「履歴書の志望動機欄に、何をどこまで書けばいいのかわからない」「どの会社にも同じような内容になってしまう」と悩みながら、手が止まっている方も多いのではないでしょうか。
履歴書の志望動機欄は、「なぜこの会社か」「自分の経験」「入社後の貢献」の3つを、200〜300字程度で簡潔にまとめるのが基本です。 限られたスペースだからこそ、応募先に合わせた具体的な内容を書くことが、採用担当者の目に留まるポイントになります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、履歴書の志望動機欄の書き方を手順に沿って解説し、基本構成のテンプレートや状況別の例文、避けたい書き方を紹介します。
結論:志望動機欄の書き方の基本
志望動機欄で押さえるべきポイントは、次のとおりです。最も大切なのは、その会社でなければならない理由を、自分の経験と結びつけて書くことです。
・「なぜこの会社か」「自分の経験」「入社後の貢献」の3要素を入れる
・結論から書き始め、根拠となる経験、入社後の貢献の順でまとめる
・文字数は200〜300字程度、欄の8割以上を埋めるのが目安
・応募先ごとに内容を変え、使い回しはしない
・文章では「御社」ではなく「貴社」と書く
履歴書の志望動機欄とは
履歴書の志望動機欄は、応募した理由と入社後に実現したいことを伝える欄です。採用担当者は、この欄から「なぜ自社を選んだのか」と「入社後に活躍できそうか」を読み取ろうとしています。
履歴書の様式によっては、志望動機と自己PRや特技が1つの欄にまとめられていることもあります。その場合は、志望動機を中心に書き、自己PRは短く添える程度にするとよいでしょう。
職務経歴書の志望動機との違い
職務経歴書にも志望動機を書く場合、履歴書は要点を短くまとめ、職務経歴書ではより詳しく書くのが一般的です。2つの書類で内容が食い違わないよう、同じ軸で書くことが大切です。
| 書類 | 文字数の目安 | 書く内容 |
| 履歴書 | 200〜300字程度 | 志望理由の要点を簡潔に |
| 職務経歴書 | 300〜400字程度 | 経験との結びつきを具体的に |
文字数は書類の様式や欄の大きさによって変わるため、あくまで目安として考えてください。
志望動機に入れるべき3つの要素
志望動機は、次の3つの要素で組み立てると、説得力のある内容になります。
| 要素 | 書く内容 | 例 |
| なぜこの会社か | 事業や技術、働き方など、応募先ならではの魅力 | 自社サービスを継続的に改善している点 |
| 自分の経験 | 志望理由の根拠となる経験やスキル | 業務システムの設計から試験までの経験 |
| 入社後の貢献 | 経験を活かして実現したいこと | サービスの機能改善に貢献したい |
相談の現場では、「志望動機が思いつかない」「どの会社にも同じことを書いてしまう」という声をよく聞きます。その多くは、「なぜこの会社か」の部分が抽象的になっていることが原因です。
企業の事業内容や使っている技術、求人票に書かれた仕事内容を調べ、自分の経験と重なる点を1つ見つけるだけで、志望動機は具体的になります。
志望動機欄の書き方5ステップ
志望動機欄は、次の5つのステップで書くと、迷わずにまとめられます。
ステップ1:転職の軸を整理する
最初に、なぜ転職するのかを整理します。今の不満が仕事内容そのものにあるのか、職場環境にあるのかを切り分けると、志望動機の軸がぶれなくなります。 環境が理由なら「同じ職種で、より体制の整った会社」、仕事内容が理由なら「新しい領域に挑戦できる会社」が、志望動機の軸になります。
ステップ2:応募先の情報を調べる
企業の採用ページや事業紹介、求人票を読み、事業内容や技術、働き方の特徴を書き出します。ほかの会社と比べて、どこに魅力を感じたかを言葉にしておきましょう。
ステップ3:自分の経験と重なる点を見つける
応募先の特徴と、自分の経験やスキルが重なる点を探します。重なる点が、志望動機の説得力を支える根拠になります。
ステップ4:型に当てはめて200〜300字にまとめる
「結論→根拠となる経験→入社後の貢献」の順に文章を組み立てます。最初は字数を気にせず書き、最後に欄に収まるよう削っていくと書きやすくなります。
ステップ5:面接で話す内容と一致させる
志望動機は、面接でも必ずといってよいほど聞かれます。履歴書に書いた内容を、面接で自分の言葉で説明できるか確認しておきましょう。
ここまでの手順で、志望動機の土台は作れます。書類づくりや転職活動のはじめの一歩の進め方をLINEでもお届けしていますので、準備を進める参考に気軽に受け取ってみてください。
志望動機の基本構成とテンプレート
志望動機は、次の構成に沿って書くと、短いスペースでも要点が伝わります。空欄を埋めながら、自分の志望動機を作ってみましょう。
| 構成 | 書き方のテンプレート |
| 結論 | 貴社の( )に魅力を感じ、志望しました。 |
| 根拠となる経験 | 私はこれまで( )として、( )を担当してきました。 |
| 志望理由の補足 | 今後は( )に携わりたいと考えています。 |
| 入社後の貢献 | ( )の経験を活かし、貴社の( )に貢献したいと考えています。 |
結論を最初に書くことで、採用担当者は何を伝えたいのかを一読でつかめます。経験の部分には、担当期間や規模などの数字を入れると、より具体的になります。
エンジニア向け志望動機の例文【状況別】
エンジニアの転職でよくある状況別に、志望動機の例文を紹介します。そのまま使うのではなく、自分の経験や応募先に合わせて書き換えてください。
受託開発から自社開発企業へ
貴社の○○サービスが、利用者の声をもとに改善を重ね、長く使われ続けている点に魅力を感じ志望しました。私は受託開発の会社で6年間、業務システムの設計から試験までを担当し、顧客との要件調整を数多く経験してきました。今後は一つのサービスに腰を据え、利用者の反応を見ながら改善に関わりたいと考えています。要件を整理し形にしてきた経験を活かし、○○サービスの機能改善に貢献したいと考えています。
客先常駐から社内SEへ
社員の働きやすさを支える仕組みづくりに力を入れている貴社で、社内の業務改善に携わりたいと考え志望しました。私は客先常駐(SES:客先に常駐して技術を提供する働き方)で、複数の企業の業務システムの保守・改修を担当してきました。現場ごとに異なる業務を理解し、利用者と調整しながら改善を進めた経験を活かし、貴社の社内システムの改善と業務の効率化に貢献したいと考えています。
機械設計の経験を活かして同職種へ
産業用機械の設計から試作評価までを一貫して担える貴社の開発体制に魅力を感じ、志望しました。私はこれまで5年間、搬送装置の機械設計を担当し、部品点数の見直しによる原価低減に取り組んできました。今後は上流の構想設計から関わり、製品全体の品質を高める仕事に挑戦したいと考えています。これまでの設計と原価低減の経験を活かし、貴社の製品開発に貢献したいと考えています。
運用からインフラの設計・構築へ
基盤の設計から構築・運用までを自社で担い、技術者が幅広い工程に関われる貴社の環境に魅力を感じ志望しました。私は4年間、社内システムの運用・監視を担当し、障害対応の手順を見直して対応時間の短縮に取り組んできました。運用の現場で培った障害の予防や安定稼働への意識を活かし、貴社で設計・構築の段階から安定した基盤づくりに貢献したいと考えています。
志望動機を、応募先ごとに磨き上げたい方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。志望動機の方向性に迷っている段階でも、まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
未経験・第二新卒の場合のポイント
未経験の職種に応募する場合や、社会人経験が短い場合は、経験の代わりに「学んできたこと」と「前職で培った力」を根拠にします。
・業務外で学んでいることや、取得した資格を具体的に書く
・前職の経験(顧客対応、調整、改善など)とのつながりを示す
・入社後に学び続ける姿勢と、目指す姿を書く
例文:業務の仕組みを支える社内システムの開発に携わりたいと考え、貴社を志望しました。前職の営業事務では、手作業の集計を表計算ソフトで自動化し、作業時間を短縮した経験があります。この経験から開発に興味を持ち、現在は基本情報技術者試験の合格に向けて学習を続けています。業務を理解したうえで改善を考える姿勢を活かし、早期に戦力となれるよう努めます。
求人や選考の傾向を見ていても、未経験者の志望動機では「なぜこの職種か」に納得感があるかが重視されます。きっかけとなった経験と、それに向けた行動をセットで伝えることを意識しましょう。
書くときの注意点と避けたい書き方
志望動機欄でよくある失敗と、改善のポイントを整理しました。
| 避けたい書き方 | 理由 | 改善のポイント |
| 給与や休日など待遇だけを理由にする | 仕事への意欲が伝わりにくい | 仕事内容や事業への関心を中心にする |
| 「勉強させていただきたい」と書く | 受け身の印象を与える | 経験を活かして貢献する姿勢を示す |
| 企業の紹介文をそのまま書き写す | 自分の言葉として伝わらない | 自分の経験と結びつけて書く |
| どの会社にも当てはまる内容 | 志望度が低いと受け取られる | 応募先ならではの魅力を1つ入れる |
| 前職への不満を書く | 同じ理由で辞めると懸念される | 不満ではなく実現したいことを書く |
このほか、欄の半分以下しか埋まっていない場合や、「職務経歴書をご参照ください」とだけ書く場合は、意欲が低いと受け取られるおそれがあります。欄の8割以上を目安に、自分の言葉で書きましょう。
書類選考を通過できる志望動機をつくりたい方へ
今の悩みの相談だけでもかまいません。市場価値を客観的に評価したうえで、志望動機の伝え方も含めて納得のいく選択肢を一緒に考えます。
まとめ
・志望動機欄には「なぜこの会社か」「自分の経験」「入社後の貢献」の3要素を入れる
・結論から書き始め、200〜300字程度で欄の8割以上を埋める
・転職の理由が仕事内容か職場環境かを整理すると、志望動機の軸がぶれない
・応募先ごとに内容を変え、自分の経験と結びつけて書く
・待遇だけの理由や受け身の表現、前職への不満は避ける
よくある質問
履歴書の志望動機は何文字くらいが適切ですか?
200〜300字程度が目安です。ただし、履歴書の様式によって欄の大きさが異なるため、欄の8割以上が埋まる分量を意識するとよいでしょう。書ききれない場合は要点を絞り、詳しい内容は職務経歴書や面接で伝えます。
志望動機欄に「御社」と書いてもいいですか?
書類では「貴社」と書くのが一般的です。「御社」は面接など話し言葉で使う表現です。履歴書や職務経歴書、メールでは「貴社」、面接では「御社」と使い分けましょう。
職務経歴書にも志望動機を書く場合、同じ内容でいいですか?
同じ軸で書くことは大切ですが、まったく同じ文章にする必要はありません。履歴書では要点を短くまとめ、職務経歴書では経験との結びつきをより具体的に書くと、2つの書類を通して一貫した志望動機が伝わります。
志望動機が思いつかないときはどうすればいいですか?
まずは応募先の事業や求人票を読み、自分の経験と重なる点を探してみましょう。あわせて、転職したい理由が仕事内容と職場環境のどちらにあるかを整理すると、応募先に求めるものが見えてきます。そこから志望動機の軸が作れます。
志望動機は応募先ごとに変える必要がありますか?
変える必要があります。どの会社にも当てはまる内容は、志望度が低いと受け取られるおそれがあります。基本の構成や自分の経験の部分は共通でも、「なぜこの会社か」の部分は応募先ごとに書き換えましょう。
応募書類の準備は、まだ転職を決めきれていない段階で進める方も多いのではないでしょうか。書類づくりや転職活動の進め方をLINEで配信していますので、情報収集の手段のひとつとしてご活用ください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
