回路設計で使うソフト6選|種類・用途・選び方を解説

回路設計で使うソフト6選|種類・用途・選び方を解説

「回路設計 ソフト」と検索している方は、回路設計の仕事でどのようなソフトを使うのか、初心者は何から学べばよいのか知りたいのではないでしょうか。

回路設計では、回路図作成、基板設計、シミュレーションなど、目的に応じて異なるソフトを使います。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、代表的な回路設計ソフトの特徴や用途、初心者が学ぶ順番を解説します。

回路設計でソフトは必要?

回路設計の仕事では、設計内容に応じて専用のソフトを使用することが一般的です。

ただし、すべてのソフトを使える必要があるわけではありません。まずは「どの工程を担当したいのか」を明確にすることが重要です。

回路設計で使われるソフトは、大きく次のように分けられます。

・回路図を作成するソフト
・プリント基板を設計するソフト
・回路の動作を確認するシミュレーションソフト
・電気設計や配線を支援するソフト

例えば、回路図を作成した後、その設計情報を基板設計につなげるソフトもあります。KiCad キキャドでは、回路図作成から基板設計までを連携させる設計環境が用意されています。

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回路設計で使われるソフト6選

回路設計で使われる代表的なソフトには、アルティウム デザイナー、オアキャド、キキャド、回路シミュレーターなどがあります。

ソフト主な用途向いている人
アルティウム デザイナー回路図・基板設計・解析幅広い設計工程を学びたい人
オアキャド回路図・基板設計実務向けの設計環境を学びたい人
キキャド回路図・基板設計初心者・個人で学びたい人
LTspice回路シミュレーションアナログ回路を学びたい人
CR-8000回路・基板設計大規模な電子機器設計を目指す人
各種電気設計ソフト電気設計・配線電気設備や産業機器を扱いたい人

重要なのは、ソフトの知名度ではなく、目指す仕事で実際に使われているソフトを選ぶことです。

1. アルティウム デザイナー

アルティウム デザイナーは、回路図やプリント基板の設計だけでなく、シミュレーションや解析まで扱える統合型の設計環境です。回路図から基板レイアウト、製造用データまで一連の設計工程を扱える点が特徴です。

また、回路シミュレーションにも対応しており、設計した回路の動作を確認できます。

そのため、回路設計から基板設計まで幅広く学びたい方に向いています。

2. オアキャド

オアキャドは、回路図作成やプリント基板設計などに利用される設計ツールです。現在のオアキャドでは、回路図設計や部品管理、基板設計などを扱う設計環境が提供されています。

実務では企業によって使用するソフトが異なるため、転職を考えている場合は求人票で使用ソフトを確認しましょう。

3. キキャド

キキャドは、電子回路の回路図作成とプリント基板設計に対応したオープンソースの設計ソフトです。回路図エディターには電気的ルールチェックがあり、設計上の誤りを確認できます。

また、基板設計では配線や設計ルールの確認、三次元表示などにも対応しています。

費用を抑えながら回路図から基板設計まで実際に触ってみたい人に適しています。

4. LTspice

LTspiceは、アナログ回路のシミュレーションに利用されるソフトです。回路図を作成し、シミュレーション結果を波形として確認できます。公式情報では、無料で利用でき、アナログ回路のシミュレーションを支援する機能やモデルが提供されています。実際の基板を製作する前に回路の動作を検証したい方に向いています。

5. CR-8000

CR-8000は、株式会社図研が提供する電子機器向けの設計環境です。回路設計では、単体基板だけでなく複数基板や基板間接続を含むシステム全体の設計・検証を支援します。企業で電子機器の設計に携わりたい方は、求人情報でCR-8000などの使用経験が求められていないか確認するとよいでしょう。

6. 電気設計・配線を支援するソフト

回路設計の中には、電子回路だけでなく産業機器の電気設計や配線設計もあります。例えば株式会社図研では、産業機器などの配線やハーネス設計を支援するソフトも提供しています。そのため、「回路設計」といっても、電子基板の設計と産業機器の電気設計では使用するソフトが異なる場合があります。

回路設計ソフトの種類と用途

回路設計ソフトを選ぶときは、まず「何を設計するためのソフトなのか」を理解しましょう。

種類主な作業代表例
回路図設計回路図を作成・編集するアルティウム デザイナー、オアキャド、キキャド
基板設計部品配置・配線を行うアルティウム デザイナー、キキャド
回路シミュレーション回路の動作を検証するLTspice
システム回路設計複数基板などを含めて設計するCR-8000
配線・ハーネス設計電線やハーネスを設計する各種電気設計ソフト

この違いを理解しておくと、「回路設計の仕事だから基板設計ソフトを勉強しよう」といったミスマッチを防ぎやすくなります。

初心者が学ぶならどのソフトがおすすめ?

初心者の場合、最初から高機能なソフトをすべて使いこなす必要はありません。まずは回路図を作成し、回路の動きを理解するところから始めるとよいでしょう。

回路図を学びたい人

回路図の作成から始めたい場合は、キキャドなどを使って実際に回路図を作ってみる方法があります。単に操作方法を覚えるのではなく、抵抗やコンデンサなどの部品がどのような役割を持つのかを理解しましょう。

回路の動作を学びたい人

回路の動作を理解したい場合は、LTspiceなどのシミュレーションソフトを使う方法があります。例えば、抵抗やコンデンサを組み合わせて、電圧や電流の変化を確認することで、回路理論と実際の動作を結びつけやすくなります。

基板設計を学びたい人

基板設計を目指す場合は、回路図を作成した後に部品配置や配線まで経験してみましょう。キキャドでは、回路図の設計情報を基板設計へ連携できます。

レベル別・目的別のおすすめソフト

自分のレベルと目的によって、学ぶソフトを変えると効率的です。

レベル・目的学習候補学習する内容
電気回路を初めて学ぶLTspice回路の基本と動作
回路図を作りたいキキャド回路図・部品・配線
基板設計まで学びたいキキャド部品配置・配線・設計確認
実務向けの設計環境を学びたいオアキャドなど回路図・基板設計
幅広い設計工程を学びたいアルティウム デザイナー回路図・基板・解析
大規模な電子機器設計を目指すCR-8000などシステム回路設計

ただし、企業によって使用するソフトは異なります。

転職を目的に学ぶ場合は、自分が使いたいソフトではなく、応募したい求人で使われているソフトから逆算する方法がおすすめです。

回路設計ソフトのスキルは転職に役立つ?

回路設計ソフトの操作経験は、電気・電子系エンジニアとして転職するときのアピール材料になります。

ただし、ソフトの操作だけで回路設計のスキルを評価されるとは限りません。

求人では、次のような経験があわせて求められる場合があります。

・アナログ回路やデジタル回路の知識
・回路図の作成経験
・基板設計の経験
・評価や試験の経験
・不具合の原因分析
・部品選定の経験
・電磁ノイズなどへの対応経験

そのため、「このソフトが使えます」だけで終わらせないことが重要です。

「どの製品で、どの工程を担当し、ソフトを使って何を設計したのか」まで説明できると、経験を具体的に伝えやすくなります。

私たちが転職相談を受ける際にも、ソフトの使用経験だけではなく、担当した製品や設計工程まで確認しています。

回路設計ソフトと年収の関係

回路設計ソフトを使えることだけで、年収が決まるわけではありません。年収や求人条件は、実務経験、担当工程、製品分野、設計できる範囲、マネジメント経験などによって変わります。

また、機電系の回路設計について、特定のソフトを使えることによる年収差を示す公的な統計は確認できませんでした。

そのため、「高価なソフトを使えるから年収が高い」と単純に考えるのは避けましょう。むしろ、使用ソフトを含めて「どのような設計業務ができるのか」を整理することが重要です。

回路設計ソフトを効率的に勉強する方法

回路設計ソフトを学ぶなら、操作方法だけを覚えるより、実際に小さな回路を完成させる方法がおすすめです。

1. 回路理論を学ぶ

まずは電圧、電流、抵抗、コンデンサなどの基礎を理解します。ソフトの操作を覚えても、回路の意味が分からなければ設計には応用できません。

2. 回路図を作る

次に、実際に簡単な回路図を作成してみましょう。部品を配置し、配線し、回路として成立しているか確認します。

3. シミュレーションする

シミュレーションに対応したソフトでは、設計した回路の動作を確認します。シミュレーションは、製造前に設計の考え方を検証する手段として活用できます。

4. 基板設計まで進める

さらに学習する場合は、回路図から基板設計まで進めてみましょう。部品配置や配線を経験すると、回路図だけでは分かりにくい実際の設計上の制約を理解しやすくなります。

5. 求人で使われているソフトを確認する

転職を考えているなら、最後に求人情報を確認しましょう。

求人に「回路設計経験」だけでなく、特定の設計ソフトやシミュレーションソフトが記載されていれば、自分の学習内容を決める参考になります。

回路設計ソフトは種類が多いため、まずは目的を決めてから選ぶことが大切です。初心者向けの学習方法や電気・電子系エンジニアのキャリア情報は、LINEでもお届けしています。

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回路設計ソフトを選ぶときの注意点

ソフトを選ぶときは、機能の多さだけで判断しないようにしましょう。

目指す職種と合っているか

同じ「電気系エンジニア」でも、回路設計、基板設計、電気設計、設備保全などで仕事内容は異なります。

そのため、まず目指す職種を決め、その職種で使われるソフトを確認しましょう。

求人で使用ソフトを確認する

転職目的なら、求人票の「使用ツール」「開発環境」「必須スキル」などを確認します。企業によって採用しているソフトは異なるため、特定のソフトだけを勉強すればよいとは限りません。

ソフトだけを勉強しない

回路設計では、ソフトの操作能力だけでなく電気回路の知識も必要です。「ソフトの操作」と「回路を設計する能力」は別物として考えましょう。

回路設計ソフトのスキルをキャリアにつなげるには

回路設計ソフトを学んだ後は、そのスキルをどの仕事につなげたいのかを考えましょう。

未経験から回路設計を目指す場合

未経験の場合は、ソフトの操作と並行して電気回路の基礎を学ぶことが重要です。さらに、簡単な回路を自分で設計し、設計意図を説明できるようにすると学習内容を整理しやすくなります。

すでに電気系の仕事をしている場合

すでに電気系の実務経験があるなら、現在使っているソフトから対応できる業務範囲を広げる方法があります。例えば、回路図作成だけでなく基板設計や評価まで経験できれば、担当できる工程を増やせる可能性があります。

転職を考えている場合

転職では、ソフト名だけでなく実務経験との組み合わせが重要です。「何のソフトを使えるか」だけでなく、「何を設計できるか」を整理しておきましょう。

また、回路設計の仕事が合わないと感じた場合も、すぐに職種そのものが合わないと決めつける必要はありません。

仕事内容が原因なのか、教育体制や開発環境など職場環境が原因なのかを切り分けることが大切です。私たちも転職相談では、現在の仕事内容だけでなく、今後担当したい工程や働き方まで確認したうえで選択肢を考えています。

回路設計のキャリアを一人で決める前に

回路設計ソフトは種類によって得意な工程が異なります。今の経験や将来やりたい仕事を整理すると、学ぶべきソフトも見つけやすくなります。

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まとめ

・回路設計では、回路図、基板、シミュレーションなど用途別にソフトを使います。
・代表的なソフトにはアルティウム デザイナー、オアキャド、キキャドなどがあります。
・LTspiceはアナログ回路のシミュレーションを学びたい人に適しています。
・転職目的なら、応募したい求人で使われているソフトから逆算することが重要です。
・ソフトの操作だけでなく、電気回路の知識や実務経験もあわせて身につけましょう。

よくある質問

回路設計で使うソフトは何ですか?

回路設計では、アルティウム デザイナー、オアキャド、キキャドなどが使われます。シミュレーションではLTspiceなどもあります。担当する工程や企業によって使用ソフトは異なります。

回路設計ソフトは無料で使えますか?

無料で利用できるソフトもあります。例えばキキャドはオープンソースの設計ソフトで、回路図作成や基板設計などに対応しています。

回路設計初心者は何のソフトから勉強すればよいですか?

初心者は、回路図作成や回路シミュレーションから始める方法があります。重要なのはソフトの操作だけでなく、電圧や電流などの回路理論も並行して学ぶことです。

回路設計ソフトが使えれば転職できますか?

ソフトの操作経験だけで転職できるとは限りません。回路設計では、回路理論、設計、評価、検証などの経験があわせて評価される求人もあります。担当した業務まで整理しましょう。

回路設計と基板設計は同じですか?

同じではありません。回路設計では電気的な機能や回路構成を設計し、基板設計では部品配置や配線などを行います。ただし、一つの設計環境で両方を扱えるソフトもあります。

回路設計ソフトを独学するなら何をすればよいですか?

まず回路理論を学び、次に回路図を作成しましょう。その後、シミュレーションや基板設計まで進めると、知識とソフト操作を結びつけやすくなります。最後に求人を確認して実務との接点を作りましょう。

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この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大

立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。