回路設計の将来性は?なくなると言われる理由と需要が伸びる分野を解説

回路設計の将来性は?なくなると言われる理由と需要が伸びる分野を解説

「回路設計 将来性」と検索したあなたは、「回路設計の仕事はこの先もなくならないのか」「海外移転や人工知能の進化で、自分の経験が通用しなくなるのでは」と不安を感じているのではないでしょうか。

結論として、回路設計の仕事そのものの需要は、電気自動車やエネルギー、産業機器などの分野を中心に今後も続くと考えられます。 ただし、分野や担当範囲によって将来性には差があり、「どの分野で、どこまで担当してきたか」によってキャリアの広がり方は大きく変わります。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、回路設計の将来性に不安が生まれる理由、需要の実態と成長分野、将来性の高い設計者の特徴、そして不安を感じたときの選択肢を解説します。

結論:回路設計の将来性は?

先に結論をまとめます。

  • 電子機器が使われる場面は増え続けており、回路設計の仕事がなくなる可能性は低い
  • 一方で、家電など一部の分野では国内の開発が縮小し、仕事が減った領域もある
  • 電気自動車、運転支援、再生可能エネルギー、産業機器、医療機器などは需要が伸びている分野
  • 設計ツールや人工知能で一部の作業は効率化されるが、仕様の決定や不具合の原因究明は人の役割として残る
  • 将来性を左右するのは「職種」よりも「分野」と「担当範囲」

「回路設計に将来性があるか」より、「自分の経験が伸びる分野にあるか」を考えることが大切です。

回路設計の仕事と種類

回路設計とは、電子機器が目的どおりに動くよう、電子部品の組み合わせや電気の流れを設計する仕事です。設計した回路は基板(電子部品を載せて配線する板)に実装され、製品に組み込まれます。

回路設計は、扱う信号や役割によっていくつかの種類に分かれます。

種類主な役割主な製品・分野の例
アナログ回路設計センサーの信号や音声など、連続的に変化する信号を扱う計測機器、医療機器、音響機器
デジタル回路設計0と1の信号で計算や制御を行う制御機器、通信機器、映像機器
電源回路設計機器に必要な電圧・電流を安定して供給する電源装置、電気自動車、産業機器
高周波回路設計無線通信などで使う高い周波数の信号を扱う通信機器、レーダー、無線モジュール
半導体の回路設計集積回路(多数の素子を1つの部品にまとめたもの)の内部を設計する半導体メーカーの製品全般

同じ回路設計でも、種類や分野によって求められる知識や需要の動向は異なります。将来性を考えるときは、この違いを前提にすることが大切です。

なぜ「回路設計は将来性がない」と言われるのか|7つの理由

回路設計の将来性に不安の声があるのは事実です。ここでは、その理由を一つずつ受け止めたうえで、実態を整理します。

1. 製造や開発の拠点が海外に移ったから

国内の電機メーカーの中には、生産や一部の開発を海外に移した企業があります。その影響で、国内で回路設計を担当する機会が減った分野があるのは事実です。

ただし、高い信頼性が求められる製品や、新しい技術の開発は国内に残る傾向もあり、分野によって状況は異なります。

2. 家電分野の国内開発が縮小したから

かつて回路設計者の大きな受け皿だった家電分野では、国内での開発が縮小した領域があります。家電の回路設計を長く担当してきた方ほど、将来に不安を感じやすい背景といえます。

3. 部品の高機能化で「一から設計する」機会が減ったから

機能をまとめた集積回路や、完成品として使えるモジュール部品が増え、以前のように回路を一から組む機会は減りつつあります。「部品を選んでつなぐだけの仕事になるのでは」という不安につながっています。

4. 設計ツールや人工知能が進化しているから

回路図の作成や基板の配線、設計ルールのチェックなどは、ツールによる自動化や効率化が進んでいます。人工知能を使った設計支援も登場しており、作業の一部が置き換わる可能性はあります。

5. 一人前になるまでに時間がかかるから

回路設計は、電気回路や電子部品の知識に加え、ノイズ対策や評価の経験が必要で、一人前になるまでに時間がかかる仕事です。「育つ前に業界が変わってしまうのでは」という不安を持つ方もいます。

6. 担当範囲が狭くなりやすいから

大きな組織では、回路の一部分や評価だけを担当するなど、業務が細分化されることがあります。担当範囲が狭いと、経験が特定の製品や部品に偏り、転職の際に強みを説明しにくくなることがあります。

7. ソフトウェアの比重が高まっているから

製品の機能をソフトウェアで実現する場面が増え、「ハードウェアよりソフトウェアのほうが将来性がある」という声も聞かれます。回路設計者の中には、ソフトウェアの知識がないことに不安を感じている方もいます。

これらの理由は、どれも現場で実際に起きている変化です。ただし、仕事がなくなるというより「求められる回路設計者の姿が変わっている」と捉えるのが実態に近いと私たちは考えています。同じ不安から環境を変えた方の事例や、回路設計の求人の傾向をLINEでもお届けしています。まずは気軽に情報を受け取ってみてください。

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データで見る実態|需要・年収・将来性

需要の実態

機電系エンジニアは、ものづくりの現場で幅広く必要とされています。参考として、全職業の有効求人倍率は1.12倍です。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)

回路設計に限った求人倍率や、分野別の求人数の推移については、公開時に最新の統計で確認してください。

需要が伸びている分野

回路設計の需要は、分野によって差があります。私たちが求人を見ていて、特に採用の動きが活発だと感じる分野は次のとおりです。

分野需要が伸びている背景求められやすい経験
電気自動車・車載機器自動車の電動化、運転支援機能の高度化電源回路、モーター制御、車載の品質基準への対応
再生可能エネルギー・蓄電太陽光発電や蓄電システムの普及電力変換、パワーエレクトロニクス
産業機器・ロボット工場の自動化、省人化の進展制御回路、センサー回路、ノイズ対策
医療機器高齢化に伴う医療機器の需要拡大アナログ回路、高い安全性への対応
通信機器通信の高速化、モノのインターネット化高周波回路、無線設計
半導体半導体の国内生産・開発の強化集積回路の設計、検証

各分野の市場規模や成長率などの数値は、公開時に業界団体や公的機関の資料で確認してください。

年収の実態

回路設計エンジニアの年収は、担当分野、経験年数、構想段階から関われるかどうかによって大きく変わります。

求人の傾向としては、電源回路やパワーエレクトロニクス、車載機器、高周波回路などの経験者は、採用ニーズが高く、条件面でも評価されやすい傾向があります。

将来性が高い回路設計者・低い回路設計者

同じ回路設計者でも、将来性には差が出ます。あくまで傾向ですが、次の表で自分の状況を確認してみてください。

観点将来性が高い傾向将来性に不安が残りやすい傾向
分野電気自動車、エネルギー、産業機器、医療機器など成長分野国内開発が縮小している分野のみ
担当範囲仕様検討から設計・評価・量産まで一貫して担当回路の一部や作図だけを担当
技術の幅電源・アナログ・デジタルなど複数の領域を経験特定の製品の回路だけを長く担当
周辺知識ソフトウェアや機構、規格対応の知識がある回路以外の知識がほとんどない
問題解決力ノイズや不具合の原因を突き止めた経験がある不具合対応は先輩任せ

ここで大切なのは、右側に当てはまる項目が多くても「回路設計に向いていない」わけではないということです。多くの場合、原因は本人の能力ではなく、担当範囲が限られた環境にあります。

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将来性を高めるために身につけたいスキル

回路設計者として将来性を高めるために、身につけておきたいスキルを整理します。

スキルなぜ重要か身につけ方の例
電源・パワーエレクトロニクス電動化やエネルギー分野で需要が高い電源回路の設計・評価に関わる
ノイズ対策・電磁両立性(機器が電磁的な影響を与えず、受けても正常に動く性質)製品の品質と規格適合に欠かせない評価試験や対策の経験を積む
マイコンや組込みソフトの知識ハードとソフトの両面から設計を考えられる簡単な組込みプログラムを書いてみる
シミュレーション試作前に問題を見つけ、開発期間を短くできる回路シミュレーターを使った検証に慣れる
規格・安全基準の知識車載や医療など品質要求の高い分野で必須担当製品に関わる規格を読み込む
仕様をまとめる力上流工程を任される設計者になれる仕様書の作成や顧客との打合せに関わる

設計ツールや人工知能が進化しても、仕様を決める力や、実機で起きた問題の原因を突き止める力は、経験を積んだ設計者にしか担えません。ツールに任せられる作業が増えるほど、こうした判断力の価値は高まると考えられます。

将来性に不安を感じたときの3つの選択肢

将来に不安を感じたときの選択肢は、大きく3つあります。

1. 現職で担当範囲を広げる

まずは、今の職場で担当範囲を広げられないか考えてみましょう。電源回路や評価、仕様検討など、これまで関わっていない業務に手を挙げることで、経験の幅を広げられる場合があります。上司との面談で、希望する業務を具体的に伝えることから始めてみてください。

2. 成長分野の企業へ転職する

今の分野や職場では担当範囲を広げにくい場合は、成長分野の企業へ移ることも選択肢です。回路設計の基礎は分野をまたいで活かせるため、家電から車載機器、民生機器から産業機器へと移る方も少なくありません。

3. 回路設計の経験を活かして職種を広げる

回路設計の知識は、組込みソフトや評価、品質保証、技術営業など、関連する職種でも強みになります。設計を続けることにこだわらず、経験を軸にキャリアを広げる道もあります。

不安の原因が「職種」か「環境」かを切り分ける

どの選択肢を選ぶ前にも、不安の原因が回路設計という職種そのものにあるのか、今の職場環境にあるのかを切り分けることが大切です。

私たちのもとには、「家電の回路設計を10年続けてきたが、事業縮小で将来が見えない」「回路の一部分しか担当させてもらえず、成長している実感がない」というご相談が寄せられます。いずれも、回路設計の仕事が嫌いになったわけではなく、分野や担当範囲という「環境」が不安の原因になっているケースです。

環境が原因なら、同じ回路設計の仕事を、成長分野や担当範囲の広い職場で続ける選択肢があります。 一方で、回路設計の仕事内容そのものに興味を持てなくなっている場合は、関連職種への転身を考えるのが自然です。

回路設計の経験を活かせるキャリア

回路設計の経験は、次のような職種でも活かせます。

  • 組込みエンジニア:回路の知識を活かし、マイコンを制御するソフトウェアを開発する
  • 評価・試験エンジニア:製品が仕様や規格を満たしているかを検証する
  • 品質保証エンジニア:不具合の原因分析や品質基準の策定を担う
  • 技術営業・技術支援:部品メーカーなどで、顧客の設計を技術面から支援する
  • 半導体関連の設計・検証:集積回路の設計や検証、応用技術の支援を担う
  • 生産技術・設備設計:製造設備の電気設計や制御を担当する

職種を変える場合でも、回路設計で培った「電気の流れを理解し、問題の原因を論理的に突き止める力」は大きな強みになります。職務経歴書では、担当した製品、回路の種類、解決した不具合の内容と成果を、具体的に書くことがポイントです。

私たちは機電系に特化し、回路・電気電子・組込み・制御の領域で、労働条件・労働環境を独自に審査した求人のみをご紹介しています。リモートと組み合わせて働ける設計職のご相談もお受けしています。

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まとめ

  • 電子機器の活用は広がり続けており、回路設計の仕事がなくなる可能性は低い
  • 海外移転や家電分野の縮小、部品の高機能化などで、仕事が減った領域があるのも事実
  • 電気自動車、エネルギー、産業機器、医療機器、通信、半導体などは需要が伸びている分野
  • 将来性を左右するのは職種より「分野」と「担当範囲」で、判断力や周辺知識が価値を高める
  • 不安の原因が環境にあるなら、成長分野や担当範囲の広い職場へ移るのも一つの選択肢

よくある質問

回路設計の仕事は本当になくなりますか?

なくなる可能性は低いと考えられます。電子機器は自動車、エネルギー、医療、産業機器などで使われる場面が増えており、回路設計の需要は続いています。ただし、分野によっては国内の仕事が減っている領域もあるため、自分の担当分野の動向を把握しておくことが大切です。

人工知能で回路設計は自動化されますか?

回路図の作成や配線、設計ルールのチェックなど、一部の作業は効率化が進むと考えられます。一方で、仕様の決定、部品の選定理由の判断、実機で起きたノイズや不具合の原因究明は、経験を積んだ設計者の役割として残ります。作業から判断へ、役割が移っていく見方が現実的です。

回路設計で将来性が高い分野はどこですか?

電気自動車・車載機器、再生可能エネルギー・蓄電、産業機器・ロボット、医療機器、通信機器、半導体などは需要が伸びている分野です。特に電源回路やパワーエレクトロニクスの経験は、複数の分野で求められやすい傾向があります。

家電の回路設計の経験は、他の分野で通用しますか?

通用します。回路設計の基礎やノイズ対策、評価の経験は、分野をまたいで活かせます。ただし、車載や医療など品質要求の高い分野では、規格や安全基準の知識が求められることがあります。転職の際は、これまでの経験と求められる知識の差を整理しておきましょう。

未経験から回路設計を目指しても将来性はありますか?

あります。電気・電子の基礎知識があれば、評価や設計補助から経験を積める求人もあります。将来性を高めるには、成長分野で、仕様検討から評価まで幅広く関われる職場を選ぶことが大切です。入社前に担当範囲を確認しておきましょう。

回路設計の将来やキャリアの広げ方は、分野や経験によって答えが変わります。同じ悩みから環境を変えた方の事例や、機電系の求人の傾向をLINEでお届けしていますので、まずは情報を受け取るところから始めてみてください。
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この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大

立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。