「組み込み システム」の種類について検索したあなたは、分類の仕方が複数あって整理しづらいと感じているのではないでしょうか。
組み込みシステムは、OSの有無・リアルタイム性・対象製品分野・通信方式・開発言語・セキュリティ要求レベルという6つの観点で分類すると、全体像が整理しやすくなります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、組み込みシステムの種類・分類を観点別に詳しく解説します。
組み込みシステムの分類にはどんな観点がある?
組み込みシステムは、単一の基準で分けられるものではなく、複数の観点から分類できます。転職や学習の際にどの分野を目指すかを考えるうえでも、これらの分類を理解しておくと判断しやすくなります。
相談現場でも、「組み込みシステムと一口に言っても種類が多く、どの分野を目指せばいいか分からない」という声を聞くことがあります。
組み込みシステムの種類【一覧】
| 分類の観点 | 主な種類 |
| OSの有無 | リアルタイムOS(RTOS)採用型、ベアメタル型 |
| リアルタイム性 | ハードリアルタイム、ソフトリアルタイム |
| 対象製品分野 | 家電系、車載系、産業機械系、医療機器系 |
| 通信方式 | 有線通信型、無線通信型(IoT機器含む) |
| 開発言語・開発環境 | C言語ベース、C++ベース、近年広がりつつあるRust採用の動き |
| セキュリティ要求レベル | 一般レベル、高セキュリティ要求レベル(IoT機器など) |
観点別の個別解説
OSの有無による分類
組み込みシステムは、リアルタイムOS(RTOS)を採用するか、OSを使わずマイコンを直接制御する「ベアメタル型」かで分けられます。
RTOS採用型は、複数の処理を時間的制約の中で管理する必要がある、比較的複雑なシステムで採用されることが多くあります。
ベアメタル型は、処理内容がシンプルな製品で採用されることが多く、リソースの消費を抑えられる利点があります。
リアルタイム性による分類
組み込みシステムは、処理の時間的制約の厳しさによって、ハードリアルタイムとソフトリアルタイムに分けられます。
ハードリアルタイムは、決められた時間内に必ず処理を完了させる必要があるシステムで、自動車のエアバッグ制御などが該当します。
ソフトリアルタイムは、多少の遅延が許容されるシステムで、家電製品の一部機能などが該当します。
対象製品分野による分類
組み込みシステムは、搭載される製品分野によっても特徴が異なります。
家電系
比較的短い開発サイクルで、コストへの意識が強く求められます。市場競争が激しく、新機能の投入スピードが重視される傾向があります。
車載系
安全基準への対応が厳しく、長期間の信頼性検証が重視されます。開発期間が長期にわたることが多く、品質保証の工程も手厚くなる傾向があります。
産業機械系
大型・高出力な機器が多く、耐久性とメンテナンス性の両立が求められます。長期間安定して稼働することが重視されます。
医療機器系
高い精度と安全性が求められ、規制対応の知識も必要になる場合があります。不具合が人体に影響する可能性があるため、検証工程がより厳格になる傾向があります。
通信方式による分類
近年は、IoT化の進展により、無線通信機能を持つ組み込みシステムも増えています。
有線通信型は、産業機械など安定した通信が求められる環境で使われることが多く、無線通信型は、センサーデバイスなど設置場所の自由度が求められる製品で採用が進んでいます。
無線通信型の開発では、通信プロトコルやセキュリティに関する知識も求められる傾向があります。
私たちの相談現場でも、「IoT関連の組み込み開発に興味があるが、従来の組み込み開発と何が違うのか分からない」という声を聞くことがあります。
無線通信やクラウド連携の知識が加わる点が、従来型との大きな違いといえます。
開発言語・開発環境による分類
組み込みソフトウェアの開発言語は、伝統的にC言語が広く使われてきました。
オブジェクト指向の考え方を取り入れたC++が使われる場合もあります。
近年は、メモリ安全性の高さから、一部の分野でRustの採用が広がりつつある動きも見られますが、主流はまだC言語・C++であるとされます。
開発環境も、マイコンメーカーが提供する専用の統合開発環境(IDE)を使うことが一般的です。
セキュリティ要求レベルによる分類
IoT機器のように外部ネットワークに接続する組み込みシステムでは、従来よりも高いセキュリティ対応が求められる傾向があります。
不正アクセスやデータの盗聴・改ざんを防ぐための暗号化技術や、セキュアな通信プロトコルの知識が必要になる場合があります。
一方、外部との通信を行わない機器では、セキュリティ要求のレベルは比較的低くなる傾向があります。
分野別にみる代表的な採用技術【一覧】
| 対象製品分野 | 代表的に採用されやすい傾向のある技術 |
| 家電系 | ベアメタル型、比較的シンプルな通信方式 |
| 車載系 | RTOS採用型、ハードリアルタイム制御 |
| 産業機械系 | RTOS採用型、有線通信中心 |
| 医療機器系 | 高い信頼性検証、厳格な規格対応 |
これらはあくまで傾向であり、企業や製品によって採用される技術は異なります。求人票や選考の過程で、実際に使用している技術を確認することをおすすめします。
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経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験や興味を丁寧にヒアリングします。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
種類を理解する3つのメリット
1. 転職先を選ぶ際の判断材料になる
分類を理解しておくことで、求人票に書かれた製品分野や技術要件から、実際の業務内容をイメージしやすくなります。
2. 学習の優先順位をつけやすくなる
目指す分野によって学ぶべき技術(通信プロトコル、リアルタイム制御の考え方など)が変わるため、分類を理解しておくと学習の道筋が立てやすくなります。
3. キャリアパスを考える材料になる
家電系から車載系へ、あるいは有線から無線通信領域へなど、分類を理解しておくことで、将来のキャリアの広げ方を考えやすくなります。
レベル別・目的別のおすすめ
未経験・学生層
まずはベアメタル型のシンプルなシステムから学び始めると、組み込み開発の基礎的な考え方を理解しやすくなります。
家電系など、開発サイクルが比較的短い分野から実務経験を積むのも一つの方法です。
実務経験の浅い若手エンジニア
RTOSを使った開発や、対象製品分野固有の規格知識など、今の担当領域から少し発展させた分野に挑戦してみるとよいでしょう。
通信方式やセキュリティの知識を広げることも、キャリアの選択肢を増やす一助になります。
キャリアアップ・転職を見据える層
車載系や医療機器系など、より高い信頼性が求められる分野への挑戦や、無線通信・IoT関連分野へのキャリアの広げ方を検討するとよいでしょう。
より専門性の高い分野は、キャリアの選択肢を広げる要素になり得ます。
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今の経験や興味からどの分野が合うか気になる方は、一度キャリアを整理してみませんか。市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
効率的な学習・キャッチアップのポイント
・まずは1つの分類軸(OSの有無など)から理解を進め、他の観点は後から広げていく
・興味のある製品分野(車載・医療機器など)を1つ決めて、その分野特有の規格・知識を重点的に学ぶ
・無線通信やIoT関連の技術は日々進化しているため、業界ニュースや技術動向を定期的に確認する
・セキュリティに関する基礎知識は、IoT関連の分野を目指す場合に特に重要になるため、早めに学習を始めておく
・分類を学ぶだけでなく、実際にマイコンボードなどで簡単な開発を経験すると理解が深まる
分類の理解が進んでも、実際にどの分野で働きたいかが定まらない場合、それが「情報不足」の問題か、「複数の分野に興味があり絞れない」という状況の問題かを切り分けて考えることが大切です。
前者であれば、求人票や業界情報を集めることが解決策になり、後者であれば、まずは1つの分野で経験を積みながら方向性を探ることも選択肢になります。
まとめ
・組み込みシステムは、OSの有無・リアルタイム性・対象製品分野・通信方式・開発言語・セキュリティ要求レベルという6つの観点で分類できる
・OSの有無ではRTOS採用型とベアメタル型、リアルタイム性ではハードリアルタイムとソフトリアルタイムに分かれる
・対象製品分野(家電・車載・産業機械・医療機器)によって、求められる品質基準や開発サイクルの特徴が異なる
・IoT化の進展により、通信方式やセキュリティ要求レベルも重要な分類の観点になっている
・分野が定まらない場合は、情報不足の問題か、興味が複数あり絞れない状況かを切り分けて考えるとよい
よくある質問
組み込みシステムにはどんな種類がありますか?
OSの有無(RTOS採用型・ベアメタル型)、リアルタイム性(ハード・ソフトリアルタイム)、対象製品分野(家電・車載・産業機械・医療機器など)、通信方式(有線・無線)、開発言語、セキュリティ要求レベルという観点で分類できます。
RTOSとベアメタル、どちらを学ぶべきですか?
目指す分野によって異なります。比較的複雑な処理を扱う分野を目指すならRTOS、シンプルな製品を扱う分野を目指すならベアメタルから学ぶのが一般的です。
車載系の組み込みシステムは難易度が高いですか?
安全基準への対応など、求められる品質基準が高い傾向があります。ただし、具体的な難易度を示す統計データは確認できていません。
IoT関連の組み込みシステムは今後増えますか?
無線通信を活用した製品は増加傾向にあると考えられます。
未経験の場合、どの分野から目指すのがおすすめですか?
比較的シンプルなベアメタル型や、開発サイクルの短い家電系の分野から実務経験を積むと、基礎的な考え方を理解しやすい傾向があります。
組み込みシステムの分類ごとに年収は違いますか?
分野によって差がある可能性はありますが、分野別の固有の年収統計は確認できていません。求人ごとの条件確認をおすすめします。
組み込み開発でRustは学ぶべきですか?
一部の分野で採用が広がりつつありますが、主流はまだC言語・C++であるとされます。まずは基礎となるC言語を優先して学ぶことをおすすめします。
セキュリティの知識はどの分野を目指す場合に必要ですか?
外部ネットワークに接続するIoT機器など、無線通信を伴う分野を目指す場合に特に重要になります。暗号化技術やセキュアな通信プロトコルの基礎知識が役立ちます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
