「SAPコンサルの年収は高いと聞くけれど、実際はどのくらい?」「どんな会社で働くと年収が上がりやすいの?」と、SAPコンサルという仕事と年収の関係が気になっている方も多いのではないでしょうか。
SAPコンサルに限定した公的な年収データはありませんが、関連するIT職種であるシステムエンジニアの平均年収は約574万円〜約684万円で、給与所得者全体の約478万円を上回っています。SAPコンサルの年収は、働く会社の種類や担当する領域、プロジェクトでの役割によって大きく変わります。平均の数字だけでなく、自分の年収がどんな要素で決まっているのかを知ることが大切です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、SAPコンサルの年収をデータで整理し、会社の種類別・担当領域別の傾向、2027年問題の影響、年収を上げる方法を解説します。
結論:SAPコンサルの年収は「会社の種類」と「担当範囲」で差がつく
まず、この記事の要点を整理します。
- SAPコンサルに限定した公的な年収データはないため、関連するシステムエンジニアのデータを参考にする
- システムエンジニアの平均年収は約574万円〜約684万円で、給与所得者全体の約478万円を上回る
- コンサルティング会社、システム開発会社、事業会社など、働く会社の種類によって年収の傾向が変わる
- 提案や要件定義など上流の工程を担うほど、年収は上がりやすい
- 年収が伸び悩むときは、原因が職種そのものか、働く会社の環境かを切り分けて考える
SAPコンサルとは
SAPコンサル(SAPコンサルタント)とは、企業の会計や販売、生産などの業務をまとめて管理する基幹業務システム「SAP」の導入や活用を支援する職種です。SAPの知識だけでなく、担当する業務への深い理解が求められます。
担当する領域によって、業務の知識を活かす機能コンサルタント、追加の開発を担う技術コンサルタント、システムが動く環境を整える基盤コンサルタントに分けられます。職種の詳しい内容は、SAPコンサルタントの解説記事で紹介しています。
データで見るSAPコンサルの年収
SAPコンサルに限定した公的な年収データは、ここでは示していません。参考として、関連するIT職種であるシステムエンジニアの年収を紹介します。職務の内容が異なるため、SAPコンサルの年収の水準とは別のものとしてご覧ください。
| 指標 | 金額(目安) |
| 参考:システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| 参考:システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
SAPコンサルは、企業の基幹業務という重要なシステムに関わるため、業務とシステムの両方の専門性が評価されやすい職種です。ただし、会社の種類や担当範囲によって差が大きいため、この数字はあくまで目安として考えてください。
年代別に見る年収の傾向
年代による年収の変化についても、SAPコンサルに限定したデータはありません。参考として、システムエンジニアの年代別の年収を見ると、20代前半の約377万円から、40代後半の約760万円まで上がっていく傾向があります。
| 年代 | 参考:システムエンジニアの年収(目安) |
| 20代前半 | 約377万円 |
| 40代後半(ピーク) | 約760万円 |
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(システムエンジニアの年齢階級別賃金)
SAPコンサルの場合も、経験を積み、担当する工程が上流に広がるほど、年収は上がりやすくなります。設定や開発の担当から、要件定義や提案、プロジェクトの管理へと役割が広がると、年収が上がる傾向があります。
会社の種類別の年収の傾向
SAPコンサルの年収は、どんな会社で働くかによって大きく変わります。一般的な傾向を表にまとめました。
| 会社の種類 | 年収の傾向 | 特徴 |
| コンサルティング会社 | 比較的高い傾向がある | 提案や構想など、上流の工程に関わりやすい |
| システム開発会社 | 会社の規模や担当工程によって差がある | 設定や開発、テストなど、幅広い工程に関わる |
| SAPの導入を専門とする会社 | 専門性に応じて差がある | SAPの知識を深く磨きやすい |
| 事業会社(社内) | 比較的安定しやすい | 自社のSAPの運用や改善に長く関わる |
| フリーランス | 経験と案件次第で高くなることもある | 収入が安定しにくく、案件を自分で確保する必要がある |
相談の現場では、「SAPの導入プロジェクトに関わっているが、設定やテストばかりで、年収がなかなか上がらない」という声をよく聞きます。同じSAPコンサルでも、どの工程を担当するかによって、身につく経験と年収は大きく変わるのです。
担当領域別の年収の傾向
SAPコンサルの年収は、担当する領域によっても差が出ることがあります。
| 担当領域 | 年収に影響しやすい要素 |
| 機能コンサルタント(会計) | 会計の専門知識と、決算や管理会計の業務の理解 |
| 機能コンサルタント(生産・物流) | 製造や物流の業務の理解と、複雑な業務の流れを整理する力 |
| 技術コンサルタント | 追加の開発の設計力と、標準の機能を活かした開発の判断 |
| 基盤コンサルタント | 新しい環境への移行や、クラウドへの対応の経験 |
どの領域でも、業務とシステムの両方を理解し、顧客の課題を解決できる人ほど評価されやすい傾向があります。特定の領域に加えて、隣接する領域の知識を持つと、担当できる範囲が広がり、年収にもつながりやすくなります。
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2027年問題と年収への影響
SAPコンサルの年収を考えるうえで、知っておきたいのが「2027年問題」です。
2027年問題とは、SAP社の従来の製品の標準の保守が、2027年末に終了するとされていることを指す言葉です。保守の終了に向けて、多くの企業が新しい製品への移行を検討しており、SAPコンサルの需要が高まる要因の一つと言われています。
需要が高まると、経験のあるSAPコンサルは、より条件のよい会社やプロジェクトを選びやすくなる可能性があります。特に、新しい製品への移行の経験は、評価されやすい要素の一つと考えられます。
ただし、移行の需要がひと段落した後も、安定して評価され続けるためには、特定の時期の需要だけに頼らず、業務の知識や上流の工程の経験を積み重ねていくことが大切です。
あわせて、IT人材全体の需要も続くと考えられています。経済産業省の調査では、2030年にIT人材が最大約79万人不足すると試算されており、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業全体の1.12倍を上回っています。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)、厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
SAPコンサルが年収を上げる5つの方法
ここからは、年収を上げるための具体的な方法を紹介します。
1. 上流の工程の経験を積む
設定やテストだけでなく、要件定義や提案など、上流の工程に関わる機会を増やしましょう。上流の工程の経験は、年収の高いポジションへの近道になります。
2. 実績を数字で示せるようにする
自分の実績を、数字で説明できるようにしておくことが大切です。たとえば「50人規模の導入プロジェクトで会計の領域を担当した」「業務の流れを見直し、月末の決算作業の時間を3割短縮した」「追加開発の数を標準の機能の活用で半分に減らした」のように、規模や成果を具体的に示しましょう。
3. 新しい製品への移行の経験を積む
2027年問題に関連する、新しい製品への移行のプロジェクトに関わることは、今後の評価につながりやすい経験です。移行の計画や、データの移し替えの経験を積むと、市場価値を高められます。
4. 業務の知識を深める
担当する領域の業務の知識を深めることも、年収アップにつながります。会計の領域なら簿記の知識、生産の領域なら製造の流れの理解を深めると、顧客との信頼関係を築きやすくなります。
5. 評価される環境に移る
今の会社で上流の工程に関わる見込みがない場合や、評価の仕組みに納得できない場合は、環境を変えることも選択肢です。コンサルティング会社や、SAPの導入を専門とする会社に移ることで、担当範囲が広がり、年収が上がることがあります。
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年収が伸び悩むときは「職種」と「環境」を切り分ける
年収が思うように上がらないと感じたときは、その原因がどこにあるのかを整理することが大切です。
年収が伸びない原因が、SAPコンサルという職種そのものの相場にあるのか、今の会社の評価制度や担当工程の偏りといった環境にあるのかを切り分けてみてください。同じ経験年数のSAPコンサルの求人と比べて、自分の年収が低いと感じるなら、環境に原因がある可能性が高いと言えます。その場合は、同じ職種のまま、上流の工程に関われる会社や、評価の仕組みが整った会社に移ることで、年収が上がることがあります。
一方で、SAPの導入の仕事そのものに限界を感じるなら、プロジェクトの管理や、ITコンサルタントなど、役割を広げることを考える必要があります。
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未経験・異業種からSAPコンサルを目指す場合の年収
未経験からSAPコンサルに転職する場合、最初の年収は経験者より低くなることが一般的です。まずはSAPの導入プロジェクトで経験を積み、担当する範囲を広げていくことで、年収を上げていく流れになります。
ただし、業務の経験がある方は、その経験が評価されることがあります。たとえば、経理の経験は会計の領域、製造業での生産管理や生産技術の経験は生産の領域で活かせる可能性があります。システムエンジニアや社内SEの経験がある方も、技術コンサルタントや基盤コンサルタントとして、経験を活かして目指しやすい傾向があります。
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まとめ
SAPコンサルの年収についてのポイントを振り返ります。
- SAPコンサルに限定した公的な年収データはなく、参考としてシステムエンジニアの平均年収は約574万円〜約684万円です。
- コンサルティング会社、システム開発会社、事業会社など、会社の種類によって年収の傾向が変わります。
- 2027年問題による新しい製品への移行の需要は、SAPコンサルの需要を支える要因の一つと言われています。
- 上流の工程の経験を積み、実績を数字で示し、業務の知識を深めることが年収アップにつながります。
- 年収が伸び悩むときは、原因が職種そのものの相場か、会社の評価制度や担当工程の偏りといった環境かを切り分けて考えましょう。
よくある質問
SAPコンサルの年収は本当に高いのですか?
SAPコンサルに限定した公的な年収データはないため、一概には言えません。業務とシステムの両方の専門性が評価されやすい職種ですが、会社の種類や担当工程によって差が大きいのが実態です。求人ごとに、担当範囲とあわせて年収を比べることが大切です。
SAPコンサルで年収1,000万円は目指せますか?
コンサルティング会社で上流の工程を担う立場や、大規模なプロジェクトの管理を任される立場になれば、高い年収を目指せる可能性はあります。ただし、そうした役割は経験や実績を強く求められることが多いです。実績を数字で示せるようにしておきましょう。
2027年問題の後は、SAPコンサルの年収は下がりますか?
将来の年収を正確に予測することはできません。新しい製品への移行の需要がひと段落した後も、導入後の運用や改善の需要は続くと考えられます。特定の時期の需要に頼らず、業務の知識や上流の工程の経験を積み重ねていくことが大切です。
機能コンサルタントと技術コンサルタントでは、どちらの年収が高いですか?
どちらが高いかは、会社や担当範囲によって異なるため、一概には言えません。機能コンサルタントは業務の知識と上流の工程の経験、技術コンサルタントは開発の設計力が評価されやすい傾向があります。自分の強みを活かせる領域を選ぶことが大切です。
フリーランスのSAPコンサルは年収が高いですか?
経験が豊富で案件を安定して確保できれば、会社員より高い収入を得られることもあります。一方で、収入が安定しにくいことや、社会保険などを自分で負担する必要があることも考えておく必要があります。まずは会社員として実績を積んでから検討するのがおすすめです。
未経験からSAPコンサルになると、年収はどのくらいですか?
未経験からの転職では、最初の年収は経験者より低くなることが一般的です。ただし、経理や生産管理などの業務の経験や、システムエンジニアの経験があれば、その経験が評価される場合もあります。実務経験を積み、担当範囲を広げることで、年収を上げていくことができます。
SAPコンサルを含むIT職種のキャリアや、求人の傾向をLINEで配信しています。まだ転職するか決めていない段階でも、情報収集にお役立てください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

