「休職と退職、どっちがいいのか」と検索したあなたは、今の職場で働き続けるのがつらく、どう動くべきか迷っているのではないでしょうか。休職は会社に籍を残したまま療養する選択、退職は会社を離れて環境を変える選択である点が最大の違いです。心身の不調がある場合は、まず休職などで休み、大きな決断は体調が落ち着いてから考えるのが基本です。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、休職と退職の違いと、判断するときの考え方を解説します。
結論:休職と退職、どっちがいい?
心身の不調で判断が難しいときは、まず休職などで休み、体調が落ち着いてから退職も含めて判断するのが基本です。
- 休職が向いている:体調を立て直したい、職場に戻る可能性を残したい、収入や社会保険を維持したい
- 退職が向いている:職場環境の改善が見込めず、回復後も戻る考えがない、次の方向性が見えている
- 迷うとき:主治医や家族、専門窓口に相談し、一人で決めない
相談現場では「休職すると職場に迷惑をかけるので、辞めたほうがよいのでは」という声を聞きます。休職は、回復のために用意された選択肢の一つです。自分を責める必要はありません。
私たちはキャリアの専門家であり、医療や法律の専門家ではありません。体調や療養については主治医に、制度の詳細は人事部門や社労士などに確認してください。
心身のつらさが強く、自分を傷つけたい気持ちがあるときは、ひとりで抱えずに医療機関や相談窓口へ連絡してください。厚生労働省の「こころの耳」のほか、「よりそいホットライン」「いのちの電話」などの窓口があります。最新の連絡先は各公式サイトで確認し、緊急の場合は119番に連絡してください。
休職と退職の違い【比較表】
休職と退職の違いは、会社との雇用関係が続くかどうかにあり、収入や社会保険の扱いもそれによって変わります。
| 観点 | 休職 | 退職 |
| 会社との関係 | 雇用関係が続く | 雇用関係が終わる |
| 収入 | 給与が出ない場合も、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる場合がある | 条件を満たせば失業保険を受け取れる場合がある |
| 社会保険 | 会社の健康保険と厚生年金が続く | 任意継続や国民健康保険、国民年金への切り替えが必要 |
| 職場との関わり | 定期的な連絡が必要な場合がある | 職場から距離を置ける |
| 戻る場所 | 復職という選択肢が残る | 新しい職場を探す必要がある |
| 期間 | 会社の休職制度の上限まで | 期限はない |
①収入の違い
休職中は給与が出ない場合もありますが、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる場合があるとされます。
- 休職:給与の扱いは就業規則によって異なり、無給の場合は傷病手当金が収入の支えになる
- 退職:失業保険は働ける状態であることが前提とされるため、療養中はすぐに受け取れないとされる
- 退職前から傷病手当金を受けていた場合:条件を満たせば、退職後も継続して受け取れるとされる
療養が必要な状態で退職する場合は、失業保険の受給期間の延長も確認しておきましょう。
②社会保険の違い
休職中は会社の健康保険と厚生年金が続く一方、退職すると自分で健康保険と年金を切り替える必要があるとされます。
- 休職:保険証はそのまま使えるが、休職中も社会保険料の本人負担分は発生するとされる
- 退職:任意継続・国民健康保険・家族の扶養などから選び、国民年金への切り替えも必要になるとされる
退職後の保険料は全額自己負担になりやすいため、負担額も判断の材料に入れましょう。
③職場との関係の違い
休職は戻る場所を残せる一方で職場との関わりが続き、退職は職場から距離を置ける一方で戻る場所がなくなります。
- 休職:人事部門や上司と定期的に連絡をとる場合がある。連絡の頻度や方法は、休職前に決めておくと負担を減らせる
- 退職:原因となる環境から離れられる。一方で、退職の手続きや引き継ぎの負担が一時的に生じる
職場の人間関係や業務量が不調の原因になっている場合は、休職中の連絡そのものが負担になることもあります。主治医と相談し、必要に応じて会社に配慮を求めましょう。
④その後のキャリアの違い
休職は復職と転職の両方の選択肢を残せる一方、退職は次の職場探しから始める必要があります。
- 休職:回復後に、復職するか、転職するかを選べる
- 退職:回復後に転職活動を始める。空白期間ができる場合は、面接で状況を説明する準備が必要になる
相談現場では「退職してから、次の仕事を探す気力がなかなか戻らなかった」という声も聞きます。退職を選ぶ場合も回復を優先し、焦らずに次の一歩を考えることが大切です。
データで見るエンジニアの求人状況
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍と、職業計の1.12倍を上回っています。IT系は求人が多く、回復後に環境を変える選択肢も検討しやすい職種です。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
機電系は別分野のため、この数値は当てはまりません。
どっちがいい?休職と退職が向いているケース
休職と退職のどちらが合うかは、体調、不調の原因、今後の見通しによって変わります。ただし、以下はあくまで傾向であり、一律の正解はありません。
| 状況 | 向いている選択 | 理由 |
| 心身の不調があり、まず休みたい | 休職 | 収入や社会保険を保ちながら療養に専念しやすい |
| 職場環境が原因だが、異動などで改善の余地がある | 休職 | 復職時に配置や業務の調整を相談できる |
| 職場環境の改善が見込めず、戻る考えがない | 退職 | 原因となる環境から離れられる |
| 仕事内容そのものが合わないと感じている | 回復後に退職や転職を検討 | 職種や領域を変える選択肢も考えられる |
| 休職制度がない、または休職期間の上限が近い | 退職も含めて検討 | 会社の制度によって選べる範囲が変わる |
会社に休職制度があるか、利用できる条件は、就業規則で確認しましょう。休職制度は法律で義務付けられたものではなく、会社が定める制度とされます。
どちらを選ぶか、すぐに決めなくても大丈夫です。環境を変えた方の事例や求人の傾向をLINEで配信しているので、体調が落ち着いたときに無理のない範囲で受け取ってみてください。
判断するときに整理したい5つのこと
休職か退職かを決める前に、体調、原因、制度、お金、今後の方向性の5つを整理しておくと、後悔の少ない判断につながります。
- □ 主治医から、休養が必要かどうかの意見を聞いた
- □ 不調の原因が、職場環境と仕事内容のどちらにあるか考えた
- □ 就業規則で、休職制度の有無と期間の上限を確認した
- □ 休職・退職それぞれの収入と保険料の見通しを確認した
- □ 回復後に、復職と転職のどちらを考えたいかを、おおまかに描いた
特に大切なのは、不調の原因が職場環境にあるのか、仕事内容そのものにあるのかを切り分けることです。環境が原因なら、休職して回復したあとに、異動や転職で環境を変える方法があります。仕事内容そのものが合わない場合は、回復後に職種や領域を変える選択肢も考えられます。
体調が悪いときは、判断そのものが難しくなることもあります。整理できない項目があっても構いません。
休職・退職を決める前に相談したい窓口
休職か退職かは一人で決めず、立場の異なる相談先に話を聞くことが大切です。
| 相談先 | 相談できること |
| 主治医 | 休養の必要性、回復の見通し |
| 産業医・人事部門 | 休職制度の利用、復職時の配慮 |
| 加入している健康保険・ハローワーク | 傷病手当金や失業保険の条件 |
| 労働基準監督署・弁護士 | 休職や退職を巡るトラブル |
| 家族・信頼できる人 | 気持ちの整理、生活面の支え |
休職か退職か迷う気持ちも、そのまま話してください
今の悩みの相談だけでもかまいません。体調が落ち着いてからのご相談で大丈夫です。経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
まとめ
- 休職は籍を残して療養する選択、退職は会社を離れて環境を変える選択
- 休職中は会社の社会保険が続き、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる場合があるとされる
- 退職すると健康保険と年金の切り替えが必要で、失業保険は働ける状態が前提とされる
- 心身の不調で判断が難しいときは、まず休み、大きな決断は体調が落ち着いてから考える
- 不調の原因が職場環境か仕事内容かを切り分け、主治医や相談先と一緒に判断する
よくある質問
休職したまま転職活動をしてもよいですか?
休職中の転職活動は、体調や会社の規程によって考え方が異なります。まずは回復を優先し、転職活動を始める時期は主治医と相談しましょう。傷病手当金を受け取っている場合は、働ける状態と判断される可能性もあるとされるため、加入している健康保険にも確認してください。
休職から復職せずに退職しても問題ありませんか?
休職後に復職せず退職すること自体は、珍しい選択ではありません。ただし、退職の申し出の時期や手続きは、就業規則に沿って進める必要があります。傷病手当金を受けている場合は、退職後の継続給付の条件も確認しておきましょう。
休職期間が終わるまでに回復しなかったらどうなりますか?
就業規則で、休職期間が満了しても復職できない場合は退職扱いとする定めを置いている会社もあるとされます。期間の終わりが近づいたら、主治医の意見をもとに早めに人事部門と相談しましょう。扱いに納得できない場合は、専門窓口に相談してください。
休職歴や退職後の空白期間は、転職で不利になりますか?
休職歴や空白期間があるだけで、一律に不利になるとは限りません。大切なのは、現在の体調が安定していることと、再発を防ぐための工夫を整理しておくことです。伝え方は状況によって考え方が異なるため、回復してから信頼できる相談先と一緒に考えるのがおすすめです。
休職と退職、どちらも決められないときはどうすればよいですか?
決められないときは、無理に今決める必要はありません。心身の不調がある場合は、まず主治医に相談し、休養をとることを優先しましょう。休職は、回復したあとに退職も含めて考え直す時間をつくる選択肢でもあります。家族や信頼できる人にも、今の気持ちを話してみてください。
回復してから、少しずつ次の働き方を考えたい方もいるでしょう。環境を変えた方の事例や求人の傾向をLINEでお届けしているので、無理のない範囲で受け取ってみてください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
