「転職したけれど、聞いていた仕事内容と違う」「こんなはずではなかった、もう辞めたい」と、入社後のギャップに悩んで検索された方も多いのではないでしょうか。
転職後のギャップで辞めたいと感じたときは、すぐに結論を出す前に、そのギャップが「慣れれば解消する一時的なもの」なのか「働き続けても変わらない根本的なミスマッチ」なのかを見極めることが大切です。原因が分かれば、続ける・社内で環境を変える・再転職するのどれが合っているかが見えてきます。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、転職後にギャップが生まれる理由と、辞めたいときの判断基準や選択肢を解説します。
結論:転職後のギャップで辞めたいと感じたら
転職後のギャップに悩んだときに押さえておきたいポイントは、次の5つです。
・入社後にギャップを感じるのは珍しいことではなく、辞めたいと思うこと自体は甘えではない
・まずは、ギャップが一時的なものか、根本的なミスマッチかを見極める
・ギャップの原因が仕事内容なのか、職場環境なのかで、とるべき行動は変わる
・心身に不調が出ている場合は、無理に続けず、早めに医療機関や専門家に相談する
・再転職する場合は、同じギャップを繰り返さないよう、原因を言葉にしてから動く
辞めたい気持ちを否定する必要はありません。大切なのは、気持ちが強いときほど勢いで決めず、原因を整理してから判断することです。
なぜ転職後にギャップを感じるのか|7つの理由
転職後のギャップには、いくつかのよくあるパターンがあります。どれも多くの人が実際に直面している課題です。
1. 仕事内容が聞いていた内容と違う
相談の現場で最も多く聞くのが、「入社前に聞いていた仕事内容と違う」という声です。開発を担当できると思っていたのに保守や運用が中心だった、設計職のはずが製図や事務作業が多かった、といったケースがあります。
2. 想定していた技術や設備に触れられない
新しい技術に挑戦したくて転職したのに、実際は古い開発環境のままだったというギャップもあります。機電系では、扱える設備や設計ツールが想定と違ったという声もあります。
3. 職場の人間関係や雰囲気が合わない
面接で会った人の印象と、配属先の雰囲気が違うこともあります。質問しにくい空気や、前職と違うコミュニケーションの仕方に戸惑う方も少なくありません。
4. 残業や働き方が想定と違う
「残業は少なめ」と聞いていたのに繁忙期は帰りが遅い、リモートワークの頻度が思ったより少ない、といったギャップです。求人票の内容と実際の運用がずれている場合があります。
5. 評価や年収の仕組みが分かりにくい
入社後に、昇給や評価の基準が想定と違うと気づくケースです。前職より年収は上がったものの、手当や賞与の扱いが違って、思ったほど手取りが増えないこともあります。
6. 前職のやり方が通用しない
前職で当たり前だった進め方や品質の基準が、新しい職場では違うこともあります。経験者として入社した分、「できて当然」と見られるプレッシャーを感じる方もいます。
7. 期待されている役割が重すぎる、または軽すぎる
即戦力として入社直後から大きな責任を任される場合もあれば、逆に簡単な仕事ばかりで物足りないと感じる場合もあります。期待のずれは、入社前の面接ですり合わせきれないことが多い部分です。
ギャップの感じ方は人それぞれですが、同じような悩みから一歩を踏み出した方は少なくありません。環境を変えた方の事例や求人の傾向を、LINEでもお届けしています。友だち追加だけで気軽に受け取れます。
データで見る転職後の実態と再転職の見通し
転職後にギャップを感じて早期に辞める人は、一定数いるとされています。ただし、転職後の離職率など、ギャップに関する統計は調査によって定義が異なるため、数字は参考として見ておくのが適切です。
一方で、エンジニアの求人の状況を見ると、IT分野ではほかの職業と比べて求人が多い状況が続いています。仮に再転職を考える場合でも、選択肢がなくなるわけではありません。
| 指標 | 数値 |
| 有効求人倍率(情報処理・通信技術者) | 1.43倍 |
| 有効求人倍率(職業計) | 1.12倍 |
| IT人材の需給の見通し | 2030年に最大約79万人不足 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
なお、上の数値はIT分野の指標です。
一時的なギャップか、根本的なミスマッチか
辞めたい気持ちを整理するには、まずギャップの性質を見極めることが大切です。次の表で、自分のギャップがどちらに近いかを確認してみましょう。
| ギャップの内容 | 一時的な可能性が高い | 根本的なミスマッチの可能性が高い |
| 仕事内容 | 最初は簡単な業務から任されている | 職種や担当範囲そのものが聞いていた内容と違う |
| 人間関係 | 慣れていないため、話しかけにくい | ハラスメントや、相談できる人がまったくいない |
| 働き方 | 繁忙期だけ残業が多い | 長時間の残業が恒常的に続いている |
| 評価・年収 | 仕組みをまだ理解できていない | 提示された労働条件と実際の条件が違う |
| 前職とのやり方の違い | 新しいやり方に慣れていない | 会社の方針や価値観に納得できない |
次のような場合は、もう少し様子を見たほうがよい傾向があります。
・入社して間もなく、まだ業務の全体像が見えていない
・上司や同僚に、ギャップについて相談したことがない
・不満の多くが「慣れていないこと」に関係している
一方で、次のような場合は、早めに対応を考えたほうがよいかもしれません。
・提示された労働条件(給与、勤務地、職種など)と実際の条件が違う
・心身の不調が続いている
・相談しても改善の見込みがない
あくまで傾向であり、どちらかに当てはまるからといって結論を決めつける必要はありません。迷ったときは、次の記入式の表を使って気持ちを整理してみてください。
| 項目 | 記入欄 |
| 一番大きいギャップは何か | (例:開発ではなく運用保守が中心だった) |
| そのギャップは入社前に確認できたか | (例:面接で担当工程まで聞いていなかった) |
| 社内で相談・改善の余地はあるか | (例:半年後に開発チームへの異動の可能性あり) |
| 転職で一番かなえたかったこと | (例:上流工程の経験を積むこと) |
| その目的は今の会社でかなえられるか | (例:時間はかかるが可能性はある) |
転職後のギャップで辞めたいときの3つの選択肢
ギャップの性質が見えてきたら、次の3つの選択肢から考えてみましょう。
ギャップの原因が「エンジニアという職種そのもの」にあるのか、「今の会社や職場環境」にあるのかを切り分けることが、選択肢を選ぶうえで最も大切です。
1. 現職で改善を図る
ギャップの原因が職場の運用や配属にある場合は、社内で改善できる可能性があります。上司との面談で、入社前に聞いていた内容と今の状況の違いを、事実ベースで伝えてみましょう。
伝えるときは、「不満」ではなく「相談」の形にすると話が進みやすくなります。「入社時に○○を担当すると伺っていたので、今後その業務に関われる見込みがあるか教えていただけますか」のように聞くとよいでしょう。
2. 環境を変えるために再転職する
仕事内容は合っているのに、会社の方針や働き方が合わない場合は、同じ職種のまま会社を変える再転職が選択肢になります。たとえば、客先常駐が続くSES(客先常駐で技術を提供する働き方)から、自社開発や社内SEへ移るといった形です。
3. 職種や領域を変えるキャリアチェンジ
実際に働いてみて、仕事内容そのものが合わないと感じた場合は、職種や領域を変えることも考えられます。これまでの経験を活かせる関連職種を選べば、ゼロからのやり直しにはなりにくいものです。
なお、心身の不調が続いている場合は、どの選択肢を選ぶ場合でも、まず医療機関や会社の産業医に相談することを優先してください。
「辞めるべきか」を一人で抱え込む前に
経験豊富なアドバイザーが、入社後のギャップや今の状況を丁寧にヒアリングし、続けるか動くかを一緒に整理します。今の悩みの相談だけでもかまいません。
短期間で辞めると再転職で不利になる?
短期間での退職は、選考で理由を確認されやすくなるのは事実です。ただし、退職の理由と次の転職の目的が筋道立てて説明できれば、それだけで不利になるとは限りません。
私たちが企業の採用担当者と話していても、短期離職そのものより「同じ理由でまた辞めないか」を気にされることが多いと感じます。そのため、次のような伝え方が大切です。
・ギャップの内容を、他責にせず事実として伝える
・入社前に確認が足りなかった点を、自分の反省として伝える
・次の会社で何を実現したいのかを具体的に伝える
たとえば、「開発に携われると伺って入社しましたが、実際は運用保守が中心で、当面は開発に関わる見込みがないと上司から説明を受けました。入社前に担当工程まで確認しきれなかった反省を踏まえ、今回は開発工程に携われるかを重視して応募しています」のように伝えると、納得感のある説明になります。
再転職で同じギャップを繰り返さないための確認ポイント
再転職を考える場合は、前回のギャップが生まれた原因を、次の応募先選びに活かすことが大切です。面接や面談では、次のような質問で入社後の姿を具体的に確認しましょう。
・入社後、最初の半年でどのような業務を担当する予定ですか
・配属予定のチームの人数と、年齢や経験の構成を教えていただけますか
・開発(設計)の工程のうち、どこからどこまでを担当しますか
・残業が多くなる時期と、そのときの平均的な残業時間を教えていただけますか
・リモートワークの実際の頻度を教えていただけますか
・評価や昇給はどのような基準とタイミングで決まりますか
可能であれば、配属予定の部署の社員と話す機会をもらえないか、相談してみるのもよい方法です。また、労働条件は内定時に書面で受け取り、面接で聞いた内容と違いがないかを必ず確認しましょう。
辞めると決めたときに確認しておきたいこと
辞めると決めた場合も、勢いで退職を伝える前に、次の点を確認しておきましょう。
・就業規則で、退職の申し出の時期や手続きを確認する
・次の転職先が決まる前に辞めるか、在職中に転職活動をするかを決める
・試用期間中の退職の扱いを確認する
・有給休暇の残りや、業務の引き継ぎの段取りを確認する
一般に、期間の定めのない雇用契約では、退職を申し出てから2週間で退職できるとされています。ただし、会社の就業規則で申し出の時期が定められている場合もあるため、円満に退職するためには規則に沿って早めに伝えるのが望ましいでしょう。
私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。退職を認めてもらえない、労働条件が入社前の説明と違うなどのトラブルがある場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーや労働基準監督署、弁護士などの専門窓口に相談してください。
経験を活かせるキャリア
転職後のギャップで辞めたとしても、これまでの経験がなくなるわけではありません。短い期間でも、新しい職場で得た経験は次のキャリアに活かせます。
| これまでの経験 | 経験を活かしやすいキャリアの例 |
| 客先常駐での開発・保守 | 自社開発の開発職、社内SE |
| 運用保守・監視 | インフラエンジニア、社内の情報システム部門 |
| 機械設計 | 生産技術、設備設計、品質管理 |
| 回路設計 | 組込・制御エンジニア、評価・検証エンジニア |
| 生産技術・設備保全 | 設備設計、工場の自動化を担う職種 |
IT・機電の両方の領域では、職種どうしの距離が近いため、経験を軸に方向を少し変えるキャリアチェンジがしやすい面があります。ギャップを経験したからこそ、「自分が仕事に何を求めているか」がはっきりした、と話す方も少なくありません。
ギャップを繰り返さない次の一歩を、一緒に考えませんか
市場価値を客観的に評価したうえで、今回のギャップの原因を踏まえた求人選びを一緒に考えます。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
まとめ
・転職後にギャップを感じて辞めたいと思うのは珍しいことではなく、甘えではない
・ギャップが一時的なものか、根本的なミスマッチかを見極めてから判断する
・原因が職種そのものか、会社や職場環境かを切り分け、現職改善・再転職・キャリアチェンジから選ぶ
・短期離職は、退職理由と次の目的を筋道立てて説明できれば、それだけで不利になるとは限らない
・再転職では、担当業務やチーム構成などを具体的に確認し、同じギャップを繰り返さない
よくある質問
転職後すぐに辞めたいと思うのは甘えですか?
甘えではありません。新しい環境では、仕事内容や人間関係にギャップを感じるのは自然なことです。ただし、慣れれば解消するギャップもあるため、すぐに結論を出さず、原因を整理してから判断しましょう。心身に不調がある場合は、無理をせず早めに専門家に相談してください。
転職後どのくらいの期間は様子を見るべきですか?
一律の正解はありませんが、業務の全体像が見えるまでは様子を見る方が多い傾向があります。ただし、労働条件が説明と違う、心身の不調が続いているなどの場合は、期間にこだわらず早めに対応を考えてください。上司への相談で状況が変わることもあります。
試用期間中に辞めることはできますか?
試用期間中でも、退職を申し出ることはできるとされています。手続きは就業規則に沿って進めるのが基本です。短期間での退職は次の選考で理由を聞かれやすいため、退職理由と次の転職の目的を整理しておきましょう。トラブルがある場合は労働局などに相談してください。
短期離職だと次の転職先は見つかりませんか?
見つからないわけではありません。選考では短期離職の理由を確認されやすいものの、理由と次の目的を筋道立てて説明できれば評価されることもあります。IT分野のエンジニアは求人が多い状況が続いているため、経験を活かせる応募先を選ぶことが大切です。
入社前に聞いていた条件と違う場合はどうすればいいですか?
まずは、内定時に受け取った労働条件通知書などの書面を確認しましょう。書面の内容と実際の条件が違う場合は、上司や人事に事実として確認します。改善されない場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどの専門窓口に相談できます。
辞めたい気持ちを上司に伝えても大丈夫ですか?
いきなり「辞めたい」と伝えるより、「入社前に聞いていた内容との違いについて相談したい」と伝えるほうが話が進みやすくなります。配置の見直しなどで改善できる場合もあります。相談しても変わらないと分かれば、それも判断の材料になります。
ギャップを感じた経験は、次のキャリアを考えるための大切な材料になります。エンジニアの転職事例や、求人の選び方に関する情報を、LINEで配信しています。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
