは限りません。
一方で、
・大規模なデータを扱いたい
・データ基盤にも関わりたい
・エンジニアとの連携を円滑にしたい
という場合には役立ちます。
資格を選ぶ際は、興味のある求人で利用されている環境を先に確認しましょう。
データアナリスト資格を取得する3つのメリット
資格を取得するメリットは、履歴書に書けることだけではありません。
特に未経験者は、学習の方向性を整理できることが大きなメリットです。
1. 必要な知識を体系的に学べる
独学では、学ぶ内容が自分の得意分野に偏ることがあります。
資格試験では出題範囲が決まっているため、不足している知識を確認できます。
資格は、データ分析に必要な知識を順序立てて学ぶための目安になります。
2. 学習意欲を伝えやすい
未経験転職では、これまでの実務経験だけでなく、現在どのような学習をしているかを確認されることがあります。
資格は、その取り組みを説明する材料の一つになります。
私たちが転職相談を受けるなかでも、「資格は取ったものの面接でうまく説明できない」という声があります。
資格名だけで終わらせず、
・なぜ取得したのか
・何を学んだのか
・どの業務に活かしたいのか
まで整理しましょう。
3. 自分の弱点を確認できる
資格試験を勉強すると、自分が得意な分野と苦手な分野が見えてきます。
例えば、
・統計は得意だがIT知識が弱い
・IT経験はあるが分析経験が少ない
・数字は扱えるが事業課題を整理するのが苦手
などです。
現在地を確認することで、次に伸ばすべきスキルを判断しやすくなります。
レベル別・目的別のおすすめ資格
資格は、現在の経験や目標によって選ぶべきものが異なります。
「一番評価される資格」を探すより、自分に足りない知識を補うことを優先しましょう。
| 現在の状況 | 優先したい分野 | 資格・検定の例 |
| 完全未経験 | データ活用全般 | データサイエンティスト検定 |
| 統計が苦手 | 統計 | 統計検定 |
| IT未経験 | IT基礎 | 基本情報技術者試験 |
| IT経験者 | IT応用 | 応用情報技術者試験 |
| データ抽出を強化したい | データベース | データベース関連資格 |
| 分析領域を広げたい | 人工知能・機械学習 | 人工知能関連検定 |
未経験者の場合
未経験者は、最初から複数資格を取得する必要はありません。
まずはデータ分析の全体像を理解し、その後に統計やITの不足分野を補いましょう。
資格学習と並行して、実際にデータを分析する練習をすることも大切です。
ITエンジニア経験者の場合
ITエンジニア経験者は、すでに持っている知識を活かせる可能性があります。
例えば、システム開発経験がある場合は、統計やデータ分析を追加で学ぶことでデータ領域へキャリアを広げられることがあります。
この場合、基礎的なIT資格を増やすより、不足している分野に学習時間を使うほうが効率的です。
キャリアアップを目指す場合
すでにデータ分析の経験がある場合は、資格数よりも専門性を高めることが重要です。
統計、データベース、事業分析など、自分が今後伸ばしたい領域を明確にしましょう。
ここで確認したいのが、スキルが伸びない原因が自分の知識不足なのか、現在の職場に経験を積める機会がないのかを切り分けることです。
後者であれば、資格取得だけでなく、より分析経験を積める環境への転職も選択肢になります。
資格選びだけでなく、データ職種の仕事内容や転職準備についても知りたい方は、LINEで情報収集を進める方法もあります。
データアナリスト資格と年収の関係
資格を取得したからといって、直接年収が上がるとは限りません。
年収に影響しやすいのは、資格の数よりも実務経験や担当できる業務の幅です。
データアナリスト固有の平均年収について、本記事で使用できる検証済みデータはありません。
そこで、関連するIT職種のシステムエンジニアを参考として紹介します。
| 指標 | 金額の目安 |
| システムエンジニア(ウェブサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
データアナリストとは仕事内容が異なるため、上記は関連IT職種の参考値です。
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
転職市場では、「資格を持っている」だけではなく、実際にどのような分析をしたかを伝えることが重要です。
例えば、
・どのようなデータを扱ったか
・どの課題を分析したか
・どのような結果が出たか
・分析結果をどのように活用したか
まで整理しましょう。
未経験の場合でも、個人で取り組んだ分析を成果物としてまとめることで、学習内容を説明しやすくなります。
データアナリストへの転職準備を整理したい方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験や学習状況を整理し、どのスキルを伸ばすべきか一緒に考えます。まずは情報収集の一環として相談したい方も歓迎です。
資格以外にデータアナリストに必要なスキル
データアナリストへの転職では、資格だけでなく実践的なスキルも必要です。
資格取得後は、「実際に何ができるか」を意識して学習しましょう。
データを集計・加工する力
分析を始める前には、データを整理する必要があります。
必要なデータを抽出し、分析できる形に整える力は実務で重要です。
統計の基礎知識
数字の変化を正しく判断するためには、統計の基礎知識が役立ちます。
単に数字を並べるのではなく、どのような傾向があるのかを説明できる状態を目指しましょう。
データを可視化する力
分析結果は、自分だけが理解できても十分ではありません。
グラフや表を使い、他の部署にもわかりやすく伝える力が必要です。
ビジネス課題を理解する力
データ分析は、事業上の課題を解決するために行います。
「何を分析すればよいか」を整理できる力も重要です。
私たちがキャリア相談を受ける際も、資格だけではなく、これまでの仕事で数字を使って改善した経験がないかを確認します。
分析職ではなくても、売上や業務効率などの数値を見ながら改善した経験が活かせる場合があります。
データアナリスト資格の効率的な勉強法
資格勉強では、合格することだけを目的にしないようにしましょう。
実務で使える状態を意識することで、転職活動でも説明しやすくなります。
1. 求人を先に確認する
まず、自分が興味のあるデータアナリスト求人を確認しましょう。
企業によって、
・統計分析を重視する
・データ集計を重視する
・事業企画に近い役割を求める
・データ基盤の知識を求める
など、仕事内容は異なります。
資格を先に決めるのではなく、必要なスキルから逆算しましょう。
2. 資格学習とデータ分析を並行する
教材を読むだけでなく、実際にデータを扱うことが大切です。
例えば、
・月別の売上推移を分析する
・顧客属性ごとの違いを調べる
・商品の購入傾向を可視化する
といった練習ができます。
自分で問いを立てて分析することで、知識が実務につながりやすくなります。
3. 学習内容を言葉で説明できるようにする
転職活動では、資格を取得した理由や学んだ内容を説明できるようにしましょう。
次の項目を整理しておくと便利です。
・なぜ資格を取ったのか
・どの分野を学んだのか
・苦手だった分野は何か
・実際にどんな分析をしたか
・仕事でどう活かしたいか
資格名だけではなく、学習の中身を伝えられる状態を目指しましょう。
データアナリストの需要と将来性
データアナリストだけに限定した将来の人材不足数は、本記事の検証済みデータにはありません。
一方、IT人材全体では、2030年に最大約79万人不足する可能性が示されています。
データ活用を含むIT領域では、継続してスキルを更新できることが重要です。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
また、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業計の1.12倍を上回っています。
データアナリスト固有の数値ではありませんが、関連するIT技術職の需要を考える参考になります。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
一方で、分析ツールの進化によって単純な集計や可視化は効率化されていく可能性があります。
そのため、データを集計するだけでなく、課題設定や分析結果の解釈までできることが重要です。
データアナリストへの転職準備を整理したい方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験や学習状況を整理し、どのスキルを伸ばすべきか一緒に考えます。まずは情報収集の一環として相談したい方も歓迎です。
まとめ
データアナリストに資格は必須ではありませんが、必要な知識を体系的に学ぶ手段として役立ちます。
・データアナリストになるための必須資格はない
・未経験者はデータ分析・統計・IT基礎から学ぶ
・資格は自分の不足分野に合わせて選ぶ
・資格学習と並行して実際のデータ分析を経験する
・転職では資格数よりも分析経験や課題解決力を伝える
まずは目指す求人の仕事内容を確認し、必要なスキルから逆算して資格を選びましょう。
よくある質問
データアナリストになるために資格は必須ですか?
必須ではありません。特定の資格がなければデータアナリストになれない職種ではありません。一方、未経験者が統計やITの基礎を体系的に学ぶ方法として、資格を活用することは有効です。
未経験ならどの資格から取るべきですか?
データ分析自体が初めてなら、データ活用全体を学べる検定が候補です。統計が苦手なら統計検定、IT未経験なら基本情報技術者試験など、自分に不足している分野から選びましょう。
データアナリストとデータサイエンティストでは必要な資格が違いますか?
一部の資格は共通します。ただし、データアナリストは集計・可視化・事業分析、データサイエンティストは統計や機械学習などをより深く扱う場合があります。希望する仕事内容に合わせて選ぶことが重要です。
資格を取れば未経験でもデータアナリストに転職できますか?
資格だけで転職が決まるとは限りません。未経験の場合は、資格に加えて実際にデータを分析した経験や成果物を用意すると、学んだ内容を具体的に説明しやすくなります。
データアナリスト資格はいくつ取ればよいですか?
数を増やすことを目的にする必要はありません。複数資格を浅く取得するより、希望する求人で必要な分野を優先し、実際に使える知識として身につけるほうが重要です。
データアナリストは人工知能でなくなる仕事ですか?
単純な集計や可視化は効率化される可能性があります。一方、何を分析するかを決めたり、結果を事業上の判断につなげたりする役割は残ります。分析ツールを活用しながら課題解決できる力が重要です。
資格だけでなく、仕事内容やキャリアの違いも知ったうえで判断することが大切です。データ職種の情報をLINEでも確認できます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

