基板設計の年収はどのくらい?年収を左右する要素と上げる方法を解説

基板設計の年収はどのくらい?年収を左右する要素と上げる方法を解説

「基板設計 年収」と検索したあなたは、「今の年収は基板設計者として妥当なのか」「経験を積めば年収は上がっていくのか」と気になっているのではないでしょうか。

結論として、基板設計の年収は、経験年数よりも「担当する技術領域」と「担当範囲」によって大きく差がつきます。高速信号や高周波、ノイズ対策などの難しい設計を担当できる方や、回路設計から基板設計まで一貫して担当できる方ほど、年収が高くなりやすい傾向があります。 一方で、作図中心の業務にとどまると、経験年数を重ねても年収が伸びにくいのが実情です。

この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、基板設計の仕事内容、年収の目安と統計の見方、年収を左右する5つの要素、需要と将来性、年収を上げる方法と転職のポイントを解説します。

基板設計とは

基板設計とは、電子機器の中に入るプリント基板(電子部品を載せて配線する板)の、部品の配置や配線のパターンを設計する仕事です。回路設計者が作った回路図をもとに、部品をどこに置き、どの経路で配線するかを決め、製造用のデータを作成します。

基板設計は、回路が設計どおりに動くかどうかを、物理的な形で実現する重要な工程です。 配線の長さや部品の位置ひとつで、ノイズや発熱、信号の乱れが起きるため、高度な知識と経験が求められます。

回路設計との違い

基板設計と回路設計は、同じ電子機器の開発に関わりますが、担当する工程が異なります。

観点回路設計基板設計
主な役割機能を実現する電子回路を考える回路を基板上の部品配置と配線に落とし込む
主な成果物回路図、部品表部品配置図、配線パターン、製造用データ
重視される知識電子回路、部品の特性、動作原理配線のルール、ノイズ対策、製造上の制約
主に使う道具回路設計用のキャド、シミュレーター基板設計用のキャド、解析ソフト

会社によっては、回路設計者が基板設計まで担当する場合もあれば、基板設計を専門の部署や設計会社に任せる場合もあります。

基板設計の年収はどのくらい?

年収の目安と統計の見方

基板設計の年収を知るうえで注意したいのは、公的な統計では「基板設計」だけを切り出した区分がほとんどないことです。そのため、電気・電子系の技術者など、近い職業区分の統計を参考にするのが一般的です。

具体的な金額は、公開時に最新の統計や求人データで確認してください。

年収に幅が出やすい職種

基板設計は、同じ職種名でも年収に大きな幅が出やすい職種です。作図や配線の修正が中心の業務と、高速信号や高周波を扱う難しい設計とでは、求められる技術が大きく異なるためです。

私たちのもとには、「基板設計を5年以上続けているが、年収がほとんど上がらない」というご相談が寄せられることがあります。お話を伺うと、担当範囲が配線の修正や作図に限られていたり、評価制度が技術の難しさを反映していなかったりするケースが少なくありません。

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基板設計の年収を左右する5つの要素

基板設計の年収は、主に次の5つの要素で決まります。

要素年収が高くなりやすい傾向年収が伸びにくい傾向
1. 技術領域高速信号、高周波、電源、多層基板などの難しい設計単純な配線の作図が中心
2. 担当範囲回路設計から基板設計、評価まで一貫して担当指示された配線の修正だけを担当
3. 業界・製品車載、医療、通信、半導体関連など品質要求の高い分野価格競争の激しい製品が中心
4. 企業の立場製品を開発するメーカー設計の一部だけを請け負う立場
5. 経験と役割設計リーダー、後輩の指導、顧客との技術折衝経験年数が長くても役割が変わらない

1. 技術領域

高速で信号をやり取りする回路や、無線通信で使う高周波の回路、大きな電流を扱う電源回路などは、配線の長さや形が性能に直結します。こうした難しい設計を任せられる基板設計者は人数が限られるため、年収が高くなりやすい傾向があります。

2. 担当範囲

配線の作図だけでなく、回路設計者と一緒に部品配置を検討したり、試作品の評価で問題を解決したりできると、評価が高まります。回路設計の知識を持つ基板設計者は、転職市場でも重宝されます。

3. 業界・製品

車載機器や医療機器、通信機器などは、品質や安全性への要求が高く、設計の難易度も上がります。その分、経験者の採用ニーズが高く、条件面でも評価されやすい傾向があります。

4. 企業の立場

製品を開発するメーカーで働くか、設計を請け負う会社で働くかによっても年収の傾向は異なります。ただし、請負の会社でも、難しい案件を多く経験できる場合は、スキルを高めるうえで有利になることがあります。

5. 経験と役割

経験年数が長くても、担当する役割が変わらなければ年収は伸びにくくなります。設計リーダーや後輩の指導、顧客との技術的な打合せなど、役割を広げることが年収アップにつながります。

年代別・立場別の年収の傾向

基板設計の年収は、年代や立場によって次のような傾向があります。具体的な金額は、統計や求人データで確認してください。

  • 20代:作図や配線の補助から経験を積む時期で、年収は経験とともに少しずつ上がっていく
  • 30代:一人で基板を設計できるようになり、担当する技術領域によって年収の差が広がりやすい
  • 40代以降:設計リーダーや技術の専門家として、役割に応じて年収が大きく変わる

30代は、技術領域と担当範囲の選び方で、その後の年収の伸び方が分かれやすい時期です。今の担当業務が、将来の年収につながる経験になっているかを見直してみましょう。

基板設計の需要と将来性

電子機器は、自動車、医療、通信、産業機器、家電など、あらゆる分野で使われています。電子機器がある限り基板は必要なため、基板設計の仕事がなくなる可能性は低いと考えられます。

機電系エンジニアは、ものづくりの現場で幅広く必要とされています。参考として、全職業の有効求人倍率は1.12倍です。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)

特に、電気自動車や運転支援、通信の高速化、産業機器の自動化などの分野では、高速信号や電源、ノイズ対策の知識を持つ基板設計者の需要が高まっています。一方で、設計ソフトの自動配線機能の進化により、単純な配線作業は効率化が進んでいます。

今後は、自動化しにくい難しい設計や、回路と基板の両方を理解した設計ができる人材の価値が、さらに高まると考えられます。

基板設計で年収を上げる6つの方法

基板設計で年収を上げるための方法を6つ紹介します。

1. 高速信号・高周波の設計を経験する

高速で信号をやり取りする回路や、高周波の回路の設計経験は、年収アップに直結しやすいスキルです。配線の長さや形、基板の層の構成が信号に与える影響を学び、実務で経験を積みましょう。

2. ノイズ対策・電磁両立性の知識を身につける

電磁両立性とは、機器が周囲に電磁的な悪影響を与えず、周囲からの影響を受けても正常に動く性質のことです。製品の規格適合に欠かせない知識で、対策の経験がある基板設計者は高く評価されます。

3. 回路設計まで担当範囲を広げる

回路設計の知識を身につけ、回路と基板の両方を担当できるようになると、設計の上流から関われるようになり、評価が高まります。

4. 解析ソフトを使いこなす

信号の品質や電源の安定性、発熱などを解析するソフトを使いこなせると、試作前に問題を見つけられる設計者として評価されます。

5. 資格で知識を示す

基板設計に関係する資格として、技能検定の「プリント配線板製造」(設計作業)などがあります。資格は年収に直結するとは限りませんが、知識を客観的に示す材料になります。

6. 評価される環境へ移る

同じスキルでも、評価制度や担当できる案件によって年収は変わります。今の職場で年収が上がる見込みが低い場合は、スキルを正しく評価してくれる職場へ移ることも選択肢です。

基板設計の経験は、正しく評価されていますか

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年収アップを狙う転職のポイント

職務経歴書で技術の難しさを伝える

基板設計の経験を正しく評価してもらうには、職務経歴書で技術の難しさを具体的に伝えることが大切です。次のような項目を書きましょう。

  • 担当した製品と業界
  • 基板の層数や部品点数などの規模
  • 扱った信号の種類(高速信号、高周波、電源など)
  • 担当した工程(部品配置、配線、解析、評価、回路設計)
  • 成果(試作回数の削減、ノイズ問題の解決、設計期間の短縮など)

たとえば「○層の基板で高速信号の配線を担当し、試作回数を○回から○回に減らした」のように、数字を入れると評価されやすくなります。

年収が上がらない原因を切り分ける

年収アップを目指して転職を考える前に、年収が上がらない原因が基板設計という職種そのものにあるのか、今の職場環境にあるのかを切り分けることが大切です。

技術領域や担当範囲が限られていることが原因なら、同じ基板設計の仕事を、難しい案件を扱える会社や、回路設計まで担当できる会社で続けることで、年収アップを目指せます。一方で、評価制度が技術の難しさを反映していない場合は、自分の努力だけでは年収が上がりにくいため、評価の仕組みが整った職場へ移ることが選択肢になります。

私たちが求人企業と話していると、「高速信号やノイズ対策の経験がある基板設計者を探しているが、なかなか見つからない」という声をよく聞きます。こうした経験を持つ方は、自分では当たり前だと思っていても、市場では高く評価されることがあります。

私たちは機電系に特化し、回路・電気電子の領域で、労働条件・労働環境を独自に審査した求人のみをご紹介しています。リモートと組み合わせて働ける設計職のご相談もお受けしています。

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まとめ

  • 基板設計は、回路を基板上の部品配置と配線に落とし込む仕事で、高度な知識と経験が求められる
  • 公的な統計には基板設計だけの区分がほとんどなく、近い職業区分の統計や求人データを参考にする
  • 年収は「技術領域」「担当範囲」「業界・製品」「企業の立場」「経験と役割」の5つの要素で差がつく
  • 高速信号・高周波・ノイズ対策・回路設計・解析のスキルが年収アップにつながりやすい
  • 年収が上がらない原因が評価制度など環境にあるなら、正しく評価される職場へ移るのも一つの選択肢

よくある質問

基板設計の年収は低いのですか?

一概に低いとはいえません。作図や配線の修正が中心の業務では年収が伸びにくい傾向がありますが、高速信号や高周波、ノイズ対策などの難しい設計を担当できる方は、高い年収を得やすい傾向があります。担当する技術領域と範囲によって大きく差がつく職種です。

基板設計と回路設計はどちらが年収が高いですか?

どちらが高いと一概に言えるデータは確認できていません。会社や担当範囲によって異なりますが、回路設計と基板設計の両方を担当できる方は、設計の上流から関われるため評価されやすい傾向があります。片方だけでなく、両方の知識を持つことが年収アップの近道です。

基板設計で年収を上げるにはどんなスキルが必要ですか?

高速信号や高周波の設計、ノイズ対策・電磁両立性の知識、電源回路の設計、解析ソフトの活用などが年収アップにつながりやすいスキルです。あわせて、回路設計の知識を身につけて担当範囲を広げると、さらに評価が高まります。

基板設計の仕事は自動化でなくなりますか?

設計ソフトの自動配線機能により、単純な配線作業は効率化が進んでいます。一方で、高速信号やノイズ対策など、配線の形が性能に直結する難しい設計は、経験を積んだ設計者の判断が欠かせません。自動化しにくい技術を身につけることが大切です。

未経験から基板設計の仕事に就けますか?

就ける可能性はあります。電気・電子の基礎知識があれば、作図や配線の補助から経験を積める求人もあります。基板設計用のキャドの操作や、回路図の読み方を学んでおくと、採用の可能性が高まります。入社後に技術領域を広げられる職場を選ぶことが大切です。

基板設計の年収やキャリアの広げ方は、担当する技術や職場によって大きく変わります。機電系の職種研究やキャリアの考え方に役立つ情報をLINEで配信していますので、まずは情報を受け取るところから始めてみてください。

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この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大

立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。