「機械設計の仕事に興味があるけれど、未経験でも応募できる求人はあるのだろうか」「未経験可の求人を見つけたものの、どれを選べばよいか分からない」と悩んで検索した方も多いのではないでしょうか。
未経験から応募できる機械設計の求人はあります。ただし、求人によって入社後に任される仕事が大きく異なるため、「設計の経験を積める求人か」を見極めて選ぶことが大切です。同じ「機械設計」の求人でも、育成の体制が整った求人もあれば、図面の修正作業が中心の求人もあります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、未経験から応募できる機械設計の求人の種類、探し方、求人票の見極め方、よくある失敗を解説します。
そもそも機械設計とは
機械設計とは、製品や装置がどのような形や仕組みで動くかを考え、図面にまとめる仕事です。対象は自動車の部品、産業機械、家電、工場の装置など幅広くあります。
仕事は大きく、製品の全体像を決める「構想設計」、部品の形や寸法を決める「詳細設計」、図面を描いて仕上げる「製図」に分けられます。未経験の場合は、製図や詳細設計の一部から担当し、経験を積みながら上流の工程へ進むのが一般的な流れです。
設計の作業にはCAD(コンピューターで図面を作るソフト)を使います。最近は、立体の形をそのまま作れる3次元CADを使う職場が増えています。
未経験から機械設計の求人に応募する4つのルート
未経験から機械設計を目指す場合、応募できる求人には主に4つのルートがあります。それぞれに良い点と注意したい点があるため、自分の状況に合わせて選びましょう。
| ルート | 仕事の内容 | 向いている人 |
| メーカーの育成枠 | 自社製品の設計を研修から学ぶ | 工学系の知識がある人、第二新卒 |
| 設計補助・製図の仕事 | 設計者の指示で図面を作成・修正する | まず図面に慣れたい人 |
| 技術者派遣・受託設計の会社 | 研修後、取引先の設計業務を担当する | 多くの製品に関わりたい人 |
| 職業訓練などで学んでから就職 | 基礎を学んでから応募する | 異業種からの転身で知識がない人 |
1. メーカーの育成枠に応募する
メリット:自社製品の設計を、研修や先輩の指導を受けながら学べます。一つの製品に長く関われるため、構想設計など上流の工程に進む道筋が見えやすいのも特徴です。
注意点:応募が集まりやすく、工学系の知識や製造現場での経験などを求められることがあります。募集の数も限られる傾向があります。
2. 設計補助・製図の仕事から始める
メリット:CADの操作や図面の決まりを、実務を通じて身につけられます。未経験から応募できる求人も比較的見つけやすいルートです。
注意点:図面の作成や修正だけが長く続き、設計の判断を任されないままになることがあります。将来どのように設計の仕事へ進めるかを、応募前に確認しておきましょう。
3. 技術者派遣・受託設計の会社に入る
メリット:入社後の研修で基礎を学べる会社が多く、未経験者の採用に前向きな傾向があります。さまざまな製品や業界の設計に関われる可能性があります。
注意点:働く場所や担当する業務が、取引先によって変わることがあります。どんな業務に配属されやすいか、経験に応じて担当範囲を広げられるかを確認しておくことが大切です。
4. 職業訓練などで学んでから就職する
メリット:製図やCADの基礎を学んでから応募できるため、異業種からの転身でも選考で意欲と知識を伝えやすくなります。
注意点:学ぶ期間のぶん、就職までに時間がかかります。訓練の内容や受講の条件は、実施している機関に確認してください。
未経験から機械設計の求人に応募する5ステップ
未経験から機械設計の求人に応募するまでの流れを、5つのステップに整理します。
- 機械設計の仕事内容を知る:構想設計、詳細設計、製図の違いや、分野ごとの特徴を調べる
- 自分の経験を整理する:工学の知識、製造現場での経験、図面を見た経験など、活かせる要素を洗い出す
- 基礎を学び始める:製図の決まりや、CADの基本操作を学ぶ
- 求人を探して比べる:転職サイトや転職エージェントで、未経験から応募できる求人を探し、内容を比べる
- 応募書類と面接の準備をする:なぜ機械設計を目指すのか、学んでいることは何かを具体的に伝えられるようにする
活かせる経験の例
未経験でも、次のような経験は選考でアピールにつながります。
・製造現場での組み立てや加工の経験:部品や機械の仕組みを理解している
・品質検査の経験:図面を読み、寸法や公差(許される誤差の範囲)を確認してきた
・工学系の学部での学び:材料力学や機械力学などの基礎がある
・趣味でのものづくり:自分で設計して物を作った経験がある
志望動機の例文
「製造現場で組み立てを担当する中で、組み立てやすさを考えた設計の工夫に関心を持ちました。現在は製図の基礎とCADの操作を学んでいます。現場で部品に触れてきた経験を活かし、作りやすさまで考えられる設計者を目指したいと考えています。」
このように、「きっかけ」「今取り組んでいること」「活かせる経験」をそろえると、未経験でも意欲と具体性が伝わります。
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目指す分野の選び方
機械設計の求人は、扱う製品によって仕事の進め方や求められる知識が異なります。未経験の場合は、自分の興味や経験と近い分野を選ぶと、学ぶ意欲を保ちやすくなります。
・自動車・輸送機器:部品点数が多く、分業で設計を進めることが多い
・産業機械・工作機械:工場で使われる機械を設計し、一品ごとの対応が多い
・生産設備・自動化装置:工場の生産ラインで使う装置を、客先の要望に合わせて設計する
・家電・精密機器:小型で精密な部品の設計や、外観の設計がある
製造現場で働いていた方は、扱っていた製品に近い分野を選ぶと、現場の経験をそのまま活かしやすくなります。
独学とスクール、どちらがよい?
未経験から機械設計を目指す場合、独学でもスクールでも基礎は学べます。どちらがよいかは、使える時間と予算、学び方の好みで選びましょう。
独学の良い点は、費用を抑えて自分のペースで進められることです。製図の入門書や、無料で使える一部のCADソフトを使えば、基礎を学び始められます。一方で、分からない点を質問できず、つまずいたときに止まってしまいやすい面があります。
スクールや公的な職業訓練は、体系的に学べて、質問できる環境がある点が良さです。費用や受講の条件は、実施している機関ごとに確認してください。どちらを選ぶ場合も、学んだ内容で簡単な部品の図面を作ってみるなど、形に残る成果を作っておくと、選考で伝えやすくなります。
必要なスキルと有利な資格
未経験から機械設計の求人に応募する際、資格は必須ではありません。採用では、基礎知識と学ぶ意欲、これまでの経験をどう活かせるかが重視されます。
| 区分 | 内容 | 未経験での優先度 |
| 製図の知識 | 図面の読み方、寸法や公差の書き方 | 最優先 |
| CADの操作 | 2次元・3次元CADの基本操作 | 高 |
| 機械工学の基礎 | 材料力学、機械要素(ねじ、軸受けなど) | 高 |
| 加工の知識 | 切削、板金、溶接などの加工方法 | 中 |
| 伝える力 | 製造や品質の担当者との調整 | 中 |
役立つ資格
・機械設計技術者試験:機械設計の知識を幅広く問う試験
・CAD利用技術者試験:CADの知識と操作の力を確認できる試験
・機械製図の技能検定:図面を描く技能を確認できる国家検定
各資格の受験の条件や等級は、各試験の公式サイトで確認してください。未経験の方は、まず製図やCADの基礎を学べる資格から始めるのがおすすめです。
文系・未経験・年代別に見る「なれる?」の答え
未経験から機械設計を目指せるかは、学んできたことやこれまでの経験によって変わります。ここで紹介するのはあくまで傾向で、当てはまらなくても可能性がないわけではありません。
工学系を学んだ第二新卒の場合
機械工学などを学んでいれば、基礎知識があると評価されやすく、メーカーの育成枠を含めて選択肢が比較的広い傾向があります。
製造現場など関連する仕事からの転身の場合
組み立てや加工、品質検査の経験は、部品や図面への理解として評価されることがあります。現場の経験を、設計にどう活かせるかを伝えることが大切です。
文系出身・異業種からの転身の場合
工学の基礎知識がない分、事前に製図やCADを学んでおくことが、選考で意欲を伝える材料になります。設計補助や、研修のある会社から始めるルートも検討してみてください。
30代以降の場合
未経験から挑戦する人は20代に比べると少ない傾向がありますが、これまでの仕事で身につけた調整の力や、現場での経験を評価する企業もあります。年齢だけで判断せず、活かせる経験を整理してみましょう。
未経験可の求人票で確認すべきポイント
未経験から応募できる求人を選ぶときは、求人票の次の点を確認しましょう。特に「入社後にどんな仕事を任されるか」を具体的に知ることが大切です。
□ 入社後に担当する工程(製図、詳細設計、構想設計など)が書かれている
□ 研修の内容と期間が書かれている
□ 使うCADの種類(2次元か3次元か)が書かれている
□ 扱う製品や分野が分かる
□ 経験を積んだ後のキャリアの道筋が説明されている
□ 働く場所と、配属先が変わる可能性が分かる
□ 残業時間や休日の目安が書かれている
求人票に書かれていない点は、面接や転職エージェントを通じて確認できます。たとえば「入社1年目は、どのような業務を担当する方が多いですか?」と聞くと、実際の仕事のイメージをつかみやすくなります。
求人の傾向として、私たちが見ている未経験から応募できる機械設計の求人は、若手を研修から育てることを前提にしたものが多く見られます。そのため、知識の量よりも、学び続ける姿勢や、これまでの経験を設計にどう活かすかが重視される傾向があります。
未経験から応募できる機械設計の求人を、一緒に探してみませんか
求人票だけでは、入社後に任される仕事が分かりにくいこともあります。経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、経験を活かせる求人を一緒に考えます。
注意点・よくある失敗
未経験から機械設計の求人に応募する際には、次のような失敗に注意しましょう。
・「機械設計」という職種名だけで選び、入社後の仕事内容を確認しない
・CADの操作を覚えれば設計ができると考え、機械工学の基礎を学ばない
・応募先を絞りすぎて、選考の機会が少なくなる
・未経験であることを理由に、志望動機や学んでいることを具体的に伝えない
相談の場では、「機械設計の職種で入社したが、何年たっても図面の修正ばかりで設計を任されない」という声を聞くことがあります。
合わないのは設計の仕事か、今の職場か
入社後に「思っていた仕事と違う」と感じたときは、原因を切り分けて考えることが大切です。設計の仕事そのものが合わないのか、それとも設計を任せてもらえない職場の環境が原因なのかで、とるべき行動は変わります。設計への関心が続いているのに機会がない場合は、育成の体制がある企業へ移ることで、経験を積める可能性があります。一方で、設計の仕事自体が合わないと感じる場合は、生産技術や品質管理など、機械の知識を活かせる別の職種も検討してみてください。
機械設計への一歩を、一人で悩まずに考えてみませんか
今すぐ転職するかどうか決めていなくても大丈夫です。今の悩みの相談だけでもかまいません。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。初回の面談はWebや電話で20分ほどです。
まとめ
・未経験から応募できる機械設計の求人はあり、主なルートはメーカーの育成枠、設計補助・製図、技術者派遣・受託設計、職業訓練の4つ
・求人によって入社後に任される仕事が大きく異なるため、担当工程や研修の内容を確認する
・製造現場での経験や工学の学びは、未経験でも選考で活かせる
・資格は必須ではないが、製図やCADの基礎を学んでおくと意欲を伝えやすい
・入社後に合わないと感じたら、設計の仕事そのものか、職場の環境かを切り分けて考える
よくある質問
未経験でも機械設計の求人に応募できますか?
応募できます。メーカーの育成枠や設計補助の仕事、研修のある技術者派遣や受託設計の会社など、未経験から応募できる求人があります。ただし、入社後に任される仕事は求人によって異なるため、担当する工程や研修の内容を確認したうえで応募しましょう。
機械設計の未経験求人は、文系でも応募できますか?
応募できる求人はあります。ただし、工学の基礎知識がない分、製図やCADを事前に学んでおくと、選考で意欲を伝えやすくなります。設計補助や研修のある会社から始め、実務を通じて知識を身につけていく方法もあります。
機械設計の求人に応募する前に、CADを学んでおくべきですか?
基本的な操作を学んでおくと有利になることがあります。未経験の採用では入社後の研修でCADを教える企業も多いですが、事前に触れておくことで学ぶ意欲を具体的に示せます。あわせて、図面の読み方などの製図の基礎も学んでおくと安心です。
未経験から機械設計になるのは何歳までが目安ですか?
決まった年齢の区切りはありません。未経験からの挑戦は20代が多い傾向がありますが、製造現場の経験や仕事で身につけた調整の力を評価する企業もあります。年齢だけで判断せず、これまでの経験を設計にどう活かせるかを整理することが大切です。
機械設計の仕事はAIでなくなりますか?
すぐになくなるとは考えにくいです。設計の作業の一部をAIや自動化の仕組みが手伝う場面は増えていますが、製品の目的に合わせて形や仕組みを考え、製造や品質の担当者と調整して判断するのは人の役割です。基礎を身につけておくことが、変化に対応する力になります。
未経験から機械設計の求人を探すなら、どこで探せばよいですか?
転職サイトと転職エージェントの両方を使うのがおすすめです。転職サイトで求人の傾向をつかみつつ、転職エージェントで求人票に書かれていない仕事内容や研修の体制を確認すると、入社後とのずれを減らせます。機電系に詳しいエージェントを選ぶと、より具体的な情報を得やすくなります。
未経験から機械設計を目指す方に向けて、はじめの一歩の進め方や、未経験からの転職事例をLINEでお届けしています。転職を決めていない方も、情報を受け取る手段としてお使いください。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
