「機電系 資格一覧」と検索したものの、機械設計や電気電子、生産技術など、どの資格が自分に必要なのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
機電系では資格が必須とは限りませんが、職種や目的に合った資格を選ぶことが重要です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、機械設計・電気電子・生産技術・設備保全などに役立つ資格を一覧で紹介します。
機電系に資格は必要?
結論からいうと、機電系エンジニアになるために資格が必須とは限りません。実際の採用では、これまで担当した業務や扱ってきた製品、設計・評価・生産などの実務経験が重視されるケースがあります。
一方で、資格取得には専門知識を体系的に学べるメリットがあります。特に未経験から機電系を目指す場合や、これまでの経験とは異なる分野へ転職する場合には、学習内容を整理するきっかけになります。
たとえば機械設計なら、図面や材料、機械要素などの知識を学べる資格があります。電気系なら、電気回路や電気設備に関する知識を身につけられる資格があります。
ただし、資格を取得すれば必ず転職に有利になるとは限りません。資格は「実務経験を補足する材料」として考えることが大切です。
また、同じ機電系でも求められる知識は職種によって異なります。
| 職種 | 主に求められる知識・経験 |
| 機械設計 | 機械要素、材料、製図、CAD、設計・評価 |
| 回路設計 | 電気回路、電子回路、基板、評価・測定 |
| 生産技術 | 生産工程、設備、改善、品質、安全 |
| 設備保全 | 設備、電気、機械、点検、故障対応 |
| 品質管理 | 品質管理、検査、改善、統計 |
そのため、「機電系ならとりあえずこの資格」という選び方ではなく、現在の職種と、今後目指したい仕事の両方から資格を選ぶことをおすすめします。
機電系に役立つ資格一覧【12選】
機電系で活用しやすい資格には、機械・電気・品質・保全など、さまざまな分野があります。
代表的な資格を一覧にすると、以下のようになります。
| 資格 | 主な対象分野 | 活かしやすい職種 |
| 技術士 | 技術全般 | 設計・技術開発など |
| 機械保全技能士 | 機械・設備 | 設備保全・生産技術 |
| CAD利用技術者試験 | CAD・設計 | 機械設計 |
| 技術士(電気電子部門) | 電気・電子 | 電気設計・電子回路 |
| 第二種電気工事士 | 電気設備 | 設備保全・電気系 |
| 電気主任技術者 | 電気設備 | 設備管理・保全 |
| エネルギー管理士 | エネルギー管理 | 生産技術・設備管理 |
| QC検定 | 品質管理 | 品質管理・生産技術 |
| 電子機器組立て技能士 | 電子機器 | 電子回路・製造 |
| EMC設計技術者資格 | EMC | 電子・電気設計 |
| ディジタル技術検定 | 電子・情報 | 回路設計・制御 |
| 機械系の製図・設計関連資格 | 機械設計 | 機械設計・製造 |
重要なのは、すべて取得しようとするのではなく、自分の仕事に関係する資格から優先順位をつけることです。
ここからは、職種別にどの資格がどのように役立つのかを見ていきましょう。
機械設計に役立つ資格
機械設計では、製品や装置の構造を考え、図面を作成したり、強度や性能を検討したりします。
そのため、機械設計を目指す場合は、機械要素や製図、CADなどの知識につながる資格が候補になります。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、CADを利用した設計・製図に関する知識や技能を確認する資格です。機械設計ではCADを使用する求人が多いため、これから設計分野を学ぶ人にとって、学習目標の一つとして活用できます。
ただし、実際の採用では資格だけでなく、使用できるCADソフトや、どのような製品・部品を設計してきたのかも確認されます。
そのため、経験者の場合は資格取得だけに時間を使うより、これまでの設計実績を整理することも重要です。
技術士
技術士は、科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を持つ技術者を対象とした資格です。機械部門など複数の技術部門があり、専門性をさらに高めたい人にとって選択肢になります。
一方、取得を目指す際には、現在の経験や将来のキャリアとの相性を確認する必要があります。
「機械設計だから技術士を取る」と短絡的に考えるのではなく、今後どのレベルの専門性を目指すのかを考えてから選びましょう。
機械保全技能士
機械保全技能士は、機械設備の保全に関する技能を証明する資格です。
機械設計そのものよりも、設備保全や生産技術との親和性が高い資格ですが、製造現場の設備や故障、メンテナンスに関する知識を身につける際に役立ちます。
設計と製造現場の両方を理解したい人にとっては、キャリアの幅を広げるきっかけになります。
電気・電子系に役立つ資格
電気・電子系では、回路設計、電気設備、電子機器、制御など、担当する領域によって必要な知識が変わります。
技術士(電気電子部門)
電気電子分野の高度な専門知識を体系的に学びたい場合、技術士の電気電子部門が候補になります。
特に将来的に技術面で高い専門性を持ちたい人や、技術者としてのキャリアを長期的に考えている人向けです。
ただし、若手の段階では資格取得だけを優先するより、まず回路設計や評価、測定などの実務経験を積む考え方もあります。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、電気設備に関する知識を身につける資格として知られています。
設備保全や電気設備関連の仕事を目指す場合には、候補の一つになります。
一方、電子回路設計を専門にする場合は、必ずしも最優先とは限りません。
「電気系」という言葉だけで判断せず、自分が扱う対象が設備なのか、回路なのか、制御なのかを確認して選びましょう。
電気主任技術者
電気主任技術者は、電気設備の保安・管理に関する専門資格です。設備管理や保全など、電気設備を扱う仕事との関連性が高い資格です。
電気系エンジニアでも、回路設計と設備管理では仕事内容が大きく異なります。
そのため、回路設計から設備保全へキャリアチェンジしたい場合など、資格を取る目的と転職先の仕事内容をセットで考えることが重要です。
電子機器組立て技能士
電子機器組立て技能士は、電子機器の組立てに関する技能を評価する資格です。
電子機器の製造や組立て、電子系の技術領域に関心がある人にとって、専門知識や技能を整理する材料になります。
電子回路エンジニアの場合は、資格だけでなく、回路設計、基板設計、評価・測定などの実務経験と組み合わせて考えるとよいでしょう。
EMC設計技術者資格
EMCは、電子機器が発する電磁波や、外部から受ける電磁的な影響に関する考え方です。
電子機器では、回路を動かすだけでなく、製品として安定して使用できることも重要になります。
そのため、電子回路や電気設計に加えてEMCに関する知識を身につけたい場合に候補になります。
生産技術・設備保全に役立つ資格
生産技術は、製品を効率よく安定して生産するために、設備や工程の改善などを担当する仕事です。設備保全では、設備の点検や故障対応、予防保全などを行います。
この領域では、機械・電気だけでなく、品質やエネルギーに関する知識も活用できます。
機械保全技能士
設備保全を目指す場合、機械保全技能士は代表的な選択肢です。設備の構造や保全に関する知識を学ぶことで、日常の点検や設備トラブルを考える際の基礎を整理できます。
特に機械設備を扱う仕事では、機械そのものだけでなく、故障を防ぐための考え方を身につけることが重要です。
エネルギー管理士
エネルギー管理士は、工場などにおけるエネルギー使用の合理化に関する知識を扱う資格です。生産技術や設備管理では、生産性だけでなくエネルギー効率を考える場面があります。
そのため、省エネや設備改善などをキャリアの軸にしたい場合に検討できます。
QC検定
QC検定は品質管理に関する知識を評価する試験です。
生産技術では、工程改善と品質が密接に関係するため、品質管理の考え方を学ぶことは実務にもつながります。
特に「設備を改善するだけでなく、品質や不良率まで考えられる人材」を目指す場合には、機械・電気系の知識と組み合わせることで専門領域を広げられます。
機電系資格を取得する3つのメリット
機電系で資格を取得するメリットは、大きく3つあります。
1. 専門知識を体系的に整理できる
実務では、担当する業務に必要な知識だけを使うことも少なくありません。資格の学習では関連する知識をまとめて学ぶため、自分がこれまで知らなかった領域を発見できます。
特に若手エンジニアの場合、実務経験と資格学習を組み合わせることで、知識の抜け漏れを確認しやすくなります。
2. 学習意欲を示す材料になる
資格は、専門分野について学習したことを客観的に示す材料になります。
特に未経験から機電系を目指す場合は、実務経験がない分、学習していることを伝える材料として活用できます。
ただし、資格だけで採用が決まるわけではありません。
面接では「なぜ取得したのか」「仕事でどう活かしたいのか」まで説明できるようにしておきましょう。
3. キャリアの方向性を考えるきっかけになる
資格選びは、そのままキャリア選択にもつながります。たとえば機械保全を学んでみて設備に興味が出た場合、生産技術や設備保全を目指す選択肢があります。
反対に、回路や電子機器に興味があるなら、回路設計や評価などへ専門性を深める方法もあります。
資格は「取得すること」だけでなく、自分がどの技術領域に進みたいのかを考える材料として使うことが大切です。
レベル別・目的別のおすすめ資格
資格は、現在の経験や目的によって優先順位が変わります。
未経験から機電系を目指す場合
未経験の場合は、いきなり難易度の高い資格を目指すより、応募する職種に関連する基礎知識を身につけることを優先しましょう。
・機械設計を目指す→CAD・製図関連
・設備保全を目指す→機械保全・電気関連
・電気設備を目指す→電気工事・電気設備関連
・品質・生産技術を目指す→QC検定など
資格学習と並行して、求人票を確認することもおすすめします。
求人によって求められる経験や資格が異なるため、応募したい求人を10〜20件ほど確認すると、どの知識が求められているのか見えやすくなります。
中堅エンジニアの場合
すでに実務経験がある場合は、現在の仕事と関連する資格を選ぶのが基本です。
たとえば機械設計の経験がある人が設備保全にも関わっているなら、機械保全関連の資格を検討できます。
電気系なら、回路設計、設備、制御など、自分の専門領域に近い資格から選びましょう。
また、資格だけでなく「どのような課題をどう改善したか」を整理することも重要です。
キャリアアップを目指す場合
将来的に専門性を高めたい場合は、資格の知名度だけではなく、自分が目指すポジションとの関連性を確認しましょう。
管理職を目指す場合でも、資格を増やすことだけがキャリアアップではありません。
設計品質の改善、コスト削減、開発期間短縮、後輩育成など、実務上の成果を数値で説明できるようにすることも重要です。
職種そのものに不満がある場合も、すぐに資格取得へ進むのではなく、伸びない原因が自分の知識不足なのか、経験を積めない職場環境なのかを切り分けることが大切です。
機電系の転職相談では、「もっと専門性を高めたい」と考えているものの、現在の職場では担当業務が限定されているというケースもあります。
その場合、資格取得だけでは状況が変わらない可能性があります。
仕事内容の問題なのか、職場環境の問題なのかを整理したうえで、資格取得・社内異動・転職などの選択肢を比較しましょう。
資格を「転職するためだけのもの」と考えず、今後どんな仕事をしたいのかを考える材料として使うことがポイントです。
機電系の職種研究や資格選びに役立つ情報を、LINEでも配信しています。まずは情報収集から始めたい方も活用してください。
機電系の資格と年収の関係
資格を取れば年収が上がるとは限りません。
機電系エンジニアの年収は、資格だけでなく、職種、経験年数、担当業務、役職、企業の給与体系など、複数の要素によって決まります。
そのため、「年収を上げるために資格を取る」という場合も、資格そのものではなく、資格取得によって担当できる業務や応募できる求人が広がるかを考える必要があります。
たとえば、設備保全からより専門性の高い設備管理を目指す場合と、機械設計の専門性を高める場合では、必要となる知識や資格が異なります。
参考として、厚生労働省のjob tagでは、機械設計技術者について2025年の賃金構造基本統計調査をもとにした年収情報などが掲載されています。
ただし、これは職種全体の統計であり、特定の資格を取得した人の年収を示すものではありません。
出典:厚生労働省「job tag/機械設計技術者」
資格取得を年収アップにつなげたい場合は、次の3点を確認しましょう。
・資格取得後に担当できる業務が増えるか
・応募できる求人の選択肢が増えるか
・現在の経験と資格を組み合わせて専門性を高められるか
年収だけを見て資格を選ぶのではなく、資格取得後のキャリアまで考えることが重要です。
機電系資格の効率的な勉強法のポイント
資格を取得するなら、仕事と学習を別々に考えないことがポイントです。
まず取得目的を決める
最初に「なぜこの資格を取るのか」を明確にします。
・転職に向けて基礎知識をつけたい
・現在の仕事の理解を深めたい
・担当できる業務を広げたい
・将来的な専門性を高めたい
目的が決まると、資格の優先順位を判断しやすくなります。
求人票から必要な知識を確認する
転職目的なら、実際の求人票を確認しましょう。
「CAD経験」「電気設備の保全経験」「PLC(制御装置)の知識」など、企業によって求める条件は異なります。
資格の公式情報だけを見るのではなく、実際の求人でどのようなスキルが求められているかを見ることで、学習の方向性を決めやすくなります。
実務と結びつけて学ぶ
資格のテキストを読むだけでは、知識が実務で使える状態になりにくいことがあります。
たとえば機械保全を学ぶなら、自社設備の構造や過去の故障事例と関連付けて考えてみましょう。
回路を学ぶなら、実際に扱った製品の回路や測定工程を思い出しながら学ぶ方法があります。
「この知識は自分の仕事のどこで使われているか」と考えることで、学習内容を実務に結びつけやすくなります。
資格取得後の活用方法まで考える
資格を取った後に何をするのかも決めておきましょう。
たとえば「CAD関連の資格を取得する」だけではなく、「取得後に機械設計求人へ応募する」「現在の設計業務で図面作成の理解を深める」など、具体的な行動まで決めます。
資格取得をゴールにせず、資格を次のキャリアにつなげることが、学習効果を高めるポイントです。
資格選びに迷ったら、現在の仕事と将来の仕事を整理してみましょう
「資格を取ったほうがいいのか」「どの資格を選べばいいのか」が分からない場合は、現在の仕事内容と将来やりたい仕事を比較してみることをおすすめします。
現在の仕事、身につけたいスキル、応募したい求人を整理すると、必要な資格が見えてくる場合があります。
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、市場価値を客観的に評価したうえで選択肢を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
・機電系では資格が必須とは限らず、実務経験と合わせて考えることが重要
・機械設計、電気電子、生産技術、設備保全など職種によって役立つ資格は異なる
・資格は専門知識の整理、学習意欲の提示、キャリアを考えるきっかけになる
・未経験者は基礎知識、経験者は現在の専門性やキャリアの方向性から資格を選ぶ
・資格取得だけを目的にせず、取得後の業務や転職先まで考えて学習することが大切
よくある質問
機電系エンジニアに資格は必須ですか?
必須とは限りません。機電系の採用では、担当してきた業務や設計・評価・保全などの実務経験が重視されるケースがあります。資格は知識や学習意欲を補足する材料として考えるとよいでしょう。
機械設計におすすめの資格はありますか?
CADや製図、機械に関する知識を学べる資格が候補になります。ただし、経験者の場合は資格だけでなく、使用したCAD、担当製品、設計工程、改善実績などを整理することも重要です。
電気系エンジニアはどの資格を取ればいいですか?
担当領域によって異なります。電気設備なら電気工事士や電気主任技術者、電子回路なら電気電子分野の資格や電子機器関連資格などが候補です。仕事内容から選びましょう。
機電系資格を取ると年収は上がりますか?
資格取得だけで年収が上がるとは限りません。年収は経験、職種、役職、担当業務など複数の要素で決まります。資格によって担当できる業務や応募先が広がるかを考えることが重要です。
未経験でも資格を取れば機電系に転職できますか?
資格だけで転職できるとは限りません。ただし、未経験者が機電系の基礎知識を学んでいることを示す材料にはなります。資格取得と並行して、求人研究や関連業務への理解も進めましょう。
資格と実務経験ではどちらが重要ですか?
転職では、資格だけでなく実務経験も重要です。特に経験者の場合は、資格名だけではなく、どの製品・設備・工程を担当したのか、どのような成果を出したのかまで説明できる状態にしておきましょう。
どの資格を取るべきか分からない場合はどうすればいいですか?
まず現在の職種、今後目指したい職種、求人で求められているスキルを整理しましょう。そのうえで資格を選ぶと、目的のない資格取得を避けやすくなります。必要に応じて転職の専門家に相談する方法もあります。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

