「PREP法 志望動機」と検索したあなたは、志望動機の欄を前にして、どこから書き始めるか決めきれずにいるのではないでしょうか。
PREP法は結論から書き始める構成の型で、志望動機を読み手が判断しやすい順番に並べられます。 書けない原因は文章力ではなく、要素の順番が決まっていないことにある場合が多くあります。
の記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、4つの構成要素、組み立ての手順、例文と注意点を解説します。
結論:PREP法は志望動機を読まれる順番に並べる型です
はじめに、押さえておきたい点は次の5つです。
・結論を先に置くことで、応募先を選んだ理由が冒頭で伝わる
・理由と具体例を分けて書くと、内容が抽象的になりにくい
・具体例に担当した工程と数値を入れると、経験の輪郭が出る
・型に沿うだけで整うわけではなく、応募先の情報収集が前提になる
・書類と面接で同じ構成を使えるため、準備が二度手間にならない
手が止まっている場合は、原因を切り分けてください。自分の経験を言葉にできていないのか、応募先の情報が足りないのかで、着手すべき作業が変わります。
PREP法とは|4つの構成要素
PREP法は、結論、理由、具体例、結論の順に述べる構成の型です。志望動機では、最初の結論に「その会社を選んだ理由」を置く形が基本になります。
| 構成要素 | 述べる内容 | 志望動機で書くこと |
| 結論 | 主張を一文で示す | 応募先で担いたい役割と、応募した意思 |
| 理由 | なぜそう考えるかを示す | 現職で得られていない機会や課題意識 |
| 具体例 | 主張を裏づける事実を示す | 担当した工程、扱った技術、実績の数値 |
| 結論 | 主張を言い換えて締める | 入社後に活かしたい経験と方向性 |
志望動機にこの型が向いている理由
応募書類は、限られた時間で複数の候補と並べて読まれます。結論が後ろにあると、読み進める途中で意図が伝わりません。理由と具体例が分かれていることで、考えの筋道と裏づけが同時に示せます。
私たちの面談でも「書き始めると現職の不満だけで埋まってしまう」という声を聞きます。型を先に決めると、不満は理由の一部として収まり、全体が主張の形に整います。
PREP法で志望動機を組み立てる4ステップ
順に埋めていく作業として進めてください。
1. 結論を一文で書く
冒頭で、応募先で担いたい役割を述べます。会社の魅力を並べるのではなく、自分が何をしたいかを主語にしてください。「貴社の◯◯の体制のもとで、△△の工程に関わりたいと考え応募いたしました」という形が扱いやすくなります。
2. 理由を、環境の条件として書く
現職で得られていない機会を述べます。ここで人物への不満として書くと、次の職場でも同じことが起きると受け取られやすくなります。担当範囲、体制、工程の分担といった条件に置き換えてください。「上司と合わない」ではなく「仕様の決定に関われない体制だった」という形です。
3. 具体例を、担当した事実で書く
理由の裏づけを置きます。扱ったシステムや製品、担当した工程、体制の人数、実績の数値を入れてください。ここが抽象的なままだと、全体の説得力が下がります。
4. 結論を、入社後の方向性で締める
冒頭と同じ言葉を繰り返さず、活かしたい経験と担いたい範囲で結びます。読み終えた時点で、応募先での立ち位置が想像できる状態が目標です。
文字数の配分と全体の型
欄の広さに指定がない場合、300字前後に収める形が扱いやすくなります。配分の目安は次のとおりです。
| 構成要素 | 配分の目安 | 300字の場合 |
| 結論 | 全体の2割 | 60字前後 |
| 理由 | 全体の3割 | 90字前後 |
| 具体例 | 全体の4割 | 120字前後 |
| 結論 | 全体の1割 | 30字前後 |
具体例に最も字数を割く点が要点です。理由が長く、具体例が一文で終わっている志望動機は、内容が伝わりにくくなります。
例文3パターン
以下は構成を確認するための例です。数値や社名の部分は、ご自身の実績に置き換えてください。
客先常駐から自社開発を志望する場合
「貴社の自社開発の体制のもとで、要件定義(発注元と仕様を決める工程)から運用まで一貫して関わりたいと考え、応募いたしました。現職では客先常駐(受託や派遣の形で他社に常駐して働く形態)で運用保守を担当しており、仕様の決定に関わる機会が限られておりました。担当していた業務システムでは、月およそ40件の障害一次対応を受け持ち、手順書の整備によって平均の対応時間を約3割短縮しております。ただ、恒久的な対策は発注元の判断を待つ形が多く、原因から設計に反映する経験を積みたいと考えるようになりました。運用の視点を設計に持ち込む形で、貴社の開発に貢献したいと考えております。」
機械設計から生産技術を志望する場合
「量産の立ち上げに関わる工程で経験を積みたいと考え、貴社に応募いたしました。前職では機械設計として部品の設計変更対応を担当しておりましたが、担当が図面の作成までに限られており、工程側の課題に関わる機会がありませんでした。3名の体制で年間およそ30件の設計変更を担当し、加工side(工程担当)との事前確認の手順を整えることで、手戻りの件数を約2割減らしております。この経験から、設計と工程の間に立つ役割に関心を持ちました。設計側の意図を理解したうえで、工程の改善に取り組みたいと考えております。」
未経験から応募する場合
「業務の課題をシステムの形で解決する仕事に関わりたいと考え、応募いたしました。前職では製造現場の管理業務を担当し、作業記録の集計に多くの時間がかかる状況を経験しました。表計算ソフトの機能を用いて集計の手順を整え、月およそ20時間かかっていた作業を半分程度に短縮しております。この過程で仕組みそのものを作る側に関心を持ち、現在は基本情報技術者試験の学習を進めております。現場の業務を理解している点を、利用者との調整に活かしたいと考えております。」
具体例に入れる実績を数値にする方法
数値がないと感じる場合も、置き換えの方法はあります。相談現場では「実績と呼べるものがない」という声をよく聞きますが、担当の規模を書き出すと材料は出てきます。
| 観点 | 数値にする例 |
| 規模 | 担当した設備の台数、システムの利用者数、体制の人数 |
| 頻度 | 月あたりの対応件数、リリースの回数、点検の回数 |
| 改善 | 対応時間の短縮率、手戻りや不具合の削減率 |
| 期間 | 担当した期間、立ち上げから量産までの期間 |
| 範囲 | 担当した工程の数、扱った言語や設備の種類 |
改善の割合が分からない場合は、規模と頻度だけでも構いません。「月◯件を◯名体制で担当」という記述があるだけで、経験の輪郭は伝わります。
避けたい書き方と言い換えの方向
型に沿っていても、内容の置き方によって印象は変わります。
| 避けたい書き方 | 言い換えの方向 |
| 残業が多く、働き方を変えたかった | 工程の分担が明確な体制で品質に向き合いたい |
| 業界大手で安定していると思った | 事業の基盤があるため、長期の開発に継続して関われる |
| スキルアップできる環境に惹かれた | 担いたい工程を具体的に挙げ、そこで積みたい経験を述べる |
| 御社の理念に共感した | 理念のどの部分が、自分の業務経験と重なるかを述べる |
| 人間関係に問題があった | 相談の経路が用意されていない体制だった |
理念や社風に触れる場合は、共感で終わらせず、自分の経験との接点まで書いてください。
志望動機の内容に迷いが残っているなら
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。今の悩みの相談だけでもかまいません。
データで見る|志望動機が選考で果たす役割
志望動機の評価に関する公的な統計は限られます。採用選考で重視される項目については、本記事では割合を示しません。参考として、市場の状況を示します。
| 指標 | 数値(目安) |
| 有効求人倍率(情報処理・通信技術者) | 1.43倍 |
| 有効求人倍率(職業計) | 1.12倍 |
| 2030年に不足するとされるIT人材 | 最大約79万人 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
選考の傾向として、経験の要件を満たしている応募者が複数いる場合、志望動機の内容が比較の対象になります。要件で並んだあとに読まれる部分だと考えると、書き分ける意味が見えてきます。なお、機械設計や回路設計、生産技術などの機電系については、上記のIT職種の数値を当てはめず、全職業の指標である1.12倍のみを目安としてください。
PREP法が向かない場面と注意点
型は万能ではありません。次の点は押さえておいてください。
・欄が50字程度と極端に狭い場合は、結論と具体例のみに絞る
・4要素を機械的に並べると、単調な文章になりやすい
・結論と結論の内容が重複すると、字数を無駄に使う
・具体例が応募先の業務と関係ない場合、逆効果になる
・複数社へ同じ文章を使い回すと、応募先を選んだ理由が消える
型は骨組みであり、中身は応募先ごとに変える必要があります。担っている工程や事業の位置づけを調べたうえで、結論の部分を書き換えてください。
面接で口頭で伝える場合の使い方
書類と同じ構成をそのまま話せます。ただし、口頭では一度に伝えられる量が限られます。
・最初の結論は、20秒程度で言い切れる長さにする
・理由は一つに絞り、複数並べない
・具体例は、詳細を聞かれてから広げる前提で短くまとめる
・最後の結論は、一文で締める
私たちの面談では「書けても話せない」という状態をよく見かけます。書き上げたら必ず声に出して読み、詰まる箇所を削ってください。詰まる部分は、内容が整理されていない箇所です。
執筆後に確認すべきセルフチェックリスト
完成した文章を、次の項目で確認してください。
□ 冒頭の一文で、担いたい役割が示されている
□ 理由が、人物への不満ではなく環境の条件になっている
□ 具体例に、担当した工程が書かれている
□ 具体例に、規模や頻度などの数値が入っている
□ 具体例が、応募先の業務と重なっている
□ 最後の結論が、冒頭の繰り返しになっていない
□ 応募先を選んだ理由が、他社にも当てはまる内容になっていない
□ 声に出して読み、詰まる箇所がない
| 該当数 | 目安の見方 |
| 7つ以上 | 提出できる状態。応募先ごとの書き換えに進める段階 |
| 4〜6つ | 具体例の補強から着手したい段階 |
| 3つ以下 | 担当した工程を書き出す作業に戻りたい段階 |
これは仕上がりを確認する目安です。該当数だけで良し悪しが決まるものではありません。
応募先ごとの書き分けを、一緒に整理しませんか
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
まとめ
・PREP法は結論、理由、具体例、結論の順に並べる構成の型
・志望動機では、冒頭の結論に応募先で担いたい役割を置く
・理由は人物への不満ではなく、環境の条件として書く
・字数の4割程度を具体例に割き、担当工程と数値を入れる
・型は骨組みであり、応募先ごとに結論の部分を書き換える
よくある質問
PREP法は志望動機以外にも使えますか?
退職理由の説明や、強みを伝える欄にも使えます。構成が共通するため、一度組み立てると応用が利きます。ただし自己紹介のように時系列で述べる内容には向かないため、主張と裏づけを示す場面に限って使ってください。
結論から書くと、そっけない印象になりませんか?
冒頭で意図が伝わるほうが、読み手の負担は下がります。丁寧さは文末の表現で確保できるため、構成の順番とは別の問題です。前置きを長く置くと、限られた字数で具体例に割ける分量が減ってしまいます。
具体例に書ける実績がない場合はどうすればよいですか?
担当の規模と頻度から書き出してください。設備の台数、月あたりの対応件数、体制の人数などが材料になります。改善の割合まで示せなくても、担当範囲が具体的に伝わる記述であれば十分に機能します。
未経験でもPREP法で志望動機を書けますか?
書けます。具体例には、前職の業務で工夫した内容や、学習の進度を入れてください。関心を持った経緯が事実として示されていれば、実務経験がなくても筋の通った内容になります。
面接でも書類と同じ内容を話してよいですか?
同じ構成で問題ありません。書類と食い違いがあるほうが、確認の質問が増えます。ただし口頭では一度に伝えられる量が限られるため、理由を一つに絞り、具体例は短くまとめてから臨んでください。
志望動機が思いつかない場合、何から始めればよいですか
原因を切り分けてください。自分の経験を言葉にできていない場合は、担当工程の書き出しから始めます。応募先の情報が足りない場合は、担っている事業と工程を調べる作業が先になります。型に当てはめる前の段階です。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
