VBAエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性となり方をわかりやすく解説

VBAエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性となり方をわかりやすく解説

「VBAエンジニアとはどんな仕事なのか」「マクロを作った経験はあるけれど、エンジニアとして通用するのだろうか」と気になって検索した方も多いのではないでしょうか。事務の仕事でマクロを作るうちに、プログラミングを仕事にしたいと考え始める方は少なくありません。

VBAエンジニアとは、表計算ソフトなどのオフィスソフトの作業をVBA(オフィスソフトの操作を自動化するためのプログラミング言語)で自動化し、業務の効率化を支えるエンジニアです。 身近な業務の課題を解決できる実践的な仕事であり、経験を積めば社内SEや業務システムの開発など、より幅広いキャリアへ広げていくこともできます。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、VBAエンジニアの仕事内容や働き方、必要なスキル、役立つ資格、年収、やりがいと将来性、なり方とキャリアパスまでを解説します。

VBAエンジニアとは

VBAエンジニアとは、VBAを使って、表計算ソフト(エクセル)やデータベースソフト(アクセス)などのオフィスソフトの作業を自動化する仕事です。手作業で行っていたデータの集計や転記、帳票の作成などをプログラムに置き換え、業務の時間短縮やミスの削減を実現します。

多くの企業では、日々の業務に表計算ソフトが欠かせません。その一方で、同じ作業を毎日繰り返したり、手入力によるミスが起きたりする課題も抱えています。VBAエンジニアは、こうした身近な業務の困りごとを、プログラムの力で解決する役割を担います。

マクロとVBAの違い

VBAとあわせてよく使われるのが「マクロ」という言葉です。マクロは、オフィスソフトで行う一連の操作を記録し、自動で実行する機能や仕組みを指します。VBAは、そのマクロを作るためのプログラミング言語です。操作を記録するだけのマクロでは対応できない複雑な処理も、VBAでプログラムを書くことで実現できます。

プログラマー・社内SEとの違い

VBAエンジニアと似た仕事に、プログラマーや社内SEがあります。違いは次のとおりです。

職種主な仕事扱う範囲
VBAエンジニアオフィスソフトの作業を自動化するツールを作る部署単位など、身近な業務の効率化が中心
プログラマー設計書に基づいて、システムやアプリケーションを作るウェブサービスや業務システムなど幅広い
社内SE自社のシステムの企画・導入・運用を担う会社全体の情報システム

VBAエンジニアは、利用者に近い場所で業務を改善する点が特徴です。一方で、扱うシステムの規模は比較的小さいことが多いため、キャリアを広げるには、ほかの技術や役割にも目を向けることが大切です。

VBAエンジニアの仕事内容【工程別】

VBAエンジニアの仕事は、「業務のヒアリング→設計→開発→テスト→導入・運用保守」の流れで進みます。 プログラムを書くことだけでなく、業務の課題を聞き取り、使いやすい形で届けることまでが仕事です。

工程主な役割主に関わる相手
業務のヒアリング現在の作業の流れと、困りごとを聞き取る利用部門の担当者
設計自動化する範囲と、処理の流れを決める利用部門の担当者
開発VBAでプログラムを作る開発チーム
テスト正しく動くか、想定外のデータでも問題ないかを確かめる利用部門の担当者
導入・運用保守使い方を説明し、不具合や改善の要望に対応する利用部門の担当者

業務のヒアリング

最初に、利用部門の担当者から、どのような作業にどれだけ時間がかかっているのか、どこでミスが起きやすいのかを聞き取ります。「何を自動化すれば最も効果があるか」を見極めることが、この工程の大切な役割です。

設計

聞き取った内容をもとに、自動化する範囲や処理の流れ、画面やボタンの配置などを決めます。後から修正しやすいように、処理を分けて整理しておくことも重要です。

開発

設計に沿って、VBAでプログラムを書きます。データの読み込み、集計、帳票の作成、ほかのファイルとの連携など、業務に合わせた処理を作り込みます。

テスト

作ったツールが正しく動くかを確かめます。空欄のデータや想定外の値が入力された場合でも、誤作動しないかを確認することが大切です。

導入・運用保守

完成したツールの使い方を利用者に説明し、実際の業務で使ってもらいます。導入後も、不具合への対応や、業務の変化に合わせた改修を行います。

VBAエンジニアの働き方・種類

VBAエンジニアの働き方は、主に次の3つに分かれます。

事業会社の社内で働く

一般企業の情報システム部門や、事務系の部門で、自社の業務を効率化するツールを作ります。利用者と直接やり取りでき、改善の効果を身近に感じやすい働き方です。

開発会社・派遣会社などに所属して働く

取引先の企業から依頼を受けて、VBAのツールを開発したり、取引先に常駐して保守を担当したりします。さまざまな業界の業務に触れられる一方で、担当する案件を自分で選びにくい場合があります。

フリーランス・副業として働く

経験を積んだ後は、フリーランスや副業として、小規模なツールの開発を請け負う人もいます。ただし、案件の獲得や収入の安定性には注意が必要です。

VBAエンジニアの1日の流れ(例)

VBAエンジニアの1日は、開発作業と利用者とのやり取りを組み合わせて進むのが一般的です。事業会社の情報システム部門で働く場合の一例を紹介します。

・9:00 メールを確認し、利用部門からの問い合わせに対応
・10:00 経理部門と打ち合わせし、月次の集計作業の自動化について要望を聞き取る
・11:00 聞き取った内容をもとに、処理の流れを整理
・13:00 集計ツールのプログラムを作成
・15:00 テスト用のデータで動作を確認し、想定外の入力への対応を追加
・16:30 導入済みのツールの改修依頼に対応
・17:30 翌日の作業を整理し、進み具合を報告

締め日や決算期など、利用部門が忙しい時期には、問い合わせや改修の依頼が増えることがあります。

VBAエンジニアに必要なスキル・知識

VBAエンジニアに求められるのは、VBAでプログラムを書く力だけでなく、業務の課題を見つけて改善につなげる力です。

・VBAの基本的な文法(変数、条件分岐、繰り返し、関数など)
・表計算ソフトの関数や機能に関する深い知識
・データベースの基礎(データを整理して保存する仕組み)
・業務の流れを理解し、課題を見つける力
・利用者の要望を聞き取り、分かりやすく説明するコミュニケーション力
・後から修正しやすいプログラムを書く力

すぐに使えるものとして、作ったツールの成果を職務経歴書に書くときの例を紹介します。

・改善前:VBAで集計ツールを作成
・改善後:経理部門の月次集計作業をVBAで自動化。作業時間を月○時間から○時間に短縮し、手入力による集計ミスを解消した。ほかの○部署にも展開し、利用者は○名に広がった。

○の部分には、ご自身の実績の数値を入れてください。削減した作業時間、利用者の数、ミスの件数など、効果が分かる数字を示すと説得力が増します。

相談の現場では、「事務の仕事でVBAを使ってきたが、エンジニアとして転職できるか自信がない」という声をよく聞きます。VBAで業務を効率化した経験は、プログラミングの基礎力と業務改善の力の両方を示せる貴重な実績です。成果を数値で整理しておくと、選考で評価されやすくなります。

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VBAエンジニアに役立つ資格

VBAエンジニアの仕事に、必須の資格はありません。ただし、スキルを客観的に示す手段として、次の資格が役立ちます。

・VBAエキスパート:VBAの知識とプログラミングのスキルを認定する民間資格で、表計算ソフト用とデータベースソフト用がある
・オフィスソフトの操作スキルを認定する資格:表計算ソフトなどの操作スキルを客観的に示せる
・基本情報技術者試験:ITの基礎知識を幅広く問う国家試験で、VBA以外の開発へキャリアを広げる際に役立つ

出典:IPA「情報処理技術者試験」

特に、VBAから業務システムの開発や社内SEなどへキャリアを広げたい方は、基本情報技術者試験でITの基礎知識を身につけておくと、選択肢が広がります。

VBAエンジニアの年収

VBAエンジニアの年収は、働く会社の種類や、VBA以外の技術や役割を担えるかによって差が出やすい傾向があります。 VBAエンジニアに特化した公的な年収統計は限られているため、関連するIT職種の水準もあわせて確認しましょう。

指標金額(目安)
参考:システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収約574万円
参考:システムエンジニア(基盤システム)の平均年収約684万円
給与所得者全体の平均年収約478万円

出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

システムエンジニアの水準は、関連するIT職種の参考として示しています。職務が異なるため、VBAエンジニアの水準とは別である点に注意してください。

IT人材の需要は高く、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍と、職業全体の1.12倍を上回っています。VBAの経験を土台に、ほかの言語や上流の工程まで担えるようになると、年収を上げられる可能性が広がります。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)

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VBAエンジニアのやりがいと大変さ・将来性

VBAエンジニアは、身近な業務を改善し、利用者から直接感謝される、やりがいの大きい仕事です。一方で、将来性については注意しておきたい点もあります。

やりがい

・作ったツールで、利用者の作業時間が大きく減る効果を実感できる
・利用者から直接「楽になった」と感謝される機会が多い
・業務の流れを理解し、改善を提案する力が身につく
・比較的短い期間で、ツールを完成させる達成感を味わえる

大変さ

・利用者ごとに要望が異なり、細かな調整が求められる
・過去に作られたツールの仕組みが分かりにくく、改修に苦労することがある
・ツールが特定の担当者に依存し、引き継ぎが難しくなることがある
・VBAだけでは、扱える仕事の範囲が限られやすい

将来性と、悩みの切り分け

オフィスソフトを使う業務はなくならないため、VBAの需要は今後も一定程度続くと考えられます。一方で、ソフトウェアロボットによる業務自動化や、パイソンなどほかの言語、オフィスソフトに組み込まれた新しい自動化の機能なども広がっています。VBAだけにとどまらず、業務改善の経験を土台に、扱える技術や役割を広げていくことが、将来性を高める鍵です。

また、「VBAの保守ばかりで、新しい技術に触れられない」という悩みは、VBAエンジニアという職種そのものではなく、担当業務が固定された職場環境に原因があることも少なくありません。環境が理由であれば、新しい技術に挑戦できる企業や社内SEのポジションを選ぶ。プログラミングそのものが合わないと感じるなら、業務改善の企画など領域を変える。 この切り分けが、後悔しない選択につながります。

VBAエンジニアになるには・キャリアパス

VBAエンジニアを目指すルートは、主に次の3つです。

  1. 事務職などで表計算ソフトを使いながら、VBAで業務を効率化する経験を積む
  2. 独学やスクールでVBAを学び、VBAの開発案件がある企業に応募する
  3. 開発会社や派遣会社に入社し、VBAの開発や保守を担当する

すでに社内でマクロを作った経験がある方は、それ自体が実務経験になります。どの業務を、どれだけ効率化したのかを整理しておきましょう。

VBAエンジニアとして経験を積んだ後のキャリアパスには、次のような道があります。

キャリアの方向主な仕事VBAの経験の活かし方
社内SE自社のシステムの企画・導入・運用を担う業務への理解と、改善を提案する力を活かせる
業務システムの開発本格的な業務システムをほかの言語で開発するプログラミングの基礎と、業務の知識を活かせる
業務自動化の専門家ソフトウェアロボットなどを使って、業務全体の自動化を進める自動化の考え方と、業務分析の経験を活かせる
データ分析データを集計・分析し、業務の判断に役立てる表計算ソフトでのデータ処理の経験を活かせる

私たちが扱う求人を見ても、VBAで業務を効率化した経験に加えて、ほかのプログラミング言語やデータベースの知識がある方は、社内SEや業務システムの開発などの職種で評価されやすい傾向があります。VBAは、エンジニアとしてのキャリアを始める入口として、十分に価値のある経験です。

VBAから一歩先のキャリアを考え始めたら

市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
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まとめ

・VBAエンジニアとは、オフィスソフトの作業をVBAで自動化し、業務の効率化を支えるエンジニア
・仕事は「業務のヒアリング→設計→開発→テスト→導入・運用保守」の流れで進む
・VBAの文法だけでなく、業務の課題を見つけて改善につなげる力が重視される
・VBAの需要は一定程度続くと考えられるが、扱える技術や役割を広げることが将来性を高める鍵
・悩みの原因が職種そのものか、担当業務が固定された職場環境かを切り分けることが大切

よくある質問

VBAエンジニアはやめとけと言われるのはなぜですか?

VBAだけでは扱える仕事の範囲が限られやすく、年収や将来性に不安を感じる方がいるためです。また、過去に作られたツールの保守ばかりが続く職場もあります。ただし、VBAで業務を改善した経験は、社内SEや業務システムの開発などへキャリアを広げる土台として活かせます。

VBAエンジニアに将来性はありますか?

オフィスソフトを使う業務はなくならないため、VBAの需要は一定程度続くと考えられます。一方で、ほかの自動化の手段も広がっているため、VBAだけにとどまるのではなく、ほかの言語やデータベース、業務自動化の技術などを身につけていくことが大切です。

未経験からVBAエンジニアになれますか?

なれる可能性はあります。特に、事務の仕事などで表計算ソフトを使っている方は、身近な業務をVBAで効率化することから始められます。小さなツールでも、業務を改善した経験と成果を数値で示せるようになると、VBAの開発案件がある企業への応募で評価されやすくなります。

VBAの経験だけでエンジニアに転職できますか?

VBAで業務を効率化した経験は、プログラミングの基礎力と業務改善の力を示す実績になります。ただし、応募できる求人の幅を広げるには、ほかのプログラミング言語やデータベース、ITの基礎知識もあわせて身につけておくことをおすすめします。

VBAエンジニアの仕事はAIでなくなりますか?

簡単なマクロであれば、人工知能の助けを借りて作れるようになりつつあります。一方で、どの業務を自動化すべきかを見極めたり、利用者の要望を聞き取って使いやすい形にまとめたりする役割は、人に求められ続けます。業務改善の視点を持つエンジニアの価値は、今後も高いと考えられます。

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この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢

近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。