転職の軸の決め方|5ステップと記入式シート、エンジニアの軸の例も解説

転職の軸の決め方|5ステップと記入式シート、エンジニアの軸の例も解説

「転職の軸がわからない」「どうやって決めればいいのか」と検索したあなたは、求人を見ても決めきれずに迷っているのではないでしょうか。転職の軸は、今の不満と満足を書き出して実現したいことに言い換え、譲れない条件を1〜2個に絞って決めるのが基本です。軸が定まると、求人選びや面接での受け答えに一貫性が生まれます。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、転職の軸の決め方と、エンジニアの軸の例、面接での伝え方を解説します。

そもそも転職の軸とは|なぜ決める必要があるのか

転職の軸とは、転職先を選ぶときに「これだけは譲れない」と考える判断基準のことです。軸があると、数多くの求人の中から自分に合う企業を効率よく選べます。

軸を決めておくと、次のようなメリットがあります。

  • 求人を比較するときに迷いにくくなる
  • 入社後の「思っていたのと違う」を防ぎやすくなる
  • 志望動機や退職理由に一貫性が生まれる
  • 複数の内定が出たときの判断基準になる

相談現場では「やりたいことが特にないので、軸を決められない」という声をよく聞きます。軸は「やりたいこと」だけでなく、「避けたいこと」や「今の職場で満足している点」からも見つけられます。

転職の軸になる主な要素【一覧】

転職の軸になる要素は、大きく「仕事」「働き方」「待遇」「環境」「将来」の5つに分けられます。

分類軸の例求人・選考で確認する方法
仕事担当したい工程、扱いたい技術や製品求人票の業務内容、面接での業務説明
働き方リモート勤務、残業時間、勤務地求人票の勤務条件、面接での質問
待遇年収、評価制度、福利厚生求人票の給与欄、内定時の条件提示
環境開発体制、チームの規模、社風面接での質問、現場社員との面談
将来キャリアパス、事業の成長性、身につくスキル事業内容の確認、面接での質問

すべてを満たす求人はまれです。5つのうち、自分にとって最も重要なものを見極めることが、軸を決める第一歩になります。

転職の軸の決め方5ステップ【記入式シート】

軸は「書き出す→切り分ける→言い換える→絞る→基準にする」の5ステップで決めると、ぶれにくくなります。

1. 今の職場の不満と満足を書き出す

不満だけでなく、満足している点も書き出しましょう。満足している点は、転職後も手放したくない条件になりやすいからです。

2. 不満の原因が職種か職場環境かを切り分ける

不満の原因が職種そのものにあるのか、今の職場環境にあるのかを切り分けます。環境が原因なら、同じ職種のまま働き方や体制を軸にします。仕事内容が原因なら、職種や領域そのものを軸に据えます。

SES(客先に常駐して技術を提供する契約形態)で働く方からは、「開発の仕事は好きだが、配属先を自分で選べない」という声を聞きます。この場合は職種ではなく、「自社で長く開発に携われるか」という環境が軸になります。

3. 不満を「実現したいこと」に言い換える

不満を裏返すと、目指す方向が見えてきます。

  • 「残業が多い」→「計画的に開発を進められる環境で働きたい」
  • 「技術が古い」→「新しい技術を業務で扱いたい」
  • 「評価が不透明」→「成果が正当に評価される制度で働きたい」

4. 優先順位を付け、譲れない軸を1〜2個に絞る

言い換えた条件を、次の3段階に分けます。譲れない条件は1〜2個に絞るのがポイントです。

優先度考え方記入例あなたの回答
譲れない条件満たされないなら転職しない自社製品の開発に携われる(記入)
できれば叶えたい条件満たされるとうれしい週2日以上のリモート勤務(記入)
妥協できる条件ほかが満たされるなら譲れる年収は現状維持でもよい(記入)

5. 軸を求人選びの判断基準に落とし込む

軸を決めたら、確かめる項目まで具体化します。「自社製品の開発に携われる」が軸なら、「受託開発の比率」「客先常駐の有無」を求人票や面接で確認する、という形です。

自分の軸が見えてきたら、ほかのエンジニアの選び方も参考になります。転職事例やはじめの一歩の進め方をLINEで配信しているので、まずは情報を受け取るところから始めてみてください。

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エンジニアの転職の軸の例|IT系・機電系

エンジニアの軸は、「どの工程・技術に携わりたいか」と「どんな環境で働きたいか」を組み合わせると具体的になります。

IT系エンジニアの軸の例

  • 自社サービスの開発に、企画段階から携わりたい
  • 要件定義(システムに必要な機能を決める工程)など、上流工程に挑戦したい
  • クラウドなど、需要の高い技術を業務で扱いたい
  • フルリモートで、長く働き続けられる環境がほしい
  • 社内SEとして、自社の業務改善に深く関わりたい

機電系エンジニアの軸の例

  • 新製品の構想段階から設計に携わりたい
  • 回路設計で、EMC(電磁的な干渉を防ぐ性能)対策の専門性を高めたい
  • 組込・制御で、PLC(機械を制御する専用装置)の開発経験を広げたい
  • 夜勤や交替勤務のない職場で、設備保全の経験を活かしたい
  • 量産品の図面修正中心から、開発寄りの業務に移りたい

求人・選考の傾向として、エンジニア採用では職種名が同じでも、担当工程や開発体制が大きく異なります。職種名ではなく「工程」「技術」「体制」の言葉で軸を持つと、求人を比較しやすくなります。

年代・状況別に見る転職の軸の考え方

年代や状況によって、軸に置くと活かしやすい要素は変わります。ただし、以下はあくまで傾向であり、当てはまらなくても問題ありません。

  • 20代:身につけたいスキルや、経験の幅を軸にしやすい
  • 30代:専門性の深め方や、担う役割の広げ方を軸にしやすい
  • 40代:マネジメントや専門性を活かせる役割、働き方の安定を軸にしやすい
  • 未経験:目指す職種と、研修や育成の体制を軸にする
  • 家庭の事情がある場合:勤務地、リモート勤務、残業時間など働き方を軸にする

軸は一度決めたら終わりではありません。ライフステージやキャリアの段階に応じて、見直して構いません。

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転職の軸を面接で聞かれたときの答え方

面接で転職の軸を聞かれたら、「軸→そう考える理由→応募先との一致」の順に伝えます。企業は、あなたの軸と自社の特徴が合っているかを見ています。

回答例:「私の転職の軸は、自社製品の開発に長く携われることです。前職では常駐先が短期間で変わり、一つのシステムを改善し続ける経験を積みにくいと感じてきました。貴社は自社サービスを継続的に改善する体制があるため、設計から運用まで一貫して力を発揮できると考えています。」

伝えるときは、次の3点を意識しましょう。

  • 軸は1〜2個に絞って伝える
  • 年収や休日などの待遇だけを軸として伝えない
  • 応募先ごとに、軸と一致する点を具体的に示す

退職理由と転職の軸が同じ方向を向いていると、面接官に一貫性のある人物として伝わりやすくなります。

データで見るエンジニアの転職市場|年収を軸にする場合の目安

IT系エンジニアは求人の選択肢が多いからこそ、軸を持って比較することが大切です。

情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業計の1.12倍を上回っています。選べる求人が多いほど、自分なりの判断基準がないと迷いやすくなります。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)

年収を軸にする場合は、相場を知ったうえで現実的な目標を立てましょう。

指標金額(目安)
システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収約574万円
システムエンジニア(基盤システム)の平均年収約684万円
給与所得者全体の平均年収約478万円
システムエンジニアの年代別賃金20代前半 約377万円から40代後半 約760万円(ピーク)

出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」「job tag/システムエンジニア(基盤システム)」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく)

出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

上記はシステムエンジニアの数値で、職種や経験によって水準は異なります。年代別賃金は調査年が異なるため、目安として捉えてください。機電系は別分野のため、上記の数値は当てはまりません。

年収は大切な軸ですが、それだけで選ぶと仕事内容や働き方のミスマッチが起きやすい点には注意しましょう。

転職の軸を決めるときの注意点・よくある失敗

よくある失敗は、軸を増やしすぎることと、今の不満の裏返しだけで軸を決めてしまうことです。

1. 軸を増やしすぎて応募先がなくなる

譲れない条件が多いと、当てはまる求人が極端に少なくなります。譲れない条件は1〜2個にとどめましょう。

2. 今の不満の裏返しだけで決める

残業の少なさだけで選んだ結果、技術的な成長の機会が減ってしまうこともあります。満足している点も軸に含めて考えましょう。

3. 年収や知名度だけで決める

条件面だけで選ぶと、入社後に仕事内容が合わないと感じやすくなります。仕事や環境の軸とあわせて判断しましょう。

4. 選考中に軸がぶれる

軸を見直すこと自体は問題ありません。ただし、見直す理由を言葉にしておかないと、応募先への説明に矛盾が生じます。

5. 軸にこだわりすぎて選択肢を狭める

譲れない条件以外は、柔軟に考えることも大切です。想定外の求人が、軸を満たす選択肢になることもあります。

軸が決まらないまま、一人で抱え込まないでください

今の悩みの相談だけでもかまいません。市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。初回面談はWeb・電話で約20分です。
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まとめ

  • 転職の軸とは、転職先を選ぶときに譲れない判断基準のこと
  • 軸は「書き出す→切り分ける→言い換える→絞る→基準にする」の5ステップで決める
  • 不満の原因が職種か職場環境かを切り分けると、軸の方向性が定まる
  • エンジニアは「工程・技術・体制」の言葉で軸を持つと、求人を比較しやすい
  • 軸は1〜2個に絞り、面接では応募先との一致点とあわせて伝える

よくある質問

転職の軸が見つからないときはどうすればよいですか?

やりたいことから考えて見つからない場合は、「避けたいこと」や「今の職場で満足している点」から考えてみましょう。満足点は転職後も残したい条件、避けたいことは次の職場で解消したい条件になります。一人で整理しにくいときは、第三者に話しながら言葉にすると見つかりやすくなります。

転職の軸はいくつあればよいですか?

譲れない軸は1〜2個に絞るのがおすすめです。それ以外は「できれば叶えたい条件」として数個持っておくと、求人を比較するときに役立ちます。譲れない条件が多すぎると、当てはまる求人が極端に少なくなり、転職活動が進みにくくなります。

転職の軸と志望動機の違いは何ですか?

転職の軸は、どの会社を選ぶときにも共通する判断基準です。志望動機は、その会社を選んだ理由です。自分の軸と応募先の特徴が一致する点が、志望動機の核になります。軸が明確だと、応募先ごとの志望動機も組み立てやすくなります。

年収アップを転職の軸にしてもよいですか?

年収アップを軸にすること自体は問題ありません。ただし、面接で年収だけを軸として伝えると、条件次第でまた転職するのではと懸念されることがあります。成果を正当に評価される環境や、担いたい役割とあわせて伝えましょう。相場を把握し、現実的な目標を立てることも大切です。

転職活動の途中で軸を変えてもよいですか?

変えて問題ありません。求人や面接を通じて、自分の優先順位が変わることはよくあります。ただし、見直した理由を言葉にしておかないと、応募中の企業への説明に矛盾が生じます。軸を変えたら、志望動機や退職理由との一貫性もあわせて確認しましょう。

軸を決める前に、まずはいろいろな転職の形に触れてみたい方もいるでしょう。環境を変えた方の事例や求人の傾向をLINEでお届けしているので、気軽に受け取ってみてください。

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この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部

主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。

この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也

関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。