「CTOの年収はどのくらいなの?」「スタートアップのCTOと大企業のCTOでは、年収にどれくらい差があるの?」と、技術責任者としてのキャリアを考えるなかで、CTOの年収が気になっている方も多いのではないでしょうか。
CTOに限定した公的な年収データはなく、会社の規模や段階、報酬の仕組みによって年収の幅が非常に大きいのが実態です。特にスタートアップでは、給与は控えめでも株式を含む報酬で将来の利益を得る仕組みになっていることもあり、年収の数字だけでは比べられません。CTOの年収を考えるときは、金額とあわせて、報酬の中身と会社の段階を確認することが大切です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、CTOの年収をデータで整理し、会社の段階別の傾向、報酬の仕組み、役員と従業員の立場の違い、年収を上げるためのキャリアの積み方を解説します。
結論:CTOの年収は「会社の段階」と「報酬の中身」で大きく変わる
まず、この記事の要点を整理します。
- CTOに限定した公的な年収データはなく、年収の幅は非常に大きい
- 参考として、システムエンジニアの平均年収は約574万円〜約684万円、40代後半のピークは約760万円
- 創業期のスタートアップ、成長期の企業、大企業など、会社の段階によって年収の傾向が変わる
- 給与だけでなく、賞与や株式を含む報酬の仕組み全体で比べることが大切
- 役員としてのCTOか、従業員としてのCTOかによって、働き方や待遇の考え方が変わる
CTOとは
CTOとは、最高技術責任者のことで、経営の視点から会社全体の技術戦略を決め、その実現に責任を持つ役職です。技術の方針を決めるだけでなく、エンジニア組織をつくり、経営陣や投資家に技術の考え方を説明する役割も担います。
会社の規模や成長段階によって役割が大きく変わる点が、年収にも大きく影響します。役職の詳しい内容は、CTOの解説記事で紹介しています。
データで見るCTOの年収
CTOに限定した公的な年収データは、ここでは示していません。参考として、関連するIT職種であるシステムエンジニアの年収を紹介します。CTOは経営層の役職であり、職務の内容と責任の範囲が大きく異なるため、水準は別のものとしてご覧ください。
| 指標 | 金額(目安) |
| 参考:システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| 参考:システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 参考:システムエンジニアの20代前半の年収 | 約377万円 |
| 参考:システムエンジニアの40代後半の年収(年代別のピーク) | 約760万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(システムエンジニアの年齢階級別賃金)、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
CTOは、エンジニアとしての経験を積んだ先にある役職の一つです。システムエンジニアの年収が経験とともに上がっていく傾向を見ると、技術の判断や組織づくりの責任を担うほど、年収が上がりやすいことがわかります。
会社の段階別に見るCTOの年収の傾向
CTOの年収は、会社の規模や成長段階によって大きく異なります。一般的な傾向を表にまとめました。
| 会社の段階 | 年収の傾向 | 報酬の特徴 |
| 創業期のスタートアップ | 給与は控えめなことが多い | 株式を含む報酬の比重が大きいことがある |
| 成長期の企業 | 会社の資金の状況によって差が大きい | 給与と株式を含む報酬を組み合わせることが多い |
| 上場企業・大企業 | 比較的高く、安定しやすい | 給与と業績に連動した賞与が中心 |
創業期のスタートアップでは、会社の資金が限られているため、給与は控えめでも、会社が成長したときに大きな報酬を得られる仕組みになっていることがあります。一方、上場企業や大企業では、給与と賞与を中心に、比較的安定した報酬が得られる傾向があります。
相談の現場では、「スタートアップのCTOの求人で、年収が今より下がると言われて迷っている」という声をよく聞きます。この場合、給与の額だけでなく、株式を含む報酬の条件や、会社の成長の見通しも含めて判断することが大切です。
CTOの報酬の仕組み
CTOの報酬は、一般的な会社員の給与とは仕組みが異なることがあります。主な報酬の種類を表にまとめました。
| 報酬の種類 | 内容 | 注意点 |
| 固定の給与・役員報酬 | 毎月決まって支払われる報酬 | 生活の基盤となる部分 |
| 賞与・業績に連動した報酬 | 会社や個人の業績に応じて支払われる報酬 | 業績によって大きく変わることがある |
| 株式を含む報酬 | 自社の株式や、株式を決まった価格で買える権利など | 会社が成長しなければ価値が生まれないことがある |
株式を含む報酬は、会社が成長して株式の価値が上がれば、大きな利益になる可能性があります。ただし、会社が思うように成長しなければ、価値がほとんど生まれないこともあります。また、受け取りの条件や税の扱いは複雑なため、条件をよく確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談しましょう。
CTOを含む技術責任者のキャリアや、報酬の考え方に役立つ情報を、LINEで配信しています。将来のキャリアを考えるときの参考に、気軽にご活用ください。
役員としてのCTOと従業員としてのCTOの違い
CTOには、取締役などの役員として就く場合と、従業員のまま技術責任者の役職に就く場合があります。どちらの立場かによって、報酬や働き方の考え方が変わります。
| 比較の観点 | 役員としてのCTO | 従業員としてのCTO |
| 会社との契約 | 委任契約になることが多いとされる | 雇用契約 |
| 報酬の決まり方 | 株主総会などで決められる役員報酬 | 会社の給与規程に基づく給与 |
| 労働時間の扱い | 労働基準法の労働時間の規定が適用されないことが多いとされる | 労働基準法の規定が適用される |
| 責任の範囲 | 会社の経営に対する責任を負う | 業務上の責任を負う |
一般的に、取締役などの役員は会社と委任契約を結ぶため、残業代などの労働時間に関する規定は適用されないことが多いとされます。一方、従業員としてCTOの役職に就く場合は、雇用契約に基づいて働くことになります。
私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。役員として就任する際の契約や報酬、責任の範囲について不安がある場合は、弁護士や社会保険労務士、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
CTOを目指して年収を上げる5つの方法
ここからは、CTOを目指しながら年収を上げていくための方法を紹介します。
1. 技術の判断を担う経験を積む
テックリードなど、チームの技術の方針を決める役割に挑戦しましょう。使う技術を選び、設計の方針を決めた経験は、CTOに必要な判断力の土台になります。
2. 組織づくりの経験を積む
エンジニアリングマネージャーなど、人の採用や育成、評価に関わる役割も経験しておくと、CTOとして組織をつくる力につながります。技術と人の両方の経験がある人材は、評価されやすい傾向があります。
3. 実績を数字で示せるようにする
技術の判断や組織づくりの成果を、数字で説明できるようにしておくことが大切です。たとえば「システムの設計を見直し、障害の件数を半分に減らした」「インフラの費用を3割削減した」「エンジニア組織を5人から20人に拡大した」のように、規模や成果を具体的に示しましょう。
4. 事業と経営の視点を身につける
CTOには、技術を事業の成長にどうつなげるかを考える視点が求められます。事業の数字や予算の仕組みを学び、技術の判断を経営の言葉で説明できるようにしましょう。IPAのITストラテジスト試験など、経営と技術をつなぐ知識を体系的に学べる資格も参考になります。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
5. 段階の合う会社に移る
今の会社でCTOにつながる経験を積む見込みがない場合は、環境を変えることも選択肢です。成長期の企業では、技術責任者の候補を外部から採用することがあり、CTOへの道が開けることもあります。
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今の悩みの相談だけでもかまいません。
年収だけでCTOの求人を判断しないために
CTOの求人を検討するときは、年収の額だけで判断しないことが大切です。
迷いの原因が「役職」か「会社の環境」かを切り分ける
CTOとして働くことに迷いや不安を感じたときは、その原因がCTOという役職そのものにあるのか、会社の段階や経営陣の考え方といった環境にあるのかを切り分けてみてください。たとえば、「経営の責任を負うことに不安がある」なら役職そのものの問題ですが、「技術への投資が経営陣に理解されない」なら会社の環境の問題です。
環境の問題であれば、技術への理解がある経営陣のもとで、段階の合う会社を選ぶことで解消できることがあります。一方、役職そのものに不安がある場合は、まずはテックリードや開発部門の責任者など、責任の範囲が限られた役割から経験を積むことも一つの方法です。
エージェントを通じて報酬の条件を確認する
CTOや技術責任者の求人では、報酬の条件が複雑なことも少なくありません。私たちエージェントは、給与だけでなく、賞与や株式を含む報酬の条件、会社の段階や経営陣の考え方などを確認したうえで、求人を紹介しています。条件を比べるときに不明な点があれば、気軽に相談してください。
CTOの需要と将来性
CTOを含む技術責任者の需要は、IT人材全体の需要とともに続くと考えられます。経済産業省の調査では、2030年にIT人材が最大約79万人不足すると試算されています。また、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業全体の1.12倍を上回っています。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)、厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
IT企業だけでなく、製造業や小売業など、さまざまな業界で事業に技術を取り入れる動きが広がっています。技術と経営をつなぐ役割を担える人材への期待は、今後も高まっていくと考えられます。
納得のいくキャリアと年収を、一緒に考えませんか
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
まとめ
CTOの年収についてのポイントを振り返ります。
- CTOに限定した公的な年収データはなく、会社の規模や段階、報酬の仕組みによって年収の幅は非常に大きいです。
- 創業期のスタートアップでは給与が控えめなこともあり、上場企業や大企業では比較的安定した報酬が得られる傾向があります。
- 給与だけでなく、賞与や株式を含む報酬の仕組み全体で比べることが大切です。
- 役員としてのCTOと従業員としてのCTOでは、契約や働き方の考え方が異なるため、就任前に確認しましょう。
- 迷ったときは、原因が役職そのものか、会社の段階や経営陣の考え方といった環境かを切り分けて考えることが大切です。
よくある質問
CTOの年収は1,000万円以上ですか?
CTOに限定した公的な年収データはないため、一概には言えません。上場企業や大企業では高い年収が得られることもありますが、創業期のスタートアップでは給与が控えめなこともあります。年収の額だけでなく、株式を含む報酬の仕組み全体で考えることが大切です。
スタートアップのCTOは年収が低いのですか?
創業期のスタートアップでは、会社の資金が限られているため、給与は控えめなことがあります。その代わりに、株式を含む報酬で、会社が成長したときに大きな利益を得られる仕組みになっていることもあります。会社の成長の見通しとあわせて判断しましょう。
CTOの年収は交渉できますか?
転職でCTOや技術責任者に就く場合は、報酬の条件を交渉できることもあります。これまでの実績を数字で示し、会社にどのように貢献できるかを具体的に伝えることが大切です。エージェント経由であれば、担当者が条件の交渉を代わりに行うこともできます。
株式を含む報酬は、どのように考えればよいですか?
株式を含む報酬は、会社が成長すれば大きな利益になる可能性がある一方、成長しなければ価値が生まれないこともあります。受け取りの条件や、会社を辞めた場合の扱い、税の扱いなどを事前に確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談しましょう。
CTOになると残業代は出なくなりますか?
取締役などの役員としてCTOに就く場合は、労働時間に関する規定が適用されないことが多いとされます。一方、従業員として技術責任者の役職に就く場合は、雇用契約に基づいて働くことになります。就任前に、どちらの立場になるのかを確認しましょう。
CTOを目指すには、何歳までに何をしておくべきですか?
CTOに就く年齢は、会社の段階によって大きく異なるため、決まった目安はありません。大切なのは、技術の判断と組織づくりの両方の経験を積み、その成果を数字で示せるようにしておくことです。年齢よりも、積み重ねてきた実績が評価されます。
技術責任者を目指すエンジニアのキャリアや、求人の傾向をLINEで配信しています。まだ転職するか決めていない段階でも、情報収集にお役立てください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

