志望動機と自己PRの違い|書き分け方と例文を比較表でわかりやすく解説

志望動機と自己PRの違い|書き分け方と例文を比較表でわかりやすく解説

「志望動機 自己PR 違い」と検索したあなたは、2つの欄に何を書き分けるべきか迷い、内容が似てしまうことに困っているのではないでしょうか。

違いを一言でいえば、志望動機は「なぜこの会社なのか」、自己PRは「なぜこの人なのか」に答える欄です。向いている方向が逆であり、志望動機は相手を、自己PRは自分を主語にします。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、2つの違い、素材の振り分け方、職種別の例文を解説します。

結論:違いを一言で

志望動機は応募先に向けた説明、自己PRは自分についての証明です。志望動機は未来を語り、自己PRは過去の実績で裏づけるという時間軸の差が、最も実務的な見分け方になります。

判断に迷ったときは、次の問いを使ってください。

・この文は、応募先を別の会社に置き換えても成立するか。成立するなら自己PRの素材
・この文は、応募先を変えたら成立しなくなるか。そうなら志望動機の素材

たとえば「障害対応で切り分けの手順を整備し、対応時間を短縮した」という記述は、どの会社に出しても成立します。これは自己PRの素材です。

一方「御社が公開している運用方針のうち、予防保守を重視する姿勢に共感した」という記述は、その会社にしか当てはまりません。これは志望動機の素材です。

相談現場では、「志望動機を書いていたら自己PRと同じ内容になってしまった」という声をよく聞きます。この場合、素材が足りないのではなく、素材を仕分ける基準を持っていないだけであることがほとんどです。

違い【比較表】

5つの観点で並べると、役割の差がはっきりします。

観点志望動機自己PR
答える問いなぜこの会社なのかなぜこの人なのか
主語応募先と自分の接点自分
時間軸これから何をするかこれまで何をしたか
中心となる素材企業研究と入社後の目標実績と行動の記録
使い回しの可否応募先ごとに書き換える骨格は共通で使える
読み手が判断すること定着するか、方向性が合うか成果を出せるか、任せられるか

読み手が判断していることの違いに注目してください。志望動機で見られているのは適合性、自己PRで見られているのは能力です。同じ経験を書いても、志望動機では「だからこの会社を選んだ」、自己PRでは「だからこの成果を出せる」と結論が変わります。

①目的の違い|適合性を示すか、能力を示すか

志望動機は、あなたと応募先の相性を説明する欄です。事業内容、技術領域、体制、開発の進め方などのどこに惹かれ、それが自分の志向とどう重なるかを述べます。

自己PRは、あなたに任せられる仕事の範囲を示す欄です。担当した業務、工夫した点、結果として何が変わったか。ここでは応募先の話は必要ありません。

この違いを踏まえると、志望動機に企業研究が欠かせない理由がわかります。応募先を知らずに適合性は説明できません。逆に、自己PRで企業研究の成果を語り始めると、自分の話が薄くなります。

②時間軸の違い|未来を書くか、過去を書くか

志望動機の重心は入社後にあります。まず何に取り組み、その先で何を担いたいか。過去の経験にも触れますが、それは志望に至った経緯として使います。

自己PRの重心は過去にあります。すでに起きたことだけを書くため、検証可能な内容になります。ここに「頑張ります」という宣言を入れると、実績の記述が薄まります。

私たちが書類を拝見する際、時間軸の混在は頻繁に見かけます。自己PRの半分が入社後の抱負で埋まっているケースです。自己PRに未来の話は不要と考えて、実績の記述に置き換えてください。

③素材の違い|どちらに何を書くか

手元の素材を仕分けるための対応表です。

素材振り分け先書き方の要点
応募先の事業や技術への関心志望動機どの部分に、なぜ惹かれたかを1つに絞る
現職への不満や課題感志望動機不満ではなく、実現したいことに変換する
入社後に担いたい役割志望動機直後の目標と、その先を分けて示す
担当した業務と規模自己PR期間、件数、人数などで規模を示す
工夫した点と結果自己PR何をどう変え、何が改善したかを書く
保有スキルや資格自己PR業務でどう使ったかを添える
学習の継続実績自己PR期間と成果物を数値で示す
前職経験の翻訳両方に使える志望動機では動機の根拠、自己PRでは能力の根拠

最後の行が実務上の要点です。同じ経験を両方に書いても構いません。ただし結論の向きを変えてください。志望動機では「この経験があるからこの会社を選んだ」、自己PRでは「この経験があるからこの業務ができる」となります。

④文章構成の違い|組み立ての型

それぞれに定まった型があります。

志望動機は4つの要素で組み立てます。

・応募先に惹かれた点を1つ挙げる
・なぜ自分に響いたのかを、経験と接続して説明する
・活かせる自分の強みを示す
・入社後にまず取り組みたいことを書く

自己PRは3つの要素で組み立てます。

・結論として、自分の強みを一言で示す
・その根拠となる具体的な業務と、取った行動を書く
・結果として何が変わったかを数値で示す

自己PRは結論から始め、志望動機は相手の話から始めるという順番の差を覚えておくと、書き出しで迷いません。

⑤使い回しの可否の違い

自己PRは、骨格を共通で使えます。実績は変わらないためです。ただし、応募先の募集要項に合わせて、強調する実績の順番は入れ替えてください。運用改善を求める求人と、新規構築を求める求人では、前に出すべき実績が変わります。

志望動機は、応募先ごとに書き換えが必要です。確認方法は簡単で、社名を他社に置き換えて読んでみることです。それでも成立するなら、その企業向けの内容になっていません。

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職種別の書き分け例

同じ経験を2つの欄でどう書き分けるか、対比で示します。固有名詞と数値は、ご自身の事実に置き換えてご利用ください。

システムエンジニア・アプリケーション開発

志望動機の例文です。現職では要件定義(システムに必要な機能や条件を決める工程)から関わってきましたが、納品後の効果を確認する機会が限られておりました。御社が自社サービスの改善を継続的に行う体制を持たれている点に惹かれ、公開後の反応をもとに次の判断を重ねる進め方に携わりたいと考えております。入社後はまず既存機能の改修を通じて、社内の開発方針を把握してまいります。

自己PRの例文です。直近3年間で、業務システムの新規開発と改修を合わせて10件担当いたしました。うち2件では、業務部門との要件整理を主導し、当初想定していた機能のうち優先度の低い項目を絞り込むことで、開発期間を短縮いたしました。仕様の背景を確認したうえで代替案を提示する進め方を、一貫して大切にしております。

インフラエンジニア

志望動機の例文です。現職では運用と障害対応を中心に担当してまいりました。対応を重ねるなかで、事後の復旧より発生を防ぐ設計に関心が移り、構築段階から関わりたいという思いが強くなりました。御社が公開されている運用方針のうち、予防保守を重視する姿勢に共感しております。入社後はまず現行構成の把握から着手いたします。

自己PRの例文です。運用チームで障害対応の一次受けを担当し、頻発していた事象について切り分け手順を文書化いたしました。手順の整備により、チーム内の誰でも初動対応が可能となり、担当者への確認待ちが減少いたしました。属人化していた作業を手順に落とし込むことが、自分の強みだと考えております。

機械設計

志望動機の例文です。量産立ち上げまで担当してきた経験から、設計段階での判断が製造工程に与える影響を実感してまいりました。御社が設計と製造の距離が近い体制を取られている点に惹かれ、作りやすさを初期段階から検討できる環境で力を発揮したいと考えております。入社後は既存製品の設計変更を通じて、社内の設計基準を理解いたします。

自己PRの例文です。前職では部品点数の多い機構部の設計を担当し、量産移行までを3件経験いたしました。うち1件では、製造部門との検討を重ねて部品構成を見直し、組立工程の作業手順を簡略化いたしました。図面を引く前に製造側の意見を聞く姿勢を、設計の起点としております。

生産技術・設備保全

志望動機の例文です。設備の停止要因を分析し、改善を積み重ねる仕事にやりがいを感じてまいりました。一方で、現職では既存設備の維持が業務の中心であり、新規ラインの構想段階から関わる機会は限られておりました。御社が生産体制の拡張を進められている段階だと拝察し、立ち上げから携わりたいと考えております。

自己PRの例文です。担当ラインの停止記録を分類し、発生頻度の高い要因から対策を進めてまいりました。部品交換の周期を実績にもとづいて見直した結果、突発的な停止の件数を減らすことができました。現場の作業者から聞き取った内容を数値に落として判断する進め方を、一貫して続けております。

未経験からエンジニアを目指す場合

志望動機の例文です。前職では業務手順の整理を担当し、作業のばらつきを減らす取り組みに携わってまいりました。仕組みで解決する仕事に関心を持ち、開発の道を選びました。御社が未経験者の受け入れ体制を明示されている点に惹かれ、腰を据えて基礎を固めたいと考えております。入社後はまず指示された範囲を確実に仕上げられる状態を目指します。

自己PRの例文です。学習を開始してから8か月間、平日は1日2時間、休日は5時間の学習を継続してまいりました。この期間に個人開発を3件公開し、公開先で受けた指摘をもとに改修を重ねております。決めた分量を継続する力は、前職で培った習慣によるものだと考えております。

よくある混同パターンと修正の方向

私たちが修正をご提案することが多い状態を整理しました。

混同のパターン何が起きているか修正の方向
志望動機に実績を並べている自己PRと内容が重複する実績は1つに絞り、志望の根拠として使う
自己PRに入社後の抱負がある実績の記述量が減る抱負は志望動機へ移し、実績に置き換える
両方に同じ経験を同じ結論で書いた読み手に情報が増えない結論の向きを変える
志望動機が業界の説明で終わっている応募先を選んだ理由が不明業界の話は1文に留め、企業の話に移す
自己PRが人柄の説明だけ業務での再現性が見えない人柄が結果につながった場面を書く
どちらも待遇や環境の希望が中心貢献の話が出てこない条件面は選考の別の場面で確認する

3行目が最も多い状態です。同じ経験を使うことは問題ありませんが、志望動機では選択の理由、自己PRでは能力の証明として書き分けてください。

書き分けができないときの切り分け

手が止まる原因は2つに分かれます。取り違えると書き直しを繰り返すことになります。

1つ目は、書き方の問題です。素材はあるのに仕分けの基準を持っていない状態を指します。この場合、手元の素材を1行ずつ書き出し、社名を他社に置き換えても成立するかどうかで振り分ければ解消します。

2つ目は、応募先の選び方の問題です。志望動機だけが書けない場合、素材不足ではなく、その企業を選ぶ理由が実際にない可能性があります。書けないという感覚は、多くの場合、正直な判断が働いた結果です。

どの求人に対しても志望動機が書けないという場合は、もう一段の切り分けが必要になります。動きたい理由が、いまの職場環境から来ているのか、担当している仕事の内容そのものから来ているのかという切り分けです。環境が理由であれば、同じ職種のまま体制の整った企業を探すことで、書ける内容も具体化します。仕事内容そのものが理由であれば、領域を変える検討を先に済ませたほうが早く進みます。

なお、この切り分けは整理のための目安であり、どちらかに決めつける必要はありません。両方が混ざっていることも珍しくありません。

データで見る|自己PRに数値を入れる理由

自己PRの説得力は、数値の有無で大きく変わります。同じ業務でも、規模がわかると判断材料になるためです。

数値化の方向は3つあります。

・規模を示す。担当件数、期間、チーム人数、扱った設備台数
・変化を示す。工程数の削減、対応時間の短縮、停止件数の減少
・継続を示す。学習期間、公開した成果物の数、対応した案件数

改善率を書ける場合は書いてください。書けない場合は、変化の前後を並べるだけでも伝わります。「作業手順が7工程から4工程になった」という記述は、率を出さずとも変化がわかります。

自分の市場での位置づけを把握しておくと、書く内容の優先順位が決めやすくなります。参考として水準を示します。

指標金額(目安)
給与所得者全体の平均年収約478万円
システムエンジニア(ウェブサービス開発)の平均年収約574万円
システムエンジニア(基盤システム)の平均年収約684万円
システムエンジニアの20代前半約377万円
システムエンジニアの40代後半(ピーク)約760万円

出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(システムエンジニアの年齢階級別賃金)

年代と担当領域で400万円近い開きがあります。自己PRで示すべき実績の水準も、年代によって変わると考えてください。

提出前チェックリスト

2つの欄を並べて確認してください。

□ 志望動機に、社名を置き換えたら成立しなくなる文がある
□ 志望動機に、入社後まず取り組むことが書かれている
□ 志望動機が業界全般の説明で終わっていない
□ 自己PRが結論から始まっている
□ 自己PRに、規模または変化を示す数値がある
□ 自己PRに、入社後の抱負が混ざっていない
□ 両方に同じ経験を使う場合、結論の向きが変わっている
□ 両方を続けて読んで、同じ話が2回出てこない
□ 募集要項の業務内容と、自己PRの実績が対応している
□ 待遇や働き方の希望が、どちらの中心にもなっていない

8番目の項目が要点です。実際に2つを続けて音読してください。同じ話が繰り返される感覚があれば、書き分けが不十分な状態です。

応募先の情報が足りていないケース

志望動機が書けない背景に、応募先の情報不足があることは少なくありません。開発の進め方、担当範囲の広さ、配属予定部署の体制。これらは募集要項から読み取れないことが多く、想像で書くと的を外します。

私たちは、労働条件・労働環境を独自に審査した求人のみをご紹介しています。IT・機電の両領域に特化しているため、客先常駐から自社開発や社内システム担当へ移りたいという相談にも、現場の実態を踏まえてお答えできます。書類を整える前に情報を揃えるほうが、結果的に早く進むことがあります。

書く材料が足りないと感じている方へ

応募先の実態がわかると、志望動機に書くべき内容は自然に絞られます。
初回面談はウェブまたは電話で約20分、情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
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まとめ

・志望動機は「なぜこの会社なのか」、自己PRは「なぜこの人なのか」に答える欄
・志望動機は未来を語り、自己PRは過去の実績で裏づけるという時間軸の差がある
・社名を他社に置き換えて成立するかどうかで、素材の振り分け先を判断できる
・同じ経験を両方に使ってよいが、選択の理由と能力の証明で結論の向きを変える
・志望動機だけが書けない場合は、素材不足ではなく応募先の選定を見直す

よくある質問

志望動機と自己PRに同じ経験を書いてもよいですか

書いても問題ありません。ただし結論の向きを変えてください。志望動機では「この経験があるからこの会社を選んだ」、自己PRでは「この経験があるからこの業務ができる」となります。同じ結論で2回書くと、読み手に新しい情報が増えません。

志望動機と自己PRはどちらを先に書くべきですか

自己PRを先に書くほうが進めやすくなります。実績は事実なので、応募先を問わず整理できるためです。自己PRで素材を洗い出したうえで、そのうち応募先と接続できるものを志望動機に回すという順番が効率的です。

自己PRは応募先ごとに書き換える必要がありますか

骨格は共通で構いません。実績そのものは変わらないためです。ただし強調する実績の順番は、募集要項に合わせて入れ替えてください。運用改善を求める求人と新規構築を求める求人では、前に出すべき実績が変わります。

未経験の場合、自己PRに書ける実績がありません

業務経験以外も実績になります。学習の継続期間、制作した成果物の数、受けた指摘への対応。これらを期間と数量で示せば、継続力や改善姿勢の根拠になります。前職で培った進め方も、職種に接続する形に翻訳すれば使えます。

文字数はそれぞれどれくらいが適切ですか

どちらも300〜400字が目安です。入力欄に指定がある場合は、その指示を優先してください。分量が偏る場合、経験者は志望動機に、未経験者は自己PRに重心を置くと、読み手が必要とする情報が揃いやすくなります。

面接では書類と同じ内容を話せばよいですか

同じ内容で構いません。むしろ食い違うほうが不自然に映ります。ただし口頭では、書類の文章を暗唱すると硬く聞こえます。骨組みだけ揃えて言葉は変え、それぞれの記述について一段詳しく説明できる状態にしておいてください。

この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也

関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。