「統計を勉強したいけれど、どの資格を選べばよいかわからない」「データ分析の仕事に役立つ統計資格を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
統計資格は、目的や現在の知識レベルに合わせて選ぶことが重要です。
未経験者が基礎から学ぶ場合と、データ分析や専門職で活用したい場合では、適した資格が異なります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、統計に役立つ資格の種類や選び方、取得するメリットを解説します。
統計の資格とは
統計の資格とは、データの収集・整理・分析・解釈に必要な知識を確認できる資格や検定です。
統計資格を取得することで、データを数字だけでなく根拠を持って読み取る力を体系的に学べます。
統計は、データ分析職だけで使われるものではありません。
例えば、
・売上データを分析する
・顧客傾向を調べる
・品質データを確認する
・アンケート結果を分析する
・施策の効果を比較する
など、幅広い仕事で使われます。
特にデータアナリストやデータサイエンティストを目指す場合、統計の基礎知識は重要です。
ただし、統計資格を取得すれば必ず転職できるわけではありません。
資格は、知識を体系的に学ぶ手段として活用しましょう。
統計に役立つ資格7選【一覧】
統計に関する資格や検定には、基礎から専門的なものまで複数あります。
最初から難しい資格を目指すのではなく、自分の目的に合うものを選ぶことが大切です。
| 資格・検定 | 主な分野 | 向いている人 |
| 統計検定 | 統計全般 | 統計を体系的に学びたい人 |
| データサイエンティスト検定 | データ活用全般 | データ職を目指す人 |
| 基本情報技術者試験 | IT基礎 | IT未経験者 |
| 応用情報技術者試験 | IT応用 | IT経験者 |
| 人工知能関連検定 | 人工知能・機械学習 | AI分野に広げたい人 |
| データベース関連資格 | データ管理 | データ抽出・加工を強化したい人 |
| 品質管理関連資格 | 品質・統計活用 | 製造・品質分野で統計を使う人 |
すべて取得する必要はありません。
統計そのものを深く学びたいのか、データ分析の仕事に活かしたいのかによって優先順位を決めましょう。
統計を体系的に学ぶなら統計検定
統計を基礎から専門レベルまで学びたい場合、代表的な選択肢が統計検定です。
統計検定は、統計に関する知識や活用力を段階的に確認できる検定です。
統計では、
・平均値
・中央値
・分散
・標準偏差
・確率
・推定
・検定
などの考え方を学びます。
データを見て、
「この差には意味があるのか」
「偶然起きた変化ではないか」
を判断するために必要な知識です。
統計を初めて学ぶ方は、自分の現在の理解度に合うレベルから始めましょう。
いきなり上位レベルを目指すより、基礎を固めながら段階的に進めるほうが理解しやすくなります。
試験区分や出題範囲は変更される可能性があるため、受験時には公式情報を確認してください。
データ分析を仕事にしたい人に役立つ資格
統計だけでなく、データ分析全体を学びたい場合は関連資格も候補になります。
データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、データサイエンス、データエンジニアリング、ビジネスなどを幅広く扱います。
統計専門の資格ではありません。
一方で、統計を実際のデータ活用にどう結び付けるか学びたい人に向いています。
特に、
・データアナリストを目指している
・データサイエンティストに興味がある
・統計だけでなくITも学びたい
という方には候補になります。
資格学習と並行して、実際のデータを分析する練習も進めましょう。
IT職で統計を活かしたい人に役立つ資格
データ分析では、統計だけでなくIT知識も必要になる場合があります。
特にシステムやデータベースを扱う仕事では、IT基礎を理解しておくと役立ちます。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITに関する基礎知識を幅広く学べる国家試験です。
アルゴリズムやデータベース、ネットワークなどを扱います。
統計専門の試験ではありませんが、IT未経験からデータ分析職を目指す場合には基礎づくりに役立ちます。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、ITの応用知識を幅広く扱う国家試験です。
すでにIT経験があり、システム全体への理解を深めたい方に向いています。
データ分析をシステムや事業全体と結び付けたい場合、統計以外のIT知識も強みになります。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
AI・機械学習を学びたい人に役立つ資格
統計知識は、人工知能や機械学習を学ぶ際にも重要です。
予測や分類などの仕組みを理解するために、確率や統計の考え方を使います。
人工知能関連の検定
人工知能関連の検定では、人工知能や機械学習、深層学習などの基礎を学べるものがあります。
統計をAI分野へ広げたい方は、基礎を学んだ後の選択肢として検討できます。
ただし、資格を取るだけでは実務スキルにはなりません。
例えば、
・実際にデータを分析する
・予測結果を評価する
・モデルの結果を解釈する
といった経験も必要です。
データベースを学びたい人に役立つ資格
統計分析を行うには、分析対象となるデータが必要です。
そのため、データを保存・取得する仕組みへの理解も役立ちます。
データベース関連資格
データベース関連資格では、データ構造や管理方法、検索などについて学びます。
データ分析の現場では、
・必要なデータを取り出す
・複数のデータを組み合わせる
・分析できる形に加工する
といった作業があります。
統計とデータベースの両方を理解すると、分析前の工程まで担当しやすくなります。
データアナリストやデータエンジニアを目指す場合にも役立つ分野です。
製造・品質分野で統計を使いたい人に役立つ資格
統計はIT業界だけでなく、製造業でも利用されています。
品質管理や生産工程では、数値をもとに異常やばらつきを確認します。
品質管理関連資格
品質管理関連の資格や検定では、品質管理の考え方とともに統計的な手法を学べるものがあります。
例えば、
・製品のばらつきを確認する
・不良率を分析する
・工程の変化を調べる
・品質改善の効果を確認する
といった場面で統計が使われます。
機械・電気系エンジニアや品質保証、生産技術などの仕事で統計を活かしたい場合には、検討できる分野です。
統計資格を取得する3つのメリット
統計資格を取得する目的は、資格欄を埋めることだけではありません。
最も大きなメリットは、統計知識を順序立てて学べることです。
1. 統計を体系的に学べる
統計を独学すると、平均やグラフの読み方だけを覚えて終わってしまうことがあります。
資格試験を活用すると、基礎から順番に学びやすくなります。
特に未経験者にとっては、学習範囲を決める目安になります。
2. データを根拠に判断しやすくなる
統計を理解すると、単に数字が増えた・減っただけで判断しにくくなります。
データのばらつきや条件も含めて考えられるようになります。
これはデータ分析だけでなく、営業やマーケティング、品質管理などでも役立つ考え方です。
3. 転職活動で学習内容を説明しやすくなる
未経験からデータ職を目指す場合、「統計を勉強しています」だけでは学習レベルが伝わりにくいことがあります。
資格を取得していれば、学習した範囲を説明する材料になります。
ただし、私たちが転職相談を受ける際も、資格名だけを見るわけではありません。
「何を学び、どのように仕事へ活かしたいのか」まで整理することが重要です。
レベル・目的別のおすすめ統計資格
資格を選ぶ際は、人気や難易度だけで決める必要はありません。
現在のスキルと、資格取得後に何をしたいのかから逆算しましょう。
| 目的 | 優先したい分野 | 資格・検定の例 |
| 統計を基礎から学ぶ | 統計基礎 | 統計検定 |
| データ分析職を目指す | 統計・データ活用 | 統計検定、データサイエンティスト検定 |
| IT未経験からデータ職を目指す | IT基礎・統計 | 基本情報技術者試験、統計検定 |
| AI分野へ進みたい | 統計・機械学習 | 統計検定、人工知能関連検定 |
| データ基盤まで扱いたい | 統計・データベース | 統計検定、データベース関連資格 |
| 製造業で活用したい | 品質・統計 | 品質管理関連資格 |
完全未経験の場合
統計を初めて学ぶ場合は、まず基礎用語や考え方を理解しましょう。
いきなり複数資格に手を出す必要はありません。
一つの資格を使って基礎を学び、その後に仕事内容に必要な分野を追加すると進めやすくなります。
データ分析職を目指す場合
データアナリストやデータサイエンティストを目指す場合は、統計だけではなく実践的なデータ分析経験も必要です。
資格勉強と並行して、
・データを整理する
・グラフを作成する
・仮説を立てる
・分析結果を説明する
といった練習を進めましょう。
現役エンジニアの場合
すでにIT経験がある場合は、基礎的なIT資格を増やすより統計や分析分野を優先したほうがよい場合があります。
自分がすでに持っている知識と、不足している知識を分けて考えましょう。
資格選びでは、学習不足だけでなく、現在の仕事で統計やデータ分析を使える機会があるかも重要です。
職種そのものの問題か、職場環境の問題かを切り分けることも大切です。
実務経験を増やせない環境であれば、資格取得後にデータ分析へ関われる業務や企業を探す選択肢もあります。
資格を選ぶ前に、実際のデータ職種でどのスキルが求められるか知っておくと学習の方向性を決めやすくなります。LINEでもキャリア情報を確認できます。
統計資格は転職や年収アップに役立つ?
統計資格を取得しただけで、転職や年収アップが保証されるわけではありません。
転職市場では、資格に加えて実際にデータを扱った経験が重要です。
データ分析に関連するIT職種の参考として、システムエンジニアの年収データを紹介します。
| 指標 | 年収の目安 |
| システムエンジニア(ウェブサービス開発) | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム) | 約684万円 |
| 給与所得者全体 | 約478万円 |
統計資格やデータ分析職の年収そのものを示すデータではありません。
関連するIT職種の参考値として確認してください。
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
転職で統計資格を活かすなら、
・どの資格を取得したか
・何を学んだか
・実際にどのデータを分析したか
・仕事でどう活かせるか
まで説明できるようにしましょう。
例えば、現在の業務で売上や生産数などを分析している場合は、可能な範囲で成果も数値化します。
「集計作業を月○時間削減した」など、具体的な実績があると担当内容を伝えやすくなります。
統計資格の勉強を実務につなげる方法
資格勉強だけでは、統計を実際に使える状態になりにくい場合があります。
学んだ内容を使って、自分で分析することが重要です。
実際のデータを使ってみる
統計用語を覚えたら、実際のデータに当てはめてみましょう。
例えば、
・月別の売上を比較する
・商品別の平均値を見る
・顧客ごとの傾向を確認する
・施策前後の数値を比較する
といった練習ができます。
分析結果を言葉で説明する
計算ができても、結果の意味を説明できなければ実務では使いにくくなります。
「数字にどのような違いがあったか」
「そこから何が考えられるか」
まで言葉にしましょう。
自分の仕事に統計を取り入れる
現在の仕事でも、数字を使える場面がないか探してみましょう。
例えば、
・営業件数
・作業時間
・不良率
・問い合わせ件数
・サイトのアクセス数
などです。
小さな分析でも、実務の課題に統計を使った経験は転職活動で説明しやすくなります。
統計を活かせる主な仕事
統計知識は、データ職だけでなく幅広い仕事に活かせます。
代表的な仕事には次のようなものがあります。
・データアナリスト
・データサイエンティスト
・機械学習エンジニア
・マーケティング職
・事業企画
・品質保証
・生産技術
・研究開発
例えば、データアナリストでは事業データの分析、品質保証では不良率やばらつきの確認などに統計を利用します。
そのため、「統計を学んだらどの職種に進むのか」まで考えることが重要です。
統計を活かせるキャリアを考えたい方へ
経験豊富なアドバイザーが、現在の経験や学習状況を整理し、統計・データ分析の知識を活かせるキャリアを一緒に考えます。まだ転職を決めていない情報収集の段階でも相談できます。
まとめ
統計資格は、データを正しく読み取るための知識を体系的に学ぶ手段として役立ちます。
・統計を基礎から学ぶなら統計分野の検定が候補になる
・データ職を目指すなら統計だけでなくIT知識も必要
・資格は現在のスキルと目的から逆算して選ぶ
・資格取得と並行して実際のデータ分析を経験する
・転職では資格名だけでなく学習内容や実績まで伝える
資格を複数取得することより、学んだ統計を実際に使える状態にすることを意識しましょう。
よくある質問
統計を勉強するならどの資格がおすすめですか?
統計そのものを体系的に学びたい場合は、統計分野の検定が代表的な選択肢です。データ分析職を目指す場合は、統計に加えてデータ活用やITを学べる資格も組み合わせるとよいでしょう。
統計資格は未経験でも取得できますか?
未経験から学べる資格やレベルもあります。最初から難しい区分を目指す必要はありません。現在の数学知識を確認し、基礎から段階的に進めることで理解しやすくなります。
統計資格は就職や転職に有利ですか?
資格だけで採用が決まるわけではありませんが、統計を体系的に学んだことを示す材料になります。特に未経験者は、資格に加えて実際のデータ分析経験を説明できるようにしましょう。
データアナリストになるなら統計資格は必要ですか?
必須ではありません。ただし、データの傾向や差を正しく解釈するために統計知識は役立ちます。資格取得を目的にするのではなく、分析業務で使える知識を身につけることが重要です。
データサイエンティストには統計資格が必要ですか?
必須資格ではありませんが、統計や確率の知識はデータ分析や機械学習を理解するうえで重要です。統計に加えてプログラミングやデータベースなども学ぶ必要があります。
統計資格だけで年収は上がりますか?
資格取得だけで年収が上がるとは限りません。企業では実務経験や担当できる業務範囲も評価されます。資格で得た知識を実際の分析や業務改善に活かし、成果として説明できる状態を目指しましょう。
統計資格を取った後にどの仕事へつなげるかまで考えると、学習の目的が明確になります。データ領域のキャリア情報をLINEでも確認できます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

