「設備保全に興味があるけれど、実際にどんな仕事をするのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
設備保全は、工場などで使われる機械や設備を点検・修理し、安定して稼働できる状態を維持する仕事です。ただし、実際の仕事内容は定期点検だけではありません。故障対応や部品交換、設備改善、記録・報告など、担当する業務は多岐にわたります。
設備保全の仕事内容は、大きく「設備を点検する」「異常や故障に対応する」「設備を改善する」の3つに分けて考えると分かりやすいでしょう。
この記事では、設備保全の具体的な仕事内容を7つに分け、1日の流れや必要なスキル、求人選びのポイントまで解説します。
設備保全の仕事内容は大きく7つ
設備保全の仕事内容は、主に以下の7つです。
| 仕事内容 | 主な業務 |
| 1. 定期点検 | 設備の状態や異常の有無を確認 |
| 2. メンテナンス | 注油・清掃・部品交換など |
| 3. 故障・トラブル対応 | 原因を調査して設備を復旧 |
| 4. 修理 | 故障した機械や部品を修理 |
| 5. 設備改善 | 故障や停止を減らすための改善 |
| 6. 部品・工具管理 | 修理に必要な部品や工具を管理 |
| 7. 記録・報告 | 点検・修理内容を記録して共有 |
厚生労働省のjob tagでは、設備保全に関連する職業として、設備・装置の定期点検、機械の注油などのメンテナンス、ライン停止の復旧、清掃、部品交換、突発的なトラブル対応、故障した機械の調査、修理用備品の管理などが挙げられています。
つまり、設備保全は「壊れた機械を直すだけ」の仕事ではありません。
設備を止めないための予防から、故障後の復旧、さらに設備そのものの改善まで担当する仕事です。
仕事内容1:設備の定期点検
設備保全の基本となるのが、設備の定期点検です。
工場の設備は毎日稼働するため、使用しているうちに部品が摩耗したり、異音や振動などの異常が発生したりします。
そのため、決められた点検項目に沿って設備の状態を確認します。
目視や音で設備の異常を確認する
点検では、設備を実際に見たり動作させたりしながら異常がないか確認します。
例えば、以下のような変化です。
- これまで聞かなかった異音がする
- 設備の振動が大きくなっている
- 部品が摩耗している
- 油漏れが発生している
- 温度が通常より高くなっている
- 設備の動作が不安定になっている
異常を早期に発見できれば、設備が大きく故障する前に対応できます。
厚生労働省のjob tagでも、設備・装置の定期点検や構内を巡回して異常を確認する業務が掲載されています。
仕事内容2:設備のメンテナンス
設備の状態を維持するために、定期的なメンテナンスも行います。
代表的なのが、注油、清掃、部品交換などです。
注油・清掃・部品交換を行う
機械には多くの可動部品があります。
適切に注油されていなければ部品同士の摩擦が大きくなり、故障につながる可能性があります。
また、設備に汚れや異物が蓄積することで、正常に動作しなくなる場合もあります。
そのため、設備保全では機械をきれいな状態に保ち、必要に応じて消耗部品を交換します。
メンテナンスは、設備が故障してから行うのではなく、故障を防ぐために行う重要な仕事です。
仕事内容3:設備の故障・トラブル対応
設備が突然停止した場合は、設備保全担当者が原因を調査します。
例えば、製造ラインの設備が動かなくなった場合、以下のような原因を一つずつ確認します。
- 電源や配線に問題がないか
- センサーが正常に動いているか
- モーターに異常がないか
- 部品が破損していないか
- 制御装置に異常がないか
- 異物が設備に入り込んでいないか
設備保全では、単純に部品を交換するだけではなく、「なぜ故障したのか」を考えることが重要です。
突発的なトラブルへの対応もある
定期点検とは異なり、故障はいつ発生するか分かりません。
そのため、工場によっては製造部門から突然呼び出され、設備の復旧を求められる場合があります。
厚生労働省のjob tagでも、現場からの突発的なトラブル発生報告への対応や、軽微なライン停止の復旧などが設備保全関連職のタスクとして掲載されています。
設備停止による生産への影響を抑えるため、原因を素早く切り分ける力が求められます。
仕事内容4:設備や部品の修理
故障した設備を修理することも、設備保全の代表的な仕事内容です。
設備の状態を確認したうえで、故障した部品を交換したり、分解して原因を確認したりします。
すべての修理を自社で行うわけではない
設備保全だからといって、すべての故障を自分たちだけで修理するとは限りません。
自社で対応できる軽微な故障は保全担当者が修理し、専門的な知識や特殊な部品が必要な場合は、設備メーカーや外部業者に依頼するケースがあります。
厚生労働省のjob tagでも、大きな故障の場合はメーカーなどに連絡する業務が挙げられています。
そのため、設備保全では「自分で修理する能力」だけでなく、「自社で対応すべきか、メーカーに依頼すべきか」を判断することも重要です。
仕事内容5:設備の改善
設備保全では、現在ある設備を修理するだけでなく、故障やトラブルを減らすための改善活動も行います。
例えば、同じ部品が何度も故障しているのであれば、部品の材質や構造を見直すといった改善が考えられます。
改善によって設備停止を減らす
設備の故障が繰り返される場合、その都度修理しているだけでは根本的な解決になりません。
そこで、「なぜこの部品が壊れるのか」「なぜ同じトラブルが繰り返されるのか」「設備の構造を変更できないか」といった視点から原因を分析します。
設備保全の経験を積むと、単純な点検・修理だけではなく、こうした改善業務に携わるケースもあります。
仕事内容6:部品や工具の管理
設備保全では、修理やメンテナンスに使用する部品・工具の管理も行います。
例えば、モーターやベルト、センサーなどの交換部品を在庫として管理します。
故障が発生したにもかかわらず必要な部品がない場合、復旧までに時間がかかってしまいます。
そのため、
- どの部品をどれだけ保管するか
- 交換部品が不足していないか
- 必要な部品をいつ発注するか
などを管理します。
厚生労働省のjob tagでも、修理用備品の在庫管理・発注が設備保全関連職の仕事内容として紹介されています。
仕事内容7:点検・修理内容の記録と報告
設備保全では、現場作業だけでなく記録や報告も重要です。
例えば、
- どの設備を点検したか
- どのような異常があったか
- どの部品を交換したか
- 故障の原因は何だったか
- 次回どのような対応が必要か
などを記録します。
これらの情報を蓄積することで、次回同じトラブルが発生した際の対応に活用できます。
また、設備の故障履歴を分析することで、予防保全や設備改善につなげられる場合もあります。
設備保全では「直して終わり」ではなく、記録を残して次の改善につなげることも重要です。
設備保全の1日の仕事内容・流れ
設備保全の1日の流れは、勤務先や担当設備によって異なります。
一般的なイメージとしては、以下のような流れです。
| 時間帯 | 主な仕事内容 |
| 始業 | 引き継ぎ・設備状況の確認 |
| 午前 | 設備巡回・定期点検 |
| 午前〜午後 | メンテナンス・部品交換 |
| 午後 | 故障対応・設備改善 |
| 終業前 | 点検結果・修理内容の記録 |
| 終業 | 引き継ぎ・報告 |
ただし、設備保全の仕事では突発的な故障が発生するため、毎日この通りに進むとは限りません。
予定していた点検をしている途中で製造ラインが停止し、急きょトラブル対応を行うこともあります。
特に24時間稼働する工場では、勤務時間や交替制勤務の有無が異なるため、転職時には求人票を確認する必要があります。
設備保全で扱う設備は会社によって違う
「設備保全」という職種名だけでは、実際にどのような設備を担当するのか分からない場合があります。
製造工場では生産設備、物流倉庫では搬送設備、その他の施設では空調や電気設備など、対象となる設備はさまざまです。
厚生労働省のjob tagでも、設備保全に関連する職業として、工場設備保全員、プラント保全工、機械保全工など複数の職業名が掲載されています。
そのため、求人を見る際は「設備保全」という職種名だけではなく、具体的な担当設備を確認しましょう。
機械設備の保全
機械設備の保全では、製造装置や搬送装置などの点検・修理を行います。
機械の構造や部品の役割を理解することが重要です。
電気設備の保全
電気設備を担当する場合は、電気系統や制御盤、センサーなどを扱うことがあります。
電気・電子系の知識を活かせる可能性があります。
産業用ロボットの保全
工場では産業用ロボットを使った自動化も進んでいます。
厚生労働省のjob tagでも、産業用ロボットの保守・メンテナンスを行う職業が掲載されており、必要に応じて修理も行う仕事として説明されています。
物流設備の保全
物流倉庫ではコンベアなどの搬送設備を管理・保全する仕事があります。
job tagでは、物流設備の保全について、設備の巡回点検、異常対応、部品交換、メーカーへの修理依頼、備品管理、現場改善の企画提案などが仕事内容として紹介されています。
設備保全に必要なスキル5つ
設備保全では、以下のようなスキルが役立ちます。
| スキル | 活かされる場面 |
| 機械の知識 | 設備の構造理解・修理 |
| 電気の知識 | 電気系トラブルへの対応 |
| 問題解決力 | 故障原因の特定 |
| 観察力 | 異常の早期発見 |
| コミュニケーション力 | 製造部門・メーカーとの連携 |
特に重要なのが、問題解決力です。
設備が停止したときには、症状だけを見て部品を交換するのではなく、原因を切り分ける必要があります。
また、設備保全は製造部門と協力して進める仕事でもあります。
製造担当者から「いつから異常が出たのか」「どのような動きをしていたのか」などを聞き取ることで、故障原因を特定しやすくなります。
設備保全に資格は必要?
設備保全は、必ず資格がなければできない仕事ではありません。
一方で、保全に関する知識や技能を証明するために資格取得を目指す人もいます。
代表的な資格の一つが「機械保全技能士」です。
資格の必要性は企業によって異なるため、転職を考えている場合は、希望する求人の応募条件や資格手当などを確認しましょう。
また、電気設備を扱う求人では、担当業務によって電気関連資格が求められる場合があります。
資格を先に取得することだけを目的にするのではなく、希望する設備保全求人で何が求められているかを確認することが重要です。
設備保全の仕事内容はきつい?負担になりやすいポイント
設備保全は技術を身につけられる一方で、仕事内容によっては負担を感じることもあります。
代表的なのは、突発的な故障対応です。
設備が突然停止した場合は、予定外の対応が必要になります。
また、勤務先によっては交替勤務や夜勤がある場合もあります。
一方で、これらは「設備保全という職種そのもの」の特徴と、「勤務先の設備・勤務体制」の特徴を分けて考える必要があります。
例えば、同じ設備保全でも、
- 日勤のみ
- 交替勤務あり
- 夜勤あり
- 呼び出し対応あり
- 点検中心
- 故障対応中心
など、仕事内容は求人によって異なります。
転職を検討する際は、「設備保全だからきつい」と一括りにせず、具体的な仕事内容と勤務条件を確認しましょう。
設備保全の仕事内容から考えるキャリア
設備保全として経験を積むことで、設備改善や生産技術などへ仕事の幅を広げられる場合があります。
例えば、以下のようなキャリアが考えられます。
| キャリア | 経験を活かせる領域 |
| 設備保全 | 点検・修理・メンテナンス |
| 保全リーダー | 保全計画・チーム管理 |
| 設備改善 | 設備の改善・故障削減 |
| 生産技術 | 生産設備・工程の改善 |
| 設備エンジニア | 設備導入・技術管理 |
特に設備改善や設備導入に関わる経験は、その後のキャリアを考えるうえで重要になる可能性があります。
IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちも、設備保全の転職相談では「現在の仕事内容」だけでなく、「今後どの技術領域を経験したいのか」まで確認することをおすすめしています。
例えば、機械設備の点検だけを続けたいのか、電気・制御まで扱いたいのか、生産技術にキャリアを広げたいのかによって、選ぶべき求人は変わります。
設備保全の仕事内容や求人選びに迷っている方へ
設備保全は、同じ職種名でも担当設備や故障対応の範囲、勤務形態によって仕事内容が大きく異なります。
「自分の経験を活かせる設備保全求人を知りたい」「生産技術などへのキャリアも考えたい」という場合は、現在の経験を整理してから求人を比較すると選びやすくなります。
設備保全の仕事内容を理解して求人を選ぼう
設備保全の仕事内容は、単純な点検や修理だけではありません。
主な業務は以下の7つです。
- 設備の定期点検
- 設備のメンテナンス
- 故障・トラブル対応
- 設備や部品の修理
- 設備改善
- 部品・工具の管理
- 点検・修理内容の記録と報告
設備保全の仕事では、設備を「直す」だけでなく、「故障させない」「同じ故障を繰り返さない」ことも重要です。
また、仕事内容は企業によって大きく異なります。
転職する際は、「設備保全」という職種名だけを見るのではなく、担当する設備・修理範囲・勤務形態・設備改善への関与度まで確認することが重要です。
機械や電気に関する経験を活かして、設備改善や生産技術などへキャリアを広げられるケースもあります。
自分がこれまで経験してきた設備や業務を整理し、今後身につけたい技術と照らし合わせながら求人を選びましょう。
設備保全の仕事内容に関するよくある質問
Q1.設備保全の仕事内容は何ですか?
主な仕事内容は、設備の定期点検、メンテナンス、故障対応、修理、設備改善、部品管理、記録・報告などです。
担当する設備や業務範囲は企業によって異なります。
Q2.設備保全は毎日修理をする仕事ですか?
必ずしもそうではありません。
定期点検やメンテナンスを行いながら、故障が発生した場合に修理・復旧を行います。
また、企業によっては設備改善や保全計画の作成なども担当します。
Q3.設備保全は未経験から転職できますか?
求人によっては未経験者を対象としている場合があります。
ただし、求められる経験や資格は企業によって異なるため、応募条件を確認する必要があります。
Q4.設備保全ではどんな設備を扱いますか?
工場の生産設備、搬送設備、産業用ロボット、プラント設備など、企業によってさまざまです。
そのため、求人票で担当設備を確認することが重要です。
Q5.設備保全は夜勤がありますか?
勤務先によって異なります。
工場が24時間稼働している場合などは交替勤務や夜勤があるケースがあります。一方、日勤中心の求人もあります。
Q6.設備保全から生産技術を目指せますか?
設備改善や設備導入などの経験を積むことで、生産技術に関連する経験を得られる場合があります。
ただし、必要な経験やスキルは企業によって異なります。
Q7.設備保全に向いている人はどんな人ですか?
機械や設備に興味があり、故障の原因を考えることが好きな人は、設備保全との相性を検討しやすいでしょう。
また、細かな異常に気づく観察力や、製造担当者・メーカーと連携するコミュニケーション力も重要です。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

