「文系でもSIerに就職できるのか」「プログラミングを学んだことがなくても仕事についていけるのか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
SIerでは文系・理系だけで適性が決まるわけではなく、文系からシステムエンジニアを目指すことも可能です。
一方、入社後はITの基礎知識を身につける必要があるため、事前準備はしておいたほうがよいでしょう。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、文系からSIerを目指す方法や活かせる強み、必要なスキルを解説します。
文系でもSIerに就職・転職できる?
文系からSIerへ就職・転職することは可能です。
SIerの仕事ではプログラミングだけでなく、顧客へのヒアリングや要件整理、プロジェクト管理など幅広い能力が求められるためです。
学部だけではなく、ITを学ぶ意欲や論理的に考える力、コミュニケーション力なども重要になります。
ただし、すべての求人が未経験者を対象としているわけではありません。
中途採用では実務経験を求める求人もあるため、応募条件を確認する必要があります。
新卒と中途でも採用基準は異なるため、自分が応募できる求人から確認しましょう。
SIerとはどんな会社?
SIerとは、顧客企業から依頼を受けてシステムの設計・開発・導入などを行う企業です。
システムインテグレーターとも呼ばれます。
システム開発は次のような工程で進みます。
| 工程 | 主な仕事内容 |
| 要件定義 | 顧客の要望や課題を整理する |
| 基本設計 | システム全体の仕様を決める |
| 詳細設計 | 機能ごとの仕様を決める |
| 開発 | プログラムを作成する |
| テスト | システムの動作を確認する |
| 導入 | 本番環境で利用できる状態にする |
| 運用・保守 | 稼働後の管理・改善を行う |
SIerの仕事は「一日中プログラミングをする仕事」だけではありません。
経験を積むと、顧客との打ち合わせやプロジェクト管理を担当する場合もあります。
文系出身者がSIerで活かせる5つの強み
文系で学んだことやこれまでの経験も、SIerの仕事で活かせる場合があります。
1. コミュニケーション力
SIerでは顧客やエンジニア、協力会社など多くの人と仕事を進めます。
特に要件定義では、顧客の要望を聞き出し、開発側へ正確に伝える必要があります。
人と話すことだけでなく、相手の意図を理解する力も重要です。
2. 文章を整理する力
システム開発では、設計書や仕様書、議事録など文章を作成する場面があります。
情報を整理し、相手にわかりやすく伝える力は実務でも役立ちます。
3. 課題を整理する力
顧客から、
「この業務を効率化したい」
と相談されたとしても、すぐにシステムの仕様が決まるわけではありません。
現在の業務を整理し、どこに問題があるのか考える必要があります。
文系・理系に関係なく「なぜこの問題が起きているのか」を整理する力が求められます。
4. 業界・業務の知識
SIerでは、金融や製造、物流、公共などさまざまな業界のシステムを扱います。
例えば金融や会計を学んだ経験があれば、その知識がシステム開発の業務理解につながる場合があります。
IT知識以外の専門性も強みになる可能性があります。
5. 顧客への説明力
SEは技術者だけと話す仕事ではありません。
ITに詳しくない顧客へシステムの内容を説明することもあります。
難しい内容を整理して伝える力は、上流工程へ進むほど重要になります。
文系からSIerを目指す4つのルート
文系からSIerへ進む方法は一つではありません。
自分の状況に合わせて選びましょう。
1. 新卒でSIerへ就職する
学生であれば、新卒採用からSIerを目指す方法があります。
メリット:未経験者を前提とした研修や教育を受けられる企業があります。
注意点は、採用ページの「文理不問」だけで企業を決めないことです。
入社後の職種や研修後の配属まで確認しましょう。
2. 未経験歓迎のSIerへ転職する
社会人経験がある場合は、未経験者を対象とした中途求人を探す方法があります。
メリット:営業や顧客対応など前職経験を活かせる可能性があります。
一方、中途採用では新卒より即戦力性を求められる場合があります。
これまでの経験とIT職との共通点を整理しましょう。
3. ITの基礎を学んでから応募する
プログラミングやIT基礎を学習してから応募する方法です。
メリット:ITへの興味を行動で示しやすくなります。
未経験者の場合、
「ITに興味があります」
だけでなく、
「現在○○を学んでいます」
と説明できる状態を目指しましょう。
4. ITサポートなどから経験を積む
ITサポートや運用などから経験を積み、SEを目指す方法もあります。
メリット:実務を通じてITの基礎を学べます。
ただし、その会社で開発や設計へキャリアを広げられるか確認しておきましょう。
文系からSIerを目指す5ステップ
文系からSIerを目指すなら、IT学習だけでなく職種理解から始めましょう。
1. SIerの仕事内容を知る
まず、システム開発の流れを理解します。
要件定義、設計、開発、テスト、運用など、それぞれの工程で何をするのか確認しましょう。
2. 開発かインフラか方向性を考える
SIerには大きく分けて、
・アプリケーション開発
・インフラ
などの領域があります。
最初から細かく決める必要はありません。
「システムを作りたい」「ネットワークやクラウドに興味がある」など、大まかな方向を考えましょう。
3. ITの基礎を学ぶ
次に、
・コンピューター
・ネットワーク
・データベース
・プログラミング
などの基本を学びます。
プログラミング経験がない場合は、実際に簡単なコードを書いてみることもおすすめです。
4. 文系で培った経験を整理する
IT経験がない場合は、これまでの経験をSIerの仕事につなげます。
例えば、
「ゼミで複数人の意見をまとめた」
↓
「チームで情報を整理する力」
「営業で顧客へ提案した」
↓
「顧客の課題を聞き出す力」
というように変換します。
5. 未経験者の配属実績まで確認する
求人では「未経験歓迎」だけを見るのではなく、
・研修内容
・研修後の配属
・未経験者の担当工程
・数年後のキャリア
まで確認しましょう。
文系かどうかより、入社後にどのような経験を積める環境なのかが重要です。
文系からSIerを目指す場合、IT学習だけでなく「どの職種を目指すか」を整理すると求人を選びやすくなります。ITエンジニアの職種や転職準備についてLINEでも情報収集できます。
文系からSIerを目指すならプログラミングは必要?
SIerのエンジニアを目指すなら、プログラミングの基礎を知っておくと役立ちます。
ただし、すべてのSIer社員が毎日プログラミングを担当するわけではありません。
担当工程によっては、
・要件整理
・設計
・顧客との打ち合わせ
・進捗管理
・ベンダー調整
などが仕事の中心になる場合もあります。
一方、開発工程を理解するにはプログラムがどのように動くのかを知っておくことが重要です。
「将来プログラミングをしないから勉強しなくてよい」と考えるのではなく、ITの基礎として学ぶとよいでしょう。
文系からSIerを目指すときに役立つ資格
SIerへ入るために資格が必須とは限りません。
ただし、ITの基礎を体系的に学ぶ方法として資格を利用できます。
代表的な国家試験には、
・ITパスポート試験
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
があります。
未経験者であれば、現在の知識量に合わせて学習する資格を選びましょう。
出典:独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験」
資格を取ること自体をゴールにせず、ITの仕組みを理解するために活用することが大切です。
文系でSIerに向いている人
文系だから向いている、理系だから向いているという単純なものではありません。
SIerに向いているかは、仕事への適性から考えましょう。
例えば、
・新しい知識を学ぶことが好き
・わからないことを調べられる
・論理的に物事を整理できる
・チームで仕事を進められる
・人の話を聞くことが得意
・仕組みを考えることが好き
・細かい確認を続けられる
といった人です。
数学やプログラミングが得意かだけでSIerへの適性を判断する必要はありません。
一方、技術を継続的に学ぶこと自体が大きな負担になる場合は、仕事内容との相性を確認したほうがよいでしょう。
文系でSIerに入るときつい?
文系出身者がSIerへ入った場合、最初はIT用語や技術を覚えることに大変さを感じる可能性があります。
例えば、
・専門用語が多い
・プログラミングを学ぶ必要がある
・システムの仕組みを理解する必要がある
・技術の変化に合わせて学習する必要がある
などです。
一方、これは文系出身者だけに限った話ではありません。
IT技術は入社後も継続して学ぶ必要があります。
文系だからきついのではなく、ITを継続的に学ぶ働き方が自分に合うかを考えることが大切です。
また、現在の仕事がつらい場合は、職種そのものの問題か、職場環境の問題かを切り分けることも重要です。
文系出身者がSIerの志望動機で伝えること
文系出身者の志望動機では、「文系ですが頑張ります」だけで終わらせないようにしましょう。
おすすめの構成は、
「ITを目指すきっかけ」
↓
「SIerを選ぶ理由」
↓
「これまでの経験」
↓
「現在行っているIT学習」
↓
「入社後にやりたいこと」
です。
例えば、営業経験者なら次のように整理できます。
「現職で顧客の業務課題を聞くなかで、ITによる業務改善に興味を持ちました。これまで培ったヒアリング力を活かしながら技術知識を身につけ、将来は顧客の課題整理からシステム提案まで担当できるSEを目指したいと考えています。」
文系であることを弱点として説明するより、これまでの経験をSIerでどう活かすかを伝えましょう。
文系からITエンジニアを目指している方へ
未経験向け求人でも、研修後の配属や身につくスキルは企業によって異なります。現在の経験を整理し、SIerや社内SEなども含めて自分に合う選択肢を比較できます。
文系からSIerへ入るときの求人選び
文系・IT未経験からSIerを目指す場合は、入社後の育成環境を確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
| 応募条件 | 文理・実務経験の条件 |
| 研修 | IT基礎・技術研修の内容 |
| 配属 | 研修後の配属方法 |
| 担当工程 | 未経験者が最初に何をするか |
| 教育 | 配属後のフォロー体制 |
| キャリア | 開発・設計・上流へ進めるか |
| 案件 | どの業界・技術を扱うか |
| 働き方 | 自社・客先・リモートなど |
面接では、
「文系・未経験で入社した方は、どのような工程から担当していますか」
と質問してみるのも一つの方法です。
企業の説明だけでなく、実際のキャリア事例を確認しましょう。
SIerで働くSEの年収
SIer勤務者だけを対象とした統一的な平均年収データはありません。
関連職種の参考として、厚生労働省の職業情報提供サイトでは、システムエンジニアの年収データが公開されています。
ただし、文系出身者だけを対象にした公的な年収データではありません。
文系か理系かだけで給与が決まるのではなく、入社後の役割や経験、企業の給与制度などによって年収は変わります。
転職時は「文系だから年収が低くなる」と決めつけず、求人ごとの給与条件を確認しましょう。
出典:厚生労働省「job tag」
文系からSIerを目指すなら学部より入社後のキャリアを見る
SIerを目指すときに「文系だから無理なのでは」と考えすぎる必要はありません。
重要なのは、入社後にITを学び続けられるかです。
さらに企業選びでは、
・最初に担当する仕事
・身につけられる技術
・数年後に担当できる工程
・希望するキャリアへの道筋
まで確認しましょう。
文系・理系という入口より、3~5年後にどのようなエンジニアになれる環境なのかを見ることが大切です。
文系からITエンジニアを目指している方へ
未経験向け求人でも、研修後の配属や身につくスキルは企業によって異なります。現在の経験を整理し、SIerや社内SEなども含めて自分に合う選択肢を比較できます。
まとめ
文系からSIerへ就職・転職することは可能です。
・文系・理系だけでSIerへの適性が決まるわけではない
・コミュニケーション力や業務知識も仕事で活かせる
・入社前にITやプログラミングの基礎を学んでおく
・未経験求人では研修後の配属やキャリアまで確認する
・文系という学歴より入社後に何を経験できるかを重視する
文系であることだけを理由に選択肢を狭めず、仕事内容を理解したうえで準備を進めましょう。
よくある質問
文系でもSIerに就職できますか?
可能です。文系・理系を問わず募集している企業もあります。ただし、企業や職種によって応募条件は異なるため、採用情報を確認したうえでITの基礎学習を進めましょう。
文系でプログラミング未経験でも大丈夫ですか?
未経験者を対象とした求人であれば応募できる場合があります。ただし、入社後はIT技術を学ぶ必要があります。応募前に簡単なプログラミングを経験しておくと仕事への理解も深まります。
文系からSIerに入るとついていけないですか?
文系だからついていけないとは限りません。最初は専門用語などに苦労する可能性がありますが、研修や自己学習を通じて知識を身につけることはできます。継続して学べるかが重要です。
SIerでは文系と理系で仕事内容が違いますか?
学部だけを理由に仕事内容が決まるとは限りません。配属先や本人のスキル、企業の方針によって異なります。応募時に配属方法や入社後の職種について確認しましょう。
文系からSIerを目指すなら資格は必要ですか?
必須とは限りません。ITパスポートや基本情報技術者試験などは、ITの基礎を体系的に学ぶ方法として活用できます。資格取得だけでなく、学んだ内容を説明できるようにしましょう。
文系出身者はSIerで不利になりますか?
文系という理由だけで一律に不利になるとは言えません。IT知識に加えて、顧客折衝や文章整理、業界知識などを活かせる仕事もあります。企業が求める能力との接点を伝えることが重要です。
文系からSIerを目指す場合も、学部より「これから何を学び、どの仕事をしたいか」を整理することが大切です。ITエンジニア向けの情報はLINEでも確認できます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

