「派遣の経歴は、職務経歴書にどう書けばいいの?」「派遣先がいくつもあって、うまくまとめられない」と悩み、書き方を調べている方も多いのではないでしょうか。
派遣社員の職務経歴書は、「派遣元(雇用主)」と「派遣先(就業先)」を書き分け、派遣先ごとに担当した業務と成果を具体的に書くのが基本です。 派遣という働き方そのものが不利になるわけではありません。経験の中身が伝わるように整理すれば、即戦力としての強みを十分に示せます。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、派遣の職務経歴書の書き方を、パターン別の記入例や自己PRのコツとあわせて解説します。
派遣社員の職務経歴書は正社員と何が違う?
結論として、派遣社員の職務経歴書で最も大切なのは、「雇用されていた会社」と「実際に働いていた会社」を分けて書くことです。 派遣では、雇用契約を結ぶのは派遣元(派遣会社)で、実際に業務を行うのは派遣先です。この2つを混同すると、採用担当者に経歴が正しく伝わりません。
| 項目 | 正社員の職務経歴書 | 派遣社員の職務経歴書 |
| 会社名 | 在籍した会社名を書く | 派遣元と派遣先の両方を書く |
| 雇用形態 | 正社員と書く | 派遣社員(派遣元の社名)と書く |
| 在籍期間 | 入社から退職まで | 派遣元への登録期間と、派遣先ごとの就業期間を分ける |
| 業務内容 | 部署・役職ごとに書く | 派遣先ごとに業務内容と成果を書く |
| 退職理由 | 必要に応じて書く | 「契約期間満了」などと書く |
なお、エンジニアの働き方には、派遣とは別に客先常駐型の業務委託(準委任契約)もあります。どちらも客先で働く点は似ていますが、契約の形が異なります。自分の契約形態がわからない場合は、雇用契約書や契約時の書類で確認しておきましょう。
職務経歴書に書く基本の項目
派遣社員の職務経歴書も、書く項目自体は正社員と大きく変わりません。基本の5項目をそろえたうえで、派遣ならではの書き分けを加えるのがポイントです。
・職務要約:これまでの経歴を3〜5行程度でまとめる
・職務経歴:派遣元・派遣先ごとに期間、業務内容、成果を書く
・活かせる知識・スキル:使用してきた技術、ツール、業務知識
・資格:正式名称と取得年月
・自己PR:経験から得た強みと、応募先でどう活かすか
職務要約では、派遣で働いてきたことを隠す必要はありません。「派遣社員として○社の開発案件に参画し、○○の経験を積んできました」のように、経験の全体像を先に示すと読みやすくなります。
派遣の職務経歴書を書く5ステップ
派遣の職務経歴書は、いきなり書き始めるより、情報を整理してから書くほうが効率的です。次の5ステップで進めてみてください。
1. 派遣元と派遣先の一覧を作る
まずは、登録していた派遣元と、就業した派遣先をすべて書き出します。社名、就業期間、配属部署を一覧にしておくと、書き漏れを防げます。
2. 派遣先ごとに担当業務を書き出す
次に、派遣先ごとに担当した業務を書き出します。エンジニアであれば、担当した工程、扱った製品やシステム、使った技術を具体的に挙げましょう。
3. 成果や工夫を数値で表せないか考える
業務内容に加えて、成果や工夫を書き添えます。「作業時間を約○割短縮」「不具合の件数を○件から○件に削減」のように、数値で示せるものがないか考えてみましょう。
4. 応募先に関係する経験を厚く書く
すべての派遣先を同じ分量で書く必要はありません。応募先の仕事内容に近い経験を詳しく書き、関係の薄い経験は簡潔にまとめます。
5. 職務要約と自己PRでまとめる
最後に、全体を踏まえて職務要約と自己PRを書きます。派遣先が多くても、「一貫して伸ばしてきたスキル」が伝わるようにまとめることが大切です。
職務経歴書の書き方は、一度型をつかめば、応募先ごとの調整もしやすくなります。書類づくりや職種研究に役立つ情報は、LINEでもお届けしています。まずは情報だけ受け取りたい方も、気軽にご利用ください。
派遣先・就業期間の書き方【パターン別】
派遣の働き方は人によってさまざまです。よくあるパターンごとに、書き方のポイントを整理しました。
| パターン | 書き方のポイント |
| 1社の派遣先で長く働いた | 派遣先の中で担当が変わった場合は、時期ごとに分けて書く |
| 複数の派遣先で働いた | 時系列順か、職種・業務内容ごとにまとめる |
| 短期の派遣が多い | 似た業務をまとめ、「主な派遣先」として要点だけ書く |
| 派遣と正社員の経歴がある | 雇用形態を明記し、時系列で書く |
| 紹介予定派遣で直接雇用になった | 派遣期間と直接雇用後の期間を分けて書く |
基本の記入例
派遣先が1社の場合は、次のように書きます。
○○年○月〜現在 株式会社○○(派遣元)に登録
派遣先:株式会社△△ 設計開発部(○○年○月〜現在)
事業内容:産業機械の設計・製造
業務内容:・装置部品の設計(3次元設計ソフトを使用)・図面の作成と修正・試作品の評価
成果:設計手順の見直しにより、図面修正の手戻りを削減
派遣先が複数ある場合
派遣先が複数ある場合は、派遣元の下に派遣先を並べて書きます。派遣元も複数ある場合は、派遣元ごとにまとめましょう。
○○年○月〜○○年○月 株式会社○○(派遣元)に登録
派遣先①:株式会社△△(○○年○月〜○○年○月) 業務内容:社内システムの運用・保守
派遣先②:株式会社□□(○○年○月〜○○年○月) 業務内容:業務システムの改修・テスト
短期の派遣が多い場合
短期の派遣が多い場合は、すべてを同じ分量で書くと読みにくくなります。似た業務をまとめ、「主な派遣先」として代表的なものを詳しく書きましょう。
相談の現場では、「派遣先が多すぎて、職務経歴書が4〜5枚になってしまった」という声をよく聞きます。職務経歴書は、2枚程度に収めると読みやすいとされます。応募先に関係する経験を中心に絞り込みましょう。
エンジニア職種別の書き方のポイント
エンジニアの職務経歴書では、担当した工程と扱った技術を具体的に書くことで、スキルの水準が伝わりやすくなります。 IT系と機電系で、押さえたいポイントは少し異なります。
IT系エンジニアの場合
IT系では、プロジェクトの単位で整理すると伝わりやすくなります。
・プロジェクトの概要(どんなシステムか、利用者は誰か)
・担当工程(要件定義、設計、開発、テスト、運用・保守など)
・使用した言語、ツール、環境
・チームの規模と自分の役割
機電系エンジニアの場合
機電系では、扱った製品と担当範囲を具体的に書きます。
・対象の製品や設備(例:車載部品、産業用ロボット、半導体製造装置)
・担当範囲(構想設計、詳細設計、評価、量産立ち上げなど)
・使用した設計ソフトや測定機器
・対応した規格や品質基準
派遣先の社名を出してよいか迷う場合は、「大手自動車部品メーカー」のように業種と規模で表す方法もあります。契約で守秘義務が定められている場合もあるため、判断に迷うときは派遣元に確認しておくと安心です。
自己PRの書き方|派遣経験を強みに変える
派遣の経験は、書き方次第で大きな強みになります。複数の職場で働いてきた経験は、「新しい環境に早く慣れ、すぐに成果を出せる力」として伝えられます。
派遣経験から伝えやすい強みには、次のようなものがあります。
・複数の職場で培った、新しい環境への適応力
・限られた期間で成果を出してきた実行力
・さまざまな製品やシステムに関わってきた経験の幅
・社内外の人と連携してきたコミュニケーション力
自己PRは、「強み→根拠となるエピソード→応募先での活かし方」の順に書くと伝わりやすくなります。根拠には、可能な範囲で数値を入れましょう。
例:3社の派遣先で、業務システムの改修とテストを担当してきました。いずれの職場でも、配属から短期間で担当業務を任されるようになりました。前の派遣先では、テスト手順を整理し、確認漏れによる不具合を減らすことに貢献しました。御社でも、早期に業務を理解し、品質の安定に貢献したいと考えています。
職務経歴書の書き方に迷ったら、一緒に整理しませんか
派遣先が多い経歴でも、強みが伝わる形に整理できます。経験豊富なアドバイザーがこれまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、応募先に合わせたまとめ方を一緒に考えます。
書類選考で見られるポイント
派遣の経歴がある方の書類選考では、次の点がよく見られます。採用担当者が最も知りたいのは、「この人は入社後に何ができるのか」です。
・担当した業務の範囲と、任されていた役割
・派遣先が変わっても、一貫して伸ばしてきたスキルがあるか
・短期間での派遣先の変更が多い場合、その理由
・正社員として働きたい理由が明確か
私たちが企業と話す中でも、「派遣か正社員かよりも、どんな工程をどこまで担当できるかを知りたい」という声をよく聞きます。雇用形態を気にしすぎるより、業務の中身を具体的に書くことに力を注ぎましょう。
書き方の注意点・よくある失敗
派遣の職務経歴書では、次のような失敗がよく見られます。
・派遣元の社名だけを書き、どこで何をしていたかがわからない
・派遣先の社名だけを書き、派遣社員だったことが伝わらない
・業務内容が「事務作業」「設計補助」など、抽象的な言葉で終わっている
・すべての派遣先を同じ分量で書き、枚数が多くなりすぎている
・派遣の経歴を隠そうとして、期間に空白ができている
特に、雇用形態をあいまいにしたり、事実と異なる書き方をしたりするのは避けましょう。 入社後に経歴の違いがわかると、信頼を損なう原因になります。
派遣から正社員を目指すときに考えたいこと
派遣から正社員を目指すときは、今の悩みが「派遣という働き方」にあるのか、「仕事内容や職種」にあるのかを切り分けることが大切です。
働き方が理由であれば、今と同じ職種で、正社員として腰を据えて働ける企業を探すのが近道です。一方で、仕事内容に物足りなさを感じているなら、担当工程を広げられる職場や、関連する職種への挑戦を視野に入れるとよいでしょう。
この切り分けができると、職務経歴書でどの経験を厚く書くべきかも明確になります。私たちは、労働条件・労働環境を独自に審査した求人のみを紹介しており、派遣から正社員を目指す方の書類づくりもお手伝いしています。
派遣から正社員への一歩を、一人で悩まずに
今の経験がどんな求人で評価されるのか、市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
まとめ
・派遣社員の職務経歴書は、派遣元と派遣先を書き分けるのが基本
・派遣先ごとに、担当業務と成果をできるだけ具体的に書く
・派遣先が多い場合は、応募先に関係する経験を中心にまとめる
・複数の職場で働いた経験は、適応力や経験の幅として強みにできる
・正社員を目指すときは、悩みの原因が働き方か仕事内容かを切り分ける
よくある質問
派遣の経歴は職務経歴書に書かないほうがよいですか?
書いたほうがよいです。派遣の経歴を省くと期間に空白ができ、かえって説明が必要になります。派遣でも実務経験であることに変わりはありません。雇用形態を正しく書いたうえで、担当した業務と成果を具体的に伝えることが大切です。
派遣元と派遣先、どちらの会社名を書けばよいですか?
両方を書きます。雇用主である派遣元の社名と、実際に働いていた派遣先の社名を分けて記載しましょう。派遣先の社名を出すことに迷う場合は、「大手電機メーカー」のように業種と規模で表す方法もあります。判断に迷うときは、派遣元に確認すると安心です。
派遣の退職理由はどう書けばよいですか?
契約期間の満了で終了した場合は、「契約期間満了により退職」と書けば十分です。自分の希望で途中で終了した場合は、「一身上の都合により退職」と書くのが一般的です。面接で詳しく聞かれたときに説明できるよう、理由を整理しておきましょう。
短期の派遣ばかりだと不利になりますか?
短期の派遣が多いだけで、必ず不利になるわけではありません。ただし、選考で理由を確認される傾向はあります。似た業務をまとめて一貫したスキルを示したり、短期になった理由を簡潔に説明できるようにしたりすると、印象が変わります。
紹介予定派遣で直接雇用になった場合はどう書きますか?
派遣期間と直接雇用後の期間を分けて書きます。「○○年○月〜○○年○月 紹介予定派遣として就業」「○○年○月 正社員として入社」のように記載すると、経歴の流れが伝わりやすくなります。直接雇用後に任された業務も具体的に書きましょう。
職務経歴書が書けたら、次は応募先選びです。今すぐ応募を考えていない方も、職種研究や書類づくりに役立つ情報をLINEで受け取れます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
