職務経歴書の事業内容とは?書き方・記載例8選・文字数の目安を解説

職務経歴書の事業内容とは?書き方・記載例8選・文字数の目安を解説

「職務経歴書 事業内容」と検索したあなたは、会社概要の事業内容欄を前にして、何をどこまで書くべきか決めきれずにいるのではないでしょうか。

事業内容欄は会社案内の文章を写す欄ではなく、あなたの経験の背景を読み手に想像させるための2〜3行です。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、採用担当者が事業内容欄で見ている点、書き方の4手順、企業タイプ別の記載例8選、社名や顧客名を書けない場合の対処までを解説します。そのまま書き込める棚卸し表も用意しました。

結論|事業内容は「誰に・何を・どう提供しているか」を3要素で書く

先に要点を整理します。

・事業内容欄に書くのは「顧客層」「提供している製品やサービス」「自社の役割」の3要素
・分量は1社あたり60〜100字が目安で、会社案内の丸写しは避ける
・規模を示す情報(従業員数、売上高、上場区分)を1行添えると経験の背景が伝わる
・自分の担当業務と関係のない事業まで並べる必要はない
・在籍先と就業先が異なる場合は、両方を分けて書くと誤解を防げる

事業内容欄は、評価点を稼ぐための欄ではありません。読み手があなたの職歴を正しく読むための前提情報です。この位置づけを押さえておくと、書く内容は自然に絞られます。

職務経歴書の「事業内容」とは?どこに書く項目か

事業内容は、職務経歴書の各社の職歴の冒頭に置く「会社概要」ブロックに書く項目です。社名と在籍期間の下に、数行でまとめるのが一般的な形です。

会社概要ブロックに書く項目は、おおむね次のとおりです。

項目記載の要否書き方の目安
社名必須「株式会社」を略さず正式名称で書く
在籍期間必須年月まで記載し、他の書類と表記をそろえる
事業内容ほぼ必須顧客層・製品やサービス・自社の役割を60〜100字で
従業員数推奨「約〇名」の概数で可
売上高任意公開情報があれば「約〇億円」
上場区分任意「東証〇市場上場」または「非上場」
資本金任意記載を求められた場合や、規模を示したい場合に

売上高や資本金は、書かなければ不備になるものではありません。判断の軸は「読み手が自分の経験の規模感をつかめるか」であり、項目をすべて埋めることではありません。

採用担当者が事業内容欄で見ている3つのこと

採用担当者は、この数行から次の3点を読み取ろうとしています。

見ている点具体的に知りたいこと満たすための情報
①経験の背景どのような製品や業務に関わってきたのか顧客層と製品・サービスの種類
②規模感どの程度の規模の案件・組織で働いていたか従業員数、売上高、拠点数
③立ち位置元請けか下請けか、内製か外注管理か自社が担っている工程や役割

つまずきやすいのは③です。同じ「システム開発」「機械の製造」という言葉でも、元請けとして要件をまとめる立場か、指示を受けて一部工程を担う立場かで、経験の中身は大きく変わります。

事業内容欄で自社の立ち位置に触れておくと、職歴本文の記述が読み手に正しく伝わります。

私たちが書類添削でお会いする方にも、公式サイトの会社案内をそのまま貼り付けたケースは少なくありません。詳しく伺うと、実際に担当していたのはその中の一部門だけ、という場合がほとんどです。会社の全事業を並べるより、自分が関わった領域を中心に書いたほうが、経歴との整合性が取れます。

事業内容の書き方|4つの手順

いきなり文章を書き始めると、会社案内の言葉をなぞる形になりがちです。次の順で組み立ててください。

手順1|公式の情報を集める

自社の会社案内、公式サイトの会社概要、決算に関する公表資料から、事業内容の記述と規模の数値を拾います。数値は公開されている範囲にとどめてください。

手順2|自分が関わった領域に絞る

複数の事業を持つ会社の場合、自分の担当と関係のある事業を中心に書きます。関わっていない事業まで並べると、経歴本文との対応が読み取りにくくなります。

手順3|専門用語と社内用語をかみ砕く

業界の中だけで通じる略称や、自社独自の呼称は、そのままでは伝わりません。応募先が同業でも、社内用語は共有されていない前提で書き換えます。

・社内の製品コード → 「〇〇向けの制御機器」
・自社独自のサービス名 → 「中小企業向けの業務管理サービス」

手順4|60〜100字に圧縮する

最後に分量を整えます。事業内容欄が長いと、肝心の職務内容が下に押し出されてしまいます。

書類を読む側の関心はあくまで職務内容にあり、会社概要はその前提を渡す役割にとどまります。

記入式|事業内容を書くための棚卸し表

手元の紙に、次の表を埋めてみてください。埋まった項目をつなげれば、そのまま文章になります。

項目記入欄
主な顧客層(業界・法人か個人か)
提供している製品・サービス
自社が担う工程・役割(元請け/下請け、内製/外注管理)
自分が所属した部門・事業
従業員数(約〇名)
売上高(公開情報がある場合)
上場区分

事業内容の型と文字数の目安

型に当てはめると、迷いが減ります。

【型】〇〇(顧客層)向けの〇〇(製品・サービス)の〇〇(工程・役割)を手がける。(規模の情報)

分量の目安は次のとおりです。統計値ではなく、書類全体の読みやすさから見た実務上の目安としてお考えください。

記載箇所文字数の目安
直近の在籍先80〜100字程度
それ以前の在籍先40〜60字程度
在籍社数が5社以上ある場合各30〜50字程度に圧縮

直近の会社に比重を置き、古い在籍先は短くする形が読みやすくなります。すべての会社に同じ分量を割く必要はありません。

【企業タイプ別】事業内容の記載例8選

ご自身の在籍先に近いものを土台に、〇〇部分を置き換えてください。

1. 受託開発会社(元請け)

金融・流通業を主な顧客とする独立系の情報システム開発会社。基幹システムの受託開発と保守を、要件定義から運用まで一貫して手がける(従業員約〇名/売上約〇億円/非上場)

元請けとして上流から関わっている点は、経歴の読み方に直結します。省略せず記載してください。

2. 客先常駐(技術者派遣・請負)

情報システムの技術者派遣および請負開発を行う会社。通信・製造業を中心とした顧客企業へ技術者を派遣し、開発および運用を担当(従業員約〇名/非上場)

SES(客先常駐で技術力を提供する契約形態)が中心の場合、在籍先の事業内容だけでは業務が伝わりません。就業先の業界と規模を職歴本文の冒頭に添えると、経験の中身が伝わります。

3. 自社サービスを持つ開発会社

中小企業向けの業務管理サービスを自社で企画・開発・運営。導入企業は約〇社(従業員約〇名/売上約〇億円/東証〇市場上場)

4. 事業会社の情報システム部門(社内SE)

全国〇店舗を展開する食品小売業。所属する情報システム部にて、店舗・物流・会計システムの企画、開発会社への発注管理、運用を担当(従業員約〇名/売上約〇億円)

事業会社に在籍していた場合、会社の事業は情報システムそのものではありません。会社の事業と自分の所属部門の役割を、二段に分けて書くと誤解を防げます。

5. 完成品メーカー(機械)

食品工場向け包装機械の設計・製造・販売を手がける専業メーカー。国内〇工場で部品加工から組立まで一貫生産し、〇か国へ輸出(従業員約〇名/売上約〇億円)

6. 部品・電子機器メーカー

自動車・産業機器向け電子部品の開発・製造。回路設計から基板の実装、評価試験までを社内で一貫して実施(従業員約〇名/売上約〇億円/東証〇市場上場)

7. 受託加工・金型製作

精密機械部品の受託加工および金型の設計・製作。少量多品種の試作から量産まで対応し、主な取引先は自動車・医療機器業界(従業員約〇名/非上場)

顧客の社名を出せない場合でも、業界名までなら書ける場合があります。判断に迷うときは次章を参照してください。

8. 在籍先と就業先が異なる場合(派遣・出向)

【在籍】〇〇株式会社(技術者派遣事業/従業員約〇名/非上場)
【就業先】自動車部品メーカー(従業員約〇名規模)にて、車載機器の制御設計を担当

在籍先を偽らずに書きつつ、実際の業務環境を伝えられる形です。派遣元と派遣先を混同して書くと、経歴の確認段階で説明が必要になります。

企業タイプ別|優先して書くべき情報

同じ字数でも、どの情報を残すかで伝わり方が変わります。

企業タイプ読み手が特に知りたいこと優先する情報
受託開発・元請け担当した案件の規模と顧客業界顧客層、担当工程の範囲
客先常駐実際に働いた環境就業先の業界と規模
自社サービスサービスの利用規模導入企業数や利用者数
事業会社の情報システム部門会社の本業と部門の役割事業内容と部門の担当範囲を二段で
完成品メーカー何を作っている会社か製品と生産形態(一貫生産か分業か)
部品・材料メーカー誰に納めているか納入先の業界、内製している工程
受託加工・請負対応できる範囲加工内容、量産か試作か

求人票の応募資格欄に並ぶ経験や業界は、その企業が求めている背景を示しています。自分の在籍先の事業内容に重なる部分があれば、その要素を残す判断材料になります。

よくある失敗5つと、改善の方向

よくある書き方なぜ弱いか改善の方向
会社案内の文章をそのまま貼る抽象的な表現が並び、経験と対応しない自分が関わった事業に絞って書き直す
社内用語や略称のまま書く応募先には伝わらない一般的な言葉に置き換える
事業内容が半ページを占める職務内容が下に押し出される60〜100字に圧縮する
在籍社ごとに書式がそろっていない読みにくく、作成の丁寧さが疑われる項目の順番と表記を全社で統一する
未公開の売上や取引先名を書く秘密保持の観点で問題になり得る公開情報の範囲にとどめる

いずれも、内容そのものが誤りというわけではありません。課題は情報の量ではなく、読み手に合わせた選び方にあります。

社名や顧客名を書けない場合はどうするか

在籍先や顧客名を具体的に書けない事情がある方は少なくありません。私たちのもとにも、「客先の名前を出してよいのか判断できず、書類が止まっている」というご相談が届きます。

一般的な対処は次のとおりです。

・顧客の社名は伏せ、業界名と規模で示す(例:「大手自動車部品メーカー(従業員約〇名規模)」)
・製品名は伏せ、種類で示す(例:「車載向けの制御機器」)
・具体的な数値を出せない場合は、規模の記載を省く

なお、在職中に知った営業上の情報を外部へ開示する行為は、就業規則や秘密保持契約(業務上知った情報を外部に漏らさない旨の取り決め)によって制限されているとされます。適用の範囲は契約内容や個別の事情によって異なるとされます。

私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。判断に迷う場合は、在籍先の規程を確認したうえで、弁護士など専門の窓口へご相談ください。個別の労働条件に関わる相談先としては、労働基準監督署の総合労働相談コーナーもあります。

書類選考の実務としては、社名が伏せられていても、業界と規模が示されていれば経験は伝わります。判断に迷ったときは、書けない情報を無理に埋めるより、業界と規模に置き換えるほうが安全です。

データで見る|参考にできる統計と、ない部分

職務経歴書の書き方や、事業内容欄の分量について定めた公的な統計や基準は、本記事では確認できていません。書式に唯一の正解はなく、応募先が読み取りやすい形を選ぶという考え方になります。

背景として参照できるのは、求人環境の指標です。全職業を通じた有効求人倍率は1.12倍で、そのうち情報処理・通信技術者は1.43倍となっています。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)

複数の求人に応募する前提であれば、応募先ごとに事業内容欄の重点を調整する価値があります。なお、機械設計や生産技術といった機電系の職種別の求人倍率については、本記事では公的な数値を確認できていません。

書きづらいときは「説明不足か、応募先とのずれか」を切り分ける

棚卸し表を埋めても筆が進まない場合、原因が別のところにあることがあります。

確認したいのは、書きにくさの原因が「自社の事業を言語化できていないこと」なのか、「応募先が求める経験と自分の背景がずれていること」なのかという点です。

前者であれば、公式資料を読み直して手順1から進めれば解決します。事業内容が書けないことと、経験が乏しいことは別の問題です。

後者の場合、事業内容を丁寧に書いても手応えが出にくくなります。求められている業界や工程が自分の経歴と噛み合っていない状態です。同じ領域で体制の異なる企業を探すか、経歴を活かせる隣接領域へ応募先を広げるほうが、書類の通りやすさは変わってきます。

私たちのもとにも、「書類が通らないのは書き方が悪いからではないか」とご相談にいらっしゃる方がいます。実際に拝見すると、書式ではなく応募先の選定に原因があるケースが少なくありません。書きにくさ自体が、応募先を見直す手がかりになります。

書類の書き方と応募先選び、両面から一緒に整理しませんか

経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。今の悩みの相談だけでもかまいません。
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まとめ

・事業内容欄に書くのは「顧客層」「製品やサービス」「自社の役割」の3要素
・分量は1社60〜100字を目安に、直近の在籍先に比重を置く
・従業員数や売上高などの規模情報は、公開されている範囲で1行添える
・在籍先と就業先が異なる場合は、二段に分けて書くと誤解を防げる
・社名や顧客名を書けない場合は、業界名と規模に置き換える

よくある質問

職務経歴書の事業内容は何文字くらい書けばよいですか?

1社あたり60〜100字程度が目安です。統計値ではなく、書類全体の読みやすさから見た実務上の感覚です。直近の在籍先は厚めに、それ以前は40〜60字程度に圧縮すると、職務内容の記述が埋もれずに済みます。

会社の公式サイトの文章をそのまま使ってよいですか?

そのまま写すことはおすすめしません。全事業を並べた文章は抽象的になりやすく、自分の経歴との対応が読み取れなくなります。公式の記述を参照したうえで、自分が関わった事業に絞り、担当業務とつながる形に書き直してください。

資本金や売上高まで書く必要はありますか?

必須ではありません。書かなくても不備にはなりません。判断の軸は、読み手が経験の規模感をつかめるかどうかです。規模を伝えたい場合は従業員数だけでも足り、売上高は公開情報がある範囲で添える形で問題ありません。

顧客名や派遣先の社名を書いてもよいですか?

判断に迷う場合は書かず、業界名と規模に置き換えてください。営業上の情報の開示は、就業規則や秘密保持契約で制限されているとされます。適用範囲は個別の事情によるため、在籍先の規程を確認し、必要に応じて弁護士など専門窓口へご相談ください。

在籍社数が多い場合、すべての会社に事業内容を書きますか?

書いたほうが読みやすくなりますが、分量は調整してください。5社以上ある場合は、各社30〜50字程度に圧縮し、直近の在籍先に比重を置く形が現実的です。表記の順番と形式は全社でそろえてください。

派遣元と派遣先は、どちらを事業内容に書きますか?

両方を分けて書く形をおすすめします。在籍先として派遣元を記載し、そのうえで就業先の業界と規模を添えます。派遣元の事業内容だけでは実際の業務が伝わらず、派遣先だけを書くと在籍先の記載として不正確になります。

事業内容欄は選考にどのくらい影響しますか?

事業内容そのものが評価される欄ではありません。ただし経歴を読むための前提情報のため、抜けていると職務内容の理解が曖昧になります。評価に直結するのは職務内容と実績であり、事業内容はそれを正しく伝えるための土台と考えてください。

この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也

関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。