QAエンジニアとは?IT系・機電系の違いをわかりやすく解説

QAエンジニアとは?IT系・機電系の違いをわかりやすく解説

「品質保証 QA」と検索したあなたは、QAと呼ばれる仕事が具体的に何を指すのか、業界によって違いがあるのか、気になっているのではないでしょうか。

QA(Quality Assurance/品質保証)という略称は、IT業界ではソフトウェアの品質を検証する仕事、機電業界では製品の品質を保証する仕事を指し、扱う対象や業務内容が大きく異なります。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、IT系QAと機電系QAの違いを観点別に詳しく解説します。

結論:違いを一言で

IT系QAは「ソフトウェアが仕様通りに動作するかを検証する仕事」、機電系QAは「製品(ハードウェア)が仕様・規格を満たしているかを保証する仕事」です。

どちらも「QA(品質保証)」という同じ略称が使われますが、対象がソフトウェアかハードウェアかによって、業務内容・必要スキルは大きく異なります。

相談現場でも、「QAエンジニアの求人に応募したら、想定していたIT系ではなく機電系の品質保証だった」という声を聞くことがあり、求人票の「QA」という表記だけで判断せず、対象業界の確認が重要になります。

違い【比較表】

観点IT系QA(ソフトウェア品質保証)機電系QA(製造業の品質保証)
対象ソフトウェア・アプリケーション製品(機械・電子機器など)
主な業務テスト設計・実施、バグ検出、テスト自動化検査基準策定、出荷前検査、不良分析、クレーム対応
検証方法テストケースの作成・実行、自動テストツールの活用実機測定、統計的検査手法、シミュレーション
関連規格ソフトウェアテストの標準(ISTQB等)ISO9001、業界別規格(IATF16949等)
求められる知識プログラミングの基礎知識、テスト技法機械工学・電気電子工学の基礎知識、統計的品質管理

①対象の違い

IT系QAは、ソフトウェア・アプリケーション・Webサービスなど、目に見えない「機能」が仕様通りに動作するかを検証します。

機電系QAは、実際に手で触れる「モノ」(自動車部品・産業機械・電子機器など)が仕様・規格を満たしているかを検証します。「動作を確認する」のか「モノを確認する」のかという対象の違いが、業務内容全体の違いの根本にあります。

この対象の違いは、日々の検証作業のスタイルにも直結します。IT系QAは何度でも同じ条件でテストを繰り返せるのに対し、機電系QAは個体差やばらつきを前提とした検証を行う必要があります。

②業務内容の違い

IT系QAの業務は、テストケースの作成、テストの実施、バグの検出・報告、テスト自動化の仕組み構築などが中心です。開発サイクルの中で、リリース前に繰り返しテストを行う場面が多くあります。

機電系QAの業務は、検査基準の策定、出荷前検査、不良分析、クレーム対応、サプライヤー品質管理など、製品のライフサイクル全体を通じた品質保証活動が中心です。

IT系QAは開発チームと密に連携しながら短いサイクルで検証を繰り返すのに対し、機電系QAは製品が市場に出た後のクレーム対応まで含めた、より長期的な視点での業務が多くなる傾向があります。

③検証方法・使用ツール・関連規格の違い

IT系QAでは、テストケースに基づいた手動テストや、自動テストツール(テストの実行を自動化する仕組み)を活用した検証が行われます。

関連する規格としては、ISTQB(国際的なソフトウェアテスト技術者資格の認定団体)が定めるテスト技法の標準などが参考にされることがあります。

機電系QAでは、オシロスコープや測定器を使った実機での測定、統計的な検査手法(抜き取り検査など)、シミュレーションソフトを用いた検証が行われます。

関連する規格としては、ISO9001(品質マネジメントシステム)や、自動車業界のIATF16949、医療機器業界のISO13485といった業界別規格が重視されます。

再現性の高いソフトウェアの検証と、部品ばらつきなど不確定要素を含むハードウェアの検証では、アプローチの発想自体が異なるとも言えます。

業界によって「品質」の定義や検証すべき項目が異なるため、参照する規格・基準も分野ごとに異なるという点は、両者を理解する上で重要な視点です。

④必要なスキルの違い

IT系QAには、プログラミングの基礎知識(特にテスト自動化ではスクリプト作成能力)、テスト技法(境界値分析、同値分割など)の理解が求められます。

機電系QAには、機械工学・電気電子工学の基礎知識、統計的品質管理の手法、実機での測定・分析スキルが求められます。

文系出身者がIT系QAにキャリアチェンジする例は比較的多く見られる一方、機電系QAでは理系の基礎知識が実務理解の土台になりやすいとされます。

⑤キャリアパス・年収の違い

IT系QAの経験は、テスト自動化エンジニアや、開発チーム内でのQAリード、プロダクトマネージャーといったキャリアパスにつながりやすい傾向があります。

機電系QAの経験は、生産技術や設計、サプライヤー管理、品質マネジメントの統括ポジションへのキャリアパスにつながりやすいとされます。

IT系・機電系どちらのQAが向いているか迷ったら

経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。

無料で相談する 

どっちがいい?向いている人

IT系QAが向いている人:ソフトウェアやシステムの動作に興味があり、論理的にテストケースを設計する作業を好む人

機電系QAが向いている人:実際のモノ・製品に触れることに関心があり、実機測定や統計的な分析作業を好む人

どちらが優れているというものではなく、「ソフトウェアか、ハードウェアか」という対象への興味の方向性によって適性は変わります。

相談の現場では、「求人票のQAという表記だけを見て応募したが、実際は自分の想定と違う分野だった」という声を聞くこともあり、応募前に対象業界(IT系か機電系か)を確認することが重要です。

「IT系QAか機電系QAか」に迷っている場合、それが「対象への興味の方向性(ソフトウェアかハードウェアか)」の問題か、「今の環境でどちらの経験も積む機会がない」という職場環境の問題かを切り分けて考えることが大切です。

前者であれば、実際に両方の業務内容を調べたり、体験談を聞いたりすることで方向性を明確にすることが有効です。後者であれば、興味のある分野に携われる企業への転職も選択肢になります。

未経験はどちらから目指すべき?

未経験からQAへのキャリアチェンジを目指す場合、志望する業界によって学ぶべき内容が大きく異なります。

IT業界を志望するならプログラミングの基礎知識やテスト技法の学習から、機電業界を志望するなら機械・電気電子工学の基礎知識や品質管理の統計的手法の学習から始める方法が一つの目安になります。

私たちが選考支援を行う中では、「QA」という職種名だけで検討するのではなく、まず志望する業界(IT系か機電系か)を先に決めることが、効率的な学習・転職活動の第一歩になるという傾向があります。

QA間でのキャリアチェンジは可能か

IT系QAから機電系QAへ、あるいはその逆方向へのキャリアチェンジについては、「品質を検証する」という考え方の基礎(テストケース的な発想、統計的な視点など)は共通して活かせる部分がある一方、対象分野の専門知識(ソフトウェアかハードウェアか)は学び直しが必要になるとされます。

完全にゼロからの転換にはならないものの、相応の学習期間を見込んでおくことが望ましいとされます。

今の分野から別のQA領域へのキャリアチェンジを考えている方へ

まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。今の悩みの相談だけでもかまいません。

無料で相談する 

まとめ

・QA(品質保証)はIT系・機電系どちらの業界でも使われる略称だが、対象(ソフトウェアかハードウェアか)によって仕事内容は大きく異なる

・業務内容・検証方法・関連規格・必要スキル・キャリアパス・年収など、複数の観点で両者は異なる

・IT系QAはテスト設計・実施が中心、機電系QAは検査・分析・クレーム対応など製品ライフサイクル全体への関与が中心

・未経験の場合、「QA」という名称だけでなく、志望する業界(IT系か機電系か)を先に決めることが重要

・キャリアチェンジは可能だが、対象分野の専門知識の学び直しが必要になる

よくある質問

「QA」はIT系・機電系どちらの略称ですか?

どちらの業界でも「Quality Assurance(品質保証)」の略称として使われますが、対象(ソフトウェアかハードウェアか)が異なります。

QAエンジニアの求人はIT系・機電系のどちらが多いですか?

当メディアで確認できる業界別の求人数の統計データは現時点でないため、志望する業界の求人動向を個別に確認することをおすすめします。

IT系QAから機電系QA(またはその逆)への転職はできますか?

可能とされますが、対象分野の専門知識の学び直しが必要になるため、相応の学習期間を見込んでおくことが望ましいとされます。

未経験からQAを目指す場合、何から始めればいいですか?

「QA」という職種名で検討する前に、志望する業界(IT系か機電系か)を先に決め、それぞれに必要な基礎知識の学習から始めることがおすすめです。

求人票の「QA」という表記だけで業界を判断できますか?

判断が難しい場合があるため、求人票内の会社概要や事業内容、募集要項の詳細を確認し、対象がソフトウェアかハードウェアかを見極めることが重要です。

IT系QAと機電系QA、年収はどちらが高いですか?

QA固有の年収を直接比較できる統計は確認できていません。求人ごとの条件確認をおすすめします。

この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大

立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。