「女性が機械設計の仕事を続けるのは大変なのだろうか」「職場に女性が少なく、この先も働き続けられるか不安」と感じて検索した方も多いのではないでしょうか。
機械設計は、性別に関係なく専門性を身につけて活躍できる仕事です。女性が大変だと感じる場面はたしかにありますが、その多くは仕事そのものよりも、職場の体制や制度に原因があります。そのため、働きやすさは職場選びによって大きく変わります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、女性の機械設計が大変と言われる理由、データで見る実態、働きやすい職場の見極め方、長く続けるための選択肢を解説します。
結論:女性も機械設計で活躍できる。課題の多くは職場の環境にある
女性と機械設計について、要点をまとめると次のとおりです。
・機械設計の仕事に、性別による向き不向きはない
・職場で女性が少ないことで、相談しにくさや孤立感を感じる場面がある
・出産・育児などと仕事を両立できるかは、職場の制度と運用によって大きく変わる
・大変さの原因が仕事の内容か職場の環境かを切り分けると、取るべき行動がはっきりする
・働きやすい職場を選ぶには、制度があるかだけでなく、実際に使われているかを確認する
不安を感じるのは自然なことです。一方で、職場によって状況は大きく異なることを知っておくと、選択肢を前向きに考えやすくなります。
女性の機械設計は大変と言われる7つの理由
女性が機械設計の仕事で大変さを感じる背景には、いくつかの理由があります。現場で実際に起きている課題として、一つずつ見ていきます。
1. 職場で女性が少なく、相談しにくい
機械設計の部署では、女性が少数の職場も少なくありません。同じ立場の人が近くにいないと、仕事の悩みや生活との両立について気軽に相談しにくく、孤立感を抱えやすくなります。
2. 身近にお手本となる先輩が少ない
出産や育児を経て設計を続けている先輩や、管理職として活躍している女性が身近にいないと、自分の将来の働き方を描きにくくなります。
3. 出産・育児などとの両立が難しい場合がある
機械設計は、納期や試作の日程に合わせて忙しくなる時期があります。短時間勤務や急な休みに対応できる体制がない職場では、生活との両立が難しく感じられることがあります。
4. 現場の立ち会いや出張がある
試作品の確認や設備の据え付けなどで、工場や顧客先に立ち会う機会があります。出張や早朝・夜間の対応が多い職場では、生活の予定との調整が負担になる場合があります。
5. 工場の設備が十分に整っていない職場がある
工場や試作の現場によっては、女性用の更衣室や休憩の場所が十分でないことがあります。日々の小さな不便が積み重なり、働きにくさにつながるケースもあります。
6. 役割を決めつけられることがある
職場によっては、本人の意欲や力とは関係なく、補助的な仕事ばかりを任されたり、責任ある仕事から外されたりすることがあります。こうした扱いは、経験を積む機会を失うことにつながります。
7. 休業後に担当が変わることがある
出産や育児で休業したあと、以前と同じ設計の仕事に戻れず、担当が変わるケースもあります。復帰後の働き方が見えないことが、将来への不安につながります。
相談の場では、「部署で女性が自分一人で、両立の悩みを誰に相談すればよいか分からない」「育児休業から戻ったら、設計ではなく図面の修正だけを任されるようになった」という声を聞くことがあります。どちらも、本人の力の問題ではなく、職場の体制によって生まれている悩みです。
同じような悩みを抱えている方は少なくありません。同じ悩みから環境を変えた方の事例や、機電系の求人の傾向をLINEでもお届けしています。情報を受け取るだけでも気軽にご利用ください。
データで見る実態|女性の割合・年収・需要
女性と機械設計の実態を、データでも確認してみましょう。ただし、機械設計に限った統計は、信頼できる数値を確認したうえで掲載します。
| 指標 | 数値(目安) |
| 有効求人倍率(職業計) | 1.12倍 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
有効求人倍率の1.12倍は全職業を対象とした指標で、機械設計に限った数値ではありません。
求人の傾向として、私たちが見ている機電系の求人では、育児との両立を支える制度や、リモートワークの可否を明記した求人も見られます。機電系では経験者の確保が課題となっている企業も多く、働き方を整えて人材を確保しようとする動きもあります。ただし、制度の内容や使いやすさは企業によって大きく異なるため、個別に確認することが大切です。
働きやすさを左右する職場の違い
女性が機械設計で働きやすいかどうかは、職場の体制や制度によって大きく変わります。次の表で、確認したいポイントを整理します。
| 観点 | 働きやすい傾向がある職場 | 確認の方法 |
| 制度 | 短時間勤務や休業の制度があり、実際に使われている | 制度の利用の実績を面接で聞く |
| 体制 | 複数人で担当し、急な休みでも仕事を引き継げる | 一つの製品の担当人数を聞く |
| 働き方 | リモートワークや時差出勤ができる | 求人票と面接で運用の実態を聞く |
| 評価 | 仕事の成果で評価し、休業後も担当に戻れる | 休業から復帰した人の働き方を聞く |
| 職場の構成 | 女性の設計者や管理職がいる | 部署の構成や先輩社員の様子を聞く |
| 設備 | 現場に更衣室や休憩の場所が整っている | 職場の見学ができるか相談する |
大切なのは、制度が「ある」ことよりも、実際に「使われている」ことです。制度が整っていても、使いにくい雰囲気の職場では、実際の働きやすさにつながりません。
女性が機械設計で働くメリット・やりがい
機械設計の仕事には、性別に関係なく得られるメリットとやりがいがあります。長く働き続けるうえで、知っておきたい点を紹介します。
・専門性が身につき、経験を積むほど評価されやすい
・図面や設計の成果で、仕事の力を示しやすい
・自分の設計した製品が形になり、世の中で使われる
・設計の作業の一部は、リモートワークに対応できる職場もある
・経験を活かして、品質保証や技術営業など別の職種にも進める
また、製品を使う人はさまざまです。設計の部署に多様な経歴や視点を持つ人がいることは、使う人の立場に立った製品づくりにもつながります。
大変さを感じたときの3つの選択肢
機械設計の仕事で大変さを感じたときに考えられる選択肢は、主に次の3つです。
1. 今の職場で改善を求める
上司や人事に、仕事の分担や働き方について相談します。短時間勤務の利用や、担当の見直しなど、相談することで働きやすくなる場合もあります。社内に女性の社員が集まる場や、相談の窓口があれば、活用してみましょう。
2. 同じ機械設計で、環境を変える転職をする
設計の仕事は続けたいものの、今の職場の体制や雰囲気が原因で働きにくい場合は、同じ機械設計で働きやすい企業に移る選択肢があります。制度が実際に使われている企業や、複数人で担当を分け合う体制の企業を選ぶことで、働き方が大きく変わることがあります。
3. 機械の知識を活かしてキャリアを変える
設計の仕事の進め方そのものが合わないと感じる場合は、品質保証や技術営業、設計の管理など、機械の知識を活かせる別の職種を検討することもできます。
原因は仕事の内容か、職場の環境かを切り分ける
どの選択肢を選ぶかを決める前に、大変さの原因を整理しましょう。大変さの原因が「機械設計の仕事そのもの」にあるのか、「今の職場の体制や雰囲気」にあるのかを切り分けることが大切です。設計の仕事にやりがいを感じているなら、職場を変えることで続けやすくなる可能性があります。仕事の内容そのものが合わないと感じるなら、職種を変えることを考えてみてください。
制度の利用や職場での扱いに不安がある場合
出産・育児に関する休業や短時間勤務の制度は、法律で定められているものがあるとされます。また、性別を理由とした不利益な扱いや、職場での嫌がらせを防ぐための決まりもあるとされます。私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。制度を利用できない、不利益な扱いを受けたなどの不安がある場合は、都道府県の労働局や労働基準監督署の相談窓口、弁護士、社会保険労務士などの専門家に相談してください。
働きやすい機械設計の職場の見極め方
働きやすい職場を選ぶには、求人票の情報と、面接での確認を組み合わせることが大切です。
求人票で確認したいこと
・□ 短時間勤務や休業の制度が書かれている
・□ リモートワークや時差出勤の制度がある
・□ 月平均の残業時間が書かれている
・□ 出張や現場への立ち会いの頻度が分かる
・□ 設計の部署の人数や、担当の分け方が分かる
面接で使える質問の例
・「設計の部署で、短時間勤務や休業の制度を使っている方はいますか?」
・「休業から復帰した方は、どのような仕事を担当されていますか?」
・「一つの製品を何人で担当していますか?」
・「出張や現場への立ち会いは、月にどのくらいありますか?」
制度について質問しにくいと感じる方もいるでしょう。その場合は、転職エージェントを通じて確認することもできます。私たちは労働条件や労働環境を独自に審査した求人のみを紹介しており、リモートワークができる機電系の求人も扱っています。
長く働き続けられる職場について、一緒に考えてみませんか
働きやすさは、求人票だけでは分かりにくいこともあります。経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアや今後の働き方の希望を丁寧にヒアリングし、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
未経験やブランクから機械設計を目指すには
未経験から、または出産・育児などでブランクがある状態から機械設計を目指すこともできます。次の流れで準備を進めましょう。
- 機械設計の仕事内容を知る:構想設計、詳細設計、製図など、仕事の種類と流れを調べる
- 基礎を学び直す:製図の決まりや、CAD(コンピューターで図面を作るソフト)の基本操作を学ぶ
- 希望の働き方を整理する:勤務時間、勤務地、リモートワークの希望など、優先したい条件を決める
- 求人を探して比べる:研修のある企業や、働き方の制度が整った企業の求人を比べる
- 応募の準備をする:学んでいること、これまでの経験を設計にどう活かせるかを伝えられるようにする
ブランクがある場合は、休んでいた期間に学んだことや、これまでの経験を具体的に伝えると、意欲が伝わりやすくなります。たとえば「以前は○○製品の詳細設計を○年担当していた。現在は3次元CADの操作を学び直している」のように、経験と今の取り組みを合わせて伝えましょう。
機械設計の経験を活かせるキャリア
機械設計の経験は、設計以外の仕事でも活かせます。生活の変化に合わせて働き方を変えたいときの選択肢として、知っておくとよいでしょう。
・品質保証:設計の知識を活かし、製品の信頼性を確認する
・生産技術:製造の工程や設備を考え、作りやすさを高める
・技術営業:技術の知識を活かし、顧客に合わせた提案をする
・設計の管理職:設計の日程や人員を管理し、チームの働き方を整える
・製造業の社内システム担当:設計のデータや図面の管理の仕組みを整える
どの職種も、職場によって働き方は異なります。職種を変えれば必ず働きやすくなるわけではないため、仕事内容と働き方の両方を確認して選びましょう。
これからの働き方を、一人で悩まずに考えてみませんか
転職するかどうか決めていない段階でも、今の悩みの相談だけでもかまいません。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。初回の面談はWebや電話で20分ほどです。
まとめ
・機械設計の仕事に性別による向き不向きはなく、女性も専門性を身につけて活躍できる
・大変と言われる理由の多くは、少数派であることや両立の体制など、職場の環境にある
・働きやすさは職場によって大きく異なり、制度が実際に使われているかが重要
・大変さの原因が仕事の内容か職場の環境かを切り分け、改善、環境を変える転職、キャリアの変更から選ぶ
・求人票と面接で、制度の利用の実績や担当の体制を確認すると、働きやすい職場を選びやすい
よくある質問
女性でも機械設計の仕事に就けますか?
就けます。機械設計の仕事に性別による向き不向きはなく、必要なのは製図や機械の知識、設計の経験です。職場によって女性の割合や働きやすさは異なるため、求人を選ぶ際は、制度や担当の体制、女性の設計者がいるかなどを確認するとよいでしょう。
女性の機械設計は体力的にきついですか?
設計の仕事の中心は、図面や立体の形を作るデスクでの作業です。試作や現場への立ち会いがある職場もありますが、頻度は職場によって異なります。体力面が不安な場合は、応募前に現場の作業や出張の頻度を確認しておくと安心です。
出産や育児をしながら機械設計を続けられますか?
続けている方もいます。ただし、続けやすさは職場の制度と運用によって大きく変わります。短時間勤務やリモートワークの制度が実際に使われているか、急な休みでも仕事を引き継げる体制があるかを確認することが大切です。
職場に女性が少なく、相談相手がいません。どうすればよいですか?
社内に女性の社員が集まる場や相談の窓口があれば、活用してみましょう。社外の勉強会や、同じ職種の人が集まる場に参加するのも一つの方法です。職場の体制に課題がある場合は、女性の設計者が活躍している企業への転職を考えることもできます。
文系の女性でも機械設計を目指せますか?
目指すことはできます。工学の基礎知識がない分、製図やCADを事前に学んでおくと、選考で意欲を伝えやすくなります。研修のある企業や、設計補助の仕事から始めるルートもあります。性別や出身の学部よりも、学ぶ姿勢が重視される傾向があります。
機械設計の仕事はAIでなくなりますか?
すぐになくなるとは考えにくいです。設計の作業の一部をAIが手伝う場面は増えていますが、製品の目的に合わせて形を考え、関係者と調整して判断するのは人の役割です。基礎の知識を身につけておくことが、変化に対応する力になります。
働き方に悩みながら機械設計を続けている方に向けて、環境を変えた方の事例や、機電系の求人の傾向をLINEで配信しています。転職を決めていない方も、気になったときに読んでいただけます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
