「ラダー図 書き方」と検索したあなたは、「制御の仕事を任されたけれど、ラダー図の書き方が分からない」「記号の意味は何となく分かるが、自分で一から書ける自信がない」と悩んでいるのではないでしょうか。
ラダー図は、「動作を文章にする→入出力を割り付ける→動きの順番を整理する→回路を書く→動作を確認する」という手順で進めれば、初心者でも筋道を立てて書けるようになります。 最初に覚えるべき記号やルールは多くないため、基本回路の型をいくつか身につけることが上達の近道です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、ラダー図の基本ルールと記号、書き方の5ステップ、基本回路の例、読みやすく書くコツとよくある失敗、学び方までを解説します。
そもそもラダー図とは
ラダー図とは、機械や設備を動かす制御装置(プログラマブルロジックコントローラー)のプログラムを、電気回路図に近い形で表したものです。左右の縦線の間に横向きの回路が並ぶ形が、はしご(ラダー)に似ていることからこの名前で呼ばれています。
ラダー図の最大の特徴は、電気の回路図を読むような感覚でプログラムを書ける点です。 そのため、プログラミングの経験がない電気技術者や設備保全の担当者でも理解しやすく、工場の設備で広く使われています。
リレー回路との関係
もともと機械の制御は、リレー(電気で動くスイッチ)を配線でつないだ「リレー回路」で行われていました。ラダー図は、このリレー回路の考え方をプログラムに置きかえたものです。
配線を変えずにプログラムの書きかえで動作を変更できるため、設備の改造や調整がしやすくなりました。
ラダー図以外の書き方との違い
制御装置のプログラムには、ラダー図のほかにも、命令を文章のように並べる方法や、機能のブロックをつなげて表す方法などがあります。これらの書き方は国際規格や日本産業規格で整理されています。
日本の工場の設備では、ラダー図が最も広く使われているため、制御の仕事を始めるならまずラダー図から学ぶのが一般的です。
ラダー図の基本ルールと記号
母線と回路の流れ
ラダー図は、左右2本の縦線の間に回路を書きます。左側の線から右側の線に向かって電気が流れるイメージで、左側に条件(接点)、右側に結果(コイル)を置くのが基本です。
主な記号
ラダー図で最初に覚えたい記号は次のとおりです。
| 記号の名前 | 意味 | 主な使いみち |
| 常開接点(通称エー接点) | 条件がオンになると回路がつながる | 押しボタンを押したら動かす |
| 常閉接点(通称ビー接点) | 条件がオンになると回路が切れる | 停止ボタンや異常の信号で止める |
| コイル(出力) | 左側の条件が成り立つとオンになる | モーターやランプ、内部の信号を動かす |
| 内部リレー | 制御装置の中だけで使う仮想のスイッチ | 途中の状態を記憶する、条件をまとめる |
| タイマー | 条件が成り立ってから決めた時間後にオンになる | 一定時間待ってから次の動作に移る |
| カウンタ | 条件がオンになった回数を数える | 決まった数の製品を数える |
入力・出力・内部リレーなどの番号の付け方や記号の表記は、制御装置のメーカーによって異なります。実際に使う機種の取扱説明書で確認してください。
実行の順番(スキャン)
制御装置は、ラダー図を上の行から下の行へ、各行は左から右へと順番に読み取り、処理をくり返します。この一巡の処理を「スキャン」と呼びます。
ラダー図は「上から順番に、高速でくり返し実行される」と理解しておくことが大切です。 回路を書く順番によって動作が変わる場合があるため、後で解説する失敗の原因にもなります。
ラダー図の書き方5ステップ
ラダー図は、いきなり回路を書き始めるのではなく、次の5ステップで進めると迷わずに書けます。
| ステップ | やること | 作るもの |
| 1 | 動作を文章で書き出す | 動作説明書(どんなときに、何を、どう動かすか) |
| 2 | 入力と出力を割り付ける | 入出力割り付け表 |
| 3 | 動きの順番を整理する | 動作の流れ図、タイミングチャート |
| 4 | ラダー図を書く | 回路(プログラム) |
| 5 | 動作を確認・修正する | 確認結果の記録 |
ステップ1 動作を文章で書き出す
まずは、機械にどんな動きをさせたいかを文章で書き出します。「起動ボタンを押したらコンベヤが動き、停止ボタンを押したら止まる」「センサーが製品を検知したら、3秒後にシリンダーを動かす」のように、条件と結果をセットで書くのがポイントです。
この段階であいまいな部分を残すと、回路を書くときに必ず迷います。 異常時や停止時の動きも、忘れずに書き出しておきましょう。
ステップ2 入力と出力を割り付ける
次に、ボタンやセンサーなどの入力機器と、モーターやランプなどの出力機器に、制御装置の番号を割り当てます。番号・機器名・役割を一覧にした「入出力割り付け表」を作っておくと、回路を書くときや、後から修正するときに役立ちます。
ステップ3 動きの順番を整理する
複数の動作が順番に進む場合は、流れ図やタイミングチャート(各機器のオン・オフを時間の流れで表した図)で動きを整理します。どの動作がどの条件で次に進むのかを、目で見て確認できるようにしておきましょう。
ステップ4 ラダー図を書く
整理した内容をもとに、ラダー図を書きます。最初は、起動・停止のような基本的な動作から書き始め、少しずつ機能を追加していくと、間違いに気づきやすくなります。次の章で解説する基本回路の型を組み合わせるのがコツです。
ステップ5 動作を確認・修正する
書いたラダー図は、制御装置のソフトに備わっている模擬運転(シミュレーション)機能などで動作を確認します。実機で動かす前に、正常時だけでなく、停止ボタンを押したとき、センサーが反応しないときなどの動きも確かめましょう。
ラダー図の書き方は、手を動かして練習するほど身につきます。制御の仕事に興味がある方に向けて、未経験からの転職事例やはじめの一歩の進め方をLINEでお届けしています。友だち追加だけで、気軽に情報を受け取れます。
基本回路の書き方
ラダー図は、いくつかの基本回路の組み合わせでできています。まずは次の型を覚えましょう。
直列回路(両方の条件がそろったら動く)
2つの常開接点を横に並べて書くと、両方がオンのときだけコイルがオンになります。「安全カバーが閉まっていて、かつ起動ボタンが押されたら動く」のような条件に使います。
並列回路(どちらかの条件で動く)
2つの常開接点を縦に並べて書くと、どちらか一方がオンになればコイルがオンになります。「操作盤のボタンか、現場のボタンのどちらかで動かす」のような条件に使います。
自己保持回路(ボタンを離しても動き続ける)
自己保持回路は、ラダー図で最も重要な基本回路です。起動ボタンの常開接点と並列に、出力コイル自身の常開接点を書き、その手前に停止ボタンの常閉接点を直列に入れます。
こうすると、起動ボタンを押してコイルがオンになったあと、ボタンから手を離しても、コイル自身の接点が回路をつなぎ続けるため、動作が続きます。停止ボタンを押すと常閉接点が切れ、動作が止まります。
自己保持回路は、ほぼすべての設備で使われる型なので、何も見ずに書けるようになるまで練習しましょう。
インターロック回路(同時に動かしてはいけないものを守る)
インターロックとは、同時に動くと危険な動作や、壊れるおそれのある動作を防ぐ仕組みです。たとえば、モーターの正転と逆転のように、同時にオンになってはいけない2つの出力がある場合、正転の回路に逆転の常閉接点を、逆転の回路に正転の常閉接点を入れます。
これにより、片方が動いている間は、もう片方が動かないようになります。
タイマー回路(一定時間後に動かす)
条件が成り立ったらタイマーを動かし、決めた時間が経過したらタイマーの接点がオンになって次の動作に進む回路です。「製品を検知してから一定時間後に押し出す」「一定時間ランプを点灯させる」などに使います。
読みやすいラダー図を書くコツ
ラダー図は、自分だけでなく、設備保全の担当者や後任者も読みます。誰が見ても分かるラダー図を書くことが大切です。
- コメントを必ず入れる:接点やコイルに機器名や役割を書き、回路のまとまりごとに説明を付ける
- 1行に1つの役割にする:1つの回路に多くの機能を詰め込まない
- 動作の順番に並べる:起動・運転・停止・異常など、流れに沿って回路を配置する
- 同じ出力を複数の場所に書かない:同じコイルを2か所以上に書く「二重コイル」は、思わぬ動作の原因になる
- 内部リレーで条件をまとめる:複雑な条件は内部リレーにまとめ、回路を短くする
また、非常停止などの安全に関わる機能は、プログラムだけに頼らず、配線による安全回路と組み合わせて設計するのが基本とされています。安全に関わる設計は、関連する規格や社内の基準に従い、必ず経験者の確認を受けてください。
よくある失敗と対処法
初心者がラダー図を書くときに、よくある失敗と対処法をまとめました。
| よくある失敗 | 起こる問題 | 対処法 |
| 二重コイルを書いてしまう | 後に書いた回路の結果だけが反映され、意図しない動作になる | 1つの出力は1か所にまとめ、条件は並列でつなぐ |
| 停止ボタンを常開接点で書く | 配線が切れたときに止められなくなるおそれがある | 停止の信号は常閉の考え方で扱う |
| 回路の順番を考えない | 上から順に実行されるため、動作が1回遅れるなどの不具合が出る | スキャンの順番を意識して配置する |
| 異常時の動きを書いていない | センサーの故障などで設備が止まらない、復帰できない | 異常の検知と停止・復帰の回路を用意する |
| コメントを入れない | 後から読めず、修正に時間がかかる | 書きながらコメントを入れる習慣をつける |
ラダー図の不具合は、「正常に動くとき」ではなく「想定外のとき」に起きやすいことを覚えておきましょう。
私たちが制御設計の方と面談していると、「先輩のラダー図を修正するだけで、一から書いた経験がない」「立ち上げの現場で、異常時の動作を考えていなかったことに気づいて焦った」という声をよく聞きます。動作説明書から自分で書いた経験や、立ち上げで問題を解決した経験は、転職市場でも高く評価されるポイントです。
ラダー図の経験を、次のキャリアに活かしませんか
経験豊富なアドバイザーが、これまでの制御の経験を丁寧にヒアリングし、市場価値を客観的に評価します。
まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
ラダー図の学び方
教材と学習用ソフトで基本を学ぶ
ラダー図の基本は、入門書や制御装置メーカーの学習資料で学べます。多くのメーカーが、プログラム作成ソフトの体験版や学習用の資料を用意しているため、実際に手を動かしながら学ぶのがおすすめです。
実機で動かしてみる
学習用の制御装置やスイッチ、ランプを使って、実際に回路を動かしてみると理解が深まります。職業訓練や研修でも、実機を使ったラダー図の講座が開かれていることがあります。
先輩のラダー図を読み込む
職場で使われているラダー図を、動作説明書や設備の動きと照らし合わせて読むことも効果的です。「この回路は何のためにあるのか」を考えながら読むと、実務で使われる書き方の型が身につきます。
ラダー図のスキルが活きる仕事と年収
スキルが活きる職種
ラダー図を書けるスキルは、次のような職種で活かせます。
- 制御設計:装置や設備のプログラムを設計する
- 電気設計:制御盤の設計とあわせてプログラムまで担当する
- 設備保全:設備の不具合の原因をラダー図から調べ、修正する
- 生産技術:設備の導入や改善で、動作の変更や調整を行う
- ロボットシステムの開発:ロボットと周辺設備の連携を設計する
需要と年収
制御の仕事を含む機電系エンジニアは、工場の自動化などを背景に幅広く必要とされています。参考として、全職業の有効求人倍率は1.12倍です。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
制御設計エンジニアの年収は、担当分野、経験年数、設計から立ち上げまで担当できるかどうかによって大きく変わります。
伸びない原因が自分か、機会のない環境か
ラダー図を学んでいるのに上達を実感できないときは、原因が自分の学び方にあるのか、書く機会がない環境にあるのかを切り分けてみてください。
基本回路の型があいまいな場合は、教材や学習用ソフトで練習すれば解決できます。一方で、修正作業だけを任され、動作説明書から一から書く機会がない環境では、努力だけで経験を積むのは難しいのが実情です。
私たちのもとには、「設備保全でラダー図を読む経験はあるが、書く仕事に移りたい」というご相談も寄せられます。私たちは機電系に特化し、組込み・制御の領域で、労働条件・労働環境を独自に審査した求人のみをご紹介しています。
制御の仕事で経験の幅を広げたい方へ
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
- ラダー図は、制御装置のプログラムを電気回路図に近い形で表したもので、日本の工場で広く使われている
- 左側に条件(接点)、右側に結果(コイル)を置き、上から順にくり返し実行される
- 書き方は「動作の文章化→入出力の割り付け→動きの整理→回路の作成→動作の確認」の5ステップ
- 直列・並列・自己保持・インターロック・タイマーの基本回路を組み合わせて書く
- 二重コイルや異常時の動作の書き忘れに注意し、コメントを入れて誰でも読めるラダー図にする
よくある質問
ラダー図は独学で書けるようになりますか?
書けるようになります。入門書や制御装置メーカーの学習資料、プログラム作成ソフトの体験版を使えば、基本回路は独学でも身につけられます。ただし、実機を動かしたり、異常時の動きを考えたりする経験は実務で積むことが多いため、仕事の中で書く機会を増やすことが大切です。
ラダー図で最初に覚えるべき回路は何ですか?
最初に覚えるべきなのは自己保持回路です。起動ボタンを押したら動作が続き、停止ボタンを押したら止まる回路で、ほぼすべての設備で使われています。あわせて、直列・並列の基本と、インターロック回路、タイマー回路を覚えると、多くの動作を表現できるようになります。
ラダー図はメーカーによって書き方が違いますか?
基本的な考え方は共通ですが、入出力の番号の付け方、記号の表記、使える命令などはメーカーによって異なります。まずは1社の制御装置で基本を身につけ、ほかのメーカーの機種を使うときは、取扱説明書で違いを確認するのがおすすめです。
二重コイルはなぜいけないのですか?
同じ出力のコイルを2か所以上に書くと、上から順に実行される仕組みのため、後に書いた回路の結果だけが反映されます。その結果、意図した条件で出力がオンにならないなど、思わぬ動作の原因になります。1つの出力は1か所にまとめ、複数の条件は並列でつなぎましょう。
ラダー図を書けると転職に有利ですか?
有利に働くことが多いです。工場の自動化を背景に、ラダー図を書ける制御設計者や設備保全の担当者は採用ニーズが高い傾向があります。特に、動作説明書から一から書いた経験や、現場での立ち上げ経験があると、評価されやすくなります。
ラダー図の書き方を身につけると、制御や設備の仕事の幅が大きく広がります。未経験からの転職事例と、はじめの一歩の進め方をLINEでお届けしていますので、まずは情報を受け取るところから始めてみてください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
