「データサイエンティスト検定を取れば転職に役立つのか」「どのような内容が出題されるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
データサイエンティスト検定は必須資格ではありませんが、データサイエンス・データエンジニアリング・ビジネスなどの基礎知識を体系的に学びたい方には役立つ検定です。特に、これからデータサイエンティストを目指す方が、自分の知識を整理する目的で活用できます。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、データサイエンティスト検定の内容や出題範囲、取得メリット、勉強方法、転職での活かし方まで解説します。
データサイエンティストになるために検定は必要?
データサイエンティストとして働くために、データサイエンティスト検定への合格が必須というわけではありません。転職では資格だけではなく、統計やデータ分析、データベース、プログラミングなどを実際に扱えるかが重要です。そのため、「検定に合格すればデータサイエンティストになれる」と考えるのは適切ではありません。
一方で、これからデータ分野を学ぶ方にとっては、必要な知識を体系的に整理する一つの方法になります。
特に、
・データサイエンティストを目指し始めた人
・何から勉強すればよいかわからない人
・データ分析の基礎を体系的に確認したい人
・現在の知識レベルを確認したい人
などには活用しやすいでしょう。
データサイエンティスト検定とは
データサイエンティスト検定リテラシーレベルは、一般社団法人データサイエンティスト協会が実施する検定です。
データサイエンティストに必要な知識について、見習いレベルの実務能力や知識を有していることを証明することを目的としています。
対象として想定されているのは、データサイエンティスト初学者や、これからデータサイエンティストを目指す社会人、大学生・専門学校生などです。
試験では、データ分析の知識だけが問われるわけではありません。データサイエンティストに必要となる幅広い知識を確認します。
主な領域は、
・データサイエンス
・データエンジニアリング
・ビジネス・価値創造
・データやAIを扱ううえでの基礎知識
などです。
つまり、統計だけを勉強すれば対応できる試験ではなく、データを使って課題を解決するための基礎知識を幅広く確認する検定と考えるとわかりやすいでしょう。
出典:一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」
データサイエンティスト検定の試験概要
2026年9月時点で案内されている第14回試験は、2026年11月7日から11月22日まで実施予定です。受験資格に制限はなく、全国の試験会場で受験する方式となっています。
| 項目 | 内容 |
| 試験名称 | データサイエンティスト検定 リテラシーレベル |
| 受験資格 | 制限なし |
| 試験方式 | 選択式・全国の試験会場で実施 |
| 問題数 | 100問 |
| 試験時間 | 100分 |
| 一般受験料 | 税抜10,000円 |
| 学生受験料 | 税抜5,000円 |
| 第14回試験期間 | 2026年11月7日~11月22日 |
第14回の個人申込期間は、2026年9月21日から10月23日までと案内されています。
試験日程や料金は今後変更される可能性があるため、申し込み前には必ず公式情報を確認してください。
出典:一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」
データサイエンティスト検定の出題範囲
データサイエンティスト検定では、幅広い領域から問題が出題されます。
2026年実施分では、2025年に更新されたスキルチェックリストに基づき、基盤、データサイエンス、データエンジニアリング、価値創造などの領域が試験範囲に含まれています。
| 分野 | 学ぶ内容の例 |
| 基盤 | 論理的思考、課題設定、データ理解、倫理、セキュリティ |
| データサイエンス | 統計、数学、データ分析、推定・検定 |
| データエンジニアリング | データ処理やデータ活用に必要な技術 |
| 価値創造 | データをビジネス課題の解決へつなげる考え方 |
数学・統計
データサイエンス領域では、統計や数学の基礎が問われます。
たとえば、
・確率
・統計
・推定
・検定
・線形代数
・微分・積分
などです。
すべてを高度な専門レベルまで学ぶというより、データ分析に必要となる基礎的な考え方を理解することが重要です。
データ分析
データを確認し、分析に適した状態へ加工するための知識も含まれます。
・データの確認
・データクレンジング
・データ加工
・特徴量の作成
・分析方法の設計
などが対象です。実際のデータサイエンティストの仕事でも、分析前にデータを整理する工程は重要です。
ビジネス・課題解決
データサイエンティストは、分析だけをする仕事ではありません。企業が抱える課題を理解し、どのデータを使って何を明らかにするか考える必要があります。
そのため、論理的思考や課題設定、成果指標などに関する内容も試験範囲に含まれます。
AI・データ活用
AIや生成AIを含め、社会でどのようにデータやAIが利用されているのかも問われます。技術そのものだけではなく、データやAIを扱ううえでの倫理や注意点も理解しておく必要があります。
出典:一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」
データサイエンティスト検定を取得する3つのメリット
データサイエンティスト検定に合格したからといって、転職や採用が保証されるわけではありません。しかし、学習する過程そのものにもメリットがあります。
1.必要な知識を体系的に学べる
データサイエンティストを目指し始めると、「統計から学ぶべきか」「プログラミングから始めるべきか」と迷いやすくなります。検定の出題範囲を基準にすると、必要な分野を整理しやすくなります。
特に初学者にとって、学ぶべき範囲を把握するための指標として使えることがメリットです。
2.自分の知識の不足分を確認できる
統計は理解していても、ビジネス課題の整理が苦手という人もいます。反対に、業務経験は豊富でもデータ分析や数学の知識が不足している場合もあります。検定対策を進めることで、自分が得意な領域と不足している領域を確認できます。
3.学習経験を転職活動で説明しやすい
未経験からデータ分野を目指す場合、応募時点では実務経験が少ないことがあります。その際、検定取得に向けた学習内容を説明することで、どの分野を学んできたのか伝えやすくなります。
ただし、資格名だけを書くのではなく、
・統計をどこまで学んだか
・どのようなデータ分析を行ったか
・実際に何を作ったか
まで説明できるようにすることが重要です。
データサイエンティスト検定は転職に役立つ?
データサイエンティスト検定は、転職活動で知識を示す材料の一つにはなります。ただし、検定だけで実務能力をすべて証明できるわけではない点には注意が必要です。データサイエンティストの求人では、職種によって以下のような経験が求められることがあります。
・データ分析
・統計
・データベース
・プログラミング
・機械学習
・事業課題の分析
IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちへの相談でも、「資格を取ってから転職活動を始めるべきか」という相談があります。
資格取得を待つことで応募のタイミングを逃すより、現在の経験で応募できる求人を確認しながら、不足している知識を学ぶ方法もあります。
特にIT経験者であれば、これまでの開発やデータベースの経験が評価につながる可能性があります。
データ分野への転職で何を学ぶべきか迷っている方へ
経験豊富なアドバイザーが、現在の経験と希望するキャリアを丁寧にヒアリングし、資格取得が必要なのか、実務経験を優先すべきなのかを一緒に整理します。情報収集目的の相談も歓迎です。
レベル別・目的別|データサイエンティスト検定がおすすめな人
データサイエンティスト検定が向いているかは、現在の経験や目的によって異なります。
未経験・初学者
これからデータサイエンティストを目指す人は、学習範囲を把握する目的で活用できます。
統計、データ分析、ビジネスなどを横断して学べるため、「何から学べばよいかわからない」という人にも向いています。
ITエンジニア
開発やデータベースなどの経験があるITエンジニアは、自分に不足しているデータサイエンスやビジネス領域を確認する目的で活用できます。すでに持っているIT知識と、新しく必要になる知識を分けて考えると効率的です。
業務でデータを扱っている人
マーケティングや企画などでデータを扱っている場合にも、データ分析について体系的に学ぶきっかけになります。技術職だけではなく、データを使った意思決定に関わる人にも学習内容を活かせるでしょう。
データサイエンティスト検定の効率的な勉強方法
検定対策では、問題を暗記するだけではなく、各分野の考え方を理解することが重要です。出題範囲を確認し、苦手分野を洗い出してから勉強する方が効率的です。
1.まず試験範囲を確認する
最初に公式サイトで最新の試験範囲を確認します。
試験範囲は変更される可能性があるため、古い情報だけを参考にしないようにしましょう。
2.分野ごとに理解度を確認する
次に、
・数学・統計
・データ分析
・データエンジニアリング
・ビジネス
・AI・データ活用
などに分け、自分の理解度を整理します。
すでにITエンジニアとして経験がある場合は、すべてを最初から勉強する必要はありません。
3.公式教材や模擬問題を活用する
データサイエンティスト協会では、検定対策に関連する書籍や講座、模擬問題が案内されています。最新の試験範囲に対応しているか確認したうえで利用しましょう。
4.わからない分野を実際に試す
統計やデータ分析については、用語を覚えるだけでは理解しにくいことがあります。
実際のデータを使い、
・データを集計する
・グラフで可視化する
・分析結果を説明する
といった作業を行うと、知識と実務を結びつけやすくなります。
検定だけではなく身につけたい実務スキル
データサイエンティストを目指すなら、検定対策だけで学習を終わらせないことが重要です。資格の知識と実務スキルには違いがあります。
たとえば、以下のような能力を身につけておくとよいでしょう。
| スキル | 実務での活用例 |
| 統計 | データの傾向や関係を分析する |
| データベース操作 | 必要なデータを抽出する |
| プログラミング | データ加工や分析を行う |
| データ可視化 | 分析結果をわかりやすく伝える |
| 課題設定 | 分析する目的を明確にする |
| 説明力 | 結果を事業部門へ伝える |
データサイエンティストへの転職を目指す場合、検定の合格だけではなく、「学んだ知識を何に使えるのか」を説明できる状態を目指しましょう。
資格取得と実務経験のどちらを優先する?
転職を目的としている場合、資格取得と実務経験のどちらか一方に絞る必要はありません。
現在応募できる求人があるなら転職活動を進めながら、不足している知識を並行して学ぶ方法もあります。
たとえば、すでに開発経験やデータベース操作の経験がある人なら、資格取得を待たずにデータ関連求人を確認してみる価値があります。
一方、ITやデータ分析が完全に未経験の場合は、基礎学習を優先した方が求人内容を理解しやすくなります。
私たちがキャリア相談で重視しているのは、知識が不足していることが課題なのか、それとも現在の職場にデータ分析を経験できる機会がないことが課題なのかを切り分けることです。
知識が不足しているなら、検定などを活用して学ぶ方法があります。
環境が原因なら、資格取得だけを続けるより、データを扱える職種や企業へ環境を変えることも選択肢です。
資格を取ってから転職すべきか迷っている方へ
市場価値を客観的に確認したうえで、資格取得を優先するべきか、現在の経験を活かして転職活動を始められるのかを一緒に整理します。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
データサイエンティスト検定について重要なポイントを整理します。
・データサイエンティストになるための必須資格ではない
・データ分析やビジネスなど必要な知識を体系的に学べる
・初学者が学習範囲を整理する目的でも活用できる
・転職では検定だけでなくデータ分析などの実務スキルも重要
・資格取得と転職活動のどちらを優先するかは現在の経験によって判断する
データサイエンティスト検定は、合格そのものを目的にするより、データサイエンティストに必要な知識を整理するために活用するとよいでしょう。
転職を目指す場合は、検定で得た知識を実際のデータ分析や業務経験へつなげていくことが重要です。
よくある質問(FAQ)
データサイエンティスト検定は国家資格ですか?
データサイエンティスト検定は国家資格ではなく、一般社団法人データサイエンティスト協会が実施する検定です。データサイエンティストに必要な基礎的な実務能力や知識を確認することを目的としています。
データサイエンティスト検定は未経験でも受験できますか?
受験資格に制限はありません。公式にもデータサイエンティスト初学者や、これから目指す社会人、学生などが対象として示されています。未経験者が学習目標として利用することもできます。
データサイエンティスト検定の試験時間は何分ですか?
試験時間は100分で、100問の選択式問題が出題されます。全国の試験会場で実施される方式です。実施内容が変更される可能性もあるため、受験前には最新情報を確認してください。
データサイエンティスト検定を取れば転職できますか?
合格だけで転職が決まるわけではありません。転職では統計やデータ分析、データベース、プログラミングなどの経験も重要です。資格は知識を示す材料の一つとして活用しましょう。
データサイエンティスト検定は独学でも勉強できますか?
合格だけで転職が決まるわけではありません。転職では統計やデータ分析、データベース、プログラミングなどの経験も重要です。資格は知識を示す材料の一つとして活用しましょう。
データサイエンティスト検定と資格取得、実務経験はどちらが重要ですか?
転職では実務経験が重要になる求人もあります。一方、未経験者には検定を通じた基礎学習も役立ちます。現在のスキルと希望する求人を確認し、不足している部分を補うことが大切です。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
