「産休 期間 給料」と検索されたあなたは、「休みはいつからいつまで取れるのか」「その間の収入はどうなるのか」と不安を感じているのではないでしょうか。
産休は産前と産後に分かれ、期間中の給与は会社から支払われないことが一般的とされます。ただし無収入になるとは限らず、健康保険から出産手当金が支給される仕組みがあるとされます。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、産休の期間の考え方、給料と手当の扱い、手続きの流れ、そして職場に伝える際のポイントまでを解説します。
なお本記事は制度に関わる内容を含みます。私たちはキャリアの専門家であり、法律や社会保険の専門家ではありません。個別の判断は、後述する専門窓口にご確認ください。
結論:期間は産前産後に分かれ、給料は無給が一般的とされる
まず全体像を押さえます。産休は1つの休みではなく、性質の異なる2つの休業で構成されるとされます。
要点は次の5つです。
・産前休業は本人が請求することで取得できるとされる
・産後休業は原則として就業が制限される期間とされる
・期間中の給与支払いは法律上の義務ではないとされ、無給の企業が多い
・代わりに健康保険から出産手当金が支給される仕組みがあるとされます
・社会保険料についても、免除の仕組みがあるとされる
相談現場では「産休に入ると収入がゼロになると思っていた」という声を聞きます。制度を知らないまま退職を選ぶ前に、まず勤務先の規程と加入している健康保険の内容を確認してください。
産休とは|産前休業と産後休業の違い
産休は正式には産前産後休業と呼ばれます。産前と産後で、取得の考え方が異なるとされます。
産前休業
出産予定日を基準として、本人が請求することで取得できる休業とされます。請求しない場合、本人の意思で就業を続けることも可能とされます。
産後休業
出産の翌日から一定期間、就業が制限される期間とされます。本人の請求の有無にかかわらず適用されるとされる点が、産前休業との違いです。
ただし一定期間の経過後は、本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務については就業できるとされます。
育児休業との違い
産休と育休は別の制度とされます。産休は出産前後の母体に関わる休業、育休は子を養育するための休業という位置づけです。
適用される法律も、期間中の給付の仕組みも異なります。産休が終わった後に育休へ移行する形が一般的です。
産休の期間はいつからいつまでか
期間の考え方を表に整理します。日数は制度上の定めに基づくとされますが、正確な日数と起算日は勤務先や年金事務所でご確認ください。
| 区分 | 起算の基準 | 期間の考え方 |
| 産前休業 | 出産予定日 | 予定日から遡って一定期間とされる |
| 出産日 | 実際の出産日 | 産前休業に含まれるとされる |
| 産後休業 | 出産日の翌日 | 一定期間の就業が制限されるとされる |
| 育児休業 | 産後休業の終了後 | 産休とは別制度として開始 |
出産予定日と実際の出産日がずれた場合、産前休業の日数が前後することがあるとされます。予定日より遅れた分は産前休業に含まれ、産後休業の起算は実際の出産日を基準とするとされます。
日数の計算は個別の事情で変わるため、勤務先の人事労務担当に確認しておくことをおすすめします。
産休期間中の給料はどうなるのか
ここが最も知りたい部分だと思います。3つに分けて整理します。
会社からの給与
産休期間中の給与について、企業に支払い義務があるとは限らないとされます。実際には無給とする企業が多く、就業規則や賃金規程で定められています。
一方で、独自に一定額を支給する制度を設けている企業もあります。まずは自社の規程を確認してください。
出産手当金
健康保険の被保険者が産休を取得した場合、出産手当金が支給されるとされます。金額は、給与水準をもとに算定されるとされます。
会社から給与が支払われている場合、その額に応じて調整されるとされます。
なお、扶養に入っている方や国民健康保険の加入者では取扱いが異なるとされます。ご自身の加入状況をご確認ください。
社会保険料の扱い
産休期間中の健康保険料と厚生年金保険料については、申し出により免除される仕組みがあるとされます。免除された期間についても、将来の年金額の算定上は不利にならない扱いがあるとされます。
手続きは勤務先を通じて行われるのが一般的とされるため、申請漏れがないか確認してください。
産休中に関わるお金の一覧
産休の前後で関係する主な仕組みを整理します。金額や要件は変動するため、必ず最新の内容をご確認ください。
| 名称 | 内容 | 主な確認先 |
| 出産手当金 | 産休期間中の所得を補う給付とされる | 加入している健康保険 |
| 出産育児一時金 | 出産費用に関する給付とされる | 加入している健康保険 |
| 社会保険料の免除 | 産休期間中の保険料に関する制度とされる | 勤務先、年金事務所 |
| 育児休業給付 | 育休期間中の給付とされる | 勤務先、ハローワーク |
| 住民税 | 前年所得をもとに算定されるとされる | 勤務先、自治体 |
住民税は前年の所得をもとに算定されるとされるため、給与が減っても納付が続く場合があります。無給期間の納付方法については、勤務先に確認しておくと安心です。
出産後の働き方を含めて相談したい方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
手続きの流れ5ステップ
進める順番があります。この順で確認すると、抜けが生じにくくなります。
・ステップ1:勤務先に妊娠と出産予定日を報告する
・ステップ2:就業規則で産休と育休の規程を確認する
・ステップ3:産休の開始日と復職の目安を相談する
・ステップ4:出産手当金と社会保険料免除の手続きを確認する
・ステップ5:業務の引き継ぎ計画を作成する
ステップ2を飛ばす方が少なくありません。給与の扱い、独自の手当の有無、復職時の配属の考え方は、規程を見なければ分かりません。
申請の窓口や必要書類は勤務先ごとに異なるため、早めの確認が結果的に負担を減らします。
産休前チェックリスト【8項目】
産休に入る前に、次の項目を確認してください。
□ 就業規則の産前産後休業に関する規程を読んだ
□ 産休期間中の給与の扱いを確認した
□ 出産手当金の申請手順と窓口を把握した
□ 社会保険料免除の申し出について確認した
□ 住民税の納付方法を確認した
□ 産休の開始日と復職の目安を上長と共有した
□ 担当業務の引き継ぎ先が決まっている
□ 復職後の勤務形態について相談の場が設定されている
判定の目安は次のとおりです。
・6項目以上該当:準備が整っている状態です
・4〜5項目:不足分を人事労務担当に確認してください
・3項目以下:手続きや引き継ぎで慌てる可能性があります。早めに着手してください
職場に伝えるタイミングと例文
伝える時期に決まりはありません。ただし引き継ぎの都合を考えると、早めに共有したほうが調整しやすくなります。
伝える際の要素は3つです。
・出産予定日と、産休に入りたい時期の目安
・担当業務の引き継ぎに関する考え
・復職の意向(現時点での見通しで問題ありません)
例文(上長に初めて伝える場合)
「ご相談したいことがあります。出産予定日が○月○日で、産休の取得を考えております。現在担当している案件は○月までに区切りがつく見込みですので、それ以降の引き継ぎについてご相談させてください。復職の時期は、育休の取得も含めて改めてご相談させていただければと思います。」
復職の意向は、この段階で確定していなくても問題ありません。 現時点の見通しとして伝えれば十分です。
エンジニアが産休前に確認したい3つの点
職種の性質上、引き継ぎで注意したい要素があります。
1. 担当案件の区切りと引き継ぎ範囲
IT系であれば、担当している開発案件のフェーズと、要件定義(システムに必要な機能や条件を決める工程)からの経緯を誰が把握しているか。機電系であれば、設計中の機種の進捗と、量産立ち上げの時期です。
引き継ぎ資料には、判断の背景まで残しておくと復職後の再着手が楽になります。
2. 客先常駐の場合の契約と勤務の扱い
IT系で客先常駐(SES。客先に出向いて業務を行う契約形態)の案件に従事している場合、休業の扱いについて自社と客先の双方で調整が必要になることがあります。
早めに自社の担当者へ相談しておくことをおすすめします。
3. 復職後の勤務形態の見通し
リモート勤務の可否、時短勤務の制度、配属の考え方などです。制度としてあることと、実際に運用されていることは別です。
私たちが求人をご紹介する際も、制度の有無だけでなく利用実績を確認するようお伝えしています。復職後の働き方は、産休に入る前に一度話題にしておくと選択肢が広がります。
データで見る|復職後を考えるための参考水準
出産手当金の額は給与水準をもとに算定されるとされます。そのため、自分の給与が市場のどのあたりに位置するかを把握しておくと、判断材料になります。
| 指標 | 数値(目安) |
| システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
| 情報処理・通信技術者の有効求人倍率 | 1.43倍(全職業計は1.12倍) |
| IT人材の不足見込み | 2030年に最大約79万人 |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は、全職業計を上回っています。復職後に働き方が合わないと感じた場合でも、選択肢が一定数ある状況だという見方ができます。
上記はIT系職種の数値です。機械設計、回路設計、生産技術などの機電系職種には、分野が異なるためそのまま当てはめられません。機電系の水準は別途の確認が必要です。
なお産休の取得率や取得日数を示す統計については、本記事のテーマに直接対応するものが確認できなかったため掲載を控えています。
「制度はあるが使いにくい」と感じたときの3つの選択肢
規程はあるのに実際には使いづらい。そうした状況に置かれた場合、取れる方向性は3つあります。
・選択肢1:人事労務担当や相談窓口に、運用について確認する
・選択肢2:同じ職種のまま、制度の運用実績がある企業を検討する
・選択肢3:働き方の条件を軸に、職種や領域を見直す
判断の分かれ目は、使いにくさの原因が「制度そのものの不足」なのか、「勤務先の運用や職場の空気」なのかという切り分けです。
| 感じている状況 | 向いている選択肢 |
| 規程はあるが前例がないと言われる | 選択肢1または2 |
| 復職後の配属の見通しが示されない | 選択肢1または2 |
| 業務量の都合で休みに入りにくい | 選択肢2 |
| 職種の働き方そのものが継続しにくい | 選択肢3 |
規程が整っていて運用だけが課題であれば、社内での確認によって前に進む場合があります。運用の実績がまったくない場合は、同じ職種のまま企業を変える選択が現実的です。
これは傾向の整理であり、当てはまらないから間違いということではありません。転職を勧める趣旨でもありません。産休や育休の取得を理由とする不利益な取扱いは制限されているとされるため、まずは制度上の確認を優先してください。
なお面談の場では「復職後の働き方が見えないまま産休に入るのが不安」というご相談を受けることがあります。不安の中身を、制度の問題と職場の運用の問題に分けて整理するだけでも、次に確認すべきことが見えてきます。
制度・法令に関する注意点と相談先
本記事で触れた休業期間、給付、社会保険料の扱いは、いずれも制度に関わる領域です。記載した内容は一般的な考え方の整理であり、個別の判断を示すものではありません。
私たちはキャリアの専門家であり、法律や社会保険の専門家ではありません。次の窓口が相談先となります。
・産休の期間、就業規則の解釈:勤務先の人事労務担当、社会保険労務士
・出産手当金、出産育児一時金:加入している健康保険組合、全国健康保険協会
・社会保険料の免除、年金の記録:年金事務所
・育児休業給付:ハローワーク
・不利益な取扱いに関する相談:都道府県労働局の相談窓口
・労働時間や休業取得の拒否:労働基準監督署
・紛争に発展した場合:弁護士
体調に関することは、必ず主治医の判断に従ってください。就業の可否についても、医師の見解が優先されます。
復職後のキャリアを、今のうちに整理しませんか
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
・産休は産前休業と産後休業に分かれ、取得の考え方が異なるとされる
・産前は本人の請求により取得、産後は原則として就業が制限されるとされる
・期間中の給与は無給とする企業が多く、法律上の支払い義務はないとされる
・代わりに出産手当金と社会保険料免除の仕組みがあるとされる
・使いにくさの原因が制度の不足か、勤務先の運用かを切り分けて考える
よくある質問
産休はいつから取得できますか
産前休業は出産予定日を基準として、本人が請求することで取得できるとされます。請求しなければ就業を続けることも可能とされます。実際の開始日は出産予定日や勤務先の規程によって変わるため、人事労務担当に確認してください。
産休中に給料は支払われますか
企業に支払い義務があるとは限らないとされ、無給とする企業が多くあります。ただし独自に手当を支給する企業もあるため、就業規則や賃金規程の確認が必要です。無給であっても、健康保険から出産手当金が支給される仕組みがあるとされます。
出産手当金はいくらもらえますか
給与水準をもとに算定されるとされるため、一律の金額ではありません。会社から給与が支払われている場合は、その額に応じて調整されるとされます。正確な金額は、加入している健康保険組合または全国健康保険協会にご確認ください。
産休中も社会保険料は支払う必要がありますか
申し出により免除される仕組みがあるとされます。免除された期間についても、将来の年金額の算定上は不利にならない扱いがあるとされます。手続きは勤務先を通じて行われるのが一般的とされるため、申請漏れがないか確認してください。
産休と育休は何が違いますか
別の制度とされます。産休は出産前後の母体に関わる休業、育休は子を養育するための休業という位置づけです。適用される法律も期間中の給付の仕組みも異なり、産休の終了後に育休へ移行する形が一般的です。
転職して間もない場合でも産休は取得できますか
産前産後休業そのものは、在籍期間による制限が設けられていないとされます。ただし出産手当金や育児休業給付については、加入期間などの要件があるとされます。ご自身の状況に当てはまるかは、健康保険組合やハローワークにご確認ください。
産休を理由に不利益な扱いを受けた場合はどうすればよいですか
妊娠・出産等を理由とする不利益な取扱いは制限されているとされます。まず勤務先の相談窓口に確認し、解決しない場合は都道府県労働局の相談窓口をご利用ください。深刻な状況であれば、弁護士への相談も選択肢になります。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
