「ITエンジニアになるには何から始めればよい?」「未経験や文系でも目指せる?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
ITエンジニアになるには、最初に目指す職種を決め、その仕事に必要なIT知識を身につけてから求人を探すことが重要です。
ITエンジニアには、システムエンジニアやプログラマー、インフラエンジニアなどさまざまな職種があります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、ITエンジニアになる方法を4つのルートと5ステップに分けて解説します。
そもそもITエンジニアとは
ITエンジニアとは、IT技術を活用してシステムやサービスの設計・開発・構築・運用などを行う技術職の総称です。
ITエンジニアという一つの仕事があるのではなく、仕事内容によって複数の職種に分かれます。
代表的な職種は以下のとおりです。
| 職種 | 主な仕事内容 | 主に必要な知識 |
| システムエンジニア | 要件整理、設計、開発管理 | システム開発、設計 |
| プログラマー | プログラムの作成・修正 | プログラミング |
| アプリケーションエンジニア | Web・業務アプリなどの開発 | プログラミング、データベース |
| インフラエンジニア | サーバー・ネットワークの構築・運用 | ネットワーク、サーバー |
| 社内SE | 社内システムの導入・運用 | IT全般、業務知識 |
| セキュリティエンジニア | セキュリティ対策・監視 | ネットワーク、セキュリティ |
ITエンジニアを目指す場合は、まず職種ごとの仕事内容を理解することがスタート地点です。
「IT業界に入りたい」という状態のままでは、何を勉強すればよいか決めにくくなります。
ITエンジニアになるには?4つのルート
ITエンジニアになる方法は一つではありません。
現在の経験や学習環境に応じて、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
代表的な4つのルートを紹介します。
1. 大学・専門学校でITを学んで就職する
学生の場合は、大学や専門学校で情報系の知識を学び、IT企業へ就職する方法があります。
プログラミングやネットワーク、データベースなどを体系的に学べることがメリットです。
メリット: ITの基礎から順番に学びやすい
注意点: 情報系学部を卒業することが、ITエンジニアになる必須条件ではありません。
文系や他学部からIT企業へ就職する方法もあります。
2. 独学して未経験求人へ応募する
社会人から目指す場合は、独学でITの基礎を学んだうえで未経験求人へ応募する方法があります。
書籍やオンライン教材などを活用し、自分のペースで勉強できます。
メリット: 費用を抑えながら始めやすい
注意点: 学習内容や順番を自分で決める必要があります。
職種を決めずに学習を始めると、必要のない分野まで広げてしまうことがあります。
3. スクールなどで学んでから転職する
一人での学習が難しい場合は、プログラミングスクールなどを利用する方法もあります。
カリキュラムに沿って学べるため、学習の順番を決めやすい点が特徴です。
メリット: 質問できる環境を作りやすい
注意点: 費用やカリキュラムはサービスによって異なります。
受講前に、目指す職種と学習内容が一致しているか確認しましょう。
4. 現職の経験を生かしてIT職種へ転職する
異業種での経験を生かしてITエンジニアを目指す方法もあります。
たとえば、製造業の知識を持つ人が製造業向けシステムに関わるなど、業務知識が強みになることがあります。
営業経験で培った顧客折衝力や、事務職で培った業務改善経験も生かせる場合があります。
メリット: これまでの職歴を強みとして使える
注意点: 「IT未経験だから経験がない」と考えず、前職との共通点を整理することが重要です。
私たちが転職相談を受ける際にも、「未経験なので職務経歴書に書けることがありません」という声を聞くことがあります。
しかし、IT経験がなくても、顧客対応やチーム調整、業務改善などはエンジニアとして生かせる経験です。
未経験からITエンジニアになる5ステップ【ロードマップ】
未経験からITエンジニアを目指すなら、いきなり求人へ応募するのではなく、順番を決めて準備しましょう。
「職種を知る→目標を決める→学ぶ→成果を作る→求人を選ぶ」の5ステップがおすすめです。
ステップ1. ITエンジニアの職種を知る
まずは、どのようなITエンジニア職があるのかを調べます。
同じITエンジニアでも、プログラムを書く仕事とネットワークを支える仕事では仕事内容が異なります。
たとえば、以下のように興味から候補を考えてみましょう。
・サービスやアプリを作りたい
・プログラミングをしたい
・システム全体の設計に関わりたい
・サーバーやネットワークを扱いたい
・社内のIT環境を改善したい
この段階では一つに決めきれなくても問題ありません。
まずは2〜3職種まで候補を絞りましょう。
ステップ2. 目指す職種を決める
次に、仕事内容や将来のキャリアを比較して目指す職種を決めます。
職種を決める理由は、必要な学習内容が変わるためです。
たとえば開発系を目指すなら、プログラミングやデータベースの知識が重要です。
インフラ系なら、ネットワークやサーバー、クラウドなどを学ぶ必要があります。
最初からすべてのIT分野を勉強する必要はありません。
ステップ3. 必要なITスキルを身につける
目指す職種が決まったら、必要な基礎知識を学習します。
職種によって優先度は異なりますが、次の知識は多くのIT職種で役立ちます。
・コンピューターの基本
・ネットワーク
・データベース
・情報セキュリティ
・システム開発の流れ
開発系の場合は、さらにプログラミングを学びます。
インフラ系の場合は、ネットワークやサーバーの仕組みを重点的に学びましょう。
ステップ4. 学習した内容を形にする
知識を覚えるだけでなく、実際に手を動かすことも重要です。
開発系なら、簡単なWebサイトやアプリを作ってみる方法があります。
インフラ系なら、学習環境を使ってサーバーやネットワークを構築してみましょう。
選考では「何を勉強しました」という説明だけでなく、「何を作ったか」「何を試したか」を説明できると、学習状況を具体的に伝えやすくなります。
ステップ5. 求人を比較して応募する
準備ができたら、未経験者を対象とする求人を探します。
このとき、給与や勤務地だけで選ばないことが大切です。
確認したいポイントを整理すると、以下のとおりです。
| 確認項目 | 見るポイント |
| 仕事内容 | 入社後に何を担当するか |
| 研修 | 研修内容と実務開始までの流れ |
| 配属 | どのような部署・案件に入るか |
| 使用技術 | どの技術を経験できるか |
| 教育体制 | 質問・相談できる環境があるか |
| キャリア | 数年後にどの仕事を目指せるか |
未経験転職では、最初の仕事内容がその後のキャリア形成に影響します。
「入社できる求人」だけでなく、「経験を積める求人」という視点で比較しましょう。
ITエンジニアになるための職種選びに迷っている方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験や希望を丁寧にヒアリングし、目指せるIT職種を一緒に整理します。まずは情報収集の一環として相談したい方も歓迎です。
ITエンジニアを目指すなら分野・職種をどう選ぶ?
ITエンジニアになるには、「どの職種を目指すのか」を早めに決めることが重要です。
自分の興味だけでなく、得意なことや将来やりたい仕事から選びましょう。
職種選びの目安は以下のとおりです。
| 志向 | 向いている職種の例 | 理由 |
| ものを作るのが好き | プログラマー、アプリケーションエンジニア | 開発作業が中心 |
| 全体を考えるのが好き | システムエンジニア | 設計や要件整理に関わる |
| 裏側の仕組みに興味がある | インフラエンジニア | サーバーやネットワークを扱う |
| 人との調整が得意 | システムエンジニア、社内SE | 利用者や関係者との調整が多い |
| 安定運用や改善が好き | インフラエンジニア、社内SE | 運用・改善に関わりやすい |
職種名だけで判断せず、実際の仕事内容を確認することも大切です。
企業によって同じ職種名でも担当範囲が異なる場合があります。
独学とスクールはどちらがよい?
ITエンジニアになるために、必ずスクールへ通う必要があるわけではありません。
自分で学習を続けられるなら独学、学習管理や質問環境が必要ならスクールを検討するとよいでしょう。
独学が向いている人は次のとおりです。
・自分で調べることが苦にならない
・学習計画を立てられる
・費用を抑えたい
・まずはITに触れてみたい
一方、スクールが向いている人には次のような傾向があります。
・何から始めればよいかわからない
・質問できる相手がほしい
・学習期限を決めたい
・一人だと継続が難しい
大切なのは、学習方法ではなく「目指す職種に必要な内容を学べているか」です。
高額なスクールを利用すればITエンジニアになれると保証されるわけではありません。
まず無料教材や書籍などで実際に学習を始め、自分に合った学び方を確認する方法もあります。
ITエンジニアになるために必要なスキル
ITエンジニアには、技術力以外にも複数の能力が求められます。
IT知識に加え、問題解決力やコミュニケーション力、学習を続ける力が重要です。
ITの基礎知識
コンピューターやネットワーク、データベース、セキュリティなどの知識です。
専門分野を学ぶ前に基本的な仕組みを理解しておくと、その後の学習を進めやすくなります。
プログラミングスキル
開発系のITエンジニアを目指す場合は、プログラミングスキルが必要です。
ただし、ITエンジニアすべてが高度なプログラミングを行うわけではありません。
まずは目指す職種で必要かどうかを確認しましょう。
論理的思考力
ITエンジニアは、問題を分解して原因や解決方法を考える仕事です。
システムに問題が起きた場合、「どこから確認するか」を順番に整理する必要があります。
コミュニケーション力
エンジニアはチームで働く機会が多くあります。
顧客や他部署と打ち合わせをしたり、技術的な内容を相手に説明したりする場面もあります。
そのため、営業や接客など異業種で身につけたコミュニケーション力も生かせます。
継続して学ぶ力
IT分野では、新しい技術やサービスが登場します。
一度勉強して終わりではなく、仕事をしながら知識を更新していく姿勢が求められます。
ITエンジニアになるために役立つ資格
ITエンジニアになるために、資格が必須とは限りません。
ただし、未経験者にとって資格学習はIT知識を体系的に身につける方法の一つです。
代表的な国家試験として、情報処理技術者試験があります。
主な試験には以下があります。
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・データベーススペシャリスト試験
・情報処理安全確保支援士試験
未経験者の場合は、資格名を増やすことよりも、学んだ内容を理解していることが重要です。
選考では「資格を取得したこと」に加えて、「何を学び、どの仕事に生かしたいか」まで説明できるようにしましょう。
出典:独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験」
文系・未経験・年代別でもITエンジニアになれる?
ITエンジニアになるために、必ず情報系の学校を卒業する必要があるわけではありません。
ただし、未経験転職では年代やこれまでの職歴によって、伝えるべきポイントが変わります。
文系でもITエンジニアを目指せる
文系だからITエンジニアになれないわけではありません。
技術は入社前後の学習で身につけることができます。
文章を整理する力やコミュニケーション力など、文系の学習や前職経験を生かせる場面もあります。
20代は学習意欲と将来性を伝える
20代では、実務経験だけでなく今後の成長を含めて採用を検討する求人もあります。
そのため、未経験だからこそ「すでに何を学んでいるか」が重要です。
応募してから勉強するのではなく、事前に学習を始めておきましょう。
30代以降はこれまでの経験も生かす
30代以降では、IT知識だけでなく、これまでの仕事で身につけた経験との接点を整理することが重要です。
たとえば、営業経験、マネジメント経験、特定業界の業務知識などです。
私たちが転職相談を受ける際も、年齢だけで可能性を判断するのではなく、これまでの経験と目指すIT職種との接点を確認します。
「未経験だからゼロから」と考えるのではなく、すでに持っている経験をどう生かすか考えてみましょう。
ITエンジニアを目指すメリット|年収と将来性
ITエンジニアを目指す際には、仕事内容だけでなく年収や将来的な需要も確認しておきましょう。
関連するIT職種では、次のような年収データがあります。
| 指標 | 金額・数値の目安 |
| システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
| 2030年のIT人材不足 | 最大約79万人 |
システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収は約574万円、基盤システムでは約684万円です。
ただし、これらは関連するIT職種の平均値です。未経験者の入社時年収や、ITエンジニア全職種の平均を示すものではありません。
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「システムエンジニア(基盤システム)」
給与所得者全体の平均年収は約478万円です。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
また、経済産業省の調査では、2030年にIT人材が最大約79万人不足する可能性が示されています。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
IT人材への需要があることは確認できますが、IT業界に入れば自動的にキャリアアップできるわけではありません。
担当できる工程や専門性を広げながら経験を積むことが重要です。
ITエンジニアを目指す際の注意点・よくある失敗
ITエンジニアになることだけを目的にすると、入社後に仕事内容とのミスマッチが起きる可能性があります。
「IT業界に入ること」ではなく、「どのようなITエンジニアになりたいか」まで考えておきましょう。
職種を決めずにプログラミングを始める
ITエンジニアを目指すと、まずプログラミングを勉強しようと考える方もいます。
しかし、インフラ系など、プログラミングが中心ではない職種もあります。
先に職種を決めてから、必要な技術を学ぶほうが効率的です。
資格取得だけを目的にする
資格取得は学習のきっかけになります。
一方で、資格だけでエンジニアとしての実務能力が身につくわけではありません。
資格学習と並行して、実際にパソコンを操作したりシステムを作ったりする経験も積みましょう。
「未経験歓迎」だけで会社を決める
求人票に未経験歓迎と書かれていても、入社後の仕事内容や研修内容は企業によって異なります。
応募前や面接時に、配属先や担当業務を確認してください。
ITエンジニアが合わないとすぐに判断する
学習が難しかったり仕事がつらかったりすると、「ITエンジニア自体が向いていない」と感じることがあります。
しかし、原因が職種そのものではなく、学習方法や職場環境にある可能性もあります。
仕事内容が合わないのか、教育体制・配属・働き方などの環境が合わないのかを切り分けることが大切です。
たとえば開発が合わなくても、インフラや社内SEなど別のIT職種が合う場合があります。
ITエンジニアという大きな括りだけで判断せず、職種単位で考えてみましょう。
ITエンジニアになるための道筋を整理したい方へ
ITエンジニアには複数の職種があり、これまでの経験によって目指しやすいキャリアも異なります。市場価値を客観的に整理したうえで、納得できる選択肢を一緒に考えます。
まとめ|ITエンジニアになるには職種選びから始めよう
ITエンジニアになる方法についてポイントを整理します。
・ITエンジニアになるには、まず目指す職種を決める
・大学や専門学校だけでなく、独学や未経験転職からも目指せる
・目指す職種によって必要な技術や学習内容は異なる
・IT知識だけでなく、前職経験やコミュニケーション力も生かせる
・求人は入社できるかだけでなく、その後どの経験を積めるかまで確認する
ITエンジニアになるために、最初から高度な技術をすべて身につける必要はありません。
まずは仕事内容を知り、自分が目指したい職種を決めることから始めましょう。
よくある質問(FAQ)
ITエンジニアになるには何から始めればよいですか?
まずはITエンジニアの職種を調べ、自分が目指す仕事を決めましょう。開発系とインフラ系では必要な学習内容が異なります。職種を絞ってから基礎知識を学ぶと効率的です。
未経験でもITエンジニアになれますか?
未経験者を対象とする求人もあります。ただし、応募前にITの基礎を学び、なぜその職種を目指すのか説明できるようにしましょう。前職で身につけた経験を整理することも重要です。
文系でもITエンジニアになれますか?
文系出身でもITエンジニアを目指せます。情報系学部の卒業が必須とは限りません。IT知識を自主的に学び、論理的思考力やコミュニケーション力などの強みも伝えましょう。
ITエンジニアになるには資格が必要ですか?
資格が必須とは限りません。ただし、未経験者がITの基礎を体系的に学ぶ方法として資格勉強は活用できます。取得だけを目的にせず、学んだ知識を実際に使えるようにすることが大切です。
ITエンジニアになるにはプログラミングが必須ですか?
すべてのITエンジニアに高度なプログラミング能力が必要なわけではありません。開発系では重要ですが、インフラや社内SEなどでは求められる技術が異なります。目指す職種から逆算しましょう。
独学でもITエンジニアになれますか?
独学で必要な知識を学び、未経験求人へ応募する方法もあります。重要なのは学習方法ではなく、目指す職種に必要な知識を身につけ、学習成果を具体的に説明できる状態にすることです。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
