「メーカー転職」と検索したあなたは、「今の経験を活かして転職できるのか」「メーカーに転職すると年収や働き方はどう変わるのか」と悩んでいるのではないでしょうか。
メーカー転職では、これまでの経験を活かせる職種や業界を見極め、条件だけでなく仕事内容や職場環境まで比較することが重要です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、メーカー転職のメリット・デメリットから企業選び、選考対策、転職活動の進め方まで解説します。
メーカー転職とは?
メーカー転職とは、製品や部品などの企画・設計・製造・販売を行う企業へ転職することです。メーカーには自動車、電機、機械、半導体、化学、食品などさまざまな業界があり、企業によって仕事内容も大きく異なります。
特にエンジニアの場合、以下のような職種があります。
・機械設計
・回路設計
・制御設計
・生産技術
・品質管理
・品質保証
・設備保全
・製品開発
・研究開発
・半導体関連職
そのため、「メーカーで働きたい」という希望だけで求人を探すのではなく、どの製品・工程・職種で経験を活かしたいのかを明確にすることが重要です。
メーカー転職のメリット7選
メーカーへの転職には、仕事内容やキャリア、働き方などさまざまなメリットがあります。
1. 製品に長期的に関われる
メーカーでは、自社製品や自社が関わる製品に継続して携わるケースがあります。
設計から試作、量産、改善まで、製品のライフサイクルに関われることもあります。
そのため、「自分が関わった製品が世の中で使われることにやりがいを感じたい」という人には魅力的な環境です。
2. 上流工程に携われる可能性がある
メーカーの技術職では、仕様検討や製品企画、設計などの上流工程に携われる求人があります。特に設計経験がある場合、単純な作業だけでなく、製品そのものを考える仕事へキャリアを広げられる可能性があります。ただし、企業や部署によって担当範囲は異なるため、求人票だけでなく実際の業務内容を確認しましょう。
3. 専門性をさらに高められる
メーカーでは特定の製品や技術領域に長期間関わるケースがあります。
例えば機械設計なら、
・筐体設計
・機構設計
・樹脂設計
・金型設計
・生産設備設計
など、特定領域の専門性を深められます。
これまでの経験と転職先の技術領域が近ければ、即戦力として評価される可能性もあります。
4. 技術者としてのキャリアを築きやすい
メーカーには技術職として経験を積みながら、リーダーやマネージャーを目指すキャリアがあります。
一方で、専門職として技術を極める方向を用意している企業もあります。
そのため、転職前に「管理職を目指すのか」「技術のスペシャリストを目指すのか」を考えておくと、企業選びがしやすくなります。
5. 業界経験を活かして転職できる
同じメーカーでも、自動車、産業機械、電子部品、半導体などで必要な知識は異なります。
しかし、設計や生産技術、品質管理などの職種経験は、近い業界への転職で活かせる場合があります。「メーカーからメーカー」だけでなく、職種の専門性を軸にして転職先を探すことも重要です。
6. 働き方を見直せる可能性がある
転職によって勤務地、残業、休日、リモートワークの可否などの条件を見直せる場合があります。
ただし、メーカーだから働きやすいとは限りません。同じ職種でも、企業や工場、部署によって勤務条件は大きく異なります。
7. 年収アップを狙える場合がある
転職によって年収が上がるケースもありますが、すべての人に当てはまるわけではありません。
年収は経験年数だけでなく、職種、専門性、役職、企業規模、業界などによって変わります。
そのため、「現在の年収より高い求人」という条件だけではなく、自分の経験がどの程度評価されるかを確認することが大切です。
メーカー転職のデメリット5選
メーカー転職にはメリットだけでなく、注意すべき点もあります。
1. 転職先によって仕事内容が大きく違う
同じ「機械設計」でも、企業によって担当する工程が異なります。
ある企業では仕様検討から携われても、別の企業では図面作成が中心ということもあります。求人票の職種名だけで判断せず、実際の担当業務を確認しましょう。
2. 転勤や勤務地の変更がある場合がある
メーカーでは本社だけでなく、工場や研究開発拠点など複数の勤務地を持つ企業があります。
そのため、求人を見る際は、
・勤務地
・転勤の可能性
・出張の有無
・工場勤務の有無
などを確認することが重要です。
3. 独自の製品知識が必要になる
メーカーでは企業独自の製品や技術を扱うことがあります。
そのため、入社後に新しい知識を学ぶ必要が出てくるケースがあります。
ただし、業界未経験でも技術職としての基礎経験を評価する求人もあるため、経験のすべてが無駄になるわけではありません。
4. 希望する職種に必ず転職できるとは限らない
「設計職で転職したい」と考えていても、経験年数や担当工程によって応募できる求人が変わります。特に未経験職種への転職では、これまでの経験との接点をどのように説明するかが重要です。
5. 大手メーカーだけに絞ると選択肢が狭くなる
メーカー転職では、大手企業だけを見る必要はありません。中堅企業や専門メーカーには、特定分野で高い技術力を持つ企業もあります。
知名度だけで判断せず、仕事内容や技術領域、待遇、キャリアパスまで比較しましょう。
メーカー転職で失敗しない7つのポイント
メーカーへの転職を成功させるには、求人を比較するときの基準を持っておくことが重要です。
1. 職種を明確にする
まずは「メーカー」という業界ではなく、どの職種で働きたいのかを決めます。
例えば、
・機械設計
・回路設計
・生産技術
・品質保証
・設備保全
では、必要な経験が異なります。
「メーカーに転職したい」から一歩進んで、「メーカーで何をしたいのか」を考えましょう。
2. 担当工程を確認する
同じ職種でも、担当工程によって仕事内容は大きく変わります。
| 職種 | 確認したい工程・業務 |
| 機械設計 | 仕様検討・構想・詳細設計・評価 |
| 回路設計 | 仕様検討・回路設計・評価・量産 |
| 生産技術 | 工程設計・設備導入・改善 |
| 品質保証 | 品質管理・不具合対応・監査 |
| 設備保全 | 点検・修理・予防保全・改善 |
特に「設計経験あり」というだけでは仕事内容を判断できません。
面接前に、自分の経験と求人の担当工程がどこまで一致しているか確認しましょう。
3. 年収だけで企業を決めない
年収は重要な条件ですが、転職後の満足度を左右するのは年収だけではありません。
以下の条件も比較しましょう。
・仕事内容
・勤務地
・残業時間
・休日
・転勤
・評価制度
・福利厚生
・キャリアパス
年収が高くても、希望していた仕事内容と違えば、転職後にミスマッチを感じる可能性があります。
4. 自分の経験を棚卸しする
メーカー転職では、これまで担当した業務を具体的に整理しておくことが重要です。
例えば機械設計なら、
・使用したCAD
・設計対象
・担当工程
・顧客との折衝経験
・試作・評価経験
・量産化経験
・改善経験
などを整理します。
単に「機械設計を5年経験しました」ではなく、「何を、どのように担当したのか」まで説明できる状態にしましょう。
5. 転職理由を前向きに整理する
「今の会社が嫌だから」という理由だけでは、採用担当者に転職後の活躍イメージを持ってもらいにくくなります。
例えば、「現在は詳細設計を中心に担当しています。今後は仕様検討など上流工程にも関わりたいと考え、転職を検討しています」というように、現在の経験と転職後に実現したいことをつなげることがポイントです。
6. 求人票にない情報も確認する
求人票だけでは、職場の実態まで判断できないことがあります。
例えば、
・配属予定部署の人数
・一人あたりの担当範囲
・中途入社者の割合
・教育体制
・繁忙期
・実際の残業状況
などです。気になる点は、面接時に質問できるよう整理しておきましょう。
7. 複数の求人を比較する
1社だけで判断すると、条件の良し悪しを比較しにくくなります。
少なくとも、
「仕事内容」
「待遇」
「勤務地」
「将来性」
「働き方」
など複数の観点で比較すると、自分に合う求人を見つけやすくなります。
メーカー転職の進め方7ステップ
メーカーへの転職を考えたら、次の流れで進めると整理しやすくなります。
1. 転職目的を決める
まず「なぜ転職したいのか」を整理します。年収アップなのか、仕事内容なのか、勤務地なのか、キャリアアップなのかによって、探すべき求人が変わります。
2. 経験を棚卸しする
これまでの職務経験を整理します。特に技術職では、職種名だけでなく、担当工程や使用した技術まで整理することが重要です。
3. 希望条件に優先順位をつける
希望条件をすべて満たす求人が見つかるとは限りません。
そのため、
・絶対に譲れない条件
・できれば満たしたい条件
・妥協できる条件
の3つに分けておくと判断しやすくなります。
4. 求人を探す
転職サイトや転職エージェントなどを利用して求人を探します。
検索するときは「メーカー」だけではなく、
「機械設計 メーカー」
「回路設計 メーカー」
「生産技術 メーカー」
「品質保証 メーカー」
など、職種を組み合わせると探しやすくなります。
5. 応募書類を作成する
職務経歴書では、経験年数だけでなく、担当した業務や成果を具体的に記載します。
例えば、「機械設計を担当」だけではなく、「産業機械の機構設計を担当し、仕様検討から詳細設計、試作評価まで経験」のように、自分の担当範囲が伝わるようにします。
6. 面接対策をする
メーカーの技術職では、技術経験だけでなく「なぜその会社なのか」も重要です。
面接前には、
・なぜメーカーなのか
・なぜその業界なのか
・なぜその企業なのか
・これまで何を経験したのか
・入社後に何をしたいのか
を整理しましょう。
7. 条件を比較して意思決定する
内定が出たら、年収だけでなく仕事内容や勤務条件を確認します。複数の選択肢がある場合は、最初に設定した転職目的に照らして判断すると、感情だけで決めにくくなります。
メーカー転職で評価されやすい経験とは?
メーカー転職では、業界経験だけでなく職種や技術の経験が評価される場合があります。特に技術職では、以下のような経験が転職先との接点になりやすいでしょう。
| 経験 | 活かせる可能性がある職種 |
| 3DCAD・2DCAD | 機械設計・筐体設計 |
| 回路設計 | 電気・電子回路設計 |
| PLC | 制御設計・生産技術 |
| 工程改善 | 生産技術・製造技術 |
| 不具合分析 | 品質保証・品質管理 |
| 設備導入 | 生産技術・設備関連 |
ただし、同じ技術を使っていても企業によって求める経験は異なります。そのため、応募前に求人の必須条件と歓迎条件を確認しましょう。
メーカー転職で年収を上げるには?
メーカー転職で年収アップを目指す場合、単純に「経験年数が長い企業へ移る」という考え方だけでは不十分です。
重要なのは、自分の経験のうち、転職市場で評価されやすい専門性を把握することです。
例えば、
・上流工程の経験
・特定製品の設計経験
・専門性の高い技術経験
・マネジメント経験
・顧客との折衝経験
・量産化や工程改善の経験
などです。
なお、メーカー全体の平均年収を一律に示すことは、業界・職種・企業規模による差が大きいため注意が必要です。メーカー転職で具体的な年収水準を確認する場合は、希望する職種と業界を絞ったうえで求人情報や公的統計を確認しましょう。
メーカー転職に向いている人
メーカー転職は、特に次のような人と相性があります。
・特定の技術を深く追求したい人
・製品開発に長期的に関わりたい人
・設計や生産技術などの専門性を高めたい人
・技術を活かしてキャリアアップしたい人
・ものづくりに関わり続けたい人
一方で、「メーカーなら必ず働きやすい」「大手なら必ず満足できる」とは限りません。
転職では、職種そのものが合わないのか、現在の職場環境が合わないのかを切り分けることが重要です。
例えば仕事内容には満足しているものの、残業や勤務地に不満があるなら、同じ職種で環境を変える選択肢があります。
一方で仕事内容そのものに不満があるなら、関連職種へのキャリアチェンジも検討できます。
メーカー転職で転職エージェントを利用するメリット
メーカーの求人を探す方法には、転職サイトや企業の採用ページ、転職エージェントなどがあります。転職エージェントを利用するメリットの一つは、自分だけでは比較しにくい求人を職種や経験から整理できることです。
私たちの相談現場でも、「メーカーに転職したいけれど、自分の経験がどの企業で評価されるのか分からない」という相談があります。
その場合は、これまでの仕事内容を整理したうえで、「メーカー」という業界だけではなく、職種・技術・担当工程の3つから求人を考えることをおすすめしています。
また、求人票だけでは分かりにくい仕事内容や選考について確認しながら、応募先を検討することもできます。
メーカー転職を一人で悩む前に
メーカーへの転職を考えているものの、「自分の経験で応募できる求人が分からない」「年収を維持できるか知りたい」という場合は、まず情報収集から始める方法もあります。
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。
メーカー転職でよくある失敗
年収だけで転職先を決める
年収は重要な判断材料ですが、仕事内容や勤務地などを確認せずに決めると、入社後にミスマッチが生じる可能性があります。
「メーカーなら安定」と考える
メーカーというだけで、すべての企業の業績や待遇、働き方が同じになるわけではありません。
企業ごとの事業内容や求人条件を比較することが大切です。
自分の経験を整理せず応募する
経験を整理しないまま応募すると、職務経歴書や面接で自分の強みを十分に伝えられない場合があります。
「何を担当したか」「どんな技術を使ったか」「どこまで担当したか」を整理しましょう。
まとめ
メーカー転職を考える際は、単に「メーカーへ行きたい」と考えるのではなく、これまでの経験と転職後の仕事内容を具体的に比較することが重要です。
・メーカーには機械設計、回路設計、生産技術、品質管理など多様な職種がある
・同じ職種でも企業によって担当する工程や仕事内容が異なる
・年収だけでなく仕事内容、勤務地、働き方、キャリアパスを比較する
・転職前にこれまでの経験と専門性を棚卸しする
・「職種が合わない」のか「現在の環境が合わない」のかを切り分ける
メーカー転職を成功させるには、自分が何を実現するために転職するのかを明確にすることから始めましょう。
よくある質問
メーカー転職は何歳までできますか?
メーカー転職に一律の年齢制限があるわけではありません。年齢だけでなく、これまでの経験や専門性、応募するポジションとの適合度が重要です。特に経験者採用では、これまで担当してきた業務を具体的に説明できることが重要になります。
未経験からメーカーに転職できますか?
可能性はあります。ただし、職種によって求められる経験や知識は異なります。未経験職種を目指す場合は、これまでの仕事で身につけた知識や経験のうち、応募先で活かせる要素を整理して伝えることが重要です。
メーカー転職では年収が上がりますか?
転職によって年収が上がる場合もありますが、必ず上がるわけではありません。企業規模、業界、職種、経験、役職などによって条件は変わります。年収だけでなく、仕事内容や勤務条件も含めて比較しましょう。
メーカー転職ではどんな資格が必要ですか?
職種によって異なります。資格が必須ではない求人も多いため、まずは求人の応募条件を確認しましょう。技術職の場合は、資格だけでなく実務経験や担当工程、使用技術などが評価されるケースがあります。
メーカーとメーカー以外では何が違いますか?
メーカーでは製品の企画、設計、製造、品質管理など、ものづくりの各工程に関わる仕事があります。一方、同じ技術職でも企業によって担当範囲は異なります。「メーカーかどうか」だけでなく、実際の仕事内容を比較することが重要です。
メーカー転職で企業を選ぶときのポイントは何ですか?
仕事内容、担当工程、年収、勤務地、残業、転勤、福利厚生、キャリアパスなどを比較しましょう。特に技術職では、求人票に記載された職種名だけで判断せず、実際にどこまでの工程を担当するのか確認することが重要です。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

