「電気設計 未経験」と検索したあなたは、「電気設計に興味はあるけれど、経験がなくても採用されるのか」「何から勉強を始めればいいのか分からない」と悩んでいるのではないでしょうか。
結論として、電気設計は未経験からでも目指せる職種です。特に、電気の基礎知識を身につけたうえで、作図や設計補助など入りやすい業務から経験を積むルートを選べば、20代はもちろん30代でも十分に可能性があります。 一方で、いきなり設計の上流工程を任される求人は少ないため、入口の選び方と入社後の成長環境が重要になります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、電気設計の仕事の概要、未経験から目指す4つのルート、5ステップのロードマップ、有利な資格とスキル、年代別の可能性、よくある失敗までを解説します。
そもそも電気設計とは
電気設計とは、機械や設備、建物に電気を安全に届け、狙いどおりに動かすための電気の仕組みを設計する仕事です。電源の配線、制御盤(機械を動かす機器をまとめた箱)、センサーやモーターの選定、制御の仕組みなどを設計し、図面や部品表にまとめます。
電気設計は、扱う対象によっていくつかの種類に分かれます。
| 種類 | 主な仕事内容 | 未経験からの入りやすさの傾向 |
| 装置・機械の電気設計 | 制御盤や配線、機器の選定と回路図の作成 | 作図や設計補助から入れる求人がある |
| 設備・プラントの電気設計 | 工場やプラントの受変電・動力・制御設備の設計 | 現場経験や資格があると入りやすい |
| 建築電気設計 | ビルや工場の照明・コンセント・受変電設備の設計 | 作図担当や電気工事経験者の採用がある |
| 制御設計 | 制御装置のプログラムや操作画面の作成 | プログラミング経験があると評価されやすい |
なお、基板上の電子回路を設計する「回路設計」は、扱う電気の大きさや必要な知識が異なります。本記事では、主に装置・設備・建物を対象とする電気設計について解説します。
未経験から電気設計になるには?4つのルート
未経験から電気設計を目指すルートは、大きく4つあります。自分の経歴に近いルートを選ぶと、採用の可能性が高まります。
1. 作図担当・設計補助から入る
キャド(コンピューターで図面を作るソフト)を使った図面作成や、設計者の補助から始めるルートです。図面に触れながら電気設計の流れを学べるため、未経験者にとって最も一般的な入口です。
メリット:設計の現場に早く入れ、図面を読む力が身につく
注意点:作図だけで終わる職場もあるため、設計へ進める環境かを確認する必要がある
2. 電気工事・設備保全などの現場経験から移る
電気工事士や設備保全として現場で働いた経験を活かし、電気設計へ移るルートです。配線や機器の実物を知っていることは、設計で大きな強みになります。
メリット:現場を知る設計者として評価されやすく、資格も活かせる
注意点:キャドや図面作成のスキルを別途身につける必要がある
3. 設計受託会社・技術系派遣会社に入る
設計業務を請け負う会社や、技術者を派遣する会社に入社し、研修を受けてから設計の現場に配属されるルートです。未経験者向けの育成制度を持つ会社もあります。
メリット:未経験者の採用枠が比較的多く、研修を受けられる場合がある
注意点:配属先によって担当業務や経験の積みやすさが大きく変わる
4. 第二新卒・若手の育成枠に応募する
電機メーカーや装置メーカー、設備会社などが設けている若手の育成枠に応募するルートです。電気系の学部出身であれば、経験がなくても評価されやすい傾向があります。
メリット:入社後に体系的な教育を受けられる場合が多い
注意点:年齢や学歴の条件がある場合があり、応募できる時期が限られることもある
未経験から電気設計になる5ステップ【ロードマップ】
未経験から電気設計を目指す場合は、次の5ステップで進めると遠回りを防げます。
| ステップ | やること | 目安となるゴール |
| 1 | 電気の基礎を学ぶ | 電圧・電流・抵抗、交流と直流の違いを説明できる |
| 2 | 図面の読み方と記号を覚える | 簡単な配線図や回路図を読める |
| 3 | キャドの基本操作を身につける | 簡単な電気図面を自分で描ける |
| 4 | 資格の学習を始める | 第二種電気工事士などの学習に取りかかる |
| 5 | 分野をしぼって応募する | 経歴に合うルートと分野で求人に応募する |
ステップ1 電気の基礎を学ぶ
最初に、電圧・電流・抵抗の関係や、交流と直流の違いなど、電気の基礎を学びます。入門書を1冊通して読むだけでも、面接で話せる内容が大きく変わります。
ステップ2 図面の読み方と記号を覚える
電気設計では、図面が共通の言葉です。スイッチ、リレー(電気で動くスイッチ)、ブレーカー、モーターなどの図記号を覚え、簡単な配線図を読めるようにしておきましょう。
ステップ3 キャドの基本操作を身につける
電気設計では、2次元のキャドで図面を描く場面が多くあります。無料の体験版や講座を使って、線を引く・記号を配置する・図面を整えるといった基本操作に慣れておくと、作図担当からのスタートでも即戦力として評価されやすくなります。
ステップ4 資格の学習を始める
資格は必須ではありませんが、未経験者にとっては「電気の基礎を学んでいる」ことを示す有力な材料になります。まずは第二種電気工事士の学習から始めるのがおすすめです。
ステップ5 分野をしぼって応募する
装置、設備、建築電気など、どの分野の電気設計を目指すかをしぼって応募します。自分の経歴と近い分野を選ぶと、志望動機に説得力が生まれます。
大切なのは、すべてを完璧にしてから応募するのではなく、学習を進めながら行動を始めることです。 学習中であること自体も、意欲を示す材料になります。未経験からの転職事例と、はじめの一歩の進め方をLINEでお届けしています。友だち追加だけで、気軽に情報を受け取れます。
未経験者向けの分野の選び方
どの分野の電気設計を選ぶかで、入りやすさや身につくスキルが変わります。自分の経歴や興味に合わせて選びましょう。
- 製造業で働いた経験がある:工場の設備や装置を扱う、装置・機械の電気設計
- 電気工事や設備保全の経験がある:現場経験を活かせる、設備・プラントや建築電気の設計
- 建設業界で働いた経験がある:建物の図面に慣れている強みを活かせる、建築電気設計
- プログラミングの経験がある:制御装置のプログラムを扱う、制御設計
迷った場合は、「どんなものを動かしたいか」「どんな現場に関わりたいか」から考えてみてください。興味のある対象を扱う分野のほうが、学び続けやすくなります。
独学とスクール・職業訓練、どちらがよい?
電気設計の基礎は、独学でもスクールや職業訓練でも学べます。それぞれの特徴を比べてみましょう。
| 方法 | メリット | 注意点 | 向いている人 |
| 独学 | 費用をおさえて自分のペースで学べる | 学習の方向性がずれても気づきにくい | 計画的に学習を続けられる人 |
| スクール | 体系的に学べ、質問できる環境がある | 費用がかかる | 短期間で集中して学びたい人 |
| 公的な職業訓練 | 費用の負担をおさえて、電気やキャドを体系的に学べる場合がある | 開講時期や受講条件が決まっている | 離職中で、基礎から学び直したい人 |
公的な職業訓練の内容や受講条件は、地域や時期によって異なります。最寄りのハローワークで最新情報を確認してください。
どの方法を選んでも、「学んだことを形にして見せられるか」が重要です。 自分で描いた図面や、資格の学習状況を面接で説明できるようにしておきましょう。
必要なスキルと有利な資格
必要なスキル
未経験者が身につけておきたいスキルを整理します。
| スキル | なぜ必要か | 身につけ方の例 |
| 電気の基礎知識 | 設計のすべての土台になる | 入門書、職業訓練、資格の学習 |
| 図面を読む力 | 先輩の設計を理解し、作図を任されるため | 図記号を覚え、実際の図面を読み込む |
| キャドの操作 | 作図担当として早く戦力になるため | 体験版や講座で練習する |
| 表計算ソフトの操作 | 部品表や計算書を作成するため | 日常業務や学習で使い慣れる |
| 報告・相談の力 | 機械設計者や現場と連携するため | 前職での調整経験を整理しておく |
有利な資格
未経験から電気設計を目指す際に、評価されやすい資格は次のとおりです。
- 第二種電気工事士:電気の基礎と配線の知識を証明でき、未経験者の入口として評価されやすい
- 第一種電気工事士:より大きな設備の工事に関わる知識を証明できる
- 電気主任技術者(第三種):受変電設備などの保安に関わる国家資格。設備・プラント分野で評価が高い
- キャド関連の検定:図面作成のスキルを客観的に示せる
一定の電気工事を行うには、法令で資格が必要とされています。設計業務そのものに資格が必須とは限りませんが、資格の学習で得た知識は設計の現場で役立ちます。各資格の試験内容や受験資格は、実施団体の公式情報で確認してください。
文系・未経験・年代別に見る「なれる?」の答え
文系出身でもなれる?
文系出身でも、電気設計を目指すことは可能です。ただし、電気系の学部出身者に比べると基礎知識の差があるため、資格の学習などで「学ぶ意欲と基礎力」を示すことが重要です。作図担当や設計補助からのスタートが現実的なルートになります。
20代の場合
20代は、未経験でも育成を前提に採用されやすい年代です。電気系の学部出身でなくても、学習意欲や前職での経験が評価されれば、設計補助や育成枠から挑戦できます。
30代の場合
30代は、前職の経験との接点が重視されやすくなります。電気工事・設備保全・製造業などの経験があれば、その経験を活かせる分野を選ぶことで、未経験でも採用の可能性が高まります。
40代以降の場合
40代以降で完全に未経験の場合、電気設計への転職は簡単ではないのが実情です。一方で、電気工事の施工管理や設備保全など、近い領域での長い経験があれば、現場を知る人材として設計側に移れるケースもあります。
年代が上がるほど、「未経験の分野」ではなく「経験を活かせる分野」を選ぶことが大切です。 年齢だけで判断せず、これまでの経験の中に電気設計とつながる部分がないか整理してみてください。
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電気設計を目指すメリット|年収と将来性
電気設計は、工場の自動化や再生可能エネルギー、半導体工場やデータセンターの建設などを背景に、今後も需要が続くと考えられる職種です。機電系エンジニアは幅広い分野で必要とされており、参考として、全職業の有効求人倍率は1.12倍です。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
電気設計エンジニアの年収は、担当分野、経験年数、資格の有無、仕様検討から関われるかどうかによって大きく変わります。
未経験からのスタート時は、作図担当や設計補助として経験を積む期間があります。その後、設計を一通り担当できるようになり、仕様検討や制御設計、資格の取得へと範囲を広げることで、評価や条件が上がりやすくなる傾向があります。
電気設計は、経験と資格が積み上がるほど市場価値が高まりやすい職種です。長く専門性を伸ばしたい方にとって、目指す価値のある仕事といえます。
注意点・よくある失敗
未経験から電気設計を目指す際に、よくある失敗と対策をまとめました。
- 「設計」という職種名だけで応募する:実際は作図や検査だけの求人もあるため、担当業務と将来のキャリアの道筋を確認する
- 準備をせずに応募する:最低限の電気の基礎と図面の知識がないと、面接で意欲を伝えにくい
- 前職の経験を活かさない:電気工事、製造、建設などの経験は、分野を選べば強みになる
- 配属先を確認しない:設計受託や派遣の場合、配属先によって経験の積みやすさが大きく変わる
- 入社後に学びを止める:設計者として成長するには、資格や制御の学習を続ける必要がある
伸びない原因が自分か、機会のない環境か
電気設計職に就いたあとで、「なかなか設計を任せてもらえない」と悩む方もいます。そのときは、原因が自分の知識や準備の不足にあるのか、設計を経験する機会がない環境にあるのかを切り分けることが大切です。
私たちのもとには、「未経験で入社したが、2年たっても作図だけで設計に関われない」というご相談が寄せられることがあります。知識が足りない場合は学習で補えますが、そもそも作図担当として固定され、設計へ進む道筋がない環境では、努力だけで成長するのは難しいのが実情です。 その場合は、設計まで任せる育成方針を持つ職場へ移ることも選択肢になります。
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まとめ
- 電気設計は未経験からでも目指せる職種で、作図担当や設計補助からのスタートが一般的
- ルートは「作図・設計補助」「現場経験から移る」「設計受託・派遣」「若手の育成枠」の4つ
- 電気の基礎、図面の読み方、キャドの操作、資格の学習を進めながら、分野をしぼって応募する
- 年代が上がるほど、前職の経験を活かせる分野を選ぶことが大切
- 入社後に設計を任せてもらえない場合は、原因が自分か環境かを切り分けて次の行動を考える
よくある質問
電気設計は本当に未経験でもなれますか?
なれます。作図担当や設計補助、若手の育成枠など、未経験者を採用する求人があります。ただし、いきなり設計の上流工程を任されることは少ないため、基礎を学びながら経験を積む前提で考えましょう。電気の基礎知識や資格の学習を進めておくと、採用の可能性が高まります。
電気設計に資格は必要ですか?
設計業務そのものに資格が必須とは限りません。ただし、未経験者にとって第二種電気工事士などの資格は、電気の基礎を学んでいる証明として評価されやすい傾向があります。設備・プラント分野を目指すなら、電気主任技術者も将来の目標として検討するとよいでしょう。
文系出身でも電気設計になれますか?
なれます。ただし、電気系の学部出身者に比べて基礎知識の差があるため、入門書や資格の学習で基礎力を示すことが大切です。作図担当や設計補助からスタートし、実務を通して知識を広げていくのが現実的なルートです。
30代未経験からでも電気設計に転職できますか?
可能です。30代は前職の経験との接点が重視されやすいため、電気工事・設備保全・製造業などの経験があれば、その経験を活かせる分野を選ぶと採用の可能性が高まります。経験が少ない場合は、資格の学習を進めて意欲を示しましょう。
電気設計の勉強は何から始めればよいですか?
まずは電気の基礎(電圧・電流・抵抗、交流と直流)を入門書で学びましょう。次に図面の記号と読み方、キャドの基本操作を身につけ、あわせて第二種電気工事士の学習を始めるのがおすすめです。学習を進めながら、並行して求人を調べ始めると効率的です。
未経験から電気設計を目指す道のりは、人によってさまざまです。未経験からの転職事例と、はじめの一歩の進め方をLINEでお届けしていますので、まずは情報を受け取るところから始めてみてください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
