「ネットワークエンジニアになるには資格が必要?」「CCNAとネットワークスペシャリストはどちらを取るべき?」と迷っている方もいるのではないでしょうか。
ネットワークエンジニアになるために必須の資格はありませんが、資格取得を通じてネットワークの知識を体系的に身につけることはできます。
特に未経験者はCCNAなどで基礎を学び、経験者はCCNP Enterpriseやネットワークスペシャリストなど、現在のスキルと目指すキャリアに合わせて選ぶことが重要です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、ネットワークエンジニアにおすすめの資格7選と取得する順番、転職での活かし方まで解説します。
ネットワークエンジニアに資格は必要?
ネットワークエンジニアとして働くために、必ず取得しなければならない資格はありません。資格を持っていなくても、ネットワークエンジニアとして働くことは可能です。
一方、ネットワークでは、
・TCP/IP
・IPアドレス
・ルーティング
・スイッチング
・セキュリティ
・ネットワーク機器
など幅広い知識が必要になります。
資格試験にはこれらの知識が体系的にまとめられているため、学習の目標として利用できます。特に未経験者の場合は、実務経験がない分、資格取得に向けた学習を通じて基礎知識や学習意欲を伝える材料にもなります。
ただし、「資格を取得すれば転職できる」「資格を取れば年収が上がる」とは限りません。
転職では資格に加えて、実務経験や担当工程なども確認されます。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格7選
ネットワークエンジニアに関連する代表的な資格・試験は以下のとおりです。
| 資格・試験 | おすすめ対象 | 主に学べる内容 |
| CCST Networking | 初学者 | ネットワークの基本 |
| CCNA | 未経験~初級者 | ネットワーク全般 |
| CCNP Enterprise | 経験者 | エンタープライズネットワーク |
| ネットワークスペシャリスト試験 | 経験者 | 高度なネットワーク設計・運用 |
| 基本情報技術者試験 | IT未経験者 | IT全般の基礎 |
| 応用情報技術者試験 | IT経験者 | IT全般の応用知識 |
| AWS認定資格 | クラウドへ広げたい人 | クラウドインフラ |
すべて取得する必要はありません。現在の経験と、今後どのようなネットワークエンジニアになりたいかで選びましょう。
1.CCNA|未経験者にもおすすめのネットワーク資格
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、Ciscoが提供する認定資格です。
ネットワークエンジニアを目指す際に、学習候補になりやすい資格の一つです。
現在の200-301 CCNAでは、
・ネットワークの基礎
・ネットワークアクセス
・IPコネクティビティ
・IPサービス
・セキュリティの基礎
・自動化とプログラマビリティ
などが出題対象となっています。
出典:Cisco「Cisco Certified Network Associate(200-301 CCNA)」
CCNAがおすすめの人
・未経験からネットワークエンジニアを目指す
・ネットワークの基礎を体系的に学びたい
・運用・保守から構築へ進みたい
・Cisco製品を扱う仕事に興味がある
CCNAには正式な受験前提条件はありません。
Ciscoでは対応可能な職種として、エントリーレベルのネットワークエンジニアやネットワーク管理者などを挙げています。
未経験者が最初にネットワーク資格を選ぶなら、有力な選択肢の一つです。
2.CCST Networking|IT・ネットワークの基礎から学びたい人向け
CCST Networkingは、Ciscoのエントリーレベルに位置づけられる認定資格です。
CCNAよりも前の段階で、ネットワークの基本から学びたい場合の選択肢になります。
特に、
・ITそのものが初めて
・ネットワーク用語がほとんどわからない
・CCNAの学習が難しく感じる
という人は、基礎固めとして検討できます。
一方、すでにITの基本知識があり、ネットワークエンジニアへの転職を目指している場合は、最初からCCNAを学習する方法もあります。
資格数を増やすこと自体を目的にせず、自分の現在地に合わせて選びましょう。
3.CCNP Enterprise|ネットワーク経験者が専門性を高める資格
CCNP Enterpriseは、Ciscoのネットワーク関連認定の中でも、CCNAより高度なスキルを対象とする資格です。
現在はコア試験のENCORに加えて、選択する試験によって高度なルーティングやSD-WAN、ネットワーク設計、クラウド接続などの領域を扱えます。
出典:Cisco「現在実施されている試験リスト」
CCNP Enterpriseがおすすめの人
・ネットワークの実務経験がある
・構築・設計へ進みたい
・Cisco製品の知識を深めたい
・より高度なネットワーク技術を学びたい
未経験者がいきなりCCNP Enterpriseを取得するより、まずネットワークの基礎や実務経験を積んだうえで挑戦するほうが、学習内容を実務と結びつけやすいでしょう。
経験者は「資格を増やす」のではなく、次に担当したい業務から逆算して取得することが大切です。
ネットワーク資格をどこまで取るべきか迷っている方へ
CCNAを取得した後に上位資格へ進むべきか、構築・設計の実務経験を優先するべきかは、現在のキャリアによって異なります。今の経験と目指す求人を整理しながら、次に必要なスキルを一緒に考えます。
4.ネットワークスペシャリスト試験|高度な専門性を証明したい人向け
ネットワークスペシャリスト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する高度試験です。
ネットワーク固有の技術だけでなく、大規模かつ堅牢なネットワークシステムの構築・運用に必要な知識などが問われます。
IPAも、ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す人に適した試験として案内しています。
出典:IPA「ネットワークスペシャリスト試験」
ネットワークスペシャリストがおすすめの人
・ネットワークの実務経験がある
・設計・構築を担当している
・ネットワークの専門性を高めたい
・高度な知識を体系的に学びたい
CCNAと比べると、より高度なネットワーク知識が必要です。
そのため、未経験者が最初に取得する資格というより、実務経験を積んだ後のステップアップとして考えやすい資格です。
なお、2026年度のネットワークスペシャリスト試験はCBT方式で実施され、2027年度からは情報処理技術者試験の新制度への移行が予定されています。試験制度は変更される可能性があるため、受験前にIPAの最新情報を確認しましょう。
5.基本情報技術者試験|IT全般の基礎を身につけたい人向け
基本情報技術者試験は、ネットワークだけではなくIT全般の基礎を学ぶための国家試験です。
ネットワークエンジニア専用の試験ではありませんが、
・コンピューター
・ネットワーク
・データベース
・セキュリティ
・アルゴリズム
など、ITエンジニアとして必要になる幅広い基礎を学べます。「ネットワークだけでなくITそのものの理解がまだ浅い」という未経験者には候補になります。
ただし、ネットワークエンジニアへの転職を直接意識する場合は、CCNAなどネットワークに特化した資格と比較して優先順位を決めましょう。
6.応用情報技術者試験|IT知識を広く深めたい経験者向け
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験よりも応用的な知識・技能を対象とした国家試験です。
ネットワークだけでなく、
・セキュリティ
・データベース
・システム設計
・マネジメント
・経営・戦略
など幅広い分野を学べます。
IPAでは、ITエンジニアとしてレベルアップしたい人に推奨する試験として位置づけています。
出典:IPA「応用情報技術者試験」
ネットワークだけを専門的に深めたい場合はネットワークスペシャリスト、IT全般を広く学びたい場合は応用情報技術者試験という選び方もあります。
7.AWS認定資格|クラウドネットワークへ広げたい人向け
ネットワークエンジニアのキャリアでは、クラウドの知識も重要になっています。
従来はルーターやスイッチなどの物理機器を扱う仕事が中心でしたが、クラウド環境では画面やコード上でネットワークを構築することもあります。
そのため、
・クラウドへキャリアを広げたい
・AWS環境のインフラを扱いたい
・オンプレミスとクラウドの両方を理解したい
という人は、AWS認定資格などのクラウド資格を学習候補にできます。
ただし、クラウド資格だけを取得しても、ネットワークの基礎が不要になるわけではありません。
TCP/IPやルーティングなどの基礎を理解したうえで、クラウドへ応用することが重要です。
未経験者におすすめのネットワーク資格の取得順
未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、資格を何個も取得してから転職活動を始める必要はありません。
目安として、以下の順番で考えられます。
IT自体が初めての場合
基本情報技術者試験などでIT基礎を学ぶ
↓
CCNAでネットワークを学ぶ
↓
ネットワークエンジニア求人へ応募する
↓
実務経験を積む
ITの基本知識がすでにある場合は、最初からCCNAを目指す方法もあります。
最も重要なのは実務につなげること
CCNAを取得したあと、「次は基本情報」「その次は応用情報」「さらに上位資格」と資格だけを取り続けても、実務経験は増えません。未経験者の場合は、一定の基礎を身につけたら求人を確認し、実務経験を積むことも重要です。資格取得と転職活動を必ず別々に考える必要はありません。
経験者はどのネットワーク資格を取るべき?
経験者の場合は「有名だから」という理由だけで資格を選ばないことが重要です。
現在の担当工程から逆算しましょう。
| 現在の経験 | 次の資格候補 | 目指す方向 |
| 監視・運用 | CCNA | ネットワーク基礎・構築 |
| 構築 | CCNP Enterprise | 設計・高度なNW技術 |
| 設計 | ネットワークスペシャリスト | 専門性の強化 |
| NW+サーバー | 応用情報技術者試験 | IT基盤全般 |
| NW+クラウド | AWS認定など | クラウドインフラ |
たとえば、CCNAを取得済みで構築経験もある人が、似たレベルの資格を増やし続けても大きなキャリア変化につながらない場合があります。
その場合、
・設計経験を積む
・クラウド案件へ入る
・CCNP Enterpriseを学ぶ
・ネットワークスペシャリストを目指す
など、次の仕事内容につながる選択を考えましょう。
転職支援の現場でも、資格の数だけではなく「取得した知識をどのような実務で使っているか」を確認します。
ネットワーク資格を取ると年収は上がる?
資格取得だけで、一定額の年収アップが保証されるわけではありません。
ネットワークエンジニア単独の公的な平均年収データは限られていますが、関連職種として厚生労働省job tagの「システムエンジニア(基盤システム)」を見ると、スキルレベルによって給与レンジに差があります。
| スキルレベル | 年収範囲 |
| ITSSレベル1~2 | 420万~620万円 |
| ITSSレベル3 | 450万~700万円 |
| ITSSレベル4 | 500万~780万円 |
| ITSSレベル5以上 | 600万~950万円 |
出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag/システムエンジニア(基盤システム)」2023年度委託調査
これは第一四分位から第三四分位の範囲で、ネットワークエンジニアだけを対象としたデータではありません。
資格そのものより、
・監視・運用・構築・設計のどこまで担当できるか
・ネットワーク規模
・クラウド経験
・セキュリティ経験
・顧客との調整経験
なども年収を考えるうえで重要です。
資格は年収を直接上げるものではなく、より高度な実務へ進むために活用するものと考えましょう。
資格より実務経験を優先したほうがいいケース
資格取得に時間をかけるより、実務経験を広げたほうがよいケースもあります。
たとえば、
・CCNAを持っているが監視しか経験していない
・構築できるが設計経験がない
・資格は複数あるが実機をほとんど触っていない
という場合です。
この状態なら、新しい資格を追加するより、
監視
↓
運用
↓
構築
↓
設計
と担当工程を広げることを優先したほうが、キャリアにつながる場合があります。
逆に現在の会社で次の工程を経験できないのであれば、転職によって環境を変えることも選択肢です。
ここでも重要なのは、「資格が足りないから成長できない」のか、「現在の職場では経験を広げられない」のかを切り分けることです。
資格取得だけを続ける前に、自分に本当に不足しているものを確認しましょう。
資格取得と転職のどちらを優先するか迷っている方へ
「CCNAを取ってから転職すべき?」「次はCCNPとクラウドのどちらを学ぶべき?」など、必要なスキルは現在の経験によって変わります。担当工程と希望するキャリアから、次に取るべき選択肢を整理できます。
まとめ
ネットワークエンジニアの資格について重要なポイントをまとめます。
・ネットワークエンジニアになるために必須の資格はない
・未経験者がネットワークの基礎を学ぶならCCNAなどが候補になる
・経験者はCCNP Enterpriseやネットワークスペシャリストなど、目指す業務から逆算して選ぶ
・クラウドへキャリアを広げるならAWS認定などのクラウド資格も学習候補になる
・資格数を増やすだけでなく、運用・構築・設計など実務で担当できる工程を広げることが重要
資格取得はゴールではありません。
ネットワークエンジニアとしてどのような仕事を担当したいのかを決め、そのために不足している知識を補う手段として資格を活用しましょう。
よくある質問(FAQ)
ネットワークエンジニアになるには資格が必要ですか?
必須の資格はありません。資格がなくてもネットワークエンジニアとして働けます。ただし、未経験者はCCNAなどの学習を通じてネットワークの基礎知識を体系的に身につけることができます。
未経験者におすすめのネットワーク資格は何ですか?
ネットワークエンジニアを直接目指すならCCNAが候補です。ITそのものが初めてで難しく感じる場合は、CCST Networkingや基本情報技術者試験などから基礎を学ぶ方法もあります。
CCNAを取ればネットワークエンジニアに転職できますか?
CCNA取得だけで転職できるとは限りません。ただし、未経験者が基礎知識や学習意欲を示す材料にはなります。資格とあわせて志望理由や学習内容、希望するキャリアを整理しましょう。
CCNAとネットワークスペシャリストはどちらがおすすめですか?
未経験・初級者ならCCNA、実務経験があり専門性を高めたい人ならネットワークスペシャリストが候補です。難易度や対象とする知識が異なるため、現在の経験から選びましょう。
CCNP EnterpriseはCCNA取得後に取るべきですか?
必ずすぐ取得する必要はありません。CCNA取得後に運用・構築などの実務経験を積み、より高度なネットワーク設計・構築を目指す段階で検討すると、学習内容を実務と結びつけやすくなります。
資格と実務経験はどちらが重要ですか?
転職では両方が評価材料になりますが、経験者になるほど担当工程や実務内容が重要になります。資格取得だけを続けるのではなく、取得した知識を運用・構築・設計などの仕事につなげましょう。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
