「セキュリティエンジニアはやめとけと言われた」「仕事がきついという口コミを見て不安」と感じている方もいるのではないでしょうか。
セキュリティエンジニアは一律に「やめとけ」といえる仕事ではありませんが、責任の重さや緊急対応、継続的な学習などを負担に感じる人はいます。
一方で、同じセキュリティエンジニアでも、SOC・脆弱性診断・セキュリティ設計など担当領域によって仕事内容や働き方は異なります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、セキュリティエンジニアは「やめとけ」と言われる7つの理由と実態を解説します。向いている人や将来性、後悔しない求人の選び方まで確認していきましょう。
セキュリティエンジニアは「やめとけ」と言われる仕事?
結論からいうと、セキュリティエンジニアだからという理由だけで避ける必要はありません。
セキュリティエンジニアは、企業のシステムやネットワーク、データなどをサイバー攻撃や情報漏えいといった脅威から守る仕事です。
仕事内容には、
・セキュリティ監視
・ログ分析
・脆弱性診断
・セキュリティ製品の導入
・インシデント対応
・セキュリティ設計
などがあります。
そのため、「セキュリティエンジニアはきつい」という情報だけで判断するのはおすすめできません。
たとえば、24時間体制のSOCと、企業のセキュリティ設計を担当する仕事では働き方が異なります。
職種名だけではなく、どのセキュリティ業務を担当するのかまで確認することが重要です。
セキュリティエンジニアはやめとけと言われる7つの理由
「やめとけ」と言われる背景には、セキュリティ業務特有の大変さがあります。
1.責任が重い
セキュリティ対策の不備は、情報漏えいやシステム停止などにつながる可能性があります。
そのため、設定変更やインシデント対応では慎重な判断が必要です。
特に重要なシステムを担当する場合は、作業へのプレッシャーを感じることもあるでしょう。
ただし、通常は一人だけですべての責任を負うわけではありません。
レビューや承認、複数人での対応など、組織としてリスクを抑える仕組みが整備されている企業もあります。
2.インシデント発生時は緊急対応が必要になる
不正アクセスやマルウェア感染などが発生した場合、対応を後回しにできないケースがあります。
状況によっては、
・原因調査
・影響範囲の特定
・攻撃の遮断
・システム復旧
・関係部署への連携
などを迅速に進めます。
通常業務とは異なる緊張感があるため、負担に感じる人もいます。
3.常に新しい知識を学ぶ必要がある
サイバー攻撃の手法やIT技術は変化しています。
そのため、
・新しい脆弱性
・攻撃手法
・クラウド
・認証
・セキュリティ製品
などを継続的に学ぶ必要があります。
一度資格を取得すれば、その知識だけで長期間働けるとは限りません。
技術の変化を追うことが苦痛な人にとっては、学習負担を大きく感じる可能性があります。
一方、新しい技術を調べることが好きな人には、専門性を高め続けられる仕事でもあります。
4.幅広いIT知識が求められる
セキュリティだけを勉強すればよいわけではありません。
実際の業務では、
・ネットワーク
・サーバー
・Linux
・Windows
・Web
・データベース
・クラウド
などの知識も使います。
たとえば不審な通信を分析する場合、ネットワークの仕組みを理解していなければ正常な通信との違いを判断しにくくなります。
未経験者が「セキュリティだけ勉強すればよい」と考えていると、学習範囲の広さに戸惑う可能性があります。
5.夜勤・シフト勤務がある仕事もある
SOCなど24時間365日の監視が必要な現場では、夜勤やシフト勤務になる場合があります。
生活リズムを一定に保ちたい人には負担になる可能性があります。
ただし、すべてのセキュリティエンジニアに夜勤があるわけではありません。
脆弱性診断やセキュリティ設計、社内セキュリティなど、日中の勤務が中心となる求人もあります。
「セキュリティ=夜勤」と決めつけず、求人ごとの勤務条件を確認しましょう。
6.地道な監視・確認作業もある
セキュリティという言葉から、サイバー攻撃をリアルタイムで防ぐ仕事をイメージする人もいるかもしれません。
しかし実際には、
・ログ確認
・アラート確認
・設定確認
・報告書作成
・手順書更新
など地道な業務もあります。
特に運用・監視では、決められた手順に沿った確認作業を担当する場合があります。
華やかなイメージだけで転職すると、入社後にギャップを感じる可能性があります。
7.知識不足を感じやすい
セキュリティは関係する技術領域が広いため、経験を積んでも知らない技術に出会うことがあります。
ネットワークに詳しくてもWebセキュリティは経験が浅い、クラウドに詳しくてもフォレンジックは詳しくない、といったこともあります。
すべてを一人で理解する必要はありません。
自分の専門領域を持ちながら、必要に応じて周辺知識を広げていく姿勢が重要です。
セキュリティエンジニアの仕事がきついかは担当領域で変わる
セキュリティエンジニアの働き方は、担当領域によって異なります。
| 領域 | 主な仕事内容 | 大変さを感じやすいポイント |
| SOC | 監視・分析 | シフト・アラート対応 |
| CSIRT | インシデント対応 | 緊急時の判断・調整 |
| 脆弱性診断 | 弱点の調査 | 幅広い技術知識 |
| セキュリティ設計 | 対策・構成の設計 | 責任・上流判断 |
| クラウドセキュリティ | クラウド環境の保護 | 技術変化への対応 |
| 社内セキュリティ | 社内ルール・対策 | 部署間調整 |
たとえば「夜勤が嫌」という理由でセキュリティエンジニアを避けようとしている場合、SOC以外の仕事なら希望に合う可能性があります。
反対に、インシデント対応そのものに強いストレスを感じる場合は、担当領域を慎重に選ぶ必要があります。
転職支援の現場でも、「セキュリティが嫌なのか」「現在の業務内容・勤務体制が嫌なのか」を分けて考えることを重視しています。
セキュリティエンジニアになるか迷っている方へ
「きつそう」というイメージだけで判断せず、監視・診断・設計など具体的な仕事内容まで確認することが大切です。希望する働き方と経験から、自分に合う求人を一緒に整理できます。
セキュリティエンジニアの年収・将来性は?
大変な部分がある一方で、セキュリティ分野では専門性を活かしたキャリアを考えられます。
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagでは、「セキュリティエキスパート(オペレーション)」の全国平均年収は609.8万円です。
出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag/セキュリティエキスパート(オペレーション)」令和7年賃金構造基本統計調査
ただし、この数字はすべてのセキュリティエンジニアの平均ではありません。
また、同サイトのスキルレベル別給与データでは、セキュリティ運用・保守について以下の範囲が掲載されています。
| ITSSレベル | 年収範囲 |
| レベル1~2 | 420万~700万円 |
| レベル3 | 450万~700万円 |
| レベル4 | 510万~800万円 |
| レベル5以上 | 667.5万~1,086万円 |
出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag/セキュリティエキスパート(オペレーション)」2023年度委託調査
これは各レベルの第一四分位から第三四分位の範囲であり、特定の年収を保証する数字ではありません。
経験を積むことで、
・セキュリティ設計
・クラウドセキュリティ
・脆弱性診断
・インシデント対応
・セキュリティコンサルティング
などへ専門性を広げることもできます。
「きついかどうか」だけでなく、身につくスキルと将来のキャリアまで含めて判断しましょう。
セキュリティエンジニアをやめたほうがいい人
以下に多く当てはまる場合は、仕事内容との相性を慎重に確認しましょう。
□ IT技術そのものへの興味がほとんどない
□ 新しい知識を学び続けることを強く避けたい
□ 原因を細かく調べる作業が苦手
□ 正確性を求められる仕事が大きなストレスになる
□ トラブル発生時の対応を極力避けたい
□ ログ確認など地道な作業が苦痛
□ セキュリティの仕事ならすべて同じだと思っている
ただし、一つ当てはまっただけで「向いていない」と決める必要はありません。
たとえば夜勤を避けたいだけなら、日勤中心のセキュリティ求人を選ぶ方法があります。
仕事内容と希望条件を分けて整理しましょう。
セキュリティエンジニアに向いている人
一方、以下のような人はセキュリティエンジニアとの相性を考えやすいでしょう。
・ITシステムの仕組みに興味がある
・問題の原因を調べるのが好き
・細かな違和感に気づきやすい
・新しい技術を学ぶことが苦にならない
・慎重に作業できる
・トラブル時にも冷静に状況を整理できる
・専門分野を持ちたい
セキュリティでは「攻撃を見つける」だけでなく、「なぜ起きたのか」「どうすれば再発を防げるか」まで考えます。
問題を発見して原因を追い、仕組みから改善することに面白さを感じる人には向いている仕事です。
未経験からセキュリティエンジニアを目指しても大丈夫?
未経験から目指すこと自体は可能ですが、セキュリティだけを学べばよいわけではありません。
セキュリティはITシステムを守る仕事なので、守る対象について理解する必要があります。
まずは、
・ネットワーク
・サーバー
・OS
・Web
・クラウド
などの基礎から学びましょう。
キャリアの一例として、
ネットワーク・サーバー運用
↓
セキュリティ監視・運用
↓
分析・インシデント対応
↓
構築・設計
と経験を広げる方法があります。
ただし、必ずこの順番でなければならないわけではありません。
未経験求人を探す場合も「セキュリティエンジニア」という職種名だけでなく、最初に担当する業務を確認してください。
後悔しないセキュリティエンジニア求人の選び方
「やめとけ」という情報を見て不安な人ほど、求人選びで実際の仕事内容を確認することが重要です。
応募前に以下をチェックしましょう。
□ SOC・診断・設計など、担当領域は何か
□ 監視だけなのか、分析まで担当できるか
□ 夜勤・シフト勤務はあるか
□ インシデント発生時の対応体制はどうなっているか
□ ネットワーク・クラウドなどの経験を積めるか
□ 将来的に構築・設計へ進めるか
□ 教育・資格取得支援はあるか
□ 評価制度とキャリアパスが明確か
特に未経験者は「セキュリティに関われる」という言葉だけで判断しないようにしましょう。
求人によって、アラートの一次対応が中心の場合もあれば、分析・改善まで担当できる場合もあります。
転職エージェントの視点では、入社時の仕事内容だけでなく、その経験が2~3年後にどのキャリアへつながるのかまで確認することをおすすめします。
現役セキュリティエンジニアが辞めたいと感じたら確認したいこと
すでにセキュリティエンジニアとして働いていて「辞めたい」と感じている場合は、すぐに職種そのものを変える前に原因を整理してみましょう。
たとえば、
「夜勤がつらい」
→ 日勤中心の診断・設計などを検討する
「監視ばかりで成長できない」
→ 分析・構築まで担当できる環境を探す
「緊急対応がつらい」
→ インシデント対応の頻度や体制が異なる求人を見る
「年収が上がらない」
→ 担当工程・市場価値・会社の評価制度を確認する
「技術自体に興味が持てない」
→ セキュリティ以外のIT職種も検討する
というように切り分けられます。
職種を辞めるべきなのか、会社・担当業務・働き方を変えるべきなのかでは、次の選択肢が大きく変わります。
セキュリティの仕事を続けるか迷っている方へ
今の不満が職種そのものにあるのか、担当業務や会社環境にあるのかを整理すると、次の選択肢が見えやすくなります。転職ありきではなく、現在の経験を活かせるキャリアから確認できます。
まとめ
セキュリティエンジニアが「やめとけ」と言われる理由について重要なポイントをまとめます。
・責任の重さや緊急対応、継続的な学習などをきついと感じる人はいる
・SOCなどでは夜勤・シフト勤務がある一方、すべてのセキュリティ職に夜勤があるわけではない
・セキュリティには監視・診断・設計など複数の領域があり、仕事内容や働き方は異なる
・「セキュリティが合わない」のか「現在の会社・工程が合わない」のかを切り分けることが重要
・求人では仕事内容だけでなく、分析・構築・設計など次のキャリアへ進める環境か確認する
セキュリティエンジニアには大変な部分がありますが、それだけで「やめとけ」と判断する必要はありません。
自分が負担に感じるポイントと、興味を持てる仕事内容を整理したうえで判断しましょう。
よくある質問
セキュリティエンジニアは本当にきつい仕事ですか?
責任の重さやインシデント対応、継続的な学習を負担に感じる人はいます。ただし、SOC・脆弱性診断・設計など担当領域によって仕事内容や働き方は異なります。
セキュリティエンジニアは夜勤が多いですか?
SOCなど24時間体制で監視する現場では、夜勤やシフト勤務になる場合があります。一方、診断や設計など日勤中心の求人もあるため、応募前に勤務形態を確認しましょう。
セキュリティエンジニアは未経験だとやめたほうがいいですか?
未経験という理由だけで諦める必要はありません。ただし、ネットワークやサーバー、OSなど幅広いIT基礎が必要です。基礎を学びながら段階的に経験を積む方法があります。
セキュリティエンジニアは勉強し続けないといけませんか?
技術や攻撃手法が変化するため、継続的な学習は必要です。ただし、すべての分野を一人で習得する必要はありません。専門領域を持ち、必要な周辺知識を広げていく考え方が現実的です。
セキュリティエンジニアは将来性がありますか?
ネットワーク・クラウド・Webサービスなどの利用が続く限り、セキュリティ対策は重要です。ただし、将来性だけで職種を選ばず、自分の適性や希望する働き方も含めて判断しましょう。
セキュリティエンジニアを辞めたい場合はどうすればいいですか?
まず辞めたい理由を整理しましょう。夜勤、監視業務、緊急対応などが理由なら、セキュリティ職そのものを辞めず、担当領域や勤務環境を変えることで改善できる可能性があります。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
