「インフラ エンジニア 副業」と検索した方のなかには、「本業の経験を活かして副業できるのか」「どのような案件があるのか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
インフラエンジニアは、サーバー・ネットワーク・クラウドなどの実務経験を活かして副業に取り組めます。一方、対応時間やセキュリティ、本業との両立を考え、案件を慎重に選ぶことが重要です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、インフラエンジニアの副業例や必要なスキル、案件の探し方、始める際の注意点を解説します。
インフラエンジニアは副業できる?
インフラエンジニアは、本業で身につけた技術を活かして副業に取り組むことができます。
特にクラウド環境の構築、サーバー設定、ネットワーク設計、技術支援などは、インフラ経験を活かしやすい分野です。
ただし、副業のしやすさは担当している技術や経験年数だけで決まりません。たとえば、本番環境での障害対応を前提とする案件では、平日日中の対応を求められる可能性があります。
会社員として本業がある場合は、夜間や休日など限られた時間で対応できる案件かどうかを確認する必要があります。
また、副業を始める前には勤務先の就業規則や社内手続きも確認しましょう。厚生労働省は副業・兼業についてガイドラインを公開しており、モデル就業規則にも副業・兼業に関する規定を設けています。
出典:厚生労働省「副業・兼業」「副業・兼業と労働条件」
インフラエンジニアにおすすめの副業5選
インフラエンジニアの副業では、本業で扱っている技術に近い仕事を選ぶと始めやすくなります。
代表的な副業は次の5つです。
| 副業 | 主な仕事内容 | 活かしやすい経験 |
| クラウド環境構築 | クラウド上のサーバー・ネットワーク構築 | クラウド・サーバー |
| サーバー構築・設定 | サーバー初期設定や移行支援 | サーバー・OS |
| ネットワーク構築 | 接続設定やネットワーク設計 | ネットワーク |
| 運用・監視支援 | 稼働確認、設定変更、運用改善 | 運用・保守 |
| 技術相談・教材作成 | 技術支援、記事・教材作成 | インフラ全般 |
クラウド環境の構築
クラウドサービスを利用して、サーバーやネットワークなどを構築する仕事です。
企業のWebサービス用環境の構築や既存環境からの移行、設定変更などが考えられます。本業でクラウド環境の設計・構築を経験している人にとって、経験を直接活かしやすい副業です。
一方、クラウドサービスを触ったことがあるだけではなく、権限管理やネットワーク、セキュリティまで理解していることが重要です。
サーバーの構築・設定
サーバーの初期設定や環境構築、移行などを支援する仕事です。OSの設定、ミドルウェアの導入、アクセス権設定など、案件によって仕事内容は異なります。
本業でサーバー構築を担当している場合は、これまでの経験を説明しやすい分野です。
ネットワークの設計・構築
ネットワーク構成の設計や接続設定、機器設定などを行います。企業や拠点のネットワーク環境を構築する仕事だけでなく、既存環境の見直しやトラブル調査を支援する仕事も考えられます。
副業では現地作業が必要になる案件もあるため、働く場所や対応時間を事前に確認することが大切です。
インフラの運用・監視支援
すでに稼働しているサーバーやクラウド環境を運用する仕事です。ログ確認、設定変更、アカウント管理、運用手順の改善などを担当します。
運用・保守経験が中心のインフラエンジニアでも、これまでの経験を活かしやすい分野です。
ただし、常時監視や緊急対応が必要な案件は本業との両立が難しいことがあります。応募前に対応時間を確認しましょう。
技術相談・技術記事・教材作成
インフラの実務経験を活かして、技術相談や記事・教材制作に取り組む方法もあります。直接システムを構築する仕事に比べ、作業時間を調整しやすい場合があります。
「平日の日中には対応できない」という会社員の場合にも検討しやすい選択肢です。
インフラエンジニアが副業をするメリット
副業は収入を得ることだけが目的ではありません。本業とは異なる環境で経験を積めることが、インフラエンジニアにとって大きなメリットです。
本業以外の技術に触れられる
勤務先によって、使用できる技術は限られています。たとえば本業ではオンプレミス環境が中心でも、副業を通してクラウドに関わる機会を得られる場合があります。
実務経験の幅を広げることは、将来的なキャリア選択にも役立ちます。
自分の市場価値を確認できる
副業案件を探すことで、「自分の経験が外部でどの程度求められるか」を確認できます。どの経験が評価され、どのスキルが不足しているのかを把握する材料にもなります。
転職支援の現場でも、「今の会社では当たり前だと思っていた経験が、求人を見ると強みだと分かった」というケースがあります。
副業に限らず、社外の求人や案件を見ることは、自分の経験を客観視する機会になります。
キャリアの選択肢を増やせる
副業を通じてクラウドや自動化、技術支援などの経験を積めば、今後目指したい領域を考えやすくなります。
ただし、副業が唯一の方法ではありません。スキルが伸びない原因が自分にあるのか、現在の職場では経験する機会がないのかを切り分けることも重要です。
環境を変えれば本業で希望する経験を積める場合は、転職という選択肢もあります。
インフラエンジニアが副業で求められやすいスキル
副業では、依頼された仕事を一定範囲まで自分で進められることが重要です。そのため、基礎知識だけでなく実務で使った経験が評価材料になります。
| スキル | 副業で活かせる場面 |
| サーバー | 構築・設定・移行 |
| ネットワーク | 設計・設定・障害調査 |
| クラウド | クラウド環境の設計・構築 |
| セキュリティ | 権限管理・安全な構成設計 |
| 自動化 | インフラ構築や運用作業の効率化 |
| ドキュメント作成 | 設計書・手順書作成 |
| コミュニケーション | 要件確認・進捗共有 |
なかでも、副業では「何ができるか」を具体的に説明できることが重要です。
単に「インフラ経験5年」とするのではなく、次のように整理すると経験が伝わりやすくなります。
・担当した工程
・使用した技術
・サーバーや機器の規模
・担当した利用者や拠点の規模
・自分が担当した範囲
・改善した業務や自動化した作業
数値が分からない場合は無理に作らず、担当した役割を具体化しましょう。
インフラエンジニアが副業を始める5ステップ
副業を始める場合、いきなり多くの案件へ応募するのではなく、自分の経験と対応可能な範囲を整理することが大切です。
ステップ1|勤務先の副業ルールを確認する
最初に勤務先の就業規則や社内制度を確認します。
企業によっては届出や申請を求めている場合があります。
厚生労働省の副業・兼業に関する資料でも、就業規則、労働時間管理、健康管理などが副業・兼業に関わるポイントとして整理されています。
出典:厚生労働省「副業・兼業」「副業・兼業と労働条件」
なお、個別の労働契約や税務などの判断が必要な場合は専門家へ確認してください。私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。
ステップ2|自分のスキルを棚卸しする
次に、これまで扱ってきた技術を整理します。
「サーバー経験あり」のような大きな分類だけではなく、具体的な担当内容まで書き出しましょう。
たとえば、「設計は経験していないが、構築と運用は一人で対応できる」というように整理すると、自分が受けられる案件を判断しやすくなります。
ステップ3|副業に使える時間を決める
副業へ充てられる時間を明確にします。平日夜のみなのか、休日にも対応できるのかによって、選べる案件は変わります。
インフラ案件では緊急対応が発生する可能性もあるため、「常時連絡可能」のような条件を安易に受けないことが大切です。
ステップ4|小さな案件から経験を積む
初めて副業をする場合は、自分のスキルで対応できる範囲が明確な案件から始める方法があります。
本業で経験したことのない技術を、副業でいきなり一人で担当するのはリスクがあります。「学びたい技術」と「報酬を受け取って責任を持って提供できる技術」は分けて考えましょう。
ステップ5|実績を整理して次の案件につなげる
案件を終えたら、どのような課題に対して何を行ったかを整理します。
守秘義務に反しない範囲で、使用技術や担当範囲、改善内容などをまとめておけば、次回の案件探しに活かせます。
インフラエンジニアの副業案件を探す方法
副業案件を探す方法は一つではありません。主な探し方として、副業・業務委託案件を扱うサービス、知人からの紹介、過去の取引先とのつながりなどがあります。
大切なのは案件数だけで選ばず、自分の経験と稼働条件が一致しているか確認することです。
案件を見る際は、次の項目を確認しましょう。
- 業務内容が具体的に記載されている
- 自分が経験した技術で対応できる
- 稼働する曜日・時間が本業と重ならない
- 緊急対応の有無が分かる
- リモート・現地作業の条件が分かる
- 責任範囲が明確になっている
- セキュリティや情報管理のルールを確認できる
- 契約条件を確認している
特にインフラ分野では、システム停止などの影響範囲が大きくなることがあります。
仕事内容だけでなく、障害発生時の連絡体制や担当範囲まで確認しましょう。
インフラエンジニアが副業するときの注意点
副業にはメリットがある一方、本業との両立や情報管理には注意が必要です。
本業の就業規則を確認する
勤務先によって、副業に関する社内ルールは異なります。
厚生労働省は副業・兼業を扱うモデル就業規則やガイドラインを公開していますが、個々の会社のルールを確認する必要があります。
出典:厚生労働省「副業・兼業」
本業と副業の情報を混在させない
インフラエンジニアはサーバー構成やネットワーク情報など、機密性の高い情報を扱うことがあります。本業で知った情報や資料を、副業で利用してはいけません。
端末やアカウントについても、本業と副業を明確に分けて管理することが重要です。
稼働時間を増やしすぎない
副業を始めた結果、休息時間が減り、本業へ影響が出てしまっては長期的に続けにくくなります。厚生労働省も、副業・兼業に関連する論点として労働時間や健康管理について案内しています。
出典:厚生労働省「副業・兼業と労働条件」
契約や税務を確認する
副業の契約形態によって、確認すべき事項は異なります。
契約、税金、社会保険など個別判断が必要な内容については、税務署、税理士、社会保険労務士、弁護士などの専門窓口へ確認してください。
私たちはキャリアの専門家であり、法律・税務の専門家ではありません。
インフラエンジニアの需要と年収から見る副業の活かし方
副業を考える際は、短期的な収入だけでなく、今後のキャリアにつながる経験かどうかを見ることも大切です。
IT人材全体の需要を見る参考として、経済産業省の調査では、2030年にIT人材が最大約79万人不足する可能性が示されています。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
また、関連するIT職種の参考として、厚生労働省のデータでは、基盤システムを担当するシステムエンジニアの平均年収は約684万円です。
| 指標 | 金額の目安 |
| システムエンジニア(基盤システム) | 約684万円 |
| 給与所得者全体 | 約478万円 |
※インフラエンジニアとは職務範囲が異なるため、関連IT職種の参考値です。
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」令和6年賃金構造基本統計調査に基づく
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
副業で経験を増やすことは一つの方法ですが、本業で構築・設計・クラウドなどへ担当範囲を広げる方法もあります。
IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちの相談現場でも、「副業をしないとスキルを伸ばせないと思っていたものの、転職先では本業として希望する技術を経験できた」という考え方があります。
副業を始める前に、現在の環境で経験を広げる方法、副業で補う方法、環境自体を変える方法の3つを比較してみましょう。
副業か転職か、今後のキャリアに迷っている方へ
これまでのインフラ経験と今後身につけたいスキルを整理し、市場価値を客観的に確認しながら選択肢を一緒に考えます。情報収集の一環としての相談でもかまいません。
インフラエンジニアの副業まとめ
インフラエンジニアの副業について、重要なポイントをまとめます。
・サーバー、ネットワーク、クラウドなど本業の経験を副業に活かせる
・クラウド構築、運用支援、技術相談など複数の選択肢がある
・案件選びでは技術だけでなく稼働時間や緊急対応の有無も確認する
・副業前に勤務先の就業規則や情報管理ルールを確認する
・スキルアップが目的なら、副業だけでなく本業の環境を変える方法も比較する
副業は、経験を広げるための一つの手段です。
「収入を増やしたい」「クラウド経験を積みたい」「将来独立したい」など、副業をする目的を先に明確にすると、自分に合った案件を選びやすくなります。
よくある質問(FAQ)
インフラエンジニアは未経験でも副業できますか?
完全未経験から、実際のインフラ環境を一人で構築する副業を受けるのは慎重に考える必要があります。まず本業や学習環境で基礎と実務経験を積み、自分で責任を持って対応できる範囲から案件を探しましょう。
インフラエンジニアは土日だけでも副業できますか?
土日だけで対応できる案件も考えられますが、案件ごとに条件は異なります。平日日中の打ち合わせや障害対応を求められる場合もあるため、応募前に稼働時間と連絡可能時間を確認しましょう。
インフラエンジニアの副業にはクラウド経験が必要ですか?
すべての副業でクラウド経験が必須というわけではありません。サーバー、ネットワーク、運用支援などの経験を活かせる仕事もあります。自分の実務経験に合った案件を選ぶことが重要です。
副業禁止の会社でもインフラエンジニアの副業はできますか?
勤務先の就業規則や労働契約を確認する必要があります。厚生労働省は副業・兼業に関するガイドラインを公開していますが、個別の契約上の判断については勤務先や専門家へ確認してください。
インフラエンジニアの副業は在宅でできますか?
クラウド環境の設定や技術支援など、オンラインで対応できる仕事はあります。一方、ネットワーク機器の設置など現地作業が必要な案件もあります。案件ごとに勤務場所を確認しましょう。
副業と転職はどちらがスキルアップしやすいですか?
目的によって異なります。現在の仕事を続けながら別の経験を積みたい場合は副業、本業そのものの担当領域を変えたい場合は転職が候補になります。「スキル不足なのか、経験機会のない環境なのか」を整理して判断しましょう。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。