「未経験からWebエンジニアになれるの?」「何から始めればいいか分からない」と悩んで検索した方も多いのではないでしょうか。
未経験からでもWebエンジニアを目指すことは十分に可能です。ただし、学習で基礎を固め、成果物をつくり、最初の就職先を慎重に選ぶという順番を押さえることが重要です。 やみくもに学習を始めたり、条件をよく確かめずに応募したりすると、遠回りになることがあります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、未経験からWebエンジニアになるためのルートと手順、言語の選び方、年代別の考え方、よくある失敗を解説します。
そもそもWebエンジニアとは
Webエンジニアとは、Webサイトや、ブラウザやスマートフォンで使うWebサービスを設計・開発・運用するエンジニアです。主な担当領域は、画面をつくる「フロントエンド」と、裏側の処理をつくる「バックエンド」に分かれます。
通販サイトや予約システム、企業の業務システムなど、身近なサービスの多くをWebエンジニアが支えています。公開後も機能の追加や改善を重ねていくのが、Webエンジニアの仕事の特徴です。
未経験からWebエンジニアになるには?4つのルート
未経験からWebエンジニアを目指すルートは、大きく4つあります。どのルートでも、最終的には「自分で作った物」を見せられる状態にすることが共通のゴールです。
1. 独学で学び、未経験可の求人に応募する
書籍や学習サイトで基礎を学び、自分で作ったWebサービスを持って応募するルートです。
メリット: 費用を抑えながら、自分のペースで学習を進められます。
注意点: つまずいたときに相談できる相手がおらず、途中で挫折しやすい面があります。
2. プログラミングスクールで学び、転職活動につなげる
カリキュラムに沿って体系的に学び、講師のサポートを受けながら成果物をつくるルートです。
メリット: 学習の順番に迷いにくく、質問できる環境があるため挫折しにくくなります。
注意点: 受講料がかかるうえ、修了しただけで採用が決まるわけではありません。
3. 研修制度のある企業に未経験採用で入社する
入社後の研修で基礎を学び、実務に入るルートです。20代や第二新卒の方に多く見られます。
メリット: 給与を得ながら学べるため、収入面の不安を抑えられます。
注意点: 研修の内容や、研修後に担当する業務は企業によって大きく異なります。
4. 近い職種から経験を積んで移る
テスト担当やヘルプデスク、社内の情報システム担当など、IT関連の職種で経験を積んでから移るルートです。
メリット: IT業界の仕事の進め方を理解したうえで、次のステップに進めます。
注意点: 開発の経験を自分から取りにいかないと、移るまでに時間がかかることがあります。
未経験からWebエンジニアになる5ステップ【ロードマップ】
未経験から目指す場合は、次の5つのステップで進めると迷いにくくなります。大切なのは、「学ぶ」で終わらせず「作る」まで進めることです。
ステップ1. 目指す領域を決める
最初にフロントエンドとバックエンドのどちらを目指すかを決めます。画面の見た目や操作感に興味があればフロントエンド、仕組みやデータの扱いに興味があればバックエンドが向いています。
ステップ2. 基礎を学ぶ
Webの仕組み、選んだ言語の基本文法、データベースの基礎を学びます。最初から完璧を目指さず、まずは一通り手を動かすことを優先しましょう。
ステップ3. 簡単なWebサービスを1つ作り切る
学んだ知識を使って、掲示板やタスク管理など小さなサービスを1つ完成させます。完成まで作り切った経験は、選考で最も評価されやすい材料になります。
ステップ4. 成果物を説明できるように整理する
作った物は、ポートフォリオ(自分の制作物をまとめた資料)として整理します。次の項目を説明できるようにしておきましょう。
・なぜそのサービスを作ろうと思ったのか
・どんな技術を、なぜ選んだのか
・つまずいた点と、どう解決したのか
・今後どんな機能を追加したいか
ステップ5. 求人を比較し、応募する
求人票で担当業務や研修内容、働き方を比較し、応募先を絞ります。応募書類では、学習内容に加えて前職の実績も伝えると評価につながりやすくなります。
前職の実績は、数字で示すと伝わりやすくなります。たとえば「問い合わせ対応を月○件担当した」「業務手順を見直し、作業時間を○割削減した」のように、件数や改善の度合いを入れて整理してみてください。
一人で学習を進めていると、正しい方向に進んでいるか不安になることもあります。未経験からの転職事例と、はじめの一歩の進め方をLINEでお届けしています。
分野・言語の選び方
未経験者は、目指す領域に合わせて言語を1つに絞って学ぶのがおすすめです。複数の言語に手を広げるより、1つの言語で何かを作り切る方が選考で評価されます。
| 目指す領域 | 主な言語・技術 | 向いている人 |
| フロントエンド | HTML、CSS、JavaScript | 画面の見た目や使いやすさにこだわりたい人 |
| バックエンド | PHP、Ruby、Java、Python | 仕組みやデータの処理に興味がある人 |
| 両方に共通 | SQL(データベースを操作する言語)、Git(変更履歴を管理する仕組み) | すべての人が基礎として押さえたい |
言語選びで迷ったら、応募したい企業の求人票で使われている言語を確認しましょう。求人での使用例が多い言語を選ぶと、学習した内容をそのまま応募先にアピールしやすくなります。
独学とスクール、どちらがよい?
独学とスクールのどちらが正解ということはありません。自分の学習スタイルと、使える時間・費用に合わせて選ぶことが大切です。
| 観点 | 独学 | プログラミングスクール |
| 費用 | 書籍や学習サイトの費用のみ | 受講料がかかる |
| 学習の順番 | 自分で組み立てる必要がある | カリキュラムに沿って進められる |
| 質問できる環境 | 基本的にない | 講師に質問できる |
| 向いている人 | 自分で調べて解決するのが好きな人 | 期限と伴走者がいる方が続く人 |
私たちの相談現場では、「スクールを修了したのに、書類選考がなかなか通らない」という声を聞きます。多くの場合、カリキュラムで作った課題だけで応募していることが原因です。スクールを使う場合も、課題とは別に自分で考えたサービスを1つ作ると、意欲と理解度を伝えやすくなります。
必要なスキルと有利な資格
未経験者に求められるのは、高度な技術よりも「基礎を理解し、自分で調べて作れる力」です。選考では、知識の量より、学び続ける姿勢と作り切る力が見られます。
未経験の段階で身につけておきたいスキルは次のとおりです。
・選んだ言語の基本的な文法と、簡単な機能を作る力
・Webの仕組みとデータベースの基礎知識
・分からないことを自分で調べ、解決する力
・作った物の工夫点を言葉で説明する力
資格は必須ではありません。ただし、基本情報技術者試験はITの基礎知識を幅広く問う国家試験で、未経験者が知識を証明する材料になります。学習の道しるべとしても活用できます。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
文系・未経験・年代別に見る「なれる?」の答え
Webエンジニアは、学部や前職に関係なく目指せる職種です。ただし、年代によって選考で見られるポイントは変わります。
文系出身の場合
文系出身でもWebエンジニアになれます。選考で重視されるのは学部ではなく、作った物と学習の姿勢です。要件を整理する力や文章で伝える力など、文系で培った力が活きる場面もあります。
20代の場合
20代は、ポテンシャル(今後の伸びしろ)を重視して採用されやすい年代です。研修制度のある企業も選択肢に入りやすく、未経験から挑戦しやすい時期といえます。
30代の場合
30代では、学習の成果に加えて「前職の経験をどう活かせるか」が問われやすくなります。業界の知識やチームでの調整経験を、Webエンジニアの仕事にどうつなげるかを具体的に伝えましょう。
40代以降の場合
40代以降は、未経験の開発職としての採用は狭き門になりやすいのが実情です。前職の業界知識を活かせる企業や、社内の情報システム担当など、経験との接点がある職種から目指す方法も検討しましょう。
年代による傾向はありますが、あくまで傾向であり、決めつける必要はありません。自分の経験を整理し、強みとして伝えることが大切です。
自分に合った目指し方を一緒に整理しませんか
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
Webエンジニアを目指すメリット|年収と将来性
Webエンジニアは、経験を積むほど待遇が上がりやすく、需要も高い職種です。未経験から挑戦する価値のある職種だといえます。
| 指標 | 金額(目安) |
| システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
| システムエンジニアの年収(20代前半) | 約377万円 |
| システムエンジニアの年収(40代後半・ピーク) | 約760万円 |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(システムエンジニアの年齢階級別賃金)
需要も高い状態が続いています。情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業計の1.12倍を上回ります。IT人材は2030年に最大約79万人不足するとの試算もあります。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
ただし、未経験で入社した直後は、前職より年収が下がることもあります。経験を積み、担える工程が広がるにつれて年収が上がっていく職種だと理解しておきましょう。
注意点・よくある失敗
未経験からの転職では、入社後に「思っていた仕事と違った」と感じるケースがあります。最初の就職先選びが、その後のキャリアを大きく左右します。
よくある失敗は次のとおりです。
・言語や教材を次々に変え、何も作り切れないまま時間が過ぎる
・「未経験可」という条件だけで応募先を選ぶ
・研修後に担当する業務を確認せずに入社する
・学習内容だけを伝え、前職の経験をアピールしない
未経験可の求人には、SES(エンジニアを客先に常駐させる契約形態)のように、配属先によって経験できる内容が変わる働き方も含まれます。SESそのものが悪いわけではありませんが、開発経験を積める配属先かどうかは事前に確認しておくことが大切です。面接では、次のように質問してみてください。
・研修の期間と、研修後に最初に担当する業務を教えてください
・配属先やプロジェクトはどのように決まりますか
・未経験で入社した方は、現在どのような業務を担当していますか
また、入社後につらさを感じた場合は、その原因がWebエンジニアの仕事そのものなのか、配属先や職場の環境なのかを切り分けることが大切です。 環境が原因であれば、同じWebエンジニアのまま、開発経験を積める企業へ移るという選択肢もあります。
未経験からの一歩を、一人で悩まずに
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
・未経験からでもWebエンジニアは目指せるが、学習、成果物づくり、就職先選びの順番が重要
・ルートは独学、スクール、未経験採用、近い職種からの移行の4つ
・言語は目指す領域に合わせて1つに絞り、小さなサービスを1つ作り切る
・年代によって選考で見られる点が変わるため、前職の経験を強みとして整理する
・入社後につらさを感じたら、仕事そのものか職場の環境かを切り分けて考える
よくある質問
本当に未経験からWebエンジニアになれますか?
なれます。Webエンジニアは学歴や前職より、作った物や学習の姿勢が評価されやすい職種です。基礎を学び、小さなサービスを1つ作り切ってから応募すると、選考で意欲と理解度を伝えやすくなります。最初の就職先は、積める経験の幅を確認して選びましょう。
勉強はどれくらい続ければ転職できますか?
必要な学習期間は、学習に使える時間や前職の経験によって大きく変わります。期間を目安にするより、「基礎を一通り学び、サービスを1つ作り切った」状態を目標にするのがおすすめです。その段階で求人に応募し、選考の反応を見ながら学習を続けましょう。
文系でもWebエンジニアになれますか?
なれます。採用では学部よりも、作った物や学習の継続性が重視される傾向があります。要件を整理する力や、分かりやすく説明する力など、文系で培った力が活きる場面も多くあります。苦手意識を持ちすぎず、まずは手を動かしてみましょう。
30代未経験からでも遅くありませんか?
遅すぎることはありません。ただし、20代と比べると、前職の経験をどう活かせるかが問われやすくなります。業界知識や調整力など、これまでの強みとWebエンジニアの仕事を結びつけて伝えることが大切です。学習の成果物と合わせて、経歴の見せ方を工夫しましょう。
資格がないと採用されませんか?
資格がなくても採用される可能性は十分にあります。未経験者の選考では、資格よりも成果物や学習の姿勢が重視される傾向があります。ただし、基本情報技術者試験などは基礎知識の証明になるため、学習の道しるべとして取得を目指すのも一つの方法です。
AIの普及で、未経験から目指す意味はなくなりますか?
定型的な作業はAIで効率化が進むと考えられますが、Webエンジニアの需要がなくなるわけではありません。要件を整理し、品質を判断する役割は引き続き人に求められます。AIを学習や開発の道具として使いこなす姿勢は、むしろ評価につながります。
まずは情報を集めながら、自分のペースで準備を進めたいという方もいるのではないでしょうか。Webエンジニアを目指す方に役立つ職種研究や学習の進め方の情報を、LINEで配信しています。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
