「セキュリティエンジニアの求人はどう選べばいい?」「未経験でも応募できる求人はある?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
セキュリティエンジニアの求人は、SOC・脆弱性診断・セキュリティ設計など担当領域によって仕事内容や求められるスキルが大きく異なります。
そのため、「セキュリティエンジニア募集」という職種名だけで応募先を決めるのはおすすめできません。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、セキュリティエンジニアの求人事情や種類、未経験・経験者別の選び方、求人票で確認したいポイントを解説します。
セキュリティエンジニアの求人事情
セキュリティエンジニアには、監視・分析から脆弱性診断、セキュリティ環境の構築・設計までさまざまな求人があります。
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagによると、「セキュリティエキスパート(オペレーション)」の令和7年度の有効求人倍率は2.2倍、求人賃金は月額31.8万円です。
脆弱性診断についても、令和7年度の有効求人倍率は1.96倍、求人賃金は月額32.7万円となっています。
ただし、これらはハローワーク求人統計をもとにした特定職種のデータです。
セキュリティエンジニア全体の求人倍率や、民間求人サイトに掲載されているすべての求人を示すものではありません。
求人市場を見る際は、セキュリティ全体を一括りにせず、自分が希望する専門領域ごとに求人を確認することが重要です。
セキュリティエンジニア求人の主な6種類
セキュリティエンジニアと呼ばれる求人には、複数の種類があります。
| 求人の種類 | 主な仕事内容 | 求められやすい知識 |
| SOC | 監視・アラート分析 | NW・ログ・セキュリティ |
| CSIRT | インシデント対応 | NW・OS・調査 |
| 脆弱性診断 | システムの弱点を調査 | Web・NW・OS |
| セキュリティ構築 | 製品・環境の導入 | NW・サーバー |
| セキュリティ設計 | 対策全体を設計 | インフラ・クラウド |
| 社内セキュリティ | 社内の対策・ルール整備 | IT全般・調整力 |
SOC
SOCではシステムやネットワークを監視し、不審な通信やアラートを確認します。
求人によって、
・一次切り分け
・ログ分析
・攻撃内容の調査
・インシデント対応
など担当範囲が異なります。
同じSOC求人でも「アラート確認まで」なのか「分析・対応まで経験できる」のかを確認しましょう。
CSIRT
インシデント発生時の対応を中心とする仕事です。技術的な調査だけでなく、社内関係部署や外部ベンダーとの調整を担当する場合もあります。
脆弱性診断
Webアプリケーションやネットワークなどにセキュリティ上の弱点がないか調べます。Web・OS・ネットワークなど幅広いIT知識が必要になります。
セキュリティ構築
ファイアウォールや認証、ログ監視などのセキュリティ環境を構築します。
ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアからキャリアチェンジしやすい領域の一つです。
セキュリティ設計
システム全体を見ながら、
・アクセス制御
・認証
・ログ管理
・ネットワーク
・クラウド
・障害時の対応方法
などを設計します。
実務経験を積んだエンジニア向けの求人が中心となる傾向があります。
社内セキュリティ
事業会社などで、自社のセキュリティ対策を担当します。
技術だけでなく、
・社内ルールの策定
・従業員教育
・セキュリティ製品管理
・インシデント対応
・ベンダー管理
など幅広い仕事を担当することがあります。
セキュリティエンジニア求人で求められるスキル
セキュリティ求人では、セキュリティ知識だけでなく周辺のITスキルも重要です。
ネットワーク
代表的には、
・TCP/IP
・IPアドレス
・DNS
・HTTP・HTTPS
・VPN
・ファイアウォール
などです。
ネットワーク通信を理解していなければ、不審な通信や攻撃を分析しにくくなります。
サーバー・OS
LinuxやWindowsなどの知識も役立ちます。ログ確認や権限設定、プロセス確認など、サーバー側を調査する仕事もあるためです。
Web・アプリケーション
脆弱性診断などでは、
・HTTP
・Cookie
・認証
・セッション
・データベース
などの仕組みを理解する必要があります。
クラウド
クラウド環境の求人では、
・ネットワーク
・認証
・アクセス権限
・ログ
・セキュリティ設定
などを扱います。ネットワークやサーバー経験から、クラウドセキュリティへ経験を広げる方法もあります。
コミュニケーション
セキュリティの仕事は一人だけで完結するとは限りません。
インシデント発生時には、
・開発担当
・インフラ担当
・情報システム部門
・経営層
・外部ベンダー
などと連携する場合があります。
技術力だけでなく、状況を整理して相手に説明する力もセキュリティ求人では重要です。
未経験でセキュリティエンジニア求人を探す場合
未経験からセキュリティ領域を目指す場合は、「未経験歓迎」という表記だけで判断しないことが重要です。
最初に担当する仕事内容を確認する
未経験求人では、
・SOC監視
・アラート一次対応
・セキュリティ運用
・ITインフラ運用
などから始めるケースがあります。重要なのは、その仕事自体よりも「次の業務へ進める環境か」です。
たとえば、
監視
↓
ログ分析
↓
インシデント対応
↓
構築・設計
と担当範囲を広げられる求人なら、中長期的なキャリアを考えやすくなります。
ただし、必ずこの順番で進むわけではありません。
研修内容を確認する
「研修あり」とだけ書かれている場合は、
・ネットワークを学べるか
・Linuxを学べるか
・セキュリティ基礎を学べるか
・研修後にどの仕事へ配属されるか
まで確認しましょう。
IT基礎を先に学んでおく
セキュリティはITシステムを守る仕事です。
そのため、
・ネットワーク
・サーバー
・OS
・Web
などの基礎を理解していると、セキュリティの学習も進めやすくなります。
未経験からセキュリティ求人を探している方へ
「未経験歓迎」でも、最初の仕事内容やその後のキャリアは求人ごとに異なります。現在の学習状況から応募できる求人と、将来の専門性につながる求人を一緒に整理できます。
経験者がセキュリティエンジニア求人を選ぶポイント
すでにITエンジニア経験がある場合は、現在のスキルをどのようにセキュリティへつなげるか考えましょう。
| 現在の経験 | 活かしやすいセキュリティ領域 |
| ネットワーク | FW・SOC・NWセキュリティ |
| サーバー | OS・認証・ログ分析 |
| クラウド | クラウドセキュリティ |
| Web開発 | Web脆弱性診断 |
| 運用監視 | SOC・セキュリティ運用 |
ネットワーク経験者
ファイアウォール、VPN、通信ログなどの経験を活かせる場合があります。
ネットワーク設計・構築経験があれば、セキュリティ製品導入や設計を含む求人も確認しましょう。
サーバー経験者
Linux・Windows、ユーザー権限、ログ、認証などの経験をセキュリティへつなげられます。
開発経験者
Webアプリケーションの仕組みを理解していることは、Webセキュリティや脆弱性診断でも役立ちます。
クラウド経験者
クラウド上のネットワーク・権限・認証・ログなどを扱った経験は、クラウドセキュリティ求人と相性があります。
転職支援の現場では、「セキュリティ経験があるか」だけではなく、現在のIT経験をどのセキュリティ領域へ転用できるかを確認します。
完全な未経験として考える前に、これまでの経験を棚卸ししましょう。
セキュリティエンジニア求人で確認したい7つのポイント
求人票では、給与や企業名だけでなく実際の仕事内容を確認しましょう。
1.担当するセキュリティ領域
まず確認したいのが仕事内容です。SOCなのか、診断なのか、設計なのかによって求められるスキルが異なります。「セキュリティエンジニア」という求人名だけで判断しないようにしましょう。
2.担当工程
同じSOCでも、
・アラート確認
・一次切り分け
・詳細分析
・インシデント対応
・改善提案
まで業務範囲に差があります。
どこまで自分で担当できるのか確認しましょう。
3.使用する技術・製品
求人票に、
・クラウド
・ファイアウォール
・SIEM
・EDR
・Linux
・ネットワーク
などの記載がある場合は、自分の経験と照らし合わせます。知らない製品があっても、それだけで応募を諦める必要はありません。類似する技術経験が活かせるか確認しましょう。
4.夜勤・シフト勤務
SOCなど24時間体制の業務では、夜勤やシフト勤務が発生する求人があります。
一方、脆弱性診断や設計などでは日勤中心の求人もあります。勤務時間を重視する場合は必ず確認しましょう。
5.インシデント対応体制
セキュリティ事故が発生した場合、
・誰が一次対応するか
・夜間対応があるか
・オンコールがあるか
・チーム体制はどうなっているか
などを確認します。仕事内容だけでなく、緊急時の働き方も重要です。
6.キャリアパス
入社後に、
監視
↓
分析
↓
構築
↓
設計
など、担当範囲を広げられるか確認します。
もちろん全員が同じ順番で進むわけではありません。自分が目指したい領域へつながる経験を積めるかが重要です。
7.教育・評価制度
資格取得支援だけでなく、
・技術研修
・勉強会
・上位工程への異動
・技術力を評価する制度
なども確認します。「入社できる求人」ではなく「次のキャリアにつながる求人」を選ぶ視点を持ちましょう。
セキュリティエンジニア求人の年収は?
厚生労働省job tagでは、「セキュリティエキスパート(オペレーション)」の平均年収は609.8万円です。
また、令和7年度のハローワーク求人賃金は月額31.8万円、令和8年6月単月では34.5万円となっています。
一方、脆弱性診断では令和7年度の求人賃金が月額32.7万円、令和8年6月は34.4万円です。
ただし、求人賃金は募集時の月額賃金であり、平均年収とは異なる指標です。
また、同じセキュリティエンジニアでも、
・担当工程
・専門領域
・クラウド経験
・設計経験
・マネジメント経験
などによって給与条件は異なります。
たとえばjob tagの情報セキュリティ監査では、企画立案・プロジェクト管理を担うITSSレベル5以上について700万~1,100万円の給与レンジが掲載されています。これは第一四分位から第三四分位の範囲であり、その年収が保証されるわけではありません。
年収を見る際も、金額だけでなく「どの経験を求められている求人なのか」まで確認しましょう。
セキュリティエンジニア求人の探し方
セキュリティ求人を探す方法はいくつかあります。
求人サイト
自分で条件を設定し、多くの求人を比較できます。まず市場にどのような求人があるのか確認したい場合にも利用できます。
企業の採用ページ
興味のある企業が決まっている場合は、採用ページから仕事内容を確認できます。求人サイトより詳しい組織情報が掲載されている場合もあります。
転職エージェント
自分の経験がどのセキュリティ求人で評価されるのかわからない場合は、転職エージェントを利用する方法もあります。
特に、
・ネットワークからセキュリティへ移りたい
・クラウド経験を活かしたい
・SOCから構築へ進みたい
・未経験からセキュリティを目指したい
といった場合は、現在の経験と求人要件を照らし合わせることが重要です。
求人票だけではわかりにくい担当工程や配属先も確認しながら選びましょう。
セキュリティ求人選びで失敗しないための注意点
セキュリティエンジニアへの転職では、次のような選び方に注意しましょう。
「セキュリティ」という言葉だけで選ばない
セキュリティに関われると思って入社しても、実際にはアラートの一次確認だけを長期間担当する可能性もあります。仕事内容を具体的に確認しましょう。
年収だけで選ばない
年収が高くても、
・インシデント対応が多い
・高度な専門性が必要
・責任範囲が広い
など、業務負荷も変わる場合があります。仕事内容と給与をセットで比較します。
資格要件だけで諦めない
求人票の資格欄に資格名が書かれていても、必須なのか歓迎条件なのかを確認しましょう。資格を持っていなくても、関連する実務経験が評価される場合があります。
今の仕事への不満と職種を分ける
「今のSOCは夜勤がきついからセキュリティを辞めたい」と考えている場合でも、原因はセキュリティという職種そのものではなく勤務体制かもしれません。
職種が合わないのか、担当領域・会社・勤務環境が合わないのかを切り分けましょう。
転職エージェントの視点でも、この切り分けをしたうえで求人を探したほうが、転職先でも同じ不満を繰り返しにくくなります。
セキュリティ求人選びに迷っている方へ
同じ職種名でも、監視・診断・構築・設計で仕事内容は大きく変わります。現在の経験を活かせる求人と、今後のキャリアにつながる求人を比較しながら整理できます。
まとめ
セキュリティエンジニアの求人を選ぶ際のポイントをまとめます。
・セキュリティ求人にはSOC・脆弱性診断・構築・設計など複数の種類がある
・求人票では職種名だけでなく、具体的な担当領域と工程を確認する
・未経験者は研修内容だけでなく、その後に分析・構築・設計へ進めるかを見る
・経験者はネットワーク・サーバー・開発・クラウドなど既存経験を活かせる求人を探す
・給与だけで判断せず、勤務体制・キャリアパス・今後身につくスキルまで比較する
セキュリティエンジニアは仕事内容の幅が広いため、自分の経験や希望に合った求人を見極めることが重要です。
「セキュリティエンジニアになれる会社」ではなく、「どのセキュリティ経験を積める会社なのか」という視点で求人を比較してみましょう。
よくある質問(FAQ)
セキュリティエンジニアの求人は多いですか?
厚生労働省job tagでは、セキュリティエキスパート(オペレーション)の令和7年度有効求人倍率は2.2倍です。ただし、これはハローワーク統計の特定職種の値であり、セキュリティ求人全体を示す数字ではありません。
未経験でもセキュリティエンジニアの求人に応募できますか?
未経験者を対象とする求人もあります。ただし、最初の担当業務はSOC監視やITインフラ運用など求人によって異なります。研修内容だけでなく、配属後の仕事内容まで確認しましょう。
セキュリティエンジニア求人ではどんなスキルが必要ですか?
ネットワーク、サーバー・OS、Web、クラウドなどの基礎が役立ちます。必要なスキルはSOC・脆弱性診断・設計など担当するセキュリティ領域によって異なります。
セキュリティエンジニア求人に資格は必要ですか?
必須資格が一律に決まっているわけではありません。資格を応募条件とする求人もありますが、ネットワークやサーバーなどの関連実務経験が評価される場合もあります。
セキュリティエンジニア求人に夜勤はありますか?
SOCなど24時間監視を行う求人では、夜勤・シフト勤務が発生する場合があります。一方、脆弱性診断や設計など日勤中心の求人もあるため、勤務条件を確認しましょう。
セキュリティエンジニア求人は何を比較すればいいですか?
担当領域、担当工程、使用技術、勤務時間、インシデント対応体制、キャリアパス、教育・評価制度を比較しましょう。給与だけでなく、次にどのスキルを身につけられるかを見ることが重要です。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
