「任意継続と国保、どっちが安いのか」と検索したあなたは、退職後の健康保険の選び方に迷っているのではないでしょうか。どちらが安いかは、扶養家族の有無や前年の所得、退職理由によって変わるため、両方の保険料を試算して比べるのが確実です。一般的には、扶養家族がいる人は任意継続、単身で前年の所得が低い人は国保が安くなりやすい傾向があります。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、任意継続と国保の違いと、保険料の比べ方を解説します。
結論:任意継続と国保、どっちが安い?
扶養家族がいる人は任意継続、単身で前年の所得が低い人や会社都合で退職した人は国保が安くなりやすい傾向があります。
- 任意継続:在職中は会社が負担していた分も自分で払うため高くなりやすいが、保険料の上限がある
- 国民健康保険:前年の所得と世帯の人数で決まり、扶養という考え方がない
- 会社都合などの退職:国民健康保険の保険料が軽減される制度がある
- 家族の扶養:条件を満たせば、保険料の負担なく加入できる
相談現場では「退職後の健康保険をどうするか決めないまま、手続きの期限が近づいてしまった」という声を聞きます。手続きの期限は短いため、退職前に比較しておくことが大切です。
私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。保険料や加入条件の個別の判断は、加入している健康保険や市区町村の窓口、社労士などに確認してください。
任意継続と国民健康保険の違い【比較表】
任意継続は退職前の健康保険を続ける制度、国民健康保険は住んでいる市区町村の保険に加入する制度です。
| 観点 | 任意継続 | 国民健康保険 |
| 運営 | 退職前の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合) | 住んでいる市区町村 |
| 保険料の決まり方 | 退職時の標準報酬月額をもとに計算し、全額自己負担 | 前年の所得と世帯の人数などで計算 |
| 保険料の上限 | 上限となる標準報酬月額が定められている | 年間の上限額が定められている |
| 扶養家族 | 条件を満たせば、追加の保険料なしで加入できる | 扶養の考え方がなく、人数に応じて保険料が増える |
| 加入できる期間 | 最長2年 | 期間の定めなし |
| 手続きの期限 | 退職日の翌日から20日以内 | 退職日の翌日から14日以内 |
| 退職理由による軽減 | なし | 会社都合などの場合に軽減される制度がある |
①保険料の決まり方の違い
任意継続は退職時の給与、国民健康保険は前年の所得をもとに保険料が決まる点が、最大の違いです。
任意継続の保険料
- 退職時の標準報酬月額に、保険料率を掛けて計算するとされる
- 在職中は会社と折半していた分も含め、全額を自分で払う
- 標準報酬月額には上限があるため、給与が高かった人は負担が抑えられる場合がある
国民健康保険の保険料
- 前年の所得や世帯の人数などをもとに、市区町村ごとに計算される
- 退職した翌年度は、所得が下がっていれば保険料が下がる場合がある
- 計算方法や料率は、市区町村によって異なる
②扶養家族の扱いの違い
扶養家族がいる場合は、任意継続のほうが有利になりやすい傾向があります。
- 任意継続:条件を満たす家族は被扶養者として加入でき、保険料は本人分のみとされる
- 国民健康保険:扶養の考え方がなく、家族一人ひとりが保険料の計算に含まれる
配偶者や子どもがいる場合は、この違いが保険料の差として大きく表れやすくなります。
③加入期間と手続きの違い
任意継続は最長2年で退職日の翌日から20日以内、国民健康保険は期間の定めがなく退職日の翌日から14日以内に手続きが必要とされます。
- 任意継続の条件:退職日までに、継続して2か月以上健康保険に加入していたこと
- 任意継続の申請先:退職前の健康保険(協会けんぽの支部や健康保険組合)
- 国民健康保険の手続き先:住んでいる市区町村の窓口
- 任意継続をやめる場合:本人の申し出で脱退できる仕組みがあるとされる
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④受けられる給付の違い
傷病手当金や出産手当金は、任意継続・国民健康保険のどちらでも原則として受け取れないとされますが、退職前からの継続給付は別に扱われます。
- 医療費の自己負担の割合は、任意継続と国民健康保険で原則同じとされる
- 退職前から受けていた傷病手当金の継続給付は、加入する保険の種類にかかわらず、退職前の健康保険から支給されるとされる
- 健康保険組合によっては、任意継続でも独自の付加給付を受けられる場合がある
⑤退職理由による軽減の違い
会社都合などで退職した場合は、国民健康保険の保険料が軽減される制度があるとされます。
- 対象:倒産や解雇など会社都合で離職した人や、正当な理由のある自己都合で離職した人など
- 内容:前年の給与所得を一定の割合に減らして、保険料を計算する
- 手続き:雇用保険の受給資格者証などを持参して、市区町村に申請する
正当な理由のない自己都合退職の場合は、原則として対象外とされます。軽減を受けられる場合は、国民健康保険のほうが安くなる可能性が高まります。
どっちがいい?任意継続・国保・家族の扶養が向いている人
迷ったら、扶養家族の有無、前年の所得、退職理由の3点で考えると選びやすくなります。ただし、以下はあくまで傾向であり、実際は試算して比べることが大切です。
| 選択肢 | 向いている人 | 理由 |
| 任意継続 | 扶養家族がいる人、退職前の給与が高かった人 | 家族分の保険料がかからず、上限もある |
| 国民健康保険 | 単身の人、前年の所得が低い人、会社都合で退職した人 | 所得に応じて計算され、軽減を受けられる場合がある |
| 家族の扶養 | 収入が少なく、家族が会社の健康保険に加入している人 | 条件を満たせば保険料の負担がない |
家族の扶養に入る場合の注意点
家族の扶養に入るには、今後の収入の見込みなどの条件を満たす必要があるとされます。失業保険を受け取る場合は、その日額によって扶養に入れないこともあるため、家族の勤務先の健康保険に確認しましょう。
どれを選ぶか決めきれない方は、まず情報を集めるところからでも十分です。環境を変えた方の事例や求人の傾向をLINEで配信しているので、気軽に受け取ってみてください。
任意継続と国保の保険料を比べる5ステップ
保険料は、それぞれの窓口で試算してもらい、1年間の総額で比べるのが確実です。
- 退職前の健康保険に、任意継続の保険料を問い合わせる
- 住んでいる市区町村に、国民健康保険料の試算を依頼する
- 扶養家族の有無と人数を反映して、両方の年額を比べる
- 会社都合などで退職する場合は、国民健康保険の軽減を反映して比べる
- 2年目以降の保険料の見通しも確認する
比べる前に、次の項目を手元に用意しておきましょう。
- □ 退職日と、次の入社日の見込み
- □ 退職時の給与明細(標準報酬月額の確認用)
- □ 前年の所得がわかる書類(源泉徴収票など)
- □ 扶養家族の人数と、それぞれの収入の状況
- □ 退職理由(自己都合か会社都合か)
どちらを選んでも、会社の厚生年金から外れる場合は、国民年金への切り替えが別に必要とされます(配偶者の扶養に入る場合などを除く)。
空白期間を短くする転職の考え方
退職後の保険料は全額自己負担になりやすいため、空白期間を短くすることも負担を抑える方法の一つです。
相談現場では「退職後の保険料が思ったより高く、転職活動を急いでしまった」という声を聞きます。焦って決めないためにも、在職中から転職活動を進めておくのが現実的です。
在職中に進める際は、辞めたい理由が職種そのものにあるのか、職場環境にあるのかを切り分けておきましょう。応募先を絞り込みやすくなり、短い期間でも納得できる転職につながります。
データで見るエンジニアの求人状況
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍と、職業計の1.12倍を上回っています。IT系は求人が多く、在職中に次の職場を決めて空白期間を短くする進め方も取り入れやすい職種です。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
機電系は別分野のため、この数値は当てはまりません。
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まとめ
- 任意継続と国保のどちらが安いかは、扶養家族・前年の所得・退職理由によって変わる
- 任意継続は全額自己負担だが上限があり、扶養家族の保険料がかからない
- 国民健康保険は前年の所得と世帯の人数で決まり、会社都合などの退職では軽減される場合がある
- 手続きの期限は任意継続が20日以内、国保が14日以内とされるため、退職前に比べておく
- 空白期間を短くするため、在職中から転職活動を進めることも検討する
よくある質問
任意継続から国保に途中で切り替えられますか?
本人の申し出によって任意継続をやめ、国民健康保険に切り替えられる仕組みがあるとされます。退職した翌年度に所得が下がり、国民健康保険のほうが安くなる場合などに検討できます。切り替えの時期や手続きは、加入している健康保険と市区町村に確認しましょう。
任意継続の保険料は、在職中の何倍くらいになりますか?
在職中は会社と保険料を折半していたため、任意継続では会社負担分も含めて全額を自分で払うことになり、おおむね在職中の2倍程度になるとされます。ただし、標準報酬月額には上限があるため、給与が高かった人は2倍より低くなる場合があります。
退職後すぐに転職する場合も、手続きは必要ですか?
退職日の翌日に次の会社へ入社する場合は、転職先の健康保険に加入するため、任意継続や国民健康保険の手続きは不要とされます。1日でも空白がある場合は、その期間の健康保険への加入が必要になるため、退職日と入社日の間隔を確認しておきましょう。
失業保険を受け取っている間は、どちらが安いですか?
失業保険の受け取り自体は、国民健康保険料の計算に含まれないとされます。そのため、国民健康保険は前年の所得をもとに計算されます。会社都合などで退職した場合は軽減を受けられる場合もあるため、条件に当てはまるかを市区町村に確認して比べましょう。
保険料の支払いが難しい場合はどうすればよいですか?
所得が大きく下がった場合などに、保険料の減免や分割納付の相談ができる制度を設けている市区町村もあります。支払いが難しいと感じたら、滞納する前に市区町村の窓口に相談しましょう。国民年金にも、免除や猶予の制度があるとされます。
退職後の見通しを立てながら、次の職場の情報も集めておきたい方もいるでしょう。転職事例や求人の傾向をLINEで配信しているので、まずは情報を受け取るところから始めてみてください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
