「面接 希望年収 答え方」と検索したあなたは、金額をどう伝えれば選考に響かないか迷っているのではないでしょうか。結論として、希望年収は「現年収を基準にした具体的な金額」と「その根拠」をセットにし、幅を持たせて伝えるのが基本です。「お任せします」だけの回答は判断材料が乏しく、かえって低い水準で検討が進むことがあります。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、答え方の4パターンと状況別の例文、相場の調べ方までを解説します。
結論:幅と根拠をセットにして伝える
回答の型は決まっています。次の3点を押さえておけば、どの企業でも対応できます。
・現年収を基準に、下限と上限のある幅で伝える
・幅の根拠を一言添える(現年収、家族の事情、経験の範囲など)
・「ただし業務内容や評価制度を踏まえてご相談させてください」と柔軟性を示す
大切なのは、金額そのものより伝え方です。希望年収は交渉の開始地点であり、面接の場で確定させる数字ではないと考えてください。根拠のある金額を示したうえで相談の余地を残せば、強気に見られることはほとんどありません。
面接で希望年収を聞かれる3つの理由
質問の意図が分かると、答えるべき内容も定まります。企業側の目的は主に3つです。
- 社内の給与テーブルや採用予算と照らし合わせるため
- 条件が折り合わずに辞退されないかを事前に確認するため
- 自己評価と市場水準の感覚が大きくずれていないかを見るため
3番目は見落とされがちです。現年収から大きくかけ離れた金額を根拠なく提示すると、金額そのものより「相場観の甘さ」が気にされることがあります。
相談の現場でも、「金額を言うと落とされそうで、毎回お任せしますと答えている」という声を聞きます。ただし企業側は、答えがないと社内で検討を進められません。伝えること自体が不利になるわけではない点は、押さえておいてください。
希望年収の答え方4パターン
答え方は大きく4つに分かれます。状況に応じて使い分けてください。
| パターン | 伝え方 | 向いている場面 |
| 幅で伝える | 下限と上限を示し、根拠を添える | ほとんどの選考(基本形) |
| 1点で伝える | 具体的な金額を1つ示す | 求人票のレンジが明示されている場合 |
| 規定に委ねる | 貴社規定に従うと伝える | 未経験からの応募、金額に強い希望がない場合 |
| 条件込みで伝える | 年収以外の条件と合わせて示す | 働き方や役割を重視している場合 |
1. 現年収を基準に幅で伝える
最も汎用性の高い型です。「現年収が○○万円のため、○○万円から○○万円を希望します」と、事実と希望をつなげて伝えます。
メリット:根拠が明確で、企業側が社内で検討しやすい。
注意点:幅を広く取りすぎると、下限で検討が進みやすくなる。差は50万円程度に収める。
2. 具体的な金額を1点で伝える
求人票に提示レンジが書かれている場合は、その範囲内で1点を示すほうが話が早く進みます。
メリット:意思が明確に伝わり、条件面のすり合わせが短時間で終わる。
注意点:提示レンジの上限を指定する場合、それに見合う実績の説明が必要になる。
3. 貴社規定に従うと伝える
金額に強い希望がない場合や、未経験からの応募で相場が読めない場合の選択肢です。
メリット:条件面より仕事内容を重視している姿勢が伝わる。
注意点:これだけで終えると判断材料がないため、「現年収は○○万円です」と事実は添える。
4. 年収以外の条件と合わせて伝える
リモート勤務や裁量の広さを重視する場合は、優先順位も含めて伝えます。
メリット:金額以外で折り合える余地が生まれる。
注意点:条件を並べすぎると論点がぼやける。優先順位は2つまでに絞る。
希望年収を決める5ステップ
金額は、面接の場で考えるものではありません。次の順で事前に整理してください。所要時間は30分程度です。
- 現年収を分解する(次の表に記入する)
- 求人票の提示レンジと給与構成を確認する
- 公的データで職種の水準を確認する
- これ以下では応募しないという下限を決める
- 下限と上限の幅、および一言の根拠に落とし込む
現年収の把握は、思っている以上に間違いが起きます。次の項目を書き出してみてください。
| 項目 | 金額(記入) | 確認先 |
| 基本給(年間) | 円 | 給与明細、給与規程 |
| 賞与(前年度実績) | 円 | 賞与明細 |
| 固定残業代・手当 | 円 | 給与明細 |
| 変動する残業代(年間概算) | 円 | 給与明細(複数月分) |
| 合計(額面年収) | 円 | 源泉徴収票と照合 |
源泉徴収票の支払金額と照合すると、記憶との差が確認できます。面接で伝える現年収は、手取りではなく額面の合計額です。ここを取り違えると、提示額が想定より低くなる原因になります。
選考の進め方や、条件面をどう整理するかといった情報をLINEでも配信しています。応募先がまだ決まっていない段階でも受け取っていただけます。
相場の調べ方|データで見る年収水準
自分の希望額が妥当かどうかは、公的データで確認できます。参考になる指標を整理します。
| 指標 | 金額(目安) |
| システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収 | 約574万円 |
| システムエンジニア(基盤システム)の平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
| 20代前半の水準 | 約377万円 |
| 40代後半の水準(ピーク) | 約760万円 |
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発)」、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
同じシステムエンジニアでも、担当する領域によって水準が異なります。社内システム担当やAI関連、コンサルティング領域などは職務が異なるため、上記は参考として関連するIT職種の水準と捉えてください。
需給の面も押さえておくと判断しやすくなります。情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業計の1.12倍を上回っています。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
なお、機械設計や回路設計、生産技術といった機電系職種については、職種単位の平均年収を示す公的データが限られます。上記のIT系の数値は分野が異なるため、機電系の相場として読み替えないようご注意ください。
ここで一度考えていただきたいのが、現在の年収に不満がある原因を「自分のスキルの市場価値」と「今の会社の給与体系という環境」に切り分けることです。同じ経験でも、評価制度や事業の収益構造によって支給額は変わります。市場価値の問題であればスキルの棚卸しが先になり、環境の問題であれば同じ領域で給与水準の高い企業を検討するという判断になります。
そのまま使える回答例文
状況別の文例を挙げます。金額は仮の例のため、ご自身の数字に置き換えてください。
・基本形:現年収が500万円ですので、550万円から600万円を希望いたします。ただし業務内容や評価制度を伺ったうえで、ご相談させていただければと思います。
・求人票にレンジがある場合:求人票を拝見し、提示いただいている範囲のなかで580万円程度を希望いたします。
・現年収を維持したい場合:現年収と同水準を希望いたします。金額よりも、担当できる領域の広さを重視しております。
・未経験から応募する場合:貴社規定に従います。参考までに、現年収は400万円です。
・在職中で賞与が変動する場合:昨年度の実績で520万円でした。賞与の変動があるため、固定部分を重視してご検討いただけますと幸いです。
・条件と合わせて伝える場合:年収は現状維持でかまいませんので、リモート勤務の頻度についてご相談させていただけますと幸いです。
・答えを保留したい場合:業務内容を詳しく伺ったうえでお伝えしたいのですが、現年収は480万円です。
どの例文も、事実(現年収)と希望(金額)と余地(相談したい旨)の3要素で構成されています。この3点がそろっていれば、言い回しは自由です。
年代・状況別の考え方
置かれている状況によって、重心の置き方は変わります。
・20代:金額より経験の幅を優先したほうが、後の選択肢が広がる場面が多くあります
・30代:現年収の維持を下限に置き、担当範囲の広がりと合わせて判断します
・40代以降:役割やポジションと金額をセットで伝えると、企業側も検討しやすくなります
・未経験から目指す方:貴社規定に従う形で問題ありません。現年収は事実として添えます
・在職中の方:引き継ぎ期間も含め、入社可能日と合わせて伝えると調整が進みます
・離職中の方:前職の年収を基準にしつつ、直近の水準であることを一言添えます
これらは傾向であり、決めつける必要はありません。同じ年代でも、家庭の事情や経験の密度によって優先順位は変わります。
やってはいけない答え方5つ
内容より、伝え方で損をする場面が目立ちます。
- お任せしますだけで終える:判断材料がなく、社内検討が進みません
- 現年収を多めに伝える:源泉徴収票の提出時に食い違いが生じます
- 根拠なく大幅な増額を提示する:相場観を疑われる原因になります
- 手取り額で答える:額面との差で認識がずれます
- 生活費の不足を理由にする:企業側が調整できない事情のため、根拠になりません
2番目は特に注意が必要です。入社手続きの段階で確認される場合があり、信頼に関わります。事実は正確に伝えてください。
なお、労働条件は採用時に企業から明示されることとされており、面接で伝えた希望額がそのまま契約内容になるわけではありません。私たちはキャリアの専門家であり、法律の専門家ではありません。提示条件に不明点がある場合は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門窓口にご確認ください。
希望額をいくらに置くべきか、判断がつかないときは
相場は職種や担当領域によって大きく変わり、公開データだけでは読み切れない部分があります。経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
・希望年収は、現年収を基準にした幅と、その根拠をセットで伝えるのが基本
・「お任せします」だけで終えず、現年収という事実は必ず添える
・金額は面接前に決めておく。現年収は額面で分解し、源泉徴収票と照合する
・公的データで職種の水準を確認し、求人票の提示レンジと照らし合わせる
・年収への不満は、スキルの市場価値の問題か、今の会社の給与体系の問題かを切り分けて考える
よくある質問
希望年収を高く言うと落とされますか?
金額だけを理由に見送られる場面は多くありません。問題になりやすいのは、根拠がないまま大幅な増額を提示する場合です。現年収や担当実績とつなげて説明できていれば、企業側も社内で検討を進めやすくなります。
「お任せします」と答えるのは避けるべきですか?
それだけで終えるのは避けてください。判断材料がないと検討が止まり、結果として低い水準で話が進むことがあります。金額に強い希望がない場合でも、現年収を事実として添えておけば十分です。
現年収は額面と手取りのどちらを伝えますか?
額面で伝えます。賞与や固定残業代を含めた年間の支給総額が基準です。手取りで伝えると認識がずれ、提示額が想定より低くなる原因になります。源泉徴収票の支払金額と照合しておくと確実です。
面接で答えた希望年収は変えられませんか?
選考の途中で変更を申し出ること自体は可能です。ただし、根拠なく金額だけを引き上げると説明が難しくなります。業務範囲や役割が当初の想定と変わった場合など、理由を添えて伝えるのが現実的です。
求人票に年収の幅が書かれている場合はどう答えますか?
その範囲内で希望を伝えるのが基本です。上限に近い金額を希望する場合は、それに見合う実績を説明できるよう準備してください。範囲を超える希望がある場合は、理由とともに相談する形にします。
未経験からの応募でも希望年収を伝えるべきですか?
「貴社規定に従います」で問題ありません。ただし、現年収は事実として添えておくと、企業側が水準を検討しやすくなります。生活上の下限がある場合のみ、その金額を一言伝えてください。
選考の進み方や、条件面をどう整理して臨むかといった情報をLINEでもお届けしています。転職時期が固まっていない段階でも気軽に受け取っていただけます。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

人材紹介事業部 事業統括責任者 堀 凌也
関西学院大学卒業後、新卒で当社入社。入社直後よりリクルーティングアドバイザーとしてトップクラスの成績を収め、組織内最年少で拠点責任者に抜擢。
現在は求職者への価値提供と企業の採用課題解決を両立する事業統括責任者として、組織の急成長と人材育成を牽引。
