「機電系とは」と検索したあなたは、就職活動や求人情報で見かけた「機電系」という言葉の意味を知りたいのではないでしょうか。
機電系とは、主に機械工学・電気工学・電子工学など、ものづくりに関わる技術分野をまとめた呼び方です。
ただし、「機電系」という独立した一つの職種があるわけではありません。機械設計、回路設計、生産技術、設備保全、組込・制御など、さまざまな仕事につながります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、機電系の意味から代表的な職種、仕事内容、就職先までわかりやすく解説します。
機電系とは?意味をわかりやすく解説
機電系は、主に機械工学・電気工学・電子工学などの学問分野をまとめて表現する言葉です。特に企業の採用活動や就職活動で使われることが多い表現です。
「機電」という言葉は、「機械」と「電気」を組み合わせたものと考えると理解しやすいでしょう。
ただし、企業によって「機電系」に含める範囲は完全に同じではありません。
一般的には、次のような分野が対象になります。
| 分野 | 主な学問・知識 | 関連する仕事の例 |
| 機械系 | 機械工学、材料力学、機械力学など | 機械設計、生産技術 |
| 電気系 | 電気工学、電力、制御など | 電気設計、設備設計 |
| 電子系 | 電子工学、電子回路など | 回路設計、半導体 |
| 制御系 | 制御工学、計測など | 制御設計、組込開発 |
| その他の関連分野 | 精密工学、ロボット工学など | ロボット、精密機器関連 |
重要なのは、「機電系」は職種名というより、複数の技術分野をまとめた呼び方だということです。
例えば「機電系の求人」と書かれていても、実際の仕事内容は機械設計の場合もあれば、電気設計や生産技術の場合もあります。
そのため、求人を見るときは「機電系」という言葉だけで判断せず、具体的な職種と担当業務まで確認することが大切です。
機電系に含まれる主な分野
機電系という言葉を理解するには、「機械」「電気」「電子」「制御」の違いを押さえておくと分かりやすくなります。
機械系
機械系は、機械や製品の構造、動き、強度などを扱う分野です。
代表的な知識には、材料力学、機械力学、熱力学、流体力学などがあります。
仕事では、自動車、産業機械、医療機器、半導体製造装置などの設計や開発に活用されます。
厚生労働省の職業情報提供サイトでは、機械設計技術者について、顧客の要望を確認し、仕様を検討したうえで、製図ソフトや解析ツールを用いて設計すると説明されています。
電気系
電気系は、電気を安全かつ効率的に利用するための技術を扱う分野です。
電力設備や電気設備だけでなく、製品を動かすための電気的な仕組みも対象になります。
例えば電気技術者の仕事には、電気設備や機器の設計、自動制御盤の設計、電気回路の設計などがあります。
電子系
電子系は、電子回路や半導体など、より細かな電気信号を扱う分野です。
身近な製品では、スマートフォン、家電、自動車、産業機器などの電子部品や制御回路に関係しています。
代表的な仕事としては、回路設計や半導体関連の技術職などがあります。
制御系
制御系は、機械や設備を「狙ったとおりに動かす」ための技術分野です。
例えば工場の設備であれば、センサーから情報を受け取り、その情報をもとにモーターや装置を動かす仕組みを設計します。
そのため、機械・電気だけでなく、コンピューターやソフトウェアの知識が関係することもあります。
機電系の代表的な職種
機電系の知識を活かせる仕事は一つではありません。
代表的な職種を整理すると、次のようになります。
| 職種 | 主な仕事内容 | 主に活かす知識 |
| 機械設計 | 製品・装置の構造や部品を設計 | 機械工学、材料力学 |
| 電気設計 | 電気回路や配線などを設計 | 電気工学、電子工学 |
| 回路設計 | 電子回路を設計・評価 | 電子工学、回路理論 |
| 生産技術 | 製品を効率よく作る工程を改善 | 機械、電気、制御 |
| 設備保全 | 工場設備の点検・修理・改善 | 機械、電気 |
| 制御設計 | 機械や設備を動かす仕組みを設計 | 制御工学、電気 |
| 組込・制御 | 機器に組み込む制御機能を開発 | 電子、制御、情報 |
実際の求人では、一つの専門だけではなく、複数分野の知識を求められるケースもあります。
例えば工場設備では、機械的な構造だけでなく、電気設備や制御まで理解する必要があります。
そのため、機電系のキャリアを考える際には、「機電系の仕事に就く」という考え方よりも、「機電系の中でどの専門領域を担当したいか」を考えることが重要です。
機電系の仕事は何をする?
機電系の仕事は、最終的に「製品や設備をつくる・動かす・安定して使えるようにする」という目的につながっています。
例えば製品開発では、次のような流れで複数の職種が関わります。
・企画や要求仕様を整理する
・機械や電気の構造を設計する
・試作品をつくる
・性能や安全性を評価する
・問題があれば設計を修正する
・量産に向けて製造工程を整える
・完成後の品質や設備を管理する
機械設計技術者の場合も、顧客の要望確認から仕様検討、シミュレーション、コストや安全性の検討まで、複数の工程に関わります。
つまり、機電系の仕事は「図面を描くだけ」「機械を修理するだけ」といった単純なものではありません。
担当する職種によって、設計、評価、改善、製造、保全など、関わる工程が大きく変わります。
機電系とIT系の違い
機電系とIT系は、どちらも技術を扱うエンジニアですが、主な対象が異なります。
大まかに整理すると、機電系は「実際の製品や設備」に近く、IT系は「情報やソフトウェア」に近い分野です。
| 比較項目 | 機電系 | IT系 |
| 主な対象 | 機械、設備、電子機器など | システム、ソフトウェア、情報 |
| 主な知識 | 機械、電気、電子、制御 | プログラミング、ネットワークなど |
| 主な成果物 | 製品、設備、回路、機械など | システム、アプリ、サービスなど |
| 主な職種 | 機械設計、電気設計、生産技術など | システムエンジニア、インフラなど |
| 活躍する業界 | 自動車、製造業、電機、設備など | IT、通信、金融、製造など |
ただし、現在は両者の境界が完全に分かれているわけではありません。
例えば工場の自動化では、機械、電気、制御、情報技術が組み合わされます。
そのため、機電系エンジニアが情報技術を学んだり、IT系の技術者が製造現場に関わったりするケースもあります。
機電系の年収・求人需要は?
「機電系の年収はいくらですか」と聞かれることがありますが、機電系全体を一つの職種として集計した年収を示すことは適切ではありません。
機械設計、電気技術者、設備保全などでは仕事内容が異なるためです。
例えば厚生労働省のjob tagでは、機械設計技術者の全国の賃金は年収659万円、電気技術者は703.9万円とされています。いずれも令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした数値です。
| 職種 | 全国の賃金(年収) | 有効求人倍率 |
| 機械設計技術者 | 659万円 | 3.14倍 |
| 電気技術者 | 703.9万円 | 2.43倍 |
出典:厚生労働省「job tag」
これらは「機電系の平均年収」ではなく、各職種の統計です。
そのため転職を考える場合は、「機電系だから年収はいくら」と考えるのではなく、職種・経験・担当工程・企業によって条件を見ることが重要です。
なお、機械設計技術者の有効求人倍率は3.14倍、電気技術者は2.43倍とされています。求人市場を見るうえでは、こうした職種別のデータを確認するほうが実態を把握しやすいでしょう。
出典:厚生労働省「job tag」
機電系の就職先・活躍する業界
機電系の知識は、さまざまなものづくりの現場で活用されています。
代表的な業界には次のようなものがあります。
・自動車
・産業機械
・電機・電子機器
・半導体
・医療機器
・航空・宇宙
・エネルギー
・化学
・プラント
・精密機器
例えば三菱マテリアルでは、機電系の人材が設備やプラントの設計・導入・改善、プロセスエンジニアリング、設計開発などの領域で活躍できると紹介されています。
また、三菱ガス化学では、機械・電気系の社員が工場の工務部門などで、プラントの設計や設備の修繕、保守などに携わる例が紹介されています。
このように、機電系は「機械メーカーだけで働く分野」ではありません。
製造設備を持つ企業であれば、化学や素材など、一見すると機械とは関係が薄そうな業界でも機電系人材が必要とされる場合があります。
機電系に向いている人とは?
機電系に向いているかを考えるとき、単純に「理系だから向いている」と決める必要はありません。
特に次のような志向がある人は、機電系の仕事との相性を検討しやすいでしょう。
・ものづくりに関わりたい
・製品や設備の仕組みに興味がある
・原因を考えて問題を解決することが好き
・数字やデータを使って検証することに抵抗がない
・一つの専門分野を深く学びたい
・複数の部署と協力して仕事を進めたい
一方で、機電系と一口にいっても仕事内容は大きく異なります。
例えば、図面や構造を考えることが好きなら機械設計、電気回路に興味があるなら回路設計、設備改善に興味があるなら生産技術というように、興味の方向から職種を絞っていく方法があります。
ここで大切なのは、適性を決めつけないことです。
「機械系だから機械設計しかできない」というわけではなく、経験や学習によって選択肢を広げられます。
機電系のキャリアを整理したい方へ
現在の経験がどの職種に活かせるのか、どのような求人を選べばよいのかを一人で判断する必要はありません。
経験や希望を整理したうえで、今後のキャリアについて一緒に考えます。
機電系の仕事を選ぶときに確認したいポイント
機電系の求人を探す場合は、「機電系」という大きなくくりだけで求人を比較しないことが重要です。
特に次の5点を確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
| 職種 | 機械設計、電気設計、生産技術など |
| 対象製品 | 自動車、装置、電子機器など |
| 担当工程 | 構想、設計、評価、量産など |
| 使用技術 | CAD、回路設計、制御など |
| キャリア | 専門職、管理職、別職種への展開など |
転職相談では、「機電系の経験はあるけれど、自分がどの職種に分類されるのか分からない」という相談もあります。
その場合は、まず現在の業務を「何を対象に」「どの工程で」「何を担当したか」に分解すると、経験を整理しやすくなります。
また、仕事内容そのものに不満があるのか、職場環境に不満があるのかも分けて考えることが大切です。
職種を変える必要があるのか、それとも同じ機電系の職種で環境を変えればよいのかを切り分けて考えましょう。
例えば、機械設計そのものは好きなのに残業や職場環境に悩んでいるなら、別の機械設計求人を探すことで解決できる可能性があります。
反対に、設計業務そのものに興味を持てなくなった場合は、生産技術や品質保証、設備保全など、経験を活かせる別職種を検討する方法もあります。
機電系から目指せるキャリア
機電系のキャリアは、専門性を深める方向だけではありません。
例えば次のような選択肢があります。
・機械設計として設計領域を広げる
・電気設計から制御分野へ広げる
・生産技術として工程改善の専門性を高める
・設備保全から設備設計や生産技術へ広げる
・専門職として技術力を高める
・プロジェクトをまとめる立場を目指す
・技術営業や技術コンサルタントへ広げる
機電系の専門性を土台に、担当領域を横に広げることも可能です。
特に転職では、「機電系です」とだけ伝えるよりも、「機械設計として産業機械の構想から詳細設計まで担当した」のように具体化することが重要です。
経験の棚卸しをするときは、次の表を使うと整理しやすくなります。
| 項目 | 自分の経験 |
| 対象製品・設備 | |
| 専門分野 | |
| 担当工程 | |
| 使用した技術・ツール | |
| 自分が判断したこと | |
| 改善・成果 | |
| 次に身につけたい専門性 |
この整理ができると、転職先を選ぶときにも「機電系なら何でもよい」ではなく、自分に合う求人を比較しやすくなります。
機電系のキャリアを整理したい方へ
現在の経験がどの職種に活かせるのか、どのような求人を選べばよいのかを一人で判断する必要はありません。
経験や希望を整理したうえで、今後のキャリアについて一緒に考えます。
まとめ
・機電系とは、主に機械・電気・電子などの技術分野をまとめた呼び方です。
・「機電系」という一つの職種があるわけではなく、機械設計や電気設計、生産技術など幅広い仕事があります。
・機電系の求人を見るときは、職種だけでなく対象製品や担当工程まで確認することが重要です。
・機電系の年収は一つの数字で考えず、機械設計や電気技術者など職種別のデータを見る必要があります。
・転職では「機電系」という大きなくくりではなく、自分の専門分野と経験を具体化することがキャリア選択につながります。
機電系の仕事には、機械設計、電気設計、生産技術、設備保全、制御などさまざまな選択肢があります。まずは自分が「何をつくる仕事に関わりたいのか」「どの工程を担当したいのか」を整理すると、進みたい方向が見えやすくなります。
よくある質問
機電系とは何の略ですか?
機電系は、一般的に「機械」と「電気」を組み合わせた呼び方です。機械工学、電気工学、電子工学など、ものづくりに関わる技術分野をまとめて指す場合があります。ただし、企業によって対象範囲は異なるため、求人では具体的な職種を確認しましょう。
機電系は機械系と電気系のどちらですか?
機電系の技術職では、機械・電気・電子などの専門知識が求められる求人が多いため、関連する学習や実務経験が役立ちます。ただし、必要な条件は求人によって異なります。未経験者向けの求人では、入社後の研修を前提とする場合もあるため、応募条件を確認しましょう。
機電系とIT系はどちらがいいですか?
どちらがよいかは、興味や経験によって変わります。実際の製品や設備に関わりたいなら機電系、ソフトウェアや情報システムに関わりたいならIT系を検討しやすいでしょう。ただし、製造業では両分野が組み合わさる仕事もあります。
機電系の代表的な職種は何ですか?
代表的な職種には、機械設計、電気設計、回路設計、生産技術、設備保全、制御設計、組込・制御などがあります。同じ機電系でも仕事内容は大きく異なるため、職種だけでなく担当工程や対象製品まで確認することが重要です。
機電系から転職するときは何をアピールすればよいですか?
「機電系の経験」だけではなく、対象製品、担当工程、使用技術、担当範囲、改善実績などを具体的に伝えることが重要です。例えば「機械設計を経験した」だけでなく、「産業機械の詳細設計を担当し、評価まで携わった」のように説明すると、経験を伝えやすくなります。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。

