「機械設計は残業が多いと聞くけれど、本当なのか」「毎月の残業がつらく、この働き方を続けられるか不安」と悩んで検索した方も多いのではないでしょうか。
機械設計は、納期や設計変更の影響で残業が増えやすい仕事です。ただし、残業の多さは職場によって大きく異なり、「機械設計だから必ず残業が多い」わけではありません。残業の原因が仕事の性質にあるのか、職場の体制にあるのかを見極めることで、取るべき行動がはっきりします。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、機械設計の残業が増える理由、データで見る実態、残業を減らす方法、残業の少ない職場の選び方を解説します。
結論:機械設計は残業が増えやすいが、職場による差が大きい
機械設計の残業について、要点をまとめると次のとおりです。
・納期、設計変更、試作の対応などで、残業が増えやすい時期がある
・残業の多さは、業界、会社の体制、担当する製品によって大きく変わる
・一年中忙しいのではなく、時期によって残業の波があることも多い
・今の職場で減らせる残業と、職場の体制を変えないと減らない残業がある
・つらいと感じたら、原因を切り分けて、職場の改善か環境を変えるかを考える
残業がつらいと感じるのは、決して甘えではありません。一方で、すべての機械設計の職場が同じ状況ではないことも知っておくと、選択肢を冷静に考えやすくなります。
なぜ機械設計は残業が多いと言われるのか|7つの理由
機械設計の残業が増えやすい背景には、仕事の性質と職場の体制の両方が関わっています。現場で実際に起きている課題として、一つずつ見ていきます。
1. 製品の開発の日程に合わせて納期が決まる
機械設計の仕事は、製品の発売日や装置の納入日から逆算して日程が組まれます。試作や量産の開始日は簡単に動かせないため、設計が遅れると残業で取り戻すことになりがちです。
2. 設計の変更が後から入る
試作の評価で問題が見つかったり、顧客や企画の担当者から仕様の変更を求められたりすると、図面を描き直す必要があります。変更が終盤に入るほど、残された時間が短くなり、残業が増えます。
3. 顧客の要望に合わせた対応が多い
生産設備や装置のように、顧客ごとに仕様が異なる製品では、打ち合わせや仕様の調整が多くなります。顧客の都合に合わせた対応が重なると、設計に使える時間が削られ、残業で補うことになります。
4. 試作や評価のトラブルに対応する
試作品の組み立てや試験の段階で不具合が起きると、原因を調べて設計を見直す必要があります。現場への立ち会いが入ると、その分の作業が終業後にずれ込むこともあります。
5. 図面の確認や承認を待つ時間がある
図面は、上司や関係部署の確認と承認を経て出図(製造部門に図面を渡すこと)されます。確認する人が忙しく承認が遅れると、修正の対応が夕方以降に集中し、残業の原因になります。
6. 人手が足りず、仕事が特定の人に集中する
機電系では経験者の確保が難しく、少ない人数で設計を回している職場もあります。その製品に詳しい人に仕事が集中すると、その人だけ残業が多い状態が続きがちです。
7. 繁忙期に仕事が重なる
新製品の立ち上げや、年度末の納入が重なる時期は、多くの案件が同時に動きます。繁忙期は残業が増え、落ち着いた時期は定時で帰れるといった、残業の波がある職場も少なくありません。
相談の場では、「試作の前の1か月は毎日遅くまで残業が続き、体力的に限界を感じた」という声を聞くことがあります。一方で、「繁忙期以外はほとんど残業がない」という方もおり、同じ機械設計でも働き方には大きな差があります。
残業の悩みは、一人で抱えるほど重く感じやすいものです。同じ悩みから環境を変えた方の事例や、機械設計の求人の傾向をLINEでもお届けしています。情報を受け取るだけでも気軽にご利用ください。
データで見る実態|残業時間・年収・需要
機械設計の残業の実態を、データでも確認してみましょう。ただし、機械設計に限った統計は、信頼できる数値を確認したうえで掲載します。
| 指標 | 数値(目安) |
| 有効求人倍率(職業計) | 1.12倍 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
有効求人倍率の1.12倍は全職業を対象とした指標で、機械設計に限った数値ではありません。
残業の時間は、平均の数値だけでは実態が見えにくい点に注意が必要です。同じ月平均の残業時間でも、毎月一定の職場と、繁忙期に大きく増える職場では、働き方の負担がまったく異なります。求人を比べるときは、平均の数値と合わせて、忙しい時期とその時期の残業の目安も確認しましょう。
残業が多くなりやすい職場・少なくなりやすい職場
機械設計の残業は、職場の特徴によって傾向が分かれます。ここで紹介するのはあくまで傾向で、個々の企業の状況は異なります。
| 観点 | 残業が多くなりやすい傾向 | 残業が少なくなりやすい傾向 |
| 製品 | 顧客ごとに仕様が異なる一品ものの装置 | 仕様が決まった製品の改良や派生の設計 |
| 業態 | 短い納期の案件を多く受ける受託設計 | 自社製品の開発の日程に余裕を持たせている会社 |
| 体制 | 人数が少なく、担当が一人に集中する | 複数人で担当し、仕事を分け合える |
| 進め方 | 設計の変更が終盤まで多い | 早い段階で仕様を固める仕組みがある |
| 管理 | 残業時間を把握していない | 残業時間を管理し、偏りを調整している |
残業の多さは「機械設計という職種」よりも「どんな製品を、どんな体制で設計しているか」で決まる部分が大きいといえます。今の職場の残業が多いと感じる場合は、表のどの項目が当てはまるかを確認してみてください。
残業がつらいと感じやすい人・感じにくい人
同じ残業の時間でも、つらさの感じ方は人によって異なります。自分がどちらの傾向に近いかを知っておくと、職場を選ぶときの判断材料になります。
つらいと感じやすい傾向がある人
・育児や介護などで、決まった時間に帰る必要がある
・残業が続くと、体調や睡眠に影響が出やすい
・予定が急に変わることに、強いストレスを感じる
・仕事と私生活をはっきり分けたい
つらいと感じにくい傾向がある人
・繁忙期と落ち着いた時期の波を、割り切って働ける
・残業代を含めた収入を重視している
・設計の仕事そのものに強いやりがいを感じている
これはあくまで傾向で、どちらが良い悪いということではありません。また、今はつらくないと感じていても、生活の変化によって感じ方は変わります。体調に影響が出ている場合は、無理をせず、医療機関や職場の相談窓口に相談してください。
今の職場で残業を減らすためにできること
残業のすべてを個人の工夫で減らすことはできませんが、自分で減らせる部分もあります。まずは、残業の原因を記録して整理することから始めましょう。
残業の原因を記録する
1〜2週間ほど、残業した日の作業内容と原因を書き出してみてください。
| 日付 | 残業の時間 | 作業の内容 | 原因 |
| 例:○月○日 | 2時間 | 図面の修正 | 試作の評価後に仕様が変わった |
| 例:○月○日 | 1.5時間 | 部品表の作成 | 承認の待ちで作業の開始が遅れた |
記録すると、自分の工夫で減らせる残業と、職場の進め方を変えないと減らない残業を分けて考えられます。上司に相談する際にも、具体的な根拠として使えます。
自分でできる工夫
・作業の見積もりを出し、無理な日程は早めに相談する
・図面の作り方や部品表の作成など、繰り返しの作業を効率化する
・設計の変更が入りやすい箇所を、早い段階で関係者と確認する
・承認や確認の依頼は、相手の予定を考えて早めに出す
残業がつらいと感じたときの3つの選択肢
残業がつらいと感じたときに考えられる選択肢は、主に次の3つです。
1. 今の職場で改善を求める
残業の記録をもとに、上司に業務量や担当の見直しを相談します。仕事の分担や日程の組み方が変わるだけで、残業が減ることもあります。
2. 同じ機械設計で、環境を変える転職をする
設計の仕事は好きなものの、今の職場の体制が原因で残業が減らない場合は、同じ機械設計で働き方の整った企業に移る選択肢があります。製品や業態、体制が変わるだけで、働き方が大きく変わることも少なくありません。
3. 機械の知識を活かしてキャリアを変える
設計の仕事そのものの進め方が合わないと感じる場合は、品質保証や生産技術、技術営業など、機械の知識を活かせる別の職種を検討することもできます。
原因は職種か、職場の体制かを切り分ける
どの選択肢を選ぶかを決める前に、残業の原因を整理しましょう。残業の原因が「機械設計の仕事の性質」にあるのか、「今の職場の体制や進め方」にあるのかを切り分けることが大切です。職場の体制が原因なら、同じ機械設計で環境を変えることが近道です。仕事の進め方そのものが合わないなら、職種を変えることを考えてみてください。
長時間労働が続いている場合
労働時間には法律で上限が定められているとされますが、適用の条件や例外は職種や働き方によって異なります。私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。長時間の残業が続いている、残業代が支払われていないなど、法律に関わる心配がある場合は、労働基準監督署や、弁護士、社会保険労務士などの専門家に相談してください。
残業の少ない機械設計の求人を見極めるポイント
残業の少ない職場を選ぶには、求人票の情報と、面接での確認を組み合わせることが大切です。
求人票で確認したいこと
・□ 月平均の残業時間が書かれている
・□ 繁忙期の時期と、その時期の残業の目安が分かる
・□ 扱う製品と、仕様が顧客ごとに変わるかどうかが分かる
・□ 設計の部署の人数や、担当の分け方が分かる
・□ リモートワークや時差出勤など、働き方の制度がある
面接で使える質問の例
・「設計の部署で、月の残業が多くなるのはどのような時期ですか?」
・「一つの製品を何人で担当していますか?」
・「設計の変更が入ったとき、日程はどのように調整していますか?」
・「残業時間が偏らないように、どのような工夫をしていますか?」
求人票に書かれていない情報は、転職エージェントを通じて確認できる場合もあります。私たちは労働条件や労働環境を独自に審査した求人のみを紹介しており、リモートワークができる機電系の求人も扱っています。
残業の少ない職場を、一人で探す前に相談してみませんか
同じ機械設計でも、製品や体制によって働き方は大きく変わります。経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
機械設計の経験を活かせるキャリア
機械設計の経験は、設計以外の仕事でも活かせます。残業の少ない働き方を重視したい場合も、選択肢として知っておくとよいでしょう。
・品質保証:設計の知識を活かし、製品の信頼性を確認する
・生産技術:製造の工程や設備を考え、作りやすさを高める
・技術営業:技術の知識を活かし、顧客に合わせた提案をする
・設計の管理職:設計の日程や人員を管理し、チームの働き方を整える
・製造業の社内システム担当:設計のデータや図面の管理の仕組みを整える
どの職種も、職場によって働き方は異なります。職種を変えれば必ず残業が減るわけではないため、仕事内容と働き方の両方を確認して選びましょう。
機械設計の働き方について、まずは話を聞いてみませんか
転職するかどうか決めていない段階でも、今の悩みの相談だけでもかまいません。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。初回の面談はWebや電話で20分ほどです。
まとめ
・機械設計は、納期や設計の変更、試作の対応などで残業が増えやすい仕事
・残業の多さは、製品や業態、職場の体制によって大きく異なる
・残業の原因を記録すると、自分で減らせる残業と、職場の体制を変えないと減らない残業を分けられる
・原因が職種か職場の体制かを切り分け、改善、環境を変える転職、キャリアの変更から選ぶ
・求人票と面接で、繁忙期や担当の体制まで確認すると、残業の少ない職場を選びやすい
よくある質問
機械設計は本当に残業が多いのですか?
残業が増えやすい時期がある仕事です。納期や設計の変更、試作の対応などが重なると、残業が増える傾向があります。ただし、残業の多さは製品や業態、職場の体制によって大きく異なり、繁忙期以外はほとんど残業がない職場もあります。
機械設計で残業が少ないのはどんな職場ですか?
仕様が決まった製品の改良を中心に行う職場や、複数人で担当を分け合える体制の職場は、残業が少なくなりやすい傾向があります。早い段階で仕様を固める仕組みがあるか、残業時間を管理しているかも、確認したいポイントです。
残業がつらいのは甘えでしょうか?
甘えではありません。残業のつらさは、生活の状況や体調によって大きく変わります。体調に影響が出ている場合は、無理をせず医療機関や職場の相談窓口に相談してください。そのうえで、原因が職場の体制にあるのかを整理し、取るべき行動を考えましょう。
機械設計で残業を減らすにはどうすればよいですか?
まずは残業した日の作業と原因を記録してみてください。自分の工夫で減らせる残業と、職場の進め方を変えないと減らない残業を分けられます。記録をもとに上司に相談し、改善が難しい場合は、働き方の整った企業に移ることも選択肢です。
未経験から機械設計を目指す場合、残業は覚悟すべきですか?
入社直後は覚えることが多く、時間がかかることもあります。ただし、残業の多さは職場によって大きく異なります。応募前に、求人票の残業時間や繁忙期の目安を確認し、面接で担当の体制を質問しておくと、入社後のずれを減らせます。
残業代が出ない場合はどうすればよいですか?
働いた時間に応じた賃金が支払われることが基本とされますが、雇用の形や契約によって扱いが異なる場合があります。私たちは法律の専門家ではないため、まずは就業規則や雇用契約を確認し、不安がある場合は労働基準監督署や弁護士、社会保険労務士に相談してください。
残業の少ない働き方を考えている方に向けて、環境を変えた方の事例や、機械設計の求人の傾向をLINEで配信しています。転職を決めていない方も、気になったときに読んでいただけます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
