「プロダクトマネージャーは実際に何をしているの?」「エンジニアやプロジェクトマネージャーとは何が違う?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
プロダクトマネージャーの仕事は、ユーザーの課題や事業目標をもとに「何を・なぜ作るのか」を考え、プロダクトを成長させることです。
企画だけでなく、ユーザー調査や開発の優先順位付け、リリース後の効果検証などにも関わります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、プロダクトマネージャーの仕事内容や1日の流れ、必要なスキルを解説します。
プロダクトマネージャーとは
プロダクトマネージャーとは、Webサービスやアプリ、SaaSなどのプロダクトを成長させる役割を担う職種です。
英語ではProduct Managerと呼ばれ、日本では「PdM」と略されることがあります。
プロダクトマネージャーは、
「誰が使うのか」
「どのような課題を解決するのか」
「どの機能を優先するのか」
などを考えます。
プロダクトマネージャーは、プロダクトに関する重要な意思決定を行い、チームをつなぐ役割を担います。
ただし、仕事内容に統一された定義があるわけではありません。
企業規模やプロダクトのフェーズによって担当範囲は異なります。
プロダクトマネージャーの主な仕事内容7つ
プロダクトマネージャーの仕事は、企画からリリース後の改善まで幅広くあります。
代表的な仕事内容は次の7つです。
| 仕事内容 | 主な業務 |
| ユーザー調査 | ユーザーの課題やニーズを調べる |
| 市場・競合調査 | 市場動向や競合サービスを調べる |
| 戦略策定 | プロダクトの方向性を決める |
| ロードマップ作成 | 中長期の開発方針を整理する |
| 優先順位付け | 開発する機能の順番を決める |
| 開発チームとの連携 | エンジニア・デザイナーと調整する |
| 効果検証 | リリース後の結果を分析する |
1. ユーザーの課題を調査する
最初に重要なのが、ユーザーを理解することです。
例えば、
・ユーザーインタビュー
・アンケート
・問い合わせ内容
・利用データ
・行動ログ
などから課題を探します。
ユーザーから、
「○○という機能がほしい」
と言われても、そのまま開発するとは限りません。
「なぜその機能が必要なのか」まで掘り下げ、本当に解決すべき課題を整理します。
2. 市場や競合サービスを調査する
プロダクトマネージャーは、ユーザーだけでなく市場も確認します。
競合サービスが、
「誰に」
「どのような価値を」
「どのような方法で」
提供しているのかを調べます。
ただし、競合と同じ機能を作ることが目的ではありません。
市場のなかで自社プロダクトがどのような価値を提供するかを考えるために調査します。
3. プロダクト戦略を考える
ユーザーや市場を理解したら、プロダクトの方向性を考えます。
例えば、
・どのユーザーを対象にするか
・どの課題を解決するか
・どのような価値を提供するか
・どのように事業を成長させるか
などです。
経営や事業責任者と連携して決める企業もあります。
4. プロダクトロードマップを作る
ロードマップとは、今後プロダクトをどの方向へ成長させるか整理した計画です。
短期的な機能追加だけでなく、中長期の方向性を考えます。
例えば、
「今期は新規ユーザーを増やす」
「次期は継続利用を改善する」
といった目的から、必要な開発を整理します。
5. 開発する機能の優先順位を決める
プロダクト開発に使える人員や時間には限りがあります。
そのため、
・ユーザーへの価値
・事業への効果
・開発工数
・緊急性
・技術的な難易度
などを考えて優先順位を決めます。
プロダクトマネージャーは「何を作るか」だけでなく「何を今は作らないか」も判断します。
6. エンジニアやデザイナーと開発を進める
開発するものが決まったら、エンジニアやデザイナーと具体的な仕様を検討します。
このとき、
「この機能を作ってください」
と指示するだけではありません。
「誰のどの課題を解決するための機能なのか」
という背景を共有することが重要です。
技術的に難しい場合は、エンジニアと相談して別の解決方法を検討することもあります。
7. リリース後の結果を分析する
プロダクトマネージャーの仕事は、機能をリリースして終わりではありません。
実際に、
・ユーザーに使われているか
・課題は解決されたか
・事業成果につながったか
などを確認します。
結果が想定と違えば、新しい仮説を立てて改善します。
プロダクトマネージャーの仕事の流れ
プロダクトマネージャーの仕事は、一直線に進むわけではありません。
基本的には次のサイクルを繰り返します。
| ステップ | 行うこと |
| 1 | ユーザー・市場を調査する |
| 2 | 解決する課題を決める |
| 3 | 解決方法を考える |
| 4 | 開発の優先順位を決める |
| 5 | エンジニア・デザイナーと開発する |
| 6 | リリースする |
| 7 | データ・ユーザーの反応を確認する |
| 8 | 次の改善につなげる |
「調査→企画→開発→検証→改善」を繰り返すことが、プロダクトマネージャーの仕事の基本です。
プロダクトが成長するにつれてユーザーの課題も変わるため、継続的に改善します。
プロダクトマネージャーの1日の仕事例
実際の1日は企業やプロダクトによって異なります。
一例として、次のような流れが考えられます。
| 時間 | 仕事 |
| 9:00 | KPI・ユーザー動向を確認 |
| 10:00 | 開発チームとのミーティング |
| 11:00 | ユーザーインタビュー |
| 12:00 | 昼休憩 |
| 13:00 | インタビュー内容の整理 |
| 14:00 | 新機能の要件整理 |
| 15:30 | デザイナーとの仕様確認 |
| 16:30 | 営業・CSから顧客要望をヒアリング |
| 17:30 | ロードマップ・優先順位の見直し |
| 18:00 | 退勤 |
一日中企画書を作るというより、複数の職種とコミュニケーションしながら意思決定を進めることが多い仕事です。
ユーザー・開発チーム・ビジネス側を行き来するのがPdMの働き方の特徴です。
プロダクトマネージャーとエンジニアの仕事の違い
プロダクトマネージャーとエンジニアは、同じプロダクト開発チームで働きますが役割が異なります。
| 比較項目 | プロダクトマネージャー | エンジニア |
| 主な役割 | プロダクトの方向性を考える | 技術でプロダクトを実現する |
| 主な問い | 何を・なぜ作るか | どう作るか |
| ユーザー調査 | 多い | 職場による |
| 要件整理 | 多い | 関わる場合あり |
| プログラミング | 職場による | 主な仕事 |
| 効果検証 | 多い | 関わる場合あり |
ただし、境界が明確に分かれているとは限りません。
エンジニアがユーザーインタビューへ参加したり、PdMが技術仕様の検討へ深く関わったりするチームもあります。
プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの仕事の違い
名前が似ていますが、主に責任を持つ対象が異なります。
プロダクトマネージャーは、プロダクトの価値や方向性を考えます。
プロジェクトマネージャーは、
・スケジュール
・予算
・品質
・人員
・リスク
などを管理し、プロジェクトを完遂する役割を担います。
プロダクトマネージャーは「何を・なぜ作るか」、プロジェクトマネージャーは「どう計画通りに進めるか」に軸足があります。
企業によっては一人が両方を担当する場合もあります。
プロダクトマネージャーは、企業によって仕事の範囲が大きく異なります。IT職種の仕事内容やキャリアについて情報収集したい場合はLINEでも確認できます。
プロダクトマネージャーの仕事に必要な7つのスキル
プロダクトマネージャーには、一つの専門性だけでなく複数のスキルが求められます。
1. ユーザー理解
ユーザーの行動や課題を理解する力です。
ユーザーの言葉をそのまま受け取るのではなく、背景にあるニーズを考えます。
2. 課題発見力
「どの機能を作るか」より先に「何を解決するか」を考えます。
情報を整理し、本質的な課題を見つける力が重要です。
3. データ分析力
プロダクトの状態を数字で確認します。
例えば、
・利用者数
・継続率
・解約率
・CVR
・機能利用率
などです。
施策を実施したら、どの数値がどの程度変化したのか確認します。
4. IT・技術への理解
PdM自身がプログラミングするかどうかは企業によります。
一方、技術的な実現可能性や開発コストを考えるために、ITへの理解は役立ちます。
5. ビジネスへの理解
プロダクトはユーザーに使われるだけでなく、事業として継続する必要があります。
売上やコスト、市場、競合などの視点も必要です。
6. コミュニケーション力
プロダクトマネージャーは、
・エンジニア
・デザイナー
・営業
・マーケティング
・カスタマーサクセス
・経営層
など多くの職種と仕事をします。
立場の異なる人と目的を共有し、意思決定を進める力が重要です。
7. 優先順位を決める力
すべての要望に対応することはできません。
限られたリソースのなかで、ユーザーや事業への影響を考えて判断します。
「やることを増やす力」だけでなく「今はやらないことを決める力」も必要です。
プロダクトマネージャーの仕事のやりがい
プロダクトマネージャーのやりがいの一つは、自分が関わった意思決定がプロダクトの成長につながることです。
例えば、
「ユーザーが途中で離脱している」
という課題を発見し、改善した結果として継続率が上がれば、自分たちの施策による変化を確認できます。
また、
・ユーザー
・技術
・デザイン
・ビジネス
など幅広い領域に関われることも特徴です。
自分でコードを書くことだけでなく、プロダクト全体を良くすることに興味がある人はやりがいを感じやすいでしょう。
プロダクトマネージャーの仕事が大変と感じる理由
一方、プロダクトマネージャーは正解のない状況で判断することも多い仕事です。
例えば、
・ユーザーごとに要望が違う
・開発できる人数が限られている
・営業と開発で優先したいものが違う
・施策が必ず成功するとは限らない
・複数の関係者との調整が必要
などがあります。
ユーザーから要望された機能をすべて作ることはできません。
限られた情報から優先順位を決め、その理由を説明する必要があります。
「決めること」と「決めた理由を説明すること」の両方が求められる点は、PdMの難しさの一つです。
ただし、大変さは会社の組織体制によっても変わります。
職種そのものの問題か、職場環境の問題かを切り分けて考えましょう。
プロダクトマネージャーに向いている人
プロダクトマネージャーは、ユーザー・技術・ビジネスを横断して考えたい人に向いています。
例えば、
・ユーザーの課題を考えることが好き
・仮説を立てて検証するのが好き
・数字を見て改善することが好き
・複数の職種と仕事を進められる
・優先順位を決めることができる
・技術とビジネスの両方に興味がある
・一つのプロダクトを長く育てたい
といった人です。
「どう作るか」だけでなく「なぜ作るか」に興味を持てるかが一つのポイントです。
ただし、これらの能力は経験を通じて伸ばすこともできます。
プロダクトマネージャーの年収はどのくらい?
プロダクトマネージャーだけを対象とした統一的な公的平均年収データは確認しにくいため、一つの金額で示すのは難しいです。
実際の年収は、
・PdMとしての経験
・担当プロダクトの規模
・事業責任の範囲
・マネジメント経験
・エンジニアリング経験
・企業の給与制度
などによって異なります。
同じ「プロダクトマネージャー」でも、機能企画を担当する求人と事業戦略まで担当する求人では責任範囲が異なります。
年収を比較するときは、仕事内容や責任範囲とセットで確認することが重要です。
プロダクトマネージャーになるには?
プロダクトマネージャーになるために、決まったキャリアルートがあるわけではありません。
エンジニアやWebディレクターなど、さまざまな職種の経験を活かせます。
1. プロダクト開発の流れを理解する
まずは企画から開発、リリース、改善までの流れを理解しましょう。
現在ITエンジニアとして働いている場合は、
「なぜこの機能を作るのか」
まで意識するとプロダクト側への理解が深まります。
2. ユーザー課題を考える経験を積む
PdMでは、仕様を作る前にユーザーの課題を考えます。
ユーザーインタビューや問い合わせ分析などに関われる場合は経験してみましょう。
3. データを使って改善する
施策の前後で結果を比較する経験も役立ちます。
例えば、
「画面を改善した」
だけではなく、
「改善後にCVRが○%から○%になった」
など、確認できる数字で成果を整理します。
4. 他職種との連携経験を増やす
エンジニアだけでなく、デザイナーや営業、マーケティングなどと仕事をする経験を増やします。
5. PdM求人で不足する経験を確認する
最後に求人票を確認し、
・ユーザー調査
・プロダクト企画
・KPI管理
・ロードマップ策定
・開発ディレクション
など、自分に不足している経験を整理します。
エンジニアからプロダクトマネージャーを目指せる?
エンジニアからプロダクトマネージャーを目指すことも可能です。
エンジニア経験があれば、
・技術的な実現可能性を理解できる
・開発工数をイメージできる
・エンジニアと技術的な会話ができる
・システムの制約を理解できる
といった強みを活かせる場合があります。
一方、PdMではユーザーや事業への理解も必要です。
| エンジニア経験で活かせるもの | PdMに向けて補いたいもの |
| システム設計 | ユーザー理解 |
| 開発経験 | 市場・競合分析 |
| 技術知識 | 事業理解 |
| 開発チームとの連携 | KPI・データ分析 |
| 工数・難易度の理解 | 優先順位付け |
エンジニア経験を捨てるのではなく、技術力にユーザー・ビジネスの視点を加えるイメージで考えましょう。
エンジニア経験を活かしてキャリアを広げたい方へ
プロダクトマネージャーだけでなく、ITコンサルやPM、自社開発など、エンジニア経験を活かせるキャリアは複数あります。現在の経験を整理し、次に伸ばすべきスキルを一緒に確認できます。
まとめ
プロダクトマネージャーは、プロダクトの価値を高めるために幅広い仕事を担当します。
・ユーザー調査からリリース後の効果検証まで関わる
・「何を・なぜ作るか」を考えることが重要な役割
・エンジニアやデザイナーなど複数の職種と連携する
・ユーザー・技術・ビジネスを横断するスキルが求められる
・エンジニア経験を活かしてPdMを目指すこともできる
企業によってPdMの仕事内容は異なるため、転職時は職種名だけでなく担当範囲まで確認しましょう。
よくある質問
プロダクトマネージャーは簡単にいうと何をする仕事ですか?
ユーザーや事業の課題をもとに、プロダクトで「何を・なぜ作るのか」を考える仕事です。企画だけでなく、開発の優先順位付けやリリース後の効果検証にも関わります。
プロダクトマネージャーはプログラミングしますか?
企業によって異なります。自らコードを書かないPdMもいますが、エンジニアと開発方針を検討するため、システムや技術への理解は仕事に活かせます。
プロダクトマネージャーとPMの違いは何ですか?
PMはProduct ManagerとProject Managerの両方の意味で使われます。区別する場合、Product ManagerをPdM、Project ManagerをPjMと表記することがあります。
プロダクトマネージャーは文系でもなれますか?
学部だけで適性が決まるわけではありません。ユーザー理解や事業、データ分析などの経験も活かせます。ただし、プロダクト開発やITへの理解を身につけることは重要です。
プロダクトマネージャーになるには資格が必要ですか?
特定の資格が必須とは限りません。ユーザーの課題を発見し、施策を考えて開発チームと実行し、その結果を検証した経験などが重要になります。
プロダクトマネージャーとエンジニアはどちらが上ですか?
上下関係で分ける職種ではありません。PdMはプロダクトの方向性、エンジニアは技術による実現を主に担います。それぞれの専門性を活かしてプロダクトを開発します。
プロダクトマネージャーの仕事内容を理解したうえで、自分の経験と重なる部分を探すことがキャリアを考える第一歩です。IT領域のキャリア情報はLINEでも確認できます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

