「ITインフラとは何?」「ネットワークやサーバーとは何が違う?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
ITインフラとは、Webサービスや社内システムなどを動かすために必要なネットワーク・サーバー・クラウドなどのIT基盤を指します。
普段ユーザーから直接見える部分ではありませんが、ITサービスを安定して利用するためには欠かせません。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、ITインフラとは何か、構成要素や仕事内容、関連するエンジニア職種、未経験から目指す方法までわかりやすく解説します。
ITインフラとは?
ITインフラとは、ITシステムやサービスを動かすための基盤です。「インフラ」はInfrastructureの略で、社会では道路・電気・水道など生活を支える基盤を意味します。ITにおいても考え方は同じです。
Webサイトや業務システムを利用するためには、
・サーバー
・ネットワーク
・ストレージ
・OS
・クラウド
・セキュリティ
などが必要です。これらをまとめてITインフラと呼びます。
たとえばECサイトの場合、画面だけ作ってもサービスは利用できません。商品情報を保存するサーバー、そのサーバーまで通信するネットワーク、安全にアクセスするためのセキュリティなどが必要です。ITインフラは、アプリケーションやサービスが正常に動くための「土台」と考えるとわかりやすいでしょう。
ITインフラを構成する主な5つの要素
ITインフラは一つの技術だけで構成されているわけではありません。
代表的な要素を整理すると以下のとおりです。
| 構成要素 | 役割 | 具体例 |
| ネットワーク | 機器同士を通信させる | ルーター・スイッチ |
| サーバー | システムを動かす | Webサーバーなど |
| ストレージ | データを保存する | SSD・クラウドストレージ |
| OS・ミドルウェア | システム実行環境を作る | Linuxなど |
| クラウド | IT基盤をサービスとして利用する | AWSなど |
ネットワーク
ネットワークは、パソコンやサーバーなどの機器を接続し、データをやり取りするための仕組みです。
インターネットへアクセスしたり、社内システムへ接続したりするときにも利用されています。
ネットワークでは、
・IPアドレス
・TCP/IP
・DNS
・ルーティング
・VPN
・VLAN
などの技術が使われます。
サーバー
サーバーは、利用者やほかのコンピューターへ機能やデータを提供するコンピューターです。
たとえば、
・Webサーバー
・データベースサーバー
・メールサーバー
・ファイルサーバー
などがあります。
Webサイトを見るときも、裏側ではサーバーがリクエストを受け取り、必要な情報を返しています。
ストレージ
ストレージはデータを保存するための仕組みです。
企業システムでは大量のデータを扱うため、容量だけでなく、
・読み書き速度
・障害への強さ
・バックアップ
・復旧方法
なども考える必要があります。
OS・ミドルウェア
サーバーを動かすためにはOSが必要です。
インフラ分野ではLinuxやWindows Serverなどが利用されます。
また、OSとアプリケーションの間で機能を提供するミドルウェアを設定することもあります。
クラウド
近年では、自社でサーバーなどの機器を購入するだけでなく、クラウドサービス上にITインフラを構築する方法もあります。
クラウドを使えば、
・仮想サーバー
・ネットワーク
・ストレージ
・データベース
などをサービスとして利用できます。
そのため現在のインフラエンジニアには、従来のネットワーク・サーバーに加えてクラウドの知識が求められる場面もあります。
ITインフラの仕事内容
ITインフラに関わる仕事は、大きく設計・構築・運用・保守に分けられます。
| 工程 | 主な仕事内容 |
| 設計 | 必要なITインフラの構成を考える |
| 構築 | サーバーやネットワークを設定する |
| 運用 | 安定稼働を維持する |
| 保守 | 障害時の復旧や機器交換を行う |
設計
システムに必要な性能や利用人数、セキュリティなどを確認し、どのようなインフラ環境を作るか考えます。
具体的には、
・サーバー構成
・ネットワーク構成
・クラウド構成
・バックアップ
・セキュリティ
・障害対策
などを決めます。
構築
設計した内容をもとに実際の環境を作ります。
たとえば、
・サーバーへOSを設定する
・ネットワーク機器を設定する
・クラウド上に環境を作る
・通信できるかテストする
などです。
運用
構築したITインフラを安定して利用できる状態に維持します。
・稼働状況の監視
・設定変更
・アカウント管理
・バックアップ
・ログ確認
・問い合わせ対応
などを担当します。
保守
障害が起きた場合に原因を特定し、正常な状態へ戻します。
サーバーやネットワークが停止すると多くの利用者に影響する可能性があるため、迅速な対応が必要です。
ITインフラに関わる主なエンジニア職種
ITインフラには複数の職種があります。
| 職種 | 主な担当領域 |
| インフラエンジニア | IT基盤全般 |
| ネットワークエンジニア | ネットワーク |
| サーバーエンジニア | サーバー |
| クラウドエンジニア | クラウド基盤 |
| セキュリティエンジニア | セキュリティ |
| SRE | サービスの信頼性・運用改善 |
インフラエンジニア
ネットワークやサーバー、クラウドなど、ITインフラ全体に関わる職種です。企業によって担当範囲が異なり、ネットワーク中心の場合もあれば、サーバー・クラウドまで幅広く担当する場合もあります。
ネットワークエンジニア
ネットワークを専門に担当します。ルーターやスイッチなどを設定し、機器同士が正常に通信できる環境を作ります。
サーバーエンジニア
システムを動かすサーバー環境を担当します。LinuxなどのOS設定やサーバー構築、運用を行います。
クラウドエンジニア
クラウドサービスを利用してITインフラを設計・構築します。ネットワークやサーバーの基礎知識も活用する職種です。
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ITインフラとアプリケーションの違い
ITシステムは、大きく「インフラ」と「アプリケーション」に分けて考えると理解しやすくなります。
たとえばECサイトの場合、
アプリケーション
→ 商品検索・カート・購入などの機能
ITインフラ
→ アプリケーションが動くサーバー・ネットワークなど
という関係です。
| 比較 | ITインフラ | アプリケーション |
| 役割 | サービスを動かす基盤 | 利用者向け機能 |
| 例 | NW・サーバー・クラウド | Webサービス・業務システム |
| 主な仕事 | 設計・構築・運用 | 開発・テスト・改修 |
| 主な職種 | インフラエンジニア | アプリケーションエンジニア |
両方が正常に動いて初めてITサービスを利用できます。そのため、アプリケーションエンジニアとインフラエンジニアが連携してシステムを作ることもあります。
オンプレミスとクラウドの違い
ITインフラを理解するうえで知っておきたいのが「オンプレミス」と「クラウド」です。
オンプレミス
企業が自社でサーバーやネットワーク機器を保有・管理する方式です。物理機器の設置や設定も必要になります。
クラウド
クラウド事業者が提供するITインフラをインターネット経由で利用します。必要なサーバーやネットワークなどを管理画面やコードから構築できます。
| 比較 | オンプレミス | クラウド |
| 機器 | 自社などで保有 | 事業者の設備を利用 |
| 構築 | 物理機器の設定も必要 | 仮想環境を設定 |
| 拡張 | 機器追加が必要 | 比較的変更しやすい |
| 主な知識 | NW・サーバー・機器 | NW・サーバー・クラウド |
クラウドが普及しても、ネットワークやサーバーの知識が不要になるわけではありません。むしろ、従来のインフラ知識をクラウド上でどのように使うかを理解することが重要です。
ITインフラエンジニアに必要なスキル
ITインフラの仕事では、幅広い知識が求められます。
ネットワークの知識
IPアドレスやTCP/IP、DNSなどは、ITインフラを理解する基本です。サーバー担当でも、ネットワークを経由して通信するため基礎知識が役立ちます。
サーバー・OSの知識
LinuxなどのOSやサーバーの仕組みを理解します。コマンド操作やログ確認などを行う仕事もあります。
クラウドの知識
AWSなどのクラウドサービスを扱う知識です。ネットワーク・サーバーの基礎を理解したうえで学ぶと、クラウド上の仕組みを理解しやすくなります。
セキュリティの知識
ITインフラでは、
・アクセス制御
・認証
・ファイアウォール
・通信暗号化
などセキュリティも重要です。
問題を切り分ける力
障害が起きた場合、
ネットワークなのか
↓
サーバーなのか
↓
アプリケーションなのか
を順番に確認する必要があります。
ITインフラでは「なぜ動かないのか」を論理的に調べる力が重要です。
ITインフラの仕事に向いている人
ITインフラの仕事には、以下のような人が向いています。
・仕組みを理解することが好き
・問題の原因を調べるのが好き
・細かい設定や確認を正確に行える
・ITサービスを裏側から支えることに興味がある
・新しい技術を継続して学べる
・チームで連携して仕事を進められる
アプリケーションの画面や機能を作るより、「システムがどう動いているか」「通信がどうつながっているか」といった裏側の仕組みに興味がある人は、ITインフラとの相性を考えやすいでしょう。
ITインフラの仕事はきつい?
ITインフラの仕事には、
・障害対応がある
・案件によって夜勤やシフト勤務がある
・設定ミスへのプレッシャーがある
・継続的な技術学習が必要
といった大変さがあります。
特に24時間稼働するシステムの監視・運用では、シフト勤務になる場合があります。
ただし、すべてのインフラエンジニアに夜勤があるわけではありません。
設計・構築やクラウドなど、日中の業務が中心となる求人もあります。
転職支援の現場でも、「ITインフラの仕事が合わない」のか、「現在の監視業務や勤務体制が合わない」のかを分けて考えることが重要です。
夜勤が理由なら職種を変えなくても、担当工程や求人を変えることで改善できる可能性があります。
未経験からITインフラエンジニアになるには?
未経験からITインフラ分野を目指す場合は、次の流れで進める方法があります。
1.ITインフラの全体像を理解する
まず、
・ネットワーク
・サーバー
・クラウド
がどのようにつながっているのか理解しましょう。
2.ネットワーク・Linuxの基礎を学ぶ
ネットワークなら、
・IPアドレス
・TCP/IP
・DNS
サーバーなら、
・Linux
・OS
・コマンド操作
などから学習します。
3.興味のある領域を深める
ネットワークが面白ければネットワークエンジニア、Linuxやサーバーが面白ければサーバー・クラウド領域など、自分の興味から専門性を決めていきます。
4.資格学習を活用する
資格は必須ではありませんが、
・CCNA
・基本情報技術者試験
・AWS認定
などを学習に活用する方法があります。
資格取得自体をゴールにせず、実務につながる知識を身につけましょう。
5.求人では入社後の業務を見る
未経験求人では、
□ 研修内容
□ 最初の担当工程
□ ネットワーク・サーバーどちらを担当するか
□ 夜勤の有無
□ クラウドを経験できるか
□ 構築・設計へ進めるか
まで確認します。
転職エージェントとして求人を見る際も、「未経験歓迎」より、その後どのようなITインフラ経験を積めるのかを重視します。
未経験からITインフラの仕事を目指している方へ
ネットワーク・サーバー・クラウドのどこから始めるべきかは、現在の知識や興味によって異なります。仕事内容や求人を比較しながら、自分に合うキャリアを整理できます。
ITインフラのキャリアパス
ITインフラの経験を積むと、さまざまな方向へキャリアを広げられます。
ネットワークエンジニア
通信環境の設計・構築を専門にします。
サーバーエンジニア
Linuxなどを扱い、サーバー環境の設計・構築を行います。
クラウドエンジニア
ネットワーク・サーバーの知識を活かしてクラウド環境を構築します。
セキュリティエンジニア
ITインフラの知識を活かし、セキュリティ分野へ専門性を広げます。
インフラ設計・PM
技術経験を積んだ後、要件定義や設計、プロジェクト管理へ進むキャリアもあります。最初に選んだ領域だけでキャリアが固定されるわけではありません。
ネットワークからクラウド、サーバーからクラウドなど、経験を組み合わせながらキャリアを広げることもできます。
まとめ
ITインフラについて重要なポイントをまとめます。
・ITインフラとは、ITシステムやサービスを動かすためのネットワーク・サーバーなどの基盤を指す
・ITインフラの仕事は設計・構築・運用・保守に分けられる
・関連職種にはネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、クラウドエンジニアなどがある
・クラウド環境でもネットワークやサーバーなどITインフラの基礎知識は重要になる
・未経験から目指す場合は全体像を理解し、ネットワークやLinuxなどの基礎から学ぶ
ITインフラは、多くのITサービスを裏側から支える重要な領域です。ネットワーク・サーバー・クラウドそれぞれの特徴を知り、自分が興味を持てる分野から学習を始めてみましょう。
よくある質問(FAQ)
ITインフラとは簡単にいうと何ですか?
ITシステムやWebサービスを動かすための基盤です。ネットワーク、サーバー、ストレージ、OS、クラウドなどがITインフラに含まれます。
ITインフラとネットワークの違いは何ですか?
ネットワークはITインフラを構成する要素の一つです。ITインフラはネットワークだけでなく、サーバー・ストレージ・クラウドなどを含む広い概念です。
ITインフラとインフラエンジニアの違いは何ですか?
ITインフラはシステムを支える基盤そのものを指し、インフラエンジニアはそのITインフラを設計・構築・運用する職種を指します。
ITインフラにプログラミングは必要ですか?
すべての仕事で必須とは限りません。ただし、自動化やクラウド環境の構築ではスクリプトやコードを扱うことがあります。キャリアを広げるうえでは学習しておくと役立ちます。
未経験でもITインフラエンジニアになれますか?
未経験者を対象とした求人もあります。まずネットワークやLinuxなどの基礎を学び、求人では研修内容だけでなく入社後の担当工程まで確認しましょう。
ITインフラにはどんな職種がありますか?
インフラエンジニア、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニアなどがあります。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
